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公害防止事業費事業者負担法

昭和45年法律第133号
最終改正:平成23年8月30日法律第105号
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第1章 総則

(趣旨)

第1条 この法律は、公害防止事業に要する費用の事業者負担に関し、公害防止事業の範囲、事業者の負担の対象となる費用の範囲、各事業者に負担させる額の算定その他必要な事項を定めるものとする。


(定義)

第2条 この法律において「公害」とは、環境基本法(平成5年法律第91号)第2条第3項に規定する公害をいう。

 この法律において「公害防止事業」とは、次に掲げる事業であつて、事業者の事業活動による公害を防止するために事業者にその費用の全部又は一部を負担させるものとして国又は地方公共団体が実施するものをいう。

 工場又は事業場が設置されており、又は設置されることが確実である地域の周辺の地域において実施される緑地その他の政令で定める施設の設置及び管理の事業

 汚でいその他公害の原因となる物質がたい積し、又は水質が汚濁している河川、湖沼、港湾その他の公共の用に供される水域において実施されるしゆんせつ事業、導水事業その他の政令で定める事業

 公害の原因となる物質により被害が生じている農用地若しくは農業用施設又はダイオキシン類(ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第2条第1項に規定するダイオキシン類をいう。)により土壌が汚染されている土地について実施される客土事業、施設改築事業その他の政令で定める事業

 下水道その他の施設で特定の事業者の事業活動に主として利用される政令で定めるものの設置の事業

 工場又は事業場の周辺にある住宅の移転の事業その他の事業であつて第1号から第3号までに掲げる事業に類するものとして政令で定めるもの

 この法律において「施行者」とは、国が公害防止事業を実施する場合にあつては国の行政機関又は地方公共団体の長、地方公共団体が公害防止事業を実施する場合にあつては当該地方公共団体の長をいう。


(事業者の負担)

第2条の2 事業者は、その事業活動による公害を防止するために実施される公害防止事業について、その費用の全部又は一部を負担するものとする。

第2章 事業者の負担総額及び事業者負担金

(費用を負担させる事業者の範囲)

第3条 公害防止事業に要する費用を負担させることができる事業者は、当該公害防止事業に係る地域において当該公害防止事業に係る公害の原因となる事業活動を行ない、又は行なうことが確実と認められる事業者とする。


(事業者の負担総額)

第4条 公害防止事業につき事業者に負担させる費用の総額(以下「負担総額」という。)は、公害防止事業に要する費用で政令で定めるもの(以下「公害防止事業費」という。)の額のうち、費用を負担させるすべての事業者の事業活動が当該公害防止事業に係る公害についてその原因となると認められる程度に応じた額とする。

 公害防止事業が第2条第2項第1号から第3号まで又は第5号に係る公害防止事業である場合において、その公害防止の機能以外の機能、当該公害防止事業に係る公害の程度、当該公害防止事業に係る公害の原因となる物質が蓄積された期間等の事情により前項の額を負担総額とすることが妥当でないと認められるときは、同項の規定にかかわらず、同項の額からこれらの事情を勘案して妥当と認められる額を減じた額をもつて負担総額とする。

 公害防止事業が第2条第2項第4号に係る公害防止事業のうち当該公害防止事業に係る施設を事業者以外の者が利用し、かつ、事業者以外の者の利用の態様との均衡を考慮して第1項の額を負担総額とすることが妥当でないものとして政令で定めるものであるときは、同項の規定にかかわらず、同項の額から政令で定めるところにより算定する額を減じた額をもつて負担総額とする。


(事業者負担金の額)

第5条 公害防止事業につき各事業者に負担させる負担金(以下「事業者負担金」という。)の額は、各事業者について、公害防止事業の種類に応じて事業活動の規模、公害の原因となる施設の種類及び規模、事業活動に伴い排出される公害の原因となる物質の量及び質その他の事項を基準とし、各事業者の事業活動が当該公害防止事業に係る公害についてその原因となると認められる程度に応じて、負担総額を配分した額とする。

第3章 事業者負担金の決定及び納付

(費用負担計画)

第6条 施行者は、公害防止事業を実施するときは、審議会の意見をきいて、当該公害防止事業に係る費用負担計画を定めなければならない。

 前項の費用負担計画に定める事項は、次のとおりとする。

 公害防止事業の種類

 費用を負担させる事業者を定める基準

 公害防止事業費の額

 負担総額及びその算定基礎

 前項第2号の費用を負担させる事業者を定める基準は、工場又は事業場の所在する区域、業種、公害の原因となる施設の種類及び規模その他の事項により、事業者の範囲が明確で、かつ、妥当なものとなるよう定めるものとする。

 第2項第3号及び第4号の公害防止事業費の額及び負担総額を定める場合において、これらの額のうちに当該公害防止事業に係る施設の管理に要する毎年度の費用(以下「管理費」という。)が含まれているときは、当該施設の設置に要する費用(以下「設置費」という。)と管理費とに区分するものとする。

