独立行政法人労働者健康安全機構法
第1章 総則
第1条 この法律は、独立行政法人労働者健康安全機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
第2条 この法律及び独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人労働者健康安全機構とする。
第3条 独立行政法人労働者健康安全機構(以下「機構」という。)は、療養施設及び労働者の健康に関する業務を行う者に対して研修、情報の提供、相談その他の援助を行うための施設の設置及び運営等を行うことにより労働者の業務上の負傷又は疾病に関する療養の向上及び労働者の健康の保持増進に関する措置の適切かつ有効な実施を図るとともに、事業場における災害の予防に係る事項並びに労働者の健康の保持増進に係る事項及び職業性疾病の病因、診断、予防その他の職業性疾病に係る事項に関して臨床で得られた知見を活用しつつ、総合的な調査及び研究並びにその成果の普及を行うことにより、職場における労働者の安全及び健康の確保を図るほか、未払賃金の立替払事業等を行い、もって労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。
第3条の2 機構は、通則法第2条第2項に規定する中期目標管理法人とする。
第4条 機構は、主たる事務所を神奈川県に置く。
第5条 機構の資本金は、附則第2条第7項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
3 政府は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、土地、建物その他の土地の定着物及びその建物に附属する工作物(第5項において「土地等」という。)を出資の目的として、機構に追加して出資することができる。
4 機構は、前二項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
5 政府が出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
6 評価委員その他前項に規定する評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第2章 役員及び職員
第6条 機構に、役員として、その長である理事長及び監事2人を置く。
2 機構に、役員として、理事5人以内を置くことができる。
第7条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
2 通則法第19条第2項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第19条第2項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第8条 理事の任期は、2年とする。
第9条 通則法第22条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 物品の製造若しくは販売、工事の請負若しくは役務の提供を業とする者であって機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2 機構の役員の解任に関する通則法第23条第1項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人労働者健康安全機構法第9条第1項」とする。
第10条 機構の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。その職を退いた後も、同様とする。
第11条 機構の役員及び職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第3章 業務等
第12条 機構は、第3条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 療養施設(労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第29条第1項第1号に規定する療養に関する施設をいう。)の設置及び運営を行うこと。
二 労働者の健康に関する業務を行う者に対して研修、情報の提供、相談その他の援助を行うための施設の設置及び運営を行うこと。
三 事業場における災害の予防に係る事項並びに労働者の健康の保持増進に係る事項及び職業性疾病の病因、診断、予防その他の職業性疾病に係る事項に関する総合的な調査及び研究を行うこと(次号に掲げるものを除く。)。
四 化学物質で労働者の健康障害を生ずるおそれのあるものの有害性の調査を行うこと。
五 前二号に掲げる業務に係る成果を普及すること。
六 賃金の支払の確保等に関する法律(昭和51年法律第34号)第3章に規定する事業(同法第8条に規定する業務を除く。)を実施すること。
七 被災労働者(労働者災害補償保険法第29条第1項第1号に規定する被災労働者をいう。)に係る納骨堂の設置及び運営を行うこと。
八 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 機構は、前項に規定する業務のほか、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第96条の2第1項の規定による調査及び同条第2項の規定による立入検査を行う。
3 機構は、前二項に規定する業務のほか、これらの項に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で、行政官庁の委託を受けて、労働者災害補償保険法第7条第1項の保険給付に関する決定に必要な検診を行うことができる。
第12条の2 機構は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20年法律第63号)第34条の5第1項及び第2項の規定による株式又は新株予約権の取得及び保有を行うことができる。
第12条の3 機構は、第12条に規定する業務のうち労働者災害補償保険法第29条第1項の社会復帰促進等事業として行われるものに係る経理とその他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
第13条 機構は、通則法第29条第2項第1号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち厚生労働大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第30条第1項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第12条第1項及び第2項に規定する業務の財源に充てることができる。
2 機構は、前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
