林業種苗法
第1条 この法律は、種苗について優良な採取源の指定、生産の事業を行なう者の登録、配布の際の表示の適正化等に関する措置を定めることにより、優良な種苗の供給を確保し、もつて適正かつ円滑な造林を推進して林業総生産の増大及び林業の安定的発展に資することを目的とする。
第2条 この法律において「種苗」とは、林業の用に供される樹木の繁殖の用に供される種子、穂木、茎、根及び苗木(幼苗を含む。以下同じ。)であつて、政令で定める樹種に係るものをいう。
2 この法律において「生産事業」とは、配布の目的をもつて種苗を採取し、又は育成する事業をいい、「生産事業者」とは、生産事業を行なう者をいい、「配布事業」とは、他の者が採取し、又は育成した種苗を配布する事業をいい、「配布事業者」とは、配布事業を行なう者をいう。
第3条 都道府県知事は、優良な種穂(種苗のうち、種子、穂木、茎又は根をいう。以下同じ。)の確保を図るため、農林水産省令で定める基準に従い、配布(配布のためにする苗木の育成を含む。次条第1項、第23条及び第32条第7号において同じ。)の目的のための優良な種穂の採取に適する樹木又はその集団を、育種により育成されたものにあつては育種母樹又は育種母樹林として、その他のものにあつては普通母樹又は普通母樹林として指定することができる。
2 農林水産大臣又は都道府県知事は、前項の基準の作成又は同項の規定による指定に当たつては、森林法(昭和26年法律第249号)の規定による全国森林計画及び地域森林計画、森林の現況等を参酌し、優良な種穂の適切な供給が図られるように配慮しなければならない。
3 都道府県知事は、第1項の規定による指定をしようとするときは、その指定をしようとする樹木又はその集団の所有者(所有権以外の権原に基づきこれらの樹木の使用又は収益をする者があるときは、その者を含む。以下「所有者等」という。)の意見をきかなければならない。
第4条 農林水産大臣は、優良な種穂の採取に適する樹木又はその集団を育成し、又は改良するため特に優良な種穂の確保を図る必要があるときは、関係都道府県知事の意見をきいて、配布の目的のための特に優良な種穂の採取に適する樹木又はその集団を特別母樹又は特別母樹林として指定することができる。
2 農林水産大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、学識経験を有する者の意見をきくとともに、その指定をしようとする樹木又はその集団の所有者等の意見をきかなければならない。
第5条 農林水産大臣又は都道府県知事は、特別母樹若しくは特別母樹林又は育種母樹、育種母樹林、普通母樹若しくは普通母樹林(以下「指定採取源」と総称する。)を指定するときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公示するとともに、その指定採取源の所有者等に通知しなければならない。
2 指定採取源の指定は、前項の規定による公示によつてその効力を生ずる。
第6条 農林水産大臣は、特別母樹又は特別母樹林の指定目的を達成するため必要があるときは、その所有者等に対し、その保護又は管理に関し、必要な処置を講ずること又は有害な行為を行なわないことを命ずることができる。
2 都道府県知事は、育種母樹若しくは育種母樹林又は普通母樹若しくは普通母樹林の指定目的を達成するため必要があるときは、その所有者等に対し、その保護又は管理に関し、必要な処置を講ずること又は有害な行為を行なわないことを指示することができる。
第7条 特別母樹又は特別母樹林の所有者等は、これらの樹木を伐採してはならない。ただし、その指定目的を阻害するおそれがないものとして、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
2 特別母樹又は特別母樹林の所有者等は、次の各号の一に該当する場合には、前項の規定にかかわらず、同項の許可を受けないでこれらの樹木を伐採することができる。この場合には、当該所有者等は、農林水産省令で定めるところにより、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
一 法令又はこれに基づく処分により伐採の義務のある者がその履行として伐採する場合
二 火災、風水害その他の非常災害に際し緊急の用に供する必要がある場合
三 その他農林水産省令で定める場合
3 育種母樹若しくは育種母樹林又は普通母樹若しくは普通母樹林の所有者等は、これらの樹木を伐採しようとするとき(前項第2号に該当する場合には、これらの樹木を伐採したとき。)は、農林水産省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
第8条 国は、特別母樹又は特別母樹林の所有者等に対し、特別母樹又は特別母樹林の指定によりその者が通常受けるべき損失を補償しなければならない。ただし、当該指定が所有者の申請に基づいてされた場合は、この限りでない。
2 前項の規定による補償を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣にこれを請求しなければならない。
3 農林水産大臣は、前項の規定による請求を受けたときは、補償すべき金額を決定し、その請求をした者にこれを通知しなければならない。
4 前項の規定による決定に不服がある者は、その通知を受けた日から6月以内に、訴えをもつて補償すべき金額の増額を請求することができる。
5 前項の訴えにおいては、国を被告とする。
第9条 農林水産大臣又は都道府県知事は、その指定に係る指定採取源について、その指定理由が消滅したときは、遅滞なく、その部分につきその指定を解除しなければならない。
2 農林水産大臣又は都道府県知事は、公益上の理由により必要が生じたときは、その部分につきその指定に係る指定採取源の指定を解除することができる。
3 農林水産大臣は、第1項又は前項の規定によりその指定に係る指定採取源の指定を解除しようとするときは、関係都道府県知事及び学識経験を有する者の意見をきかなければならない。
