民間事業者による信書の送達に関する法律
第1章 総則
第1条 この法律は、民間事業者による信書の送達の事業の許可制度を実施し、その業務の適正な運営を確保するための措置を講ずることにより、郵便法(昭和22年法律第165号)と相まって、信書の送達の役務について、あまねく公平な提供を確保しつつ、利用者の選択の機会の拡大を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
第2条 この法律において「信書」とは、郵便法第4条第2項に規定する信書をいう。
2 この法律において「信書便」とは、他人の信書を送達すること(郵便に該当するものを除く。)をいう。
3 この法律において「信書便物」とは、信書便の役務により送達される信書(その包装及びその包装に封入される信書以外の物を含む。)をいう。
4 この法律において「一般信書便役務」とは、信書便の役務であって、次の各号のいずれにも該当するものをいう。
一 長さ、幅及び厚さがそれぞれ四十センチメートル、三十センチメートル及び三センチメートル以下であり、かつ、重量が二百五十グラム以下の信書便物を送達するもの
二 国内において信書便物が差し出された日から4日(国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日その他総務省令で定める日の日数は、算入しない。)以内(信書便物が、地理的条件、交通事情その他の条件を勘案して総務省令で定める地域から差し出され、又は当該地域に宛てて差し出される場合にあっては、4日を超え最も経済的な通常の方法により当該地域に係る信書便物を送達する場合に必要な日数として総務省令で定める日数以内)に当該信書便物を送達するもの
5 この法律において「一般信書便事業」とは、信書便の役務を他人の需要に応ずるために提供する事業であって、その提供する信書便の役務のうちに一般信書便役務を含むものをいう。
6 この法律において「一般信書便事業者」とは、一般信書便事業を営むことについて第6条の許可を受けた者をいう。
7 この法律において「特定信書便役務」とは、信書便の役務であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 長さ、幅及び厚さの合計が七十三センチメートルを超え、又は重量が4キログラムを超える信書便物を送達するもの
二 信書便物が差し出された時から3時間以内に当該信書便物を送達するもの
三 その料金の額が800円を下回らない範囲内において総務省令で定める額を超えるもの
8 この法律において「特定信書便事業」とは、信書便の役務を他人の需要に応ずるために提供する事業であって、その提供する信書便の役務が特定信書便役務のみであるものをいう。
9 この法律において「特定信書便事業者」とは、特定信書便事業を営むことについて第29条の許可を受けた者をいう。
第3条 郵便法第4条第2項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 一般信書便事業者が信書便物の送達を行う場合
二 特定信書便事業者が特定信書便役務に係る信書便物の送達を行う場合
三 一般信書便事業者又は特定信書便事業者から信書便の業務の一部の委託を受けた者が当該委託に係る信書便物の送達を行う場合
四 一般信書便事業者又は特定信書便事業者と信書の送達の事業に関する協定又は契約を締結した外国信書便事業者(外国の法令に準拠して外国において信書の送達の事業を行う者をいう。以下同じ。)が当該協定又は契約に基づき信書便物の送達を行う場合
第4条 一般信書便事業者又は特定信書便事業者の取扱中に係る信書便物の検閲は、してはならない。
第5条 一般信書便事業者又は特定信書便事業者の取扱中に係る信書の秘密は、侵してはならない。
2 信書便の業務に従事する者は、在職中信書便物に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。
第2章 一般信書便事業
第1節 事業の許可
第6条 一般信書便事業を営もうとする者は、総務大臣の許可を受けなければならない。
第7条 前条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 次に掲げる事項に関する事業計画
イ 信書便物の引受けの方法
ロ 信書便物の配達の方法
ハ イ及びロに掲げるもののほか、信書便物の送達の方法
ニ その他総務省令で定める事項
三 他に事業を行っているときは、その事業の種類
2 前項の申請書には、事業収支見積書その他総務省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
第8条 次の各号のいずれかに該当する者は、第6条の許可を受けることができない。
一 1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
二 一般信書便事業又は特定信書便事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の通知が到達した日(行政手続法(平成5年法律第88号)第15条第1項の通知が到達した日(同条第3項により通知が到達したものとみなされた日を含む。)をいう。)前60日以内にその法人の役員であった者で当該取消しの日から2年を経過しないものを含む。)
三 法人であって、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者のあるもの
第9条 総務大臣は、第6条の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。
一 その事業の計画が信書便物の秘密を保護するため適切なものであること。
二 その事業の計画が全国の区域において一般信書便役務に係る信書便物(以下この号において「一般信書便物」という。)を引き受け、かつ、配達する計画を含むものであって、事業計画に次に掲げる事項が定められていること。
イ 総務省令で定める基準に適合する信書便差出箱の設置その他の一般信書便物を随時、かつ、簡易に差し出すことを可能とするものとして総務省令で定める基準に適合する信書便物の引受けの方法
ロ 1週間につき5日以上一般信書便物の配達を行うことができるものとして総務省令で定める基準に適合する信書便物の配達の方法
三 前二号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
四 その事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
第10条 一般信書便事業者は、第7条第1項第1号又は第3号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
第11条 一般信書便事業者は、その業務を行う場合には、第6条の許可に係る事業計画(以下この章において単に「事業計画」という。)に定めるところに従わなければならない。
