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建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律

平成28年法律第111号
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    第1章 総則

    (目的)

    第1条 この法律は、国民の日常生活及び社会生活において建設業の果たす役割の重要性、建設業における重大な労働災害の発生状況等を踏まえ、公共工事のみならず全ての建設工事について建設工事従事者の安全及び健康の確保を図ることが等しく重要であることに鑑み、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関し、基本理念を定め、並びに国、都道府県及び建設業者等の責務を明らかにするとともに、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策の基本となる事項を定めること等により、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって建設業の健全な発展に資することを目的とする。


    (定義)

    第2条 この法律において「建設工事」とは、建設業法(昭和24年法律第100号)第2条第1項に規定する建設工事をいう。

     この法律において「建設工事従事者」とは、建設工事に従事する者をいう。

     この法律において「建設業者」とは、建設業法第2条第3項に規定する建設業者をいう。

     この法律において「建設業者等」とは、建設業者及び建設業法第27条の37に規定する建設業者団体をいう。


    (基本理念)

    第3条 建設工事従事者の安全及び健康の確保は、建設工事の請負契約において適正な請負代金の額、工期等が定められることにより、行われなければならない。

     建設工事従事者の安全及び健康の確保は、このために必要な措置が建築物等の設計、建設工事の施工等の各段階において適切に講ぜられることにより、行われなければならない。

     建設工事従事者の安全及び健康の確保は、建設工事従事者の安全及び健康に関する建設業者等及び建設工事従事者の意識を高めることにより、安全で衛生的な作業の遂行が図られることを旨として、行われなければならない。

     建設工事従事者の安全及び健康の確保は、建設工事従事者の処遇の改善及び地位の向上が図られることを旨として、行われなければならない。


    (国の責務)

    第4条 国は、前条の基本理念(次条及び第6条において「基本理念」という。)にのっとり、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。


    (都道府県の責務)

    第5条 都道府県は、基本理念にのっとり、国との適切な役割分担を踏まえて、当該都道府県の区域の実情に応じた建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。


    (建設業者等の責務)

    第6条 建設業者等は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、建設工事従事者の安全及び健康の確保のために必要な措置を講ずるとともに、国又は都道府県が実施する建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策に協力する責務を有する。


    (法制上の措置等)

    第7条 政府は、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない。

    第2章 基本計画等

    (基本計画)

    第8条 政府は、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画(以下この条及び次条第1項において「基本計画」という。)を策定しなければならない。

     基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

     建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策についての基本的な方針

     建設工事従事者の安全及び健康の確保に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策

     前二号に掲げるもののほか、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

     厚生労働大臣及び国土交通大臣は、基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

     厚生労働大臣及び国土交通大臣は、前項の規定により基本計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。

     政府は、第1項の規定により基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

     政府は、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する状況の変化を勘案し、並びに建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも5年ごとに、基本計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。

     第3項から第5項までの規定は、基本計画の変更について準用する。


    (都道府県計画)

    第9条 都道府県は、基本計画を勘案して、当該都道府県における建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する計画(次項において「都道府県計画」という。)を策定するよう努めるものとする。

     都道府県は、都道府県計画を策定し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

    第3章 基本的施策

    (建設工事の請負契約における経費の適切かつ明確な積算等)

    第10条 国及び都道府県は、建設工事の請負契約において建設工事従事者の安全及び健康に十分配慮された請負代金の額、工期等が定められ、これが確実に履行されるよう、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する経費(建設工事従事者に係る労働者災害補償保険の保険料を含む。)の適切かつ明確な積算、明示及び支払の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。


    (責任体制の明確化)

    第11条 国及び都道府県は、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する責任体制の明確化に資するよう、建設工事に係る下請関係の適正化の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。


    (建設工事の現場における措置の統一的な実施)

    第12条 国及び都道府県は、建設工事の現場において、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する措置が統一的に講ぜられるよう、建設業者の間の連携の促進、当該現場における作業を行う全ての建設工事従事者に係る労働者災害補償保険の保険関係の状況の把握の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。


    (建設工事の現場の安全性の点検等)

    第13条 国及び都道府県は、建設工事従事者の安全及び健康の確保を図るため、建設工事の現場の安全性の点検、分析、評価等に係る建設業者等による自主的な取組を促進するものとする。

     国及び都道府県は、建設工事従事者の安全及び健康の確保を図るため、建設工事従事者の安全及び健康に配慮した建築物等の設計の普及並びに建設工事の安全な実施に資するとともに省力化及び生産性の向上にも配意した材料、資機材及び施工方法の開発及び普及を促進するものとする。


    (建設工事従事者の安全及び健康に関する意識の啓発)

    第14条 国及び都道府県は、建設工事従事者の安全及び健康に関する建設業者等及び建設工事従事者の意識の啓発を図るため、建設業者による建設工事従事者の従事する業務に関する安全又は衛生のための教育の適切な実施の促進、建設業者等による建設工事従事者の安全及び健康に関する意識の啓発に係る自主的な取組の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

    第4章 建設工事従事者安全健康確保推進会議

    第15条 政府は、厚生労働省、国土交通省その他の関係行政機関(次項において「関係行政機関」という。)相互の調整を行うことにより、建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進を図るため、建設工事従事者安全健康確保推進会議を設けるものとする。

     関係行政機関は、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関し専門的知識を有する者によって構成する建設工事従事者安全健康確保推進専門家会議を設け、前項の調整を行うに際しては、その意見を聴くものとする。

    附 則

    この法律は、公布の日から起算して3月を経過した日から施行する。