4 第5条の規定は、第1項又は第2項の規定による指定採取源の指定の解除について準用する。
第10条 生産事業を行おうとする者は、その住所地(法人にあつては、その主たる事務所の所在地。以下同じ。)を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
2 前項の登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
一 氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 生産事業の内容
三 事業所の名称及び所在地
四 生産事業に係る種苗の採取又は育成の場所
五 生産事業の開始年月日
六 生産事業に従事する者で次項第3号イの講習会の課程を修了したものの氏名及び住所
七 その他農林水産省令で定める事項
3 都道府県知事は、前項の申請書を提出した者が次の各号の一に該当する者である場合を除き、政令で定めるところにより、遅滞なく、その登録をしなければならない。
一 この法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者
二 第15条第1項の規定により登録の取消しを受けた日から2年を経過しない者
三 次に掲げる者以外の者
イ 都道府県知事が種苗の生産、流通等に関し必要な知識を修得させることを目的として行なう講習会の課程を修了した者
ロ イに掲げる者以外の者であつて、その生産事業に従事する使用人その他の従業者としてイの講習会の課程を修了した者を置くもの(その置かれる当該講習会の課程を修了した者のすべてが前二号のいずれかに該当するものを除く。)
第11条 都道府県知事は、政令で定めるところにより、毎年一回を常例として、前条第3項第3号イの講習会を開催しなければならない。
2 都道府県知事は、前条第3項第3号イの講習会を開催した場合には、その講習会の課程を修了した者に対し、修了証明書を交付しなければならない。
第12条 都道府県知事は、第10条第1項の登録をしたときは、当該登録を受けた者に対し、次に掲げる事項を記載した登録証を交付しなければならない。
一 登録番号及び登録年月日
二 氏名又は名称及び住所
三 生産事業の内容
四 事業所の名称及び所在地
五 生産事業に係る種苗の採取又は育成の場所
2 生産事業者は、登録証の交付を受けたときは、住所以外の場所に事業所を設けている者にあつては登録証をその住所に備え付けるとともにその写しを当該事業所に備え付け、その他の者にあつては登録証をその住所に備え付けておかなければならない。
3 都道府県知事は、第10条第1項の登録を拒否したときは、その申請者に対し、遅滞なく、理由を付してその旨を通知しなければならない。
第13条 生産事業者は、登録証の記載事項に変更を生じたときは、農林水産省令で定めるところにより、その住所地を管轄する都道府県知事に変更があつた事項及び変更の年月日を届け出て、その書替交付を申請しなければならない。
2 生産事業者は、登録証が滅失し、又は汚損したときは、農林水産省令で定めるところにより、その住所地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出て、その再交付を申請しなければならない。
3 生産事業者は、農林水産省令で定めるところにより、第10条第2項各号に掲げる事項(登録証の記載事項に該当するもの及び同項第5号に掲げるものを除く。)に変更を生じたときは変更があつた事項及び変更の年月日を、生産事業を廃止したときはその旨及び廃止の年月日をその住所地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
第14条 生産事業者が前条第3項の規定により生産事業を廃止した旨を届け出たときは、その登録は、その効力を失う。
2 前項の規定により登録がその効力を失つたときは、当該登録を受けた者は、遅滞なく、登録証をその住所地を管轄する都道府県知事に返納しなければならない。
第15条 都道府県知事は、生産事業者が次の各号の一に該当するときは、その者に係る登録を取り消すことができる。
一 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反したとき。
二 不正な手段により登録を受けたとき。
三 第10条第3項第1号又は第3号に該当することとなつたとき。
2 前項の規定による登録の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
3 第1項の規定により登録を取り消された者は、遅滞なく、登録証を都道府県知事に返納しなければならない。
第16条 都道府県知事は、第10条第1項の登録をしたとき、第14条第1項の規定により登録が失効したとき、又は前条第1項の規定により登録を取り消したときは、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を公告しなければならない。
一 登録番号
二 生産事業者の氏名又は名称及び住所
三 生産事業の内容
四 事業所の名称及び所在地
2 都道府県知事は、第13条第1項の規定により前項第2号から第4号までに掲げる事項に変更があつた旨の届出があつたときは、農林水産省令で定めるところにより、当該変更に係る事項を公告しなければならない。
第16条の2 第10条から前条までに規定するもののほか、生産事業者の登録に関し必要な事項は、政令で定める。
第17条 配布事業者は、配布事業を開始したときは、その開始の日から30日以内に、農林水産省令で定めるところにより、氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地。次項において同じ。)、事業所の所在地その他農林水産省令で定める事項をその住所地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