第12条 一般信書便事業者は、事業計画の変更(第3項に規定するものを除く。)をしようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。
2 第9条の規定は、前項の認可について準用する。
3 一般信書便事業者は、総務省令で定める軽微な事項に関する事業計画の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
第13条 一般信書便事業の譲渡し及び譲受けは、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 一般信書便事業者たる法人の合併及び分割は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。ただし、一般信書便事業者たる法人と一般信書便事業を営まない法人が合併する場合において一般信書便事業者たる法人が存続するとき、又は一般信書便事業者たる法人が分割をする場合において一般信書便事業を承継させないときは、この限りでない。
3 第8条及び第9条の規定は、前二項の認可について準用する。
4 第1項の認可を受けて一般信書便事業を譲り受けた者又は第2項の認可を受けて一般信書便事業者たる法人が合併若しくは分割をした場合における合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により一般信書便事業を承継した法人は、第6条の許可に基づく権利義務を承継する。
第14条 一般信書便事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が2人以上ある場合においてその協議により当該一般信書便事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。次項において同じ。)が被相続人の営んでいた一般信書便事業を引き続き営もうとするときは、被相続人の死亡後60日以内に、総務大臣の認可を受けなければならない。
2 相続人が前項の認可の申請をした場合には、被相続人の死亡の日からその認可をする旨又はその認可をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした一般信書便事業の許可は、その相続人に対してしたものとみなす。
3 第8条及び第9条の規定は、第1項の認可について準用する。
4 第1項の認可を受けた者は、被相続人に係る第6条の許可に基づく権利義務を承継する。
第15条 一般信書便事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、総務大臣の許可を受けなければならない。
2 一般信書便事業者たる法人の解散の決議又は総社員の同意は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 総務大臣は、一般信書便事業の休止若しくは廃止又は法人の解散により公共の利益が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除き、第1項の許可又は前項の認可をしなければならない。
第2節 業務
第16条 一般信書便事業者は、総務省令で定めるところにより、一般信書便役務に関する料金(一般信書便役務に係る信書便物の送達の料金以外の料金のうち総務省令で定める料金を除く。第27条第2号において同じ。)を定め、あらかじめ、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の料金は、次の各号のいずれにも適合するものでなければならない。
一 配達地により異なる額が定められていないこと(一般信書便事業者の事業所においてその引受けを行う信書便物であって、その送達に際し当該一般信書便事業者の区分事業所(主として信書便物の区分を行う事業所をいう。)間の運送を要しない信書便物に係る料金を除く。)。
二 大きさ及び形状が総務省令で定める基準に適合する信書便物であって、その重量が二十五グラム以下のものに係る料金の額が、軽量の信書の送達の役務が国民生活において果たしている役割の重要性、国民の負担能力、物価その他の事情を勘案して総務省令で定める額を超えないものであること。
三 定率又は定額をもって明確に定められていること。
四 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
第17条 一般信書便事業者は、信書便の役務に関する提供条件(料金及び総務省令で定める事項に係るものを除く。)について信書便約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
一 信書便物の引受け、配達、転送及び還付並びに送達日数に関する事項、信書便の役務に関する料金の収受に関する事項その他一般信書便事業者の責任に関する事項が適正かつ明確に定められていること。
二 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
第18条 一般信書便事業者は、第16条第1項の規定により届け出た料金(同項の総務省令で定める料金を含む。次条第2項において同じ。)、前条第1項の認可を受けた信書便約款(同項の総務省令で定める事項に係る提供条件を含む。次条において同じ。)その他総務省令で定める事項をその事業所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。
第19条 一般信書便事業者は、正当な理由がなければ、一般信書便役務の提供を拒んではならない。
2 一般信書便事業者は、第16条第1項の規定により届け出た料金及び第17条第1項の認可を受けた信書便約款によらなければ一般信書便役務を提供してはならない。
3 一般信書便事業者は、第17条第1項の認可を受けた信書便約款によらなければ一般信書便役務以外の信書便の役務を提供してはならない。
第20条 一般信書便事業者は、信書便物を引き受けたとき、又は信書の送達の事業に関する協定若しくは契約を締結した外国信書便事業者から信書便物を引き渡されたときは、総務省令で定める場合を除き、総務省令で定めるところにより、当該信書便物の表面の見やすい所に当該一般信書便事業者の取扱いに係る信書便物であることを表示しなければならない。
第21条 一般信書便事業者は、受取人不明その他の事由により信書便物を送達することができない場合において、差出人不明その他の事由により当該信書便物を差出人に還付することができないときは、総務省令で定めるところにより、当該信書便物を開くことができる。
2 一般信書便事業者は、前項の規定により当該信書便物を開いてもなお当該信書便物を送達し、又は差出人に還付することができないときは、総務省令で定めるところにより、当該信書便物を管理しなければならない。
