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原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法

平成12年法律第148号
最終改正:平成27年6月24日法律第46号
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(目的)

第1条 この法律は、原子力による発電が我が国の電気の安定供給に欠くことのできないものであることにかんがみ、原子力発電施設等の周辺の地域について、地域の防災に配慮しつつ、生活環境、産業基盤等の総合的かつ広域的な整備に必要な特別措置を講ずること等により、これらの地域の振興を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の安定に寄与することを目的とする。


(定義)

第2条 この法律において「原子力発電施設等」とは、原子力発電施設で政令で定める者が設置するもの及び原子力発電と密接な関連を有する施設で政令で定めるものをいう。


(原子力発電施設等立地地域の指定)

第3条 内閣総理大臣は、都道府県知事の申出に基づき、原子力立地会議の審議を経て、一又は二以上の原子力発電施設等(設置されることが確実であるものを含む。)の周辺の地域であって、次の各号に掲げる要件に該当するものを原子力発電施設等立地地域として指定することができる。

 市町村の区域が隣接すること等により自然的経済的社会的条件からみて一体として振興することが必要であると認められること。

 政令で定めるところにより計算された当該原子力発電施設等の発生電力量(原子力発電施設以外の施設にあっては、政令で定めるところにより発生電力量として算定されたものをいう。)の合計が、政令で定める規模以上であること。

 大都市及びその周辺の地域のうち政令で定めるもの又はそれ以外の地域で工業の集積の程度について政令で定める要件に該当するものに属さないこと。

 都道府県知事は、前項の申出をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見を聴かなければならない。

 内閣総理大臣は、第1項の規定により原子力発電施設等立地地域を指定したときは、その旨並びに当該原子力発電施設等及び当該原子力発電施設等立地地域の区域を官報で公示しなければならない。

 前三項の規定は、原子力発電施設等立地地域を変更する場合に準用する。


(振興計画の決定及び変更)

第4条 都道府県知事は、前条第1項の規定により原子力発電施設等立地地域の指定があったときは、原子力発電施設等立地地域の振興に関する計画(以下「振興計画」という。)の案を作成し、内閣総理大臣に提出するものとする。

 都道府県知事は、前項の振興計画の案を作成しようとするときは、関係市町村長及び振興計画に基づく事業を行うこととなる者(国を除く。)の意見を聴かなければならない。

 内閣総理大臣は、第1項の振興計画の案に基づき、原子力立地会議の審議を経て、振興計画を決定する。

 内閣総理大臣は、振興計画を決定したときは、これを当該振興計画の案を提出した都道府県知事に通知するものとする。

 前各項の規定は、振興計画を変更する場合に準用する。


(振興計画の内容)

第5条 振興計画は、当該原子力発電施設等立地地域の生活環境、産業基盤等の総合的な整備等に関し必要な次の各号に掲げる事項について定めるものとする。

 原子力発電施設等立地地域の振興の基本的方針に関する事項

 基幹的な道路、鉄道、港湾等の交通施設及び通信施設の整備に関する事項

 農林水産業、商工業その他の産業の振興に関する事項

 生活環境の整備に関する事項

 高齢者の福祉その他の福祉の増進に関する事項

 防災及び国土の保全に係る施設の整備に関する事項

 教育及び科学技術の振興に関する事項

 前各号に掲げるもののほか、原子力発電施設等立地地域の振興に関し必要な事項

 振興計画は、地域の防災に配慮するとともに、他の法令の規定による地域振興に関する計画と調和が保たれたものでなければならない。


(事業の実施)

第6条 振興計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。


(国の負担又は補助の割合の特例等)

第7条 振興計画に基づく事業のうち、別表に掲げるもので原子力発電施設等立地地域の住民生活の安全の確保に資することから緊急に整備することが必要なものとして政令で定めるもの(次項において「特定事業」という。)に要する経費に対する国の負担又は補助の割合(以下「国の負担割合」という。)は、当該事業に関する法令の規定にかかわらず、同表に定める割合とする。ただし、他の法令の規定により同表に掲げる割合を超える国の負担割合が定められている場合は、この限りでない。

 国は、特定事業に要する経費に充てるため政令で定める交付金を交付する場合においては、政令で定めるところにより、当該経費について前項の規定を適用したとするならば国が負担し、又は補助することとなる割合を参酌して、当該交付金の額を算定するものとする。


(原子力発電施設等立地地域の振興のための地方債)

第8条 振興計画に基づく事業で前条の規定の適用を受けるものにつき当該地方公共団体が必要とする経費の財源に充てるため起こした地方債(当該地方債を財源として設置した施設に関する事業の経営に伴う収入を当該地方債の元利償還に充てることができるものを除く。)で、総務大臣が指定したものに係る元利償還に要する経費は、地方交付税法(昭和25年法律第211号)の定めるところにより、当該地方公共団体に交付すべき地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入するものとする。


(財政上、金融上及び税制上の措置)