2 配布事業者は、農林水産省令で定めるところにより、氏名及び住所、事業所の所在地その他農林水産省令で定める事項に変更を生じたときは変更があつた事項及び変更の年月日を、配布事業を廃止したときはその旨及び廃止の年月日をその住所地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
3 前二項に定めるもののほか、配布事業者の届出に関し必要な事項は、政令で定める。
第18条 生産事業者は、その採取又は育成に係る種苗を配布するときは、農林水産省令で定めるところにより、当該種苗の容器又は包装の外部(容器及び包装を用いないものにあつては、各荷口又は各箇。次項において同じ。)に次に掲げる事項を表示した生産事業者表示票を添附しなければならない。ただし、農林水産省令で定める場合において、これらの事項を表示した書面を当該種苗の配布を受ける者に交付するときは、この限りでない。
一 生産事業者表示票という文字
二 種苗の樹種
三 生産事業者の氏名又は名称及び住所
四 種穂にあつてはその採取の場所及び採取した樹木が指定採取源である場合にはその種別(その場所及びその種別が判明しない場合には、その旨)、苗木にあつてはその苗木に係る種穂の採取の場所及び採取した樹木が指定採取源である場合にはその種別並びにその苗木の育成の場所(これらの場所及びその種別が判明しない場合には、その旨)
五 その他農林水産省令で定める事項
2 配布事業者は、種苗をその容器若しくは包装を開き若しくは変更して配布するとき、容器若しくは包装のない種苗を容器に入れ若しくは包装して配布するとき、又は生産事業者表示票の添附されていない種苗を配布するときは、農林水産省令で定めるところにより、当該種苗の容器又は包装の外部に次に掲げる事項を表示した配布事業者表示票を添附しなければならない。ただし、農林水産省令で定める場合において、これらの事項を表示した書面を当該種苗の配布を受ける者に交付するときは、この限りでない。
一 配布事業者表示票という文字
二 配布事業者の氏名又は名称及び住所
三 前項第2号から第5号までに掲げる事項(生産事業者表示票の添附されていない種苗を配布する場合においてこれらの事項が判明しないときは、その旨)
3 生産事業者表示票又は配布事業者表示票には、第1項各号又は前項各号に掲げる事項、商標及び商号、荷口番号及び出荷年月日その他農林水産省令で定める事項以外の事項を表示し、又は虚偽の表示をしてはならない。第1項ただし書及び前項ただし書の書面についても、同様とする。
第19条 都道府県知事は、生産事業者又は配布事業者が、前条第1項若しくは第2項の規定に違反して生産事業者表示票若しくは配布事業者表示票(以下「表示票」と総称する。)を添附せず若しくは同条第1項ただし書若しくは第2項ただし書の書面(以下「表示書」という。)を交付しないで種苗を配布し、又は同条第3項の規定に違反して表示票若しくは表示書に同項に規定する事項以外の事項を表示し若しくは虚偽の表示をして種苗を配布したときは、当該生産事業者又は配布事業者に対し、その違反に係る種苗につき、表示票を添附し若しくは表示書を交付し、又は表示票若しくは表示書の表示を是正すべきことを命ずることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定により命令をした場合において、当該生産事業者又は配布事業者の住所地が他の都道府県の区域内にあるときは、農林水産省令で定めるところにより、その住所地を管轄する都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
第20条 農林水産大臣は、申請があつた場合には、農林水産省令で定めるところにより、種穂が特別母樹若しくは特別母樹林から採取されたものであること又は苗木が特別母樹若しくは特別母樹林から採取された種穂から育成されたものであることについての証明をすることができる。
2 都道府県知事は、申請があつた場合には、農林水産省令で定めるところにより、種穂が育種母樹、育種母樹林、普通母樹若しくは普通母樹林から採取されたものであること又は苗木が育種母樹、育種母樹林、普通母樹若しくは普通母樹林から採取された種穂から育成されたものであることについての証明をすることができる。
3 農林水産大臣又は都道府県知事は、前二項の証明をする場合には、農林水産省令で定める方法により、その職員に、その証明に係る事実を確認させなければならない。
4 第1項及び第2項の証明は、農林水産省令で定めるところにより、その証明をする種苗に農林水産省令で定める様式の証明書を添附してしなければならない。
第21条 何人も、表示票若しくは表示書又は前条第4項の証明書(以下「表示票等」という。)を偽造し、変造し、若しくは不正に使用し、又は配布される種苗につき、偽造し、若しくは変造した表示票等又は表示票等に紛らわしいものを添附し、若しくは交付してはならない。
2 他の生産事業者又は配布事業者の氏名、名称、商標若しくは商号又は他の種苗の樹種、銘柄その他これに類する事項を表示した容器又は包装は、その表示を消さなければ、何人も、種苗の容器又は包装として種苗を配布するために使用してはならない。
第22条 生産事業者は、種穂を採取するときは、指定採取源から採取するように努めなければならない。
第23条 都道府県知事は、造林の適正かつ円滑な推進を図るため特に必要があると認めるときは、配布の目的をもつてする種穂の採取に関し、農林水産省令で定めるところにより、採取すべき時期を指定し、又は劣悪な種穂が採取されるおそれのある樹木若しくはその集団からの採取を禁止することができる。
第24条 農林水産大臣は、造林の適正かつ円滑な推進を図るため特に必要があると認めるときは、農林水産省令で定めるところにより、一定の区域(外国における一定の区域を含む。)において採取され、又は育成される種苗について気候その他の自然条件からみておおむねその樹木としての生育に適すると認められる区域を配布区域として指定することができる。