第22条 一般信書便事業者は、その取扱中に係る信書便物の秘密を保護するため、総務省令で定めるところにより、信書便の業務の管理に関する事項について信書便管理規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 総務大臣は、信書便管理規程が一般信書便事業者の取扱中に係る信書便物の秘密を保護するものとして適当であると認めるときは、前項の認可をしなければならない。
3 一般信書便事業者及びその従業者は、信書便管理規程を守らなければならない。
第23条 一般信書便事業者は、信書便の業務の一部を委託しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。
2 総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
一 当該委託を必要とする特別の事情があること。
二 受託者が当該業務を行うのに適している者であること。
第24条 一般信書便事業者は、他の一般信書便事業者又は特定信書便事業者と信書の送達の事業に関する協定又は契約(信書便の業務の一部の委託に関するものを除く。次項及び次条において同じ。)を締結しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。
2 総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
一 当該協定又は契約の締結を必要とする特別の事情があること。
二 一般信書便役務を提供するための協定又は契約でないこと。
第25条 一般信書便事業者は、外国信書便事業者と信書の送達の事業に関する協定又は契約を締結しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。
第3節 監督
第26条 総務大臣は、一般信書便事業者が第11条の規定に違反していると認めるときは、当該一般信書便事業者に対し、事業計画に従い業務を行うべきことを命ずることができる。
第27条 総務大臣は、一般信書便事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、一般信書便事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。
一 事業計画、信書便約款又は信書便管理規程を変更すること。
二 一般信書便役務に関する料金が第16条第2項各号のいずれかに適合していないと認められる場合において、当該料金を変更すること。
三 前二号に掲げるもののほか、事業の運営を改善するために必要な措置をとること。
第28条 総務大臣は、一般信書便事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、6月以内において期間を定めて事業の全部若しくは一部の停止を命じ、又は第6条の許可を取り消すことができる。
一 この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したとき。
二 第8条第1号又は第3号に該当するに至ったとき。
第3章 特定信書便事業
第29条 特定信書便事業を営もうとする者は、総務大臣の許可を受けなければならない。
第30条 前条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 信書便物の送達の方法その他総務省令で定める事項に関する事業計画
三 他に事業を行っているときは、その事業の種類
2 前項の申請書には、事業収支見積書その他総務省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
第31条 総務大臣は、第29条の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。
一 その事業の計画が信書便物の秘密を保護するため適切なものであること。
二 前号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
三 その事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
第32条 特定信書便事業者は、その事業を休止し、又は廃止したときは、その日から30日以内に、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
第33条 特定信書便事業者は、信書便の役務に関する提供条件(料金及び総務省令で定める事項に係るものを除く。)について信書便約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
一 信書便物の引受け、配達、転送及び還付並びに送達日数に関する事項、信書便の役務に関する料金の収受に関する事項その他特定信書便事業者の責任に関する事項が適正かつ明確に定められていること。
二 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
3 総務大臣が標準信書便約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において、特定信書便事業者が、標準信書便約款と同一の信書便約款を定め、又は現に定めている信書便約款を標準信書便約款と同一のものに変更したときは、その信書便約款については、第1項の規定による認可を受けたものとみなす。
第34条 第8条の規定は特定信書便事業の許可について、第10条から第14条まで、第19条第3項、第20条から第28条まで(第27条第2号を除く。)の規定は特定信書便事業者についてそれぞれ準用する。この場合において、第8条、第11条、第13条第4項、第14条第4項及び第28条中「第6条」とあるのは「第29条」と、第10条中「第7条第1項第1号又は第3号」とあるのは「第30条第1項第1号又は第3号」と、第12条第2項、第13条第3項及び第14条第3項中「第9条」とあるのは「第31条」と、第19条第3項中「第17条第1項」とあるのは「第33条第1項」と、「一般信書便役務以外の信書便の役務」とあるのは「特定信書便役務」と、第27条第3号中「前二号」とあるのは「第1号」と読み替えるものとする。
第4章 雑則
第35条 この法律に規定する許可又は認可には、条件又は期限を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件又は期限は、許可又は認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可又は認可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