第9条 国は、前二条に定めるもののほか、振興計画を達成するために必要があると認めるときは、振興計画に基づく事業を実施する者に対し、財政上、金融上及び税制上の措置を講ずるよう努めなければならない。


(地方税の不均一課税に伴う措置)

第10条 地方税法(昭和25年法律第226号)第6条第2項の規定により、地方公共団体が、原子力発電施設等立地地域の区域内において製造の事業その他政令で定める事業の用に供する設備を新設し、又は増設した者について、その事業に対する事業税、その事業に係る建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税又はその事業に係る機械及び装置若しくはその事業に係る建物若しくはその敷地である土地に対する固定資産税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法第14条の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条の規定にかかわらず、当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(事業税又は固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあっては、これらの措置がなされた最初の年度以降3箇年度におけるものに限る。)のうち総務省令で定めるところにより算定した額を同条の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が総務省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。


(原子力立地会議の設置及び所掌事務)

第11条 内閣府に、原子力立地会議(以下「会議」という。)を置く。

 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。

 原子力発電施設等立地地域に関し、第3条第1項に規定する事項を処理すること。

 振興計画に関し、第4条第3項に規定する事項を処理すること。

 前二号に掲げるもののほか、原子力発電施設等立地地域の振興に関する重要事項を調査審議すること。


(会議の組織等)

第12条 会議は、議長及び議員8人をもって組織する。

 議長は、内閣総理大臣をもって充てる。

 議員は、次に掲げる者をもって充てる。

 総務大臣

 財務大臣

 文部科学大臣

 厚生労働大臣

 農林水産大臣

 経済産業大臣

 国土交通大臣

 環境大臣

 前三項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。


(政令への委任)

第13条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則
(施行期日)

第1条 この法律は、平成13年4月1日から施行する。


(国の負担等に関する規定の適用)

第2条 第7条(別表を含む。以下同じ。)の規定は、平成13年度の予算に係る国の負担又は補助(平成12年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成13年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)から適用する。


(この法律の失効)

第3条 この法律は、平成33年3月31日限り、その効力を失う。ただし、振興計画に基づく事業に係る国の負担金、補助金又は交付金のうち平成33年度以降に繰り越されるものについては、第7条及び第13条の規定は、この法律の失効後も、なおその効力を有する。

附 則(平成13年6月29日法律第92号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成14年4月1日から施行する。

附 則(平成18年3月31日法律第18号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成18年4月1日から施行する。


(義務教育諸学校施設費国庫負担法等の一部改正等に伴う経過措置)

第3条 第3条から第14条まで及び附則第5条から第7条までの規定による改正後の次に掲げる法律の規定は、平成18年度以降の年度の予算に係る国の負担若しくは補助(平成17年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成18年度以降の年度に支出される国の負担又は補助(第15条第1号の規定による廃止前の公立養護学校整備特別措置法第2条第1項及び第3条第1項並びに附則第4項並びに第15条第2号の規定による廃止前の公立高等学校危険建物改築促進臨時措置法第3条第1項の規定に基づく国の負担又は補助を含む。以下この条において同じ。)及び平成17年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成18年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)又は交付金の交付について適用し、平成17年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成18年度以降の年度に支出される国の負担又は補助、平成17年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成18年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び平成17年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成18年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。

一~十一 略

十二 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法

附 則(平成18年4月26日法律第32号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(平成22年12月10日法律第70号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(平成23年3月31日法律第9号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成23年4月1日から施行する。

附 則(平成27年6月24日法律第46号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成28年4月1日から施行する。

別表 (第7条関係)

事業の区分

国の負担割合

道路

道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路の新設又は改築

十分の五・五

港湾

港湾法(昭和25年法律第218号)第2条第2項に規定する国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾における同条第5項に規定する港湾施設のうち水域施設、外郭施設、係留施設及び臨港交通施設(以下「水域施設等」という。)の建設又は改良の工事

十分の五・五(港湾法第42条第1項に規定する国土交通省令で定める小規模なものの建設又は改良の工事にあっては、十分の四・五)

港湾法第2条第2項に規定する地方港湾における水域施設等の建設又は改良の工事

十分の四・五

漁港

漁港漁場整備法(昭和25年法律第137号)第3条第1号に規定する基本施設及び同条第2号に規定する機能施設のうち輸送施設の修築事業

十分の五・五

消防用施設

消防施設強化促進法(昭和28年法律第87号)第3条に規定する消防施設、防災行政無線設備その他政令で定める消防の用に供する施設及び設備の整備

十分の五・五

義務教育施設

義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律(昭和33年法律第81号)第2条第1項に規定する義務教育諸学校のうち公立の小学校、中学校、義務教育学校又は中等教育学校の前期課程(以下「公立小学校等」という。)の同条第2項に規定する建物の新築、増築又は改築

十分の五・五

公立小学校等の木造以外の校舎の補強

二分の一