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国立公文書館法

平成11年法律第79号
最終改正:平成26年6月13日法律第67号
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第1章 総則

(目的)

第1条 この法律は、公文書館法(昭和62年法律第115号)及び公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)の精神にのっとり、独立行政法人国立公文書館の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることにより、歴史公文書等の適切な保存及び利用に資することを目的とする。


(定義)

第2条 この法律において「歴史公文書等」とは、公文書等の管理に関する法律第2条第6項に規定する歴史公文書等をいう。

 この法律において「特定歴史公文書等」とは、公文書等の管理に関する法律第2条第7項に規定する特定歴史公文書等のうち、独立行政法人国立公文書館(以下「国立公文書館」という。)の設置する公文書館に移管され、又は寄贈され、若しくは寄託されたものをいう。

第2章 独立行政法人国立公文書館

第1節 通則

(名称)

第3条 この法律及び独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人国立公文書館とする。


(国立公文書館の目的)

第4条 国立公文書館は、特定歴史公文書等を保存し、及び一般の利用に供すること等の事業を行うことにより、歴史公文書等の適切な保存及び利用を図ることを目的とする。


(行政執行法人)

第5条 国立公文書館は、通則法第2条第4項に規定する行政執行法人とする。


(事務所)

第6条 国立公文書館は、主たる事務所を東京都に置く。


(資本金)

第7条 国立公文書館の資本金は、国立公文書館法の一部を改正する法律(平成11年法律第161号)附則第5条第2項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。

 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、国立公文書館に追加して出資することができる。

 政府は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、土地又は建物その他の土地の定着物(第5項において「土地等」という。)を出資の目的として、国立公文書館に追加して出資することができる。

 国立公文書館は、前二項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。

 政府が出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。

 前項に規定する評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。

第2節 役員

(役員)

第8条 国立公文書館に、役員として、その長である館長及び監事2人を置く。

 国立公文書館に、役員として、理事1人を置くことができる。


(理事の職務及び権限等)

第9条 理事は、館長の定めるところにより、館長を補佐して国立公文書館の業務を掌理する。

 通則法第19条第2項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。

 前項ただし書の場合において、通則法第19条第2項の規定により館長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。


(館長及び理事の任期等)

第10条 通則法第21条の3第1項の個別法で定める期間は、4年とする。

 理事の任期は、2年とする。

第3節 業務等

(業務の範囲)

第11条 国立公文書館は、第4条の目的を達成するため、次の業務を行う。

 特定歴史公文書等を保存し、及び一般の利用に供すること。

 行政機関(公文書等の管理に関する法律第2条第1項に規定する行政機関をいう。以下同じ。)からの委託を受けて、行政文書(同法第5条第5項の規定により移管の措置をとるべきことが定められているものに限る。)の保存を行うこと。

 歴史公文書等の保存及び利用に関する情報の収集、整理及び提供を行うこと。

 歴史公文書等の保存及び利用に関する専門的技術的な助言を行うこと。

 歴史公文書等の保存及び利用に関する調査研究を行うこと。

 歴史公文書等の保存及び利用に関する研修を行うこと。

 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。

 国立公文書館は、前項の業務のほか、公文書等の管理に関する法律第9条第4項の規定による報告若しくは資料の徴収又は実地調査を行う。

 国立公文書館は、前二項の業務のほか、前二項の業務の遂行に支障のない範囲内で、次の業務を行うことができる。

 内閣総理大臣からの委託を受けて、公文書館法第7条に規定する技術上の指導又は助言を行うこと。

 行政機関からの委託を受けて、行政文書(公文書等の管理に関する法律第5条第5項の規定により移管又は廃棄の措置をとるべきことが定められているものを除く。)の保存を行うこと。


(積立金の処分)

第12条 国立公文書館は、毎事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち内閣総理大臣の承認を受けた金額を、翌事業年度に係る通則法第35条の10第1項の認可を受けた事業計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、翌事業年度における前条に規定する業務の財源に充てることができる。

 内閣総理大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。

 国立公文書館は、第1項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。

 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。

第4節 雑則

(主務大臣等)

