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新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済に関する特別措置法

平成21年法律第98号
最終改正:平成25年12月13日法律第103号
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第1章 総則

(目的)

第1条 この法律は、厚生労働大臣が行う新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済に関する特別の措置を講ずることにより、新型インフルエンザ予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする。


(定義)

第2条 この法律において「新型インフルエンザ」とは、インフルエンザであって、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条第7項第1号に掲げる新型インフルエンザに該当するものとして同法第44条の2第1項の規定により厚生労働大臣が平成21年4月28日にその発生に係る情報を公表したものをいう。

 この法律において「新型インフルエンザワクチン」とは、新型インフルエンザに係るワクチンをいう。

 この法律において「新型インフルエンザ予防接種」とは、新型インフルエンザに対して免疫の効果を得させるため、新型インフルエンザワクチンを、人体に注射し、又は接種することをいう。

第2章 新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済措置

(新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済のための給付)

第3条 厚生労働大臣は、自らが行う新型インフルエンザ予防接種を受けた者が、疾病にかかり、障害の状態となり、又は死亡した場合において、当該疾病、障害又は死亡が当該新型インフルエンザ予防接種を受けたことによるものであると認定したときは、次条及び第5条に定めるところにより、給付を行う。

 厚生労働大臣は、前項の認定を行うに当たっては、審議会等(国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第8条に規定する機関をいう。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。


(給付の範囲)

第4条 前条第1項の規定による給付(以下この章において「給付」という。)は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して行う。

 医療費及び医療手当 新型インフルエンザ予防接種を受けたことによる疾病について政令で定める程度の医療を受ける者

 障害児養育年金 新型インフルエンザ予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳未満の者を養育する者

 障害年金 新型インフルエンザ予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳以上の者

 遺族年金又は遺族一時金 新型インフルエンザ予防接種を受けたことにより死亡した者の政令で定める遺族

 葬祭料 新型インフルエンザ予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者


(政令への委任)

第5条 前条に定めるもののほか、給付の額、支給方法その他給付に関して必要な事項は、政令で定める。


(損害賠償との調整)

第6条 厚生労働大臣は、給付を受けるべき者が同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、給付を行わないことができる。

 厚生労働大臣は、給付を受けた者が同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、その受けた給付の額に相当する金額を返還させることができる。


(不正利得の徴収)

第7条 厚生労働大臣は、偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、国税徴収の例により、その者から、その受けた給付の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。

 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。


(受給権の保護)

第8条 給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。


(公課の禁止)

第9条 租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。


(保健福祉事業の推進)

第10条 国は、第4条第1号から第3号までに掲げる給付の支給に係る者であって居宅において介護を受けるものの医療、介護等に関し、その家庭からの相談に応ずる事業その他の保健福祉事業の推進を図るものとする。

附 則
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。


(施行前に新型インフルエンザ予防接種を受けた者についての適用等)

第2条 第2章の規定は、次条に規定する場合を除き、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に厚生労働大臣が行った新型インフルエンザ予防接種を受けた者についても適用する。

 前項の場合において、同項に規定する者に係る当該新型インフルエンザ予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について、この法律の施行の際現に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対してされている副作用救済給付(独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成14年法律第192号)第15条第1項第1号イに規定する副作用救済給付をいう。以下同じ。)又は感染救済給付(同条第1項第2号イに規定する感染救済給付をいう。以下同じ。)の請求は、厚生労働大臣に対してされた第3条第1項の規定による給付の請求とみなす。

 第1項の場合において、同項に規定する者に係る当該新型インフルエンザ予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について、施行日前に副作用救済給付又は感染救済給付を支給しない旨の決定がされている場合における当該新型インフルエンザ予防接種を受けた者についての第3条第1項の規定の適用については、同項中「受けたことによるもの」とあるのは、「受けたことによるもの(薬事法等の一部を改正する法律(平成25年法律第84号)第5条の規定による改正前の独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第4条第6項に規定する医薬品の副作用又は同条第9項に規定する生物由来製品を介した感染等による疾病、障害又は死亡に該当するものを除く。)」とする。


第3条 施行日前に厚生労働大臣が行った新型インフルエンザ予防接種を受けた者に係る当該新型インフルエンザ予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について、施行日前に副作用救済給付又は感染救済給付を支給する旨の決定がされている場合における当該新型インフルエンザ予防接種を受けた者については、第3条第1項の規定は、適用しない。


(検討)

第6条 政府は、厚生労働大臣が行う新型インフルエンザ予防接種の実施状況、新型インフルエンザ予防接種の有効性及び安全性に関する調査研究の結果等を勘案し、将来発生が見込まれる新型インフルエンザ等感染症(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症をいう。)に係る予防接種の在り方、当該予防接種に係る健康被害の救済措置の在り方等について、速やかに検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


(政令への委任)

第7条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成23年7月22日法律第85号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第1条中予防接種法第6条に二項を加える改正規定、同法第7条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定並びに同法第8条、第9条、第22条第2項、第24条及び第25条の改正規定、第2条中新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法第5条第2項を削る改正規定及び同法附則第2条第2項の改正規定並びに附則第3条及び第4条の規定は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


(新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部改正に伴う経過措置)

第2条 この法律の施行前に締結された第2条の規定による改正前の新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法第11条の規定による契約については、なお従前の例による。


(政令への委任)

第7条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成25年11月27日法律第84号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第64条、第66条及び第102条の規定は、公布の日から施行する。


(処分等の効力)

第100条 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。


(政令への委任)

第102条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則(平成25年12月13日法律第103号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 略

 附則第17条の規定 薬事法等の一部を改正する法律(平成25年法律第84号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日