東日本大震災における原子力発電所の事故により生じた原子力損害に係る早期かつ確実な賠償を実現するための措置及び当該原子力損害に係る賠償請求権の消滅時効の特例に関する法律
第1条 この法律は、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故による災害が大規模で長期間にわたる未曽有のものであり、特定原子力損害(当該事故による損害であって原子力事業者(原子力損害の賠償に関する法律(昭和36年法律第147号)第2条第3項に規定する原子力事業者をいう。)が同法第3条第1項の規定により賠償の責めに任ずべきものをいう。以下同じ。)を被った者(以下「特定原子力損害の被害者」という。)のうちに今なお不自由な避難生活を余儀なくされその被った損害の額の算定の基礎となる証拠の収集に支障を来している者が多く存在すること、個々の特定原子力損害の被害者に性質及び程度の異なる特定原子力損害が同時に生じその賠償の請求に時間を要すること等により、特定原子力損害に係る賠償請求権の行使に困難を伴う場合があることに鑑み、特定原子力損害の被害者が早期かつ確実に賠償を受けることができるようにするための体制を国が構築するために必要な措置について定めるとともに、特定原子力損害に係る賠償請求権の消滅時効の特例を定めるものとする。
第2条 国は、特定原子力損害の被害者が早期かつ確実に賠償を受けることができるよう、国の行政機関における特定原子力損害の賠償の円滑化のための体制の整備、紛争の迅速な解決のための原子力損害賠償紛争審査会及び裁判所の人的体制の充実、原子力損害賠償・廃炉等支援機構による相談体制及び情報提供体制の強化その他の措置を講ずるものとする。
第3条 特定原子力損害に係る賠償請求権に関する民法(明治29年法律第89号)第724条の規定の適用については、同条第1号中「3年間」とあるのは「10年間」と、同条第2号中「不法行為の時」とあるのは「損害が生じた時」とする。この場合においては、同法第724条の2の規定は、適用しない。
この法律は、公布の日から施行する。
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。ただし、第103条の2、第103条の3、第267条の2、第267条の3及び第362条の規定は、公布の日から施行する。