2 生産事業者及び配布事業者は、種苗につき前項の配布区域が指定されているときは、当該配布区域以外の区域を受取地として種苗を配布してはならない。ただし、林業の試験研究の用に供する場合その他特別の事情がある場合において農林水産大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
第25条 政府は、外国産の劣悪な種苗(林業の用に供される樹木の繁殖の用に供される種子、穂木、茎、根及び苗木(幼苗を含む。)であつて、第2条第1項の政令で定める樹種以外の樹種に係るものを含む。以下この項において同じ。)が輸入されることにより、国内における造林の適正かつ円滑な推進についての著しい支障又は国内における林業の用に供される他の樹木の形質若しくは生育に対する著しい悪影響を生じ、又は生ずるおそれがある場合において、必要があるときは、種苗の輸入に関し、これらの事態を克服するため相当と認められる措置を講ずるものとする。
2 政府は、種苗の供給量がその需要量に比して著しく不足し、又は不足するおそれがある場合において、国内における造林の適正かつ円滑な推進を図るために必要な優良な種苗の供給を確保するため特に必要があるときは、種苗の輸出に関し、相当と認められる措置を講ずるものとする。
第26条 生産事業者及び配布事業者は、農林水産省令で定めるところにより、その事業所ごとに帳簿を備え、種苗を採取し、他の者から配布を受け、又は配布したときは、そのつど、帳簿に、その年月日、樹種、数量その他農林水産省令で定める事項を記載しなければならない。
第27条 農林水産大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、指定採取源の所有者等からその指定採取源に関し必要な事項の報告を求め、又は生産事業者若しくは配布事業者からその業務に関し必要な事項の報告を求めることができる。
第28条 農林水産大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、指定採取源、生産事業者の事業所、配布事業者の事業所その他種穂の採取、苗木の育成、種苗の配布若しくは保管に関係がある場所に立ち入り、樹木若しくはその集団、種苗、その容器若しくは包装若しくは関係書類(その作成又は備付けに代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は備付けがされている場合における当該電磁的記録を含む。)を検査させ、関係者に質問させ、又は種苗を分析検査のため必要な最小量に限り、無償で収去させることができる。
2 前項の規定により立ち入ろうとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第29条 農林水産大臣又は都道府県知事は、生産事業者又は配布事業者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反したときは、これらの者に対し、種苗の採取若しくは育成に関し必要な処置を講ずべきことを命じ、又は種苗の配布を制限し、若しくは禁止することができる。
2 農林水産大臣が前項の規定により命令、制限又は禁止をした場合には、農林水産省令で定めるところにより、当該生産事業者又は配布事業者の住所地を管轄する都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
3 都道府県知事が第1項の規定により命令、制限又は禁止をした場合には、第19条第2項の規定を準用する。
第30条 国及び都道府県は、優良な種苗の供給を確保し、及びその普及を図るため、森林所有者、生産事業者及びこれらの者の組織する団体に対し、必要な助言、指導その他の援助を行なうように努めるものとする。
第31条 国が所有者等である指定採取源については第6条の規定、国、都道府県又は国立研究開発法人森林研究・整備機構が行う生産事業及び配布事業については第10条から第17条まで、第19条、第26条、第29条及び次条から第35条までの規定は、適用しない。
2 国の機関が行なう行為については、第7条第1項の規定による許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関は、その行為をしようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣に協議しなければならない。
3 国の機関は、第7条第2項又は第3項の規定により届出を要する行為をしたとき、又はしようとするときは、これらの規定による届出の例により、その旨を農林水産大臣又は都道府県知事に通知しなければならない。
第32条 次の各号の一に該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
一 第6条第1項の規定による命令に従わなかつた者
二 第7条第1項の規定に違反した者
三 第10条第1項の規定に違反して登録を受けないで生産事業を行なつた者又は偽りその他不正の行為によりその登録を受けた者
四 第18条第1項、第2項又は第3項の規定に違反した者
五 第19条第1項の規定による命令に従わなかつた者
六 第21条第1項の規定に違反して表示票等を不正に使用し、若しくは配布される種苗につき表示票等に紛らわしいものを添附し、若しくは交付した者又は同条第2項の規定に違反した者
七 第23条の規定による指定に係る時期以外の時期において配布の目的をもつて当該指定に係る種穂を採取した者又は同条の規定による禁止に従わなかつた者
八 第24条第2項の規定に違反した者
九 第29条第1項の規定による命令、制限又は禁止に従わなかつた者
第33条 次の各号の一に該当する者は、1万円以下の罰金に処する。
一 第7条第2項又は第3項の規定に違反した者
二 第13条第1項、第2項若しくは第3項又は第17条第1項若しくは第2項の規定に違反した者
三 第26条の規定に違反して帳簿を備えず、又は必要な事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をした者
