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対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律

平成10年法律第116号
最終改正:令和元年6月14日法律第37号
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第1章 総則

(目的)

第1条 この法律は、対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約(以下「条約」という。)の適確な実施を確保するため、対人地雷の製造を禁止するとともに、対人地雷の所持を規制する等の措置を講ずることを目的とする。


(定義)

第2条 この法律において「対人地雷」とは、人の存在、接近又は接触によって爆発するように設計された地雷をいう。

第2章 対人地雷の製造の禁止

(製造の禁止)

第3条 何人も、対人地雷を製造してはならない。

第3章 対人地雷の所持等の規制

(所持の禁止)

第4条 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、対人地雷を所持してはならない。

 次条第1項の許可を受けた者(以下「許可所持者」という。)が、同項の許可(第8条第1項の規定による変更の許可があったときは、その変更後のもの)に係る対人地雷を所持するとき。

 第10条第1項の輸入の承認を受けた者(以下「承認輸入者」という。)が、その輸入した対人地雷を許可所持者に譲り渡すまでの間所持するとき。

 第11条第1項の規定により対人地雷を廃棄し、又は引き渡さなければならない者が、廃棄し、又は引き渡すまでの間所持するとき。

 前三号に掲げる者から運搬を委託された者が、その委託に係る対人地雷を当該運搬のために所持するとき。

 前各号に掲げる者の従業者が、その職務上対人地雷を所持するとき。


(所持の許可)

第5条 対人地雷を所持しようとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、前条第2号、第4号又は第5号に掲げる者がそれぞれ同条第2号、第4号又は第5号に規定する所持をしようとする場合は、この限りでない。

 前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。

 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

 所持しようとする対人地雷の型式及びその数量

 所持の目的及び方法

 その他経済産業省令で定める事項


(欠格事由)

第6条 次の各号のいずれかに該当する者は、前条第1項の許可を受けることができない。

 この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない者

 第9条の規定により許可を取り消され、その取消しの日から3年を経過しない者

 他の法令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない者で、その情状が対人地雷の所持をする者として不適当なもの

 心身の故障により対人地雷を適正に所持することができない者として経済産業省令で定める者

 法人であって、その業務を行う役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの


(所持の許可の基準)

第7条 経済産業大臣は、第5条第1項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

 対人地雷が条約で認められた目的のために所持されることが確実であること。

 その他条約の適確な実施に支障を及ぼすおそれがないこと。


(変更の許可等)

第8条 許可所持者は、第5条第2項第3号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

 許可所持者は、第5条第2項第1号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

 前条の規定は、第1項の許可に準用する。


(所持の許可の取消し)

第9条 経済産業大臣は、許可所持者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。

 第6条第1号又は第3号から第5号までのいずれかに該当するに至ったとき。

 不正の手段により第5条第1項又は前条第1項の許可を受けたとき。

 前条第1項の規定により許可を受けなければならない事項を同項の許可を受けないで変更したとき。

 第12条第1項の規定により第5条第1項又は前条第1項の許可に付された条件に違反したとき。


(輸入の承認及び制限)

第10条 対人地雷を輸入しようとする者は、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)第52条の規定により、輸入の承認を受ける義務を課せられるものとする。

 前項の輸入の承認は、許可所持者からその許可に係る対人地雷の輸入の委託を受けた者がその委託に係る対人地雷を輸入する場合、又は許可所持者自らがその許可に係る対人地雷を輸入する場合でなければ、これを行わないものとする。


(廃棄等)

第11条 次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に掲げる者が対人地雷を所持しているときは、その者は、遅滞なく、その対人地雷(第1号に該当する場合にあっては、所持することを要しなくなった部分に限る。)を廃棄し、又は当該対人地雷について新たに許可所持者となった者に引き渡さなければならない。

 許可所持者が、その許可に係る対人地雷の全部又は一部について所持することを要しなくなったとき。

 許可所持者が、第9条の規定によりその許可を取り消されたとき。

 承認輸入者が、許可所持者に譲り渡すために対人地雷の輸入をした場合において、その許可所持者がその対人地雷を譲り受ける前に、第9条の規定によりその許可を取り消されたとき。

 前項の規定により対人地雷を廃棄し、又は引き渡さなければならない者(以下「廃棄等義務者」という。)が、当該対人地雷を廃棄しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、廃棄する対人地雷の型式及びその数量を経済産業大臣に届け出なければならない。

 廃棄等義務者が、当該対人地雷を引き渡したときは、経済産業省令で定めるところにより、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。


(許可の条件)

第12条 第5条第1項又は第8条第1項の許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。

 前項の条件は、条約の適確な実施を確保し、又は許可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。


(承継)

第13条 許可所持者について相続又は合併があったときは、相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により承継すべき相続人を選定したときは、その者)又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、許可所持者の地位を承継する。

 前項の規定により許可所持者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。


(所持の届出)

第14条 許可所持者又は承認輸入者は、対人地雷を所持することとなったときは、経済産業省令で定めるところにより、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。


(帳簿)

第15条 許可所持者は、帳簿を備え、その所持に係る対人地雷に関し経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。

 前項の帳簿は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。

第4章 国際連合事務総長の指定する者の検査等

(国際連合事務総長の指定する者の検査等)