第36条 第6条及び第29条の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 運送営業者がその運送方法により貨物に添付する無封の添え状又は送り状の送達を行う場合
二 一般信書便事業者又は特定信書便事業者から信書便の業務の一部の委託を受けた者が当該委託に係る信書便物の送達を行う場合
三 一般信書便事業者又は特定信書便事業者と信書の送達の事業に関する協定又は契約を締結した外国信書便事業者が当該協定又は契約に基づき信書便物の送達を行う場合
第37条 総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、総務省令で定めるところにより、一般信書便事業者又は特定信書便事業者に対し、その事業に関し、報告をさせることができる。
2 総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、一般信書便事業者又は特定信書便事業者の事務所その他の事業場に立ち入り、業務若しくは経理の状況若しくは事業の用に供する施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
3 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
4 第2項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第38条 総務大臣は、次に掲げる場合には、審議会等(国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第8条に規定する機関をいう。)で政令で定めるもの(次条第2項において「審議会等」という。)に諮問しなければならない。
一 第2条第4項第2号、同条第7項第3号、第9条第2号又は第16条第2項第2号の総務省令を制定し、又は改廃しようとするとき。
二 第6条若しくは第29条の規定による許可又は第12条第1項(第34条において準用する場合を含む。)、第17条第1項、第22条第1項(第34条において準用する場合を含む。)若しくは第33条第1項の規定による認可をしようとするとき。
三 第27条(第34条において準用する場合を含む。)の規定による命令をし、又は第28条第1号(第34条において準用する場合を含む。)の規定による許可の取消しをしようとするとき。
四 第33条第3項に規定する標準信書便約款を制定し、又は改廃しようとするとき。
第39条 総務大臣は、第26条から第28条まで(これらの規定を第34条において準用する場合を含む。)の規定による処分をしようとするときは、行政手続法第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
2 前項に規定する処分に係る聴聞を行う場合において、当該処分が前条の規定により審議会等に諮問すべきこととされている処分であるときは、当該処分に係る聴聞の主宰者は、審議会等の委員のうちから、審議会等の推薦により指名するものとする。
3 第1項に規定する処分に係る聴聞の主宰者は、行政手続法第17条第1項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。
第40条 この法律の規定による処分又はその不作為についての審査請求に対する裁決は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第24条の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、審査請求人に対し、相当な期間を置いて予告をした上、同法第11条第2項に規定する審理員が意見の聴取をした後にしなければならない。
2 前項の意見の聴取に際しては、審査請求人及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
3 第1項に規定する審査請求については、行政不服審査法第31条の規定は適用せず、同項の意見の聴取については、同条第2項から第5項までの規定を準用する。
第41条 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、総務省令で定める。
第42条 この法律の規定に基づき総務省令を制定し、又は改廃する場合においては、その総務省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第43条 この法律に規定する総務大臣の権限は、総務省令で定めるところにより、その一部を総合通信局長又は沖縄総合通信事務所長に委任することができる。
第5章 罰則
第44条 一般信書便事業者又は特定信書便事業者の取扱中に係る信書便物を正当の事由なく開き、毀損し、隠匿し、放棄し、又は受取人でない者に交付した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。ただし、刑法(明治40年法律第45号)の罪に触れるときは、その行為者は、同法の罪と比較して、重きに従って処断する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。
第45条 一般信書便事業者又は特定信書便事業者の取扱中に係る信書の秘密を侵した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 信書便の業務に従事する者が前項の行為をしたときは、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
第46条 第28条(第34条において準用する場合を含む。)の規定による事業の停止の命令に違反した者は、1年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
第47条 次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の罰金に処する。
一 第12条第1項(第34条において準用する場合を含む。)の規定に違反して事業計画を変更した者
二 第15条第1項の規定に違反して一般信書便事業を休止し、又は廃止した者
三 第19条第1項の規定に違反して一般信書便役務の提供を拒んだ者
四 第19条第2項の規定又は同条第3項(第34条において準用する場合を含む。)の規定に違反して信書便の役務を提供した者
五 第22条第1項(第34条において準用する場合を含む。)の規定に違反して信書便の業務を行った者
六 第23条第1項(第34条において準用する場合を含む。)の規定に違反して信書便の業務の一部を委託した者
七 第24条第1項又は第25条(これらの規定を第34条において準用する場合を含む。)の規定に違反して協定又は契約を締結した者
八 第26条又は第27条(これらの規定を第34条において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