 施行者は、第1項の規定により費用負担計画を定めたときは、遅滞なく、その要旨を公表するよう努めなければならない。


第7条 施行者は、次の各号に掲げる事業につき前条第2項第4号の負担総額を定める場合において、第4条第2項の規定を適用して減ずべき額を算定することが困難であると認められるときは、それぞれ当該各号に掲げる割合を同条第1項の額に乗じた額を基準として前条第2項第4号の負担総額とすることができるものとする。

 第2条第2項第1号に係る公害防止事業 四分の一以上二分の一以下の割合

 第2条第2項第2号に係る公害防止事業

 たい積物中に人の健康に有害な物質が相当量含まれ、又は汚でいその他公害の原因となる物質が著しくたい積し、若しくは水質が著しく汚濁している場合 四分の三以上十分の十以下の割合

 イに掲げる場合以外の場合 二分の一以上四分の三以下の割合

 第2条第2項第3号に係る公害防止事業のうち農用地の客土事業その他の政令で定めるもの(公害の原因となる物質が長期にわたつて蓄積された農用地に係るものに限る。) 二分の一以上四分の三以下の割合

 第2条第2項第5号に係る公害防止事業 政令で定める割合


(費用負担計画の変更)

第8条 施行者は、第6条第1項の費用負担計画を変更するときは、審議会の意見をきかなければならない。ただし、その変更が軽易である場合は、この限りでない。

 第6条第5項の規定は、費用負担計画の変更(軽易な変更を除く。)について準用する。


(事業者負担金の額の決定及び通知)

第9条 施行者は、第6条第1項の規定により費用負担計画を定めたときは、次項に規定する者を除き、当該費用負担計画に基づき費用を負担させる各事業者及び事業者負担金の額(負担総額が設置費と管理費とに区分されているときは、設置費に係る事業者負担金の額。以下この条において同じ。)を定めて、当該各事業者に対し、その者が納付すべき事業者負担金の額及び納付すべき期限その他必要な事項を通知しなければならない。

 施行者は、第6条第2項第2号の費用を負担させる事業者を定める基準に該当する事業者で、同条第1項の規定により費用負担計画を定める際現に当該公害防止事業に係る区域に工場又は事業場が設置されていないものについては、当該工場又は事業場の設置後遅滞なく、同項の費用負担計画に基づき事業者負担金の額を定めて、当該事業者に対し、その者が納付すべき事業者負担金の額及び納付すべき期限その他必要な事項を通知しなければならない。

 施行者は、第1項又は前項の規定により事業者負担金の額を定めた後、費用を負担させる事業者又は負担総額に変更があつたとき、その他事業者負担金の額を変更する必要が生じたときは、事業者負担金の額を変更して、当該各事業者に対し、その者が納付すべき変更後の事業者負担金の額及び納付すべき期限その他必要な事項を通知しなければならない。


第10条 負担総額が設置費と管理費とに区分されているときは、施行者は、毎年度、第6条第1項の費用負担計画に基づき管理費を負担させる各事業者及び当該管理費に係る事業者負担金の額を定めて、各事業者に対し、その者が納付すべき当該管理費に係る事業者負担金の額及び納付すべき期限その他必要な事項を通知しなければならない。

 前条第2項及び第3項の規定は、管理費に係る事業者負担金の額の決定及び変更について準用する。


(収入の帰属)

第11条 事業者負担金は、国の行政機関である施行者が決定するものにあつては国、地方公共団体の長である施行者が決定するものにあつては当該地方公共団体の長が統括する地方公共団体の収入とする。


(強制徴収)

第12条 事業者負担金を納付しない事業者があるときは、施行者は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

 前項の場合においては、施行者は、年14.5パーセントの割合を乗じて計算した額をこえない範囲内の延滞金を徴収することができる。

 第1項の規定による督促を受けた事業者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しない場合においては、施行者は、国税滞納処分の例により、前二項に規定する事業者負担金及び延滞金を徴収することができる。この場合における事業者負担金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

 延滞金は、事業者負担金に先だつものとする。


(共同納付の場合の特例)

第13条 施行者は、第6条第1項の規定により費用負担計画を定めた場合において、当該公害防止事業の費用を負担させる事業者の全部又は一部から当該各事業者が負担すべき額について納付の方法を明らかにして共同で納付する旨の申出があり、これを承認したときは、第9条第1項及び第2項(第10条第2項において準用する場合を含む。)並びに第10条第1項の規定にかかわらず、当該各事業者に係る事業者負担金の額を定めないことができる。

 施行者は、前項の申出に係る事業者が当該公害防止事業の費用を負担させる事業者の一部であるときは、事業者負担金の額の決定に準じて、当該申出に係る事業者が共同で負担すべき額を定めなければならない。

 第1項の申出に係る事業者が当該公害防止事業の費用を負担させる事業者の全部である場合には当該負担総額、その一部である場合には前項の規定により定められた額を共同で納付したときは、当該事業者は、その事業者負担金を納付したものとみなす。

 第9条第3項(第10条第2項において準用する場合を含む。)の規定は、第2項の共同で負担すべき額の決定について準用する。


(施行者が定める事項)