第16条 国際連合事務総長が条約の定めるところにより指定する者は、外務大臣の指定するその職員及び経済産業大臣の指定するその職員の立会いの下に、条約で定める範囲内で、対人地雷を取り扱う場所その他の場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査し、又は関係者に質問することができる。

 前項の規定により検査又は質問に立ち会う職員は、当該検査又は質問が条約の範囲内で、適確かつ円滑に行われることを確保するよう努めなければならない。

 第1項の規定により検査又は質問に立ち会う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

第5章 雑則

(報告徴収)

第17条 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、許可所持者、承認輸入者又は廃棄等義務者に対し、その業務に関し報告させることができる。

 経済産業大臣は、国際連合事務総長から条約の定めるところにより要請があった場合にあっては、国際連合事務総長に対して説明を行うために必要な限度において、対人地雷を取り扱う者その他の者に対し、その要請に係る事項に関し報告させることができる。


(立入検査)

第18条 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、許可所持者、承認輸入者又は廃棄等義務者の事務所、工場その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

 前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。


(自衛隊についての特例)

第19条 自衛隊が行う条約で認められた目的のための対人地雷の所持は、次条の規定により読み替えられた第5条第1項又は第8条第1項の承認を受けたものとみなす。

 第17条第2項の規定は、前項の規定により所持の承認を受けたものとみなされた対人地雷に係る事項については、適用しない。

 国際連合事務総長が条約の定めるところにより指定する者が自衛隊の施設に立ち入り、検査又は質問を行う場合には、第16条第1項中「経済産業大臣」とあるのは、「防衛大臣」とする。


(国に対する適用)

第20条 この法律の規定は、次章の規定を除き、国に適用があるものとする。この場合において、「許可」とあるのは、「承認」と読み替えるものとする。


(経過措置)

第21条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第6章 罰則

第22条 第3条の規定に違反した者は、7年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

 前項の未遂罪は、罰する。


第23条 対人地雷をみだりに所持した者は、7年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。


第24条 前二条の罪は、刑法(明治40年法律第45号)第3条の例に従う。


第25条 次の各号の一に該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 第8条第1項の規定に違反して第5条第2項第3号に掲げる事項を変更した者

 第11条第1項の規定に違反した者


第26条 次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

 第11条第2項の規定による届出をしないで対人地雷を廃棄した者又は虚偽の届出をした者

 第11条第3項又は第14条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 第15条第1項の規定に違反して帳簿を備えず、又は帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をした者

 第15条第2項の規定に違反して帳簿を保存しなかった者

 第16条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

 第17条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 第18条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者


第27条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第23条の罪を犯し、又は第22条若しくは前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。


第28条 第8条第2項又は第13条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、20万円以下の過料に処する。

附 則
(施行期日)

第1条 この法律は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。


(経過措置)

第2条 この法律の施行の際対人地雷を所持している者は、この法律の施行の日から30日を経過するまでの間(以下「猶予期間」という。)に第5条第1項の許可の申請をしなかった場合にあっては猶予期間の経過後遅滞なく、猶予期間に申請した同項の許可を拒否された場合にあってはその処分後遅滞なく、その所持する当該対人地雷を廃棄しなければならない。

 この法律の施行の際対人地雷を所持している者は、次に掲げる期間は、第4条の規定にかかわらず、その対人地雷を所持することができる。その者の従業者がその職務上所持する場合及びその者から運搬を委託された者(その従業者を含む。)がその委託に係る対人地雷を当該運搬のために所持する場合も、同様とする。

 猶予期間

 猶予期間にした第5条第1項の許可の申請についての処分があるまでの間

 前項の規定により廃棄するまでの間

 第11条第2項の規定は、この法律の施行の際対人地雷を所持する者がその対人地雷を廃棄する場合に準用する。

 前三項の規定は、この法律の施行の際自衛隊が所持する対人地雷については、適用しない。


第3条 前条第1項の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 前条第3項において準用する第11条第2項の規定による届出をしないで対人地雷を廃棄した者又は虚偽の届出をした者は、30万円以下の罰金に処する。

 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各項の罰金刑を科する。


第4条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成11年12月8日法律第151号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。


(経過措置)

第3条 民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)附則第3条第3項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。

一~二十五 略


第4条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成11年12月22日法律第160号)
(施行期日)

第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日

附 則(平成18年12月22日法律第118号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(令和元年6月14日法律第37号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第40条、第59条、第61条、第75条(児童福祉法第34条の20の改正規定に限る。)、第85条、第102条、第107条(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律第26条の改正規定に限る。)、第111条、第143条、第149条、第152条、第154条(不動産の鑑定評価に関する法律第25条第6号の改正規定に限る。)及び第168条並びに次条並びに附則第3条及び第6条の規定 公布の日


(行政庁の行為等に関する経過措置)

第2条 この法律(前条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前に、この法律による改正前の法律又はこれに基づく命令の規定(欠格条項その他の権利の制限に係る措置を定めるものに限る。)に基づき行われた行政庁の処分その他の行為及び当該規定により生じた失職の効力については、なお従前の例による。


(罰則に関する経過措置)

第3条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(検討)

第7条 政府は、会社法(平成17年法律第86号)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)における法人の役員の資格を成年被後見人又は被保佐人であることを理由に制限する旨の規定について、この法律の公布後1年以内を目途として検討を加え、その結果に基づき、当該規定の削除その他の必要な法制上の措置を講ずるものとする。