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独立行政法人造幣局法

平成14年法律第40号
最終改正:平成26年6月13日法律第67号
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第1章 総則

(目的)

第1条 この法律は、独立行政法人造幣局の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。


(名称)

第2条 この法律及び独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人造幣局とする。


(造幣局の目的)

第3条 独立行政法人造幣局(以下「造幣局」という。)は、貨幣の製造等を行うとともに、貨幣に対する国民の信頼を維持するために必要な情報の提供を行うこと等により、通貨制度の安定に寄与することを目的とする。

 造幣局は、前項に規定するもののほか、勲章、褒章、記章及び金属工芸品の製造等並びに貴金属の品位の証明等であって、公共上の見地から必要とされるものを行うことを目的とする。


(行政執行法人)

第4条 造幣局は、通則法第2条第4項に規定する行政執行法人とする。


(事務所)

第5条 造幣局は、主たる事務所を大阪府に置く。


(資本金)

第6条 造幣局の資本金は、附則第4条第2項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。

 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、造幣局に追加して出資することができる。

 造幣局は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。

第2章 役員

(役員)

第7条 造幣局に、役員として、その長である理事長及び監事2人を置く。

 造幣局に、役員として、理事3人以内を置くことができる。


(理事の職務及び権限等)

第8条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して造幣局の業務を掌理する。

 通則法第19条第2項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。

 前項ただし書の場合において、通則法第19条第2項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。


(理事長及び理事の任期等)

第9条 通則法第21条の3第1項の個別法で定める期間は、2年とする。

 理事の任期は、2年とする。


(役員の欠格条項の特例)

第10条 通則法第22条の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるものは、非常勤の理事又は監事となることができる。

 造幣局の非常勤の理事及び監事の解任に関する通則法第23条第1項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人造幣局法第10条第1項」とする。

第3章 業務等

(業務の範囲)

第11条 造幣局は、第3条の目的を達成するため、次の業務を行う。

 貨幣の製造、販売及び鋳つぶしを行うこと。

 貨幣回収準備資金に関する法律(平成14年法律第42号)第2条の規定により設置された貨幣回収準備資金に属する地金の保管を行うこと。

 貨幣に対する国民の信頼を維持するために必要な情報の提供を行うこと。

 勲章、褒章、賜杯、記章及び極印の製造を行うこと。

 公共上の見地から必要な金属工芸品の製造及び販売を行うこと。

 貴金属の精製及び品位の証明並びに地金及び鉱物の分析を行うこと。

 前各号の業務に関し、調査、試験、研究又は開発を行うこと。

 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。

 造幣局は、前項の業務のほか、同項の業務の遂行に支障のない範囲内で、次の業務を行うことができる。

 外国政府、外国の地方公共団体、外国の中央銀行、国際機関その他これらに準ずるもの(以下この号において「外国政府等」という。)の委託を受けて、当該外国政府等の貨幣の製造、販売及び鋳つぶし、勲章その他の金属工芸品及び極印の製造並びに貴金属の精製及び品位の証明並びに地金及び鉱物の分析を行うこと。

 前号の業務に関し、調査、試験、研究又は開発を行うこと。


(貨幣の製造)

第12条 造幣局は、前条第1項第1号の業務(貨幣の製造に限る。以下同じ。)については、財務大臣の定める製造計画に従って行わなければならない。


(通貨制度の安定に重大な影響を与える契約の承認)

第13条 造幣局は、貨幣の偽造を防止するための製造の方法に関する技術(次条において「偽造防止技術」という。)に係る事項その他の第11条第1項第1号及び第7号の業務(同号の業務にあっては、同項第1号の業務に係るものに限る。次条及び第18条において同じ。)の実施に関する事項であって通貨制度の安定に重大な影響を与えるおそれがあるものとして財務省令で定めるものをその内容とする契約を締結しようとするときは、財務大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。


(偽造防止技術に係る秘密の管理)