九 第37条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
十 第37条第2項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第48条 次の各号のいずれかに該当する物を一般信書便事業者又は特定信書便事業者に信書便物として差し出した者は、50万円以下の罰金に処する。
一 爆発性、発火性その他の危険性のある物で総務大臣の指定するもの
二 毒薬、劇薬、毒物又は劇物(官公署、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師又は毒劇物営業者が差し出すものを除く。)
三 生きた病原体又は生きた病原体を含有し、若しくは生きた病原体が付着していると認められる物(官公署、細菌検査所、医師又は獣医師が差し出すものを除く。)
四 法令に基づき移動又は頒布を禁止された物
2 前項の場合において、犯人が信書便物として差し出した物は、没収する。
第49条 詐欺、恐喝又は脅迫の目的をもって、真実に反する住所、居所、所在地、氏名、名称又は通信文を記載した信書便物を一般信書便事業者又は特定信書便事業者に差し出し、又は他人に差し出させた者は、50万円以下の罰金に処する。
第50条 信書便の業務に従事する者が重大な過失によって信書便物を失ったときは、30万円以下の罰金に処する。
第51条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第45条第2項若しくは第3項(同条第2項に係る部分に限る。)、第46条又は第47条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第52条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の過料に処する。
一 第10条若しくは第12条第3項(これらの規定を第34条において準用する場合を含む。)又は第32条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第18条の規定による掲示をせず、又は虚偽の掲示をした者
第1条 この法律は、平成15年4月1日から施行する。ただし、第37条(第1号に係る部分に限る。次条第1項において同じ。)の規定は、公布の日から施行する。
第2条 第37条の規定の施行の日から日本郵政公社法施行法(平成14年法律第98号)の施行の日の前日までの間における同条の規定の適用については、同条中「審議会等(国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第8条に規定する機関をいう。)で政令で定めるもの(次条第2項において「審議会等」という。)」とあるのは、「郵政審議会」とする。
2 前項に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第3条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第1条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。
第117条 この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第9条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第38条の8(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第13条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第70条(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第27条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第8条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第39条第2項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第70条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第42条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第71条及び第72条(第15号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第2条第2項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第104条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。
第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。
2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。
3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条並びに附則第6条及び第7条の規定は、公布の日から施行する。
第2条 総務大臣は、この法律の施行前において、第2条の規定による改正後の民間事業者による信書の送達に関する法律(以下「新信書便法」という。)第2条第7項第3号の総務省令の制定及び新信書便法第33条第3項に規定する標準信書便約款の制定のために、第2条の規定による改正前の民間事業者による信書の送達に関する法律(以下「旧信書便法」という。)第37条の政令で定める審議会等に諮問することができる。
第4条 この法律の施行の際現に旧信書便法第33条において準用する旧信書便法第17条第1項の規定により認可を受けている信書便約款は、新信書便法第33条第1項の規定により認可を受けた信書便約款とみなす。
2 この法律の施行の際現にされている旧信書便法第33条において準用する旧信書便法第17条第1項の規定による信書便約款の認可の申請は、新信書便法第33条第1項の規定による認可の申請とみなす。
第5条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第6条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条及び附則第3条の規定は、公布の日から施行する。
第3条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。