第14条 この章に規定するもののほか、公害防止事業に要する費用の事業者負担に関する手続は、施行者が定める。

第4章 雑則

(公害防止事業費負担審議会の設置)

第15条 この法律によりその権限に属させられた事項を調査審議するため、施行者である国の行政機関に、政令で定めるところにより、公害防止事業費負担審議会を置くことができる。

 公害防止事業費負担審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。


(中小企業者に対する配慮等)

第16条 この法律に基づく中小企業者の費用負担に関しては、施行者が費用を負担させる事業者を定める基準及び負担総額の配分の基準の決定並びに事業者負担金の納付について適切な配慮をするほか、国及び地方公共団体は、税制上及び金融上必要な措置を講ずるよう努めるものとする。


(報告の徴収等)

第17条 施行者は、第6条第1項の費用負担計画又は事業者負担金の額を定めるため必要があると認めるときは、当該公害防止事業に係る地域において事業活動を行なう事業者に対し、その事業活動に関し、報告を求め、又は帳簿書類の提出を求めることができる。


(港務局についてのこの法律の適用)

第18条 港湾法(昭和25年法律第218号)第4条第1項の港務局は、この法律の適用については、地方公共団体とみなす。この場合において、次条第4号中「条例」とあるのは、「港湾法第12条の2の規程」と読み替えるものとする。


(審議会)

第19条 第6条第1項及び第8条第1項の審議会は、次のとおりとする。

 施行者が国の行政機関である場合においては、公害防止事業費負担審議会

 施行者が都道府県知事である場合においては、環境基本法第43条の規定により置かれる審議会その他の合議制の機関

 施行者が市町村長である場合においては、環境基本法第44条の規定により置かれる審議会その他の合議制の機関(当該合議制の機関が置かれていない市町村にあつては、条例で定めるところにより置く審議会その他の合議制の機関)

 施行者が地方公共団体の長のうち都道府県知事及び市町村長以外の者である場合においては、当該地方公共団体が条例で定めるところにより置く審議会


(罰則)

第20条 第17条の規定による報告をせず、若しくは帳簿書類を提出せず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の帳簿書類を提出した者は、3万円以下の罰金に処する。


第21条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、同条の罰金刑を科する。

附 則
(施行期日)

 この法律は、公布の日から起算して6月をこえない範囲内において政令で定める日から施行し、この法律の施行後に実施する事業について適用する。

附 則(昭和62年6月2日法律第43号)
(施行期日)

第1条 この法律は、昭和62年10月1日から施行する。

附 則(平成4年5月6日法律第39号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成4年10月1日から施行する。

附 則(平成5年11月19日法律第92号)

この法律は、公布の日から施行する。ただし、第6条中地方自治法別表第七第1号の表の改正規定、第10条中大気汚染防止法第5条の3第2項の改正規定、第12条中公害防止事業費事業者負担法第20条の改正規定、第14条の規定、第15条中水質汚濁防止法第21条の改正規定並びに第16条中農用地の土壌の汚染防止等に関する法律第3条第3項及び第5条第5項の改正規定は、環境基本法附則ただし書に規定する日から施行する。

附 則(平成11年7月16日法律第87号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。


(検討)

第250条 新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。


第251条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附 則(平成11年7月16日法律第105号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成15年5月16日法律第43号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第18条から第27条まで及び第29条から第36条までの規定は、平成16年4月1日から施行する。


(公害防止事業費事業者負担法の一部改正に伴う経過措置)

第24条 公害防止事業費事業者負担法第2条第2項第1号の施設の設置には、機構が附則第7条第1項第1号の規定に基づいて行う事業(旧事業団法第18条第1項第2号に掲げるものに限る。)により設置する施設の譲受けを含むものとし、当該譲受けの事業に係る前条による改正前の同法第18条の規定の適用については、なお従前の例による。


(政令への委任)

第28条 附則第3条から第5条まで、第7条から第17条まで、第19条、第21条、第24条及び前二条に規定するもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成19年4月23日法律第30号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一から二まで 略

 第2条、第4条、第6条及び第8条並びに附則第27条、第28条、第29条第1項及び第2項、第30条から第50条まで、第54条から第60条まで、第62条、第64条、第65条、第67条、第68条、第71条から第73条まで、第77条から第80条まで、第82条、第84条、第85条、第90条、第94条、第96条から第100条まで、第103条、第115条から第118条まで、第120条、第121条、第123条から第125条まで、第128条、第130条から第134条まで、第137条、第139条及び第139条の2の規定 日本年金機構法の施行の日

附 則(平成19年7月6日法律第109号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成22年4月1日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 附則第3条から第6条まで、第8条、第9条、第12条第3項及び第4項、第29条並びに第36条の規定、附則第63条中健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)附則第18条第1項の改正規定、附則第64条中特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第23条第1項、第67条第1項及び第191条の改正規定並びに附則第66条及び第75条の規定 公布の日

附 則(平成19年7月6日法律第111号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(平成23年8月30日法律第105号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。


(罰則に関する経過措置)

第81条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(政令への委任)

第82条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。