第14条 造幣局は、第11条第1項第1号及び第7号の業務を行うに当たっては、偽造防止技術に係る秘密について、その漏えいの防止その他の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。


(積立金の処分)

第15条 造幣局は、毎事業年度、通則法第44条第1項本文又は第2項の規定による整理(以下この項において「整理」という。)を行った後、同条第1項の規定による積立金(以下この条において「積立金」という。)がある場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める金額について財務省令で定める基準により計算した額を国庫に納付しなければならない。

 当該事業年度(以下この項及び次項において「対象事業年度」という。)の直前の事業年度(次号において「前事業年度」という。)に係る整理を行った後積立金がなかったとき 対象事業年度に係る整理を行った後の積立金の額に相当する金額

 前事業年度に係る整理を行った後積立金があった場合であって、対象事業年度に係る整理を行った後の積立金の額に相当する金額が前事業年度に係る整理を行った後の積立金の額(当該前事業年度において、この項の規定により国庫に納付した場合にあってはその納付した額を、次項の規定により財務大臣の承認を受けた金額がある場合にあってはその承認を受けた金額に相当する額を、それぞれ控除した残額)に相当する金額を超えるとき その超える額に相当する金額

 造幣局は、前項各号列記以外の部分に規定する場合において、積立金の額に相当する金額から同項の規定により国庫に納付しなければならない額に相当する金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額に相当する金額のうち財務大臣の承認を受けた金額を、対象事業年度の次の事業年度に係る通則法第35条の10第1項の認可を受けた事業計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の事業年度における第11条に規定する業務の財源に充てることができる。

 前二項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。


(長期借入金及び独立行政法人造幣局債券)

第16条 造幣局は、財務大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は独立行政法人造幣局債券(以下この条及び次条において「債券」という。)を発行することができる。

 前項の規定による債券の債権者は、造幣局の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

 前項の先取特権の順位は、民法(明治29年法律第89号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

 造幣局は、財務大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。

 会社法(平成17年法律第86号)第705条第1項及び第2項並びに第709条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。

 前各項に定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。


(償還計画)

第17条 造幣局は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、財務大臣の認可を受けなければならない。

第4章 雑則

(緊急の必要がある場合の財務大臣の命令)

第18条 財務大臣は、貨幣の偽造に対処するため必要があると認めるときその他貨幣の適切かつ確実な製造のため緊急の必要があると認めるときは、造幣局に対し、第11条第1項第1号、第3号及び第7号の業務に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。


第19条 削除


(主務大臣等)

第20条 造幣局に係る通則法における主務大臣及び主務省令は、それぞれ財務大臣及び財務省令とする。


(国家公務員宿舎法の適用除外)

第21条 国家公務員宿舎法(昭和24年法律第117号)の規定は、造幣局の役員及び職員には適用しない。

第5章 罰則

第22条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした造幣局の役員は、20万円以下の過料に処する。

 この法律の規定により財務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。

 第11条に規定する業務以外の業務を行ったとき。

 第18条の規定による財務大臣の命令に違反したとき。

附 則
(施行期日)

第1条 この法律は、平成15年4月1日から施行する。ただし、第20条及び附則第4条の規定、附則第10条の規定(退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計からする一般会計への繰入れに関する法律(昭和25年法律第62号。附則第11条において「繰入法」という。)第1条の改正規定中「自動車損害賠償責任再保険特別会計」を「自動車損害賠償保障事業特別会計」に改める部分に限る。)並びに附則第22条の規定は、公布の日から施行する。


(職員の引継ぎ等)

第2条 造幣局の成立の際現に財務省造幣局の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、造幣局の成立の日において、造幣局の相当の職員となるものとする。