四 第27条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
五 第28条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第34条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
第35条 第12条第2項、第14条第2項又は第15条第3項の規定に違反した者は、1万円以下の過料に処する。
1 この法律は、公布の日から起算して10月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第3条第3項、第4条及び第11条の規定は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行する。
2 林業種苗法(昭和14年法律第16号)は、廃止する。
5 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
6 政府は、この法律の施行後の諸事情の推移に応じ、生産事業者の登録に関し、事業協同組合、森林組合その他の者の組織する団体等による登録制度の導入等につき検討するものとする。
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
第1条 この法律は、行政手続法(平成5年法律第88号)の施行の日から施行する。
第2条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第13条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
第15条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中地方自治法第250条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第250条の9第1項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第40条中自然公園法附則第9項及び第10項の改正規定(同法附則第10項に係る部分に限る。)、第244条の規定(農業改良助長法第14条の3の改正規定に係る部分を除く。)並びに第472条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第6条、第8条及び第17条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第7条、第10条、第12条、第59条ただし書、第60条第4項及び第5項、第73条、第77条、第157条第4項から第6項まで、第160条、第163条、第164条並びに第202条の規定 公布の日
第93条 施行日前に第287条の規定による改正前の林業種苗法(以下この条において「旧林業種苗法」という。)第19条の規定により都道府県知事が命令をした場合については、第287条の規定による改正後の林業種苗法(以下この条において「新林業種苗法」という。)第19条第2項の規定は、適用しない。
2 施行日前に旧林業種苗法第29条の規定により農林水産大臣又は都道府県知事が命令、制限又は禁止をした場合については、新林業種苗法第29条第2項及び第3項の規定は、適用しない。
第159条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第161条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
第160条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第163条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第2条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
第161条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
第162条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
第163条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第164条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
第250条 新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第251条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第1条 この法律は、平成13年1月6日から施行する。ただし、附則第7条及び第8条の規定は、同日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第1条 この法律は、平成17年4月1日から施行する。
第4条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第1条 この法律は、平成19年4月1日から施行する。
第1条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第14条第2項、第18条及び第30条の規定 公布の日
第28条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
第29条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第30条 附則第3条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
第1条 この法律は、平成29年4月1日から施行する。