第13条 国立公文書館に係る通則法における主務大臣及び主務省令は、それぞれ内閣総理大臣及び内閣府令とする。

第5節 罰則

第14条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした国立公文書館の役員は、20万円以下の過料に処する。

 第11条に規定する業務以外の業務を行ったとき。

 第12条第1項の規定により内閣総理大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。

附 則
(施行期日)

 この法律は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成11年12月22日法律第160号)
(施行期日)

第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日

附 則(平成11年12月22日法律第161号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成13年1月6日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第4条の次に三条及び四節並びに章名を加える改正規定(第13条に係る部分に限る。)及び附則第10条(内閣府設置法(平成11年法律第89号)第37条第3項の改正規定に係る部分に限る。)の規定は、平成13年1月6日から施行する。


(職員の引継ぎ等)

第2条 国立公文書館の成立の際現に内閣府の機関で政令で定めるものの職員である者は、別に辞令を発せられない限り、国立公文書館の成立の日において、国立公文書館の相当の職員となるものとする。


第3条 国立公文書館の成立の際現に前条に規定する政令で定める機関の職員である者のうち、国立公文書館の成立の日において引き続き国立公文書館の職員となったもの(次条において「引継職員」という。)であって、国立公文書館の成立の日の前日において内閣総理大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和46年法律第73号)第7条第1項(同法附則第6条第2項、第7条第4項又は第8条第4項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、国立公文書館の成立の日において児童手当又は同法附則第6条第1項、第7条第1項若しくは第8条第1項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、国立公文書館の成立の日において同法第7条第1項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第8条第2項(同法附則第6条第2項、第7条第4項又は第8条第4項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、国立公文書館の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。


(国立公文書館の職員となる者の職員団体についての経過措置)

第4条 国立公文書館の成立の際現に存する国家公務員法(昭和22年法律第120号)第108条の2第1項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が引継職員であるものは、国立公文書館の成立の際国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和23年法律第257号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。

 前項の規定により法人である労働組合となったものは、国立公文書館の成立の日から起算して60日を経過する日までに、労働組合法(昭和24年法律第174号)第2条及び第5条第2項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。

 第1項の規定により労働組合となったものについては、国立公文書館の成立の日から起算して60日を経過する日までは、労働組合法第2条ただし書(第1号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。


(権利義務の承継等)

第5条 国立公文書館の成立の際、この法律による改正後の国立公文書館法(以下「新法」という。)第11条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、国立公文書館の成立の時において国立公文書館が承継する。

 前項の規定により国立公文書館が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から国立公文書館に対し出資されたものとする。

 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、国立公文書館の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。

 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。


(国有財産の無償使用)

第6条 国は、国立公文書館の成立の際現に附則第2条に規定する政令で定める機関に使用されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、国立公文書館の用に供するため、国立公文書館に無償で使用させることができる。


(公文書等の承継)

第7条 国立公文書館の成立の際、附則第2条に規定する政令で定める機関が現に保管する公文書等については、国立公文書館の成立の時において新法第15条第4項の規定による移管があったものとみなす。


(政令への委任)

第8条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、国立公文書館の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成12年5月26日法律第84号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成12年6月1日から施行する。

附 則(平成21年7月1日法律第66号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


(特定歴史公文書等に関する経過措置)

第2条 この法律の施行の際現に国立公文書館等が保存する歴史公文書等については、特定歴史公文書等とみなす。


(行政機関以外の国の機関が保有する歴史公文書等の保存及び移管に関する経過措置)

第3条 この法律の施行前に次条の規定による改正前の国立公文書館法(平成11年法律第79号)第15条第1項の規定に基づく協議による国の機関(行政機関を除く。)と内閣総理大臣との定めは、第14条第1項の規定に基づく協議による定めとみなす。

附 則(平成26年6月13日法律第67号)
(施行期日)

第1条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 附則第14条第2項、第18条及び第30条の規定 公布の日


(処分等の効力)

第28条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。


(罰則に関する経過措置)

第29条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令等への委任)

第30条 附則第3条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。