第3条 造幣局の成立の際現に財務省造幣局の職員である者のうち、造幣局の成立の日において引き続き造幣局の職員となったものであって、造幣局の成立の日の前日において財務大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和46年法律第73号)第7条第1項(同法附則第6条第2項、第7条第4項又は第8条第4項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、造幣局の成立の日において児童手当又は同法附則第6条第1項、第7条第1項若しくは第8条第1項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、造幣局の成立の日において同法第7条第1項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第8条第2項(同法附則第6条第2項、第7条第4項又は第8条第4項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、造幣局の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。


(権利義務の承継等)

第4条 造幣局の成立の際現に国が有する権利及び義務のうち、財務省設置法(平成11年法律第95号)第10条第1項に規定する財務省造幣局の事務に係るもので政令で定めるものは、造幣局の成立の時において造幣局が承継する。

 前項の規定により造幣局が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る財産(政令で定める物品を除く。)の価額の合計額から承継される義務に係る負債の価額及び造幣局がその成立の日において有することとなる財務省令で定める引当金の額に相当する金額の合計額を控除した額に相当する金額は、政府から造幣局に対し出資されたものとする。

 前項に規定する財産の価額は、造幣局の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。

 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。


(造幣局特別会計法の廃止)

第5条 造幣局特別会計法(昭和25年法律第63号)は、廃止する。


(造幣局特別会計法の廃止に伴う経過措置)

第6条 造幣局特別会計の平成14年度以前の年度の決算に関しては、なお従前の例による。

 前条の規定による廃止前の造幣局特別会計法第19条の2の規定による平成14年度の一般会計の歳入への繰入れについては、なお従前の例による。この場合において、同条中「回収準備資金から」とあるのは「貨幣回収準備資金に関する法律(平成14年法律第42号)第2条の規定により設置される貨幣回収準備資金から」と、「当該年度」とあるのは「平成14年度」とする。

 この法律の施行の際造幣局特別会計に属する権利及び義務(附則第4条第1項の規定により造幣局に承継されるものを除く。)は、この法律の施行の時において、一般会計に帰属するものとする。

 この法律の施行の際造幣局特別会計の貨幣回収準備資金に属する現金(附則第4条第1項の規定により造幣局に承継される権利に係るものを除く。)及び地金(政府において引き換え、又は回収した貨幣を含む。)は、この法律の施行の時において、貨幣回収準備資金に関する法律第2条の規定により設置される貨幣回収準備資金に帰属するものとする。


(恩給負担金の取扱い)

第7条 この法律の施行前に給与事由が生じた恩給の支払に充てるべき金額で従前の造幣局特別会計が引き続き存続するものとした場合において造幣局特別会計において負担すべきこととなるものについては、造幣局が造幣局特別会計として存続するものとみなし、特別会計の恩給負担金を一般会計に繰り入れることに関する法律(昭和6年法律第8号)の規定を準用する。


(その他の経過措置の政令への委任)

第22条 附則第2条から第4条まで、第6条、第7条、第9条、第11条、第14条から第16条まで及び第18条に定めるもののほか、造幣局の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成17年7月26日法律第87号)

この法律は、会社法の施行の日から施行する。

附 則(平成26年6月13日法律第67号)
(施行期日)

第1条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 附則第14条第2項、第18条及び第30条の規定 公布の日


(独立行政法人造幣局法の一部改正に伴う経過措置)

第13条 施行日の前日を含む中期目標の期間(旧通則法第29条第2項第1号に規定する中期目標の期間をいう。次条第1項において同じ。)に係る積立金(旧通則法第44条第1項に規定する積立金をいう。次条第1項において同じ。)の処分については、第67条の規定による改正前の独立行政法人造幣局法第15条第1項、第2項及び第5項の規定は、なおその効力を有する。この場合において、同条第2項中「中期目標の期間」とあるのは「事業年度」と、「通則法第30条第1項の認可を受けた中期計画」とあるのは「独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号)による改正後の通則法第35条の10第1項の認可を受けた事業計画」とする。


(処分等の効力)

第28条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。


(罰則に関する経過措置)

第29条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令等への委任)

第30条 附則第3条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。