3 前二項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第14条 機構は、第12条第1項第1号に掲げる業務の用に供する施設又は設備の設置又は整備に必要な費用に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は独立行政法人労働者健康安全機構債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2 前項に規定するもののほか、機構は、長期借入金又は債券で政令で定めるものの償還に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は債券を発行することができる。ただし、その償還期間が政令で定める期間のものに限る。
3 前二項の規定による債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
4 前項の先取特権の順位は、民法(明治29年法律第89号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
5 機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
6 会社法(平成17年法律第86号)第705条第1項及び第2項並びに第709条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
7 前各項に定めるもののほか、第1項又は第2項の規定による長期借入金又は債券に関し必要な事項は、政令で定める。
第15条 機構は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
第4章 雑則
第16条 厚生労働大臣は、重大な労働災害(労働安全衛生法第2条第1号に規定する労働災害をいう。次項において同じ。)が発生し、又はまさに発生しようとしている事態に対処するため緊急の必要があると認めるときは、機構に対し、第12条第1項第1号又は第2号に掲げる業務(これらに附帯する業務を含む。)に関し必要な措置をとることを求めることができる。
2 厚生労働大臣は、労働災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、労働災害の予防のための調査及び研究を緊急に行う必要があると認めるときは、機構に対し、第12条第1項第3号及び第4号に掲げる業務(これらに附帯する業務を含む。)並びに同条第2項に規定する業務のうち必要な調査及び研究の実施を求めることができる。
3 機構は、厚生労働大臣から前二項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
第17条 厚生労働大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
一 第13条第1項の承認をしようとするとき。
二 第14条第1項、第2項若しくは第5項又は第15条の認可をしようとするとき。
第18条 機構に係る通則法における主務大臣及び主務省令は、それぞれ厚生労働大臣及び厚生労働省令とする。
第19条 医療法(昭和23年法律第205号)その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、機構を国とみなして、これらの法令を準用する。
第20条 国家公務員宿舎法(昭和24年法律第117号)の規定は、機構の役員及び職員には適用しない。
第21条 削除
第5章 罰則
第22条 第10条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第23条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、20万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により厚生労働大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 第12条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第10条から第12条まで及び附則第14条から第23条までの規定は、平成16年4月1日から施行する。
第2条 労働福祉事業団(以下「事業団」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において、附則第10条の規定による廃止前の労働福祉事業団法(昭和32年法律第126号。以下「旧法」という。)第19条第1項第1号に規定する資金の貸付けの業務(当該業務に附帯する業務を含む。以下この項において「資金貸付け業務」という。)に係るもの以外のものにあっては機構が、資金貸付け業務に係るものにあっては独立行政法人福祉医療機構が、権利及び義務の承継に関し必要な事項を定めた承継計画書において定めるところに従い承継する。
2 機構の成立の際現に事業団が有する権利のうち、機構及び独立行政法人福祉医療機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、機構の成立の時において国が承継する。
3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4 第1項の承継計画書は、事業団が作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
5 事業団の解散の日の前日を含む事業年度は、その日に終わるものとする。
6 事業団の解散の日の前日を含む事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。この場合において、当該決算の完結の期限は、その解散の日から起算して2月を経過する日とする。
7 第1項の規定により機構又は独立行政法人福祉医療機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、それぞれその承継に際し、同項に規定する承継計画書において定めるところに従い機構又は独立行政法人福祉医療機構が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構又は独立行政法人福祉医療機構に対し出資されたものとする。
8 前項の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
9 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
10 第1項の規定により事業団が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第3条 機構は、第12条に規定する業務のほか、当分の間、旧法第19条第1項第1号に規定する療養施設であって機構の成立前に厚生労働大臣が定めるものの移譲又は廃止の業務を行う。
2 機構は、第12条及び前項に規定する業務のほか、政令で定める日までの間、機構の成立の際現に事業団が設置している施設であって政令で定めるものの移譲又は廃止の業務を行うものとし、それまでの間、当該施設の運営を行う。
3 機構は、第12条及び前二項に規定する業務のほか、旧法第19条第1項第2号の規定により貸し付けられた資金に係る債権の回収が終了するまでの間、当該債権の管理及び回収の業務を行う。
4 機構は、第12条及び前三項に規定する業務のほか、旧法第19条第1項第1号の規定により貸し付けられた資金に係る債権の回収が終了するまでの間、独立行政法人福祉医療機構の委託を受けて、当該債権の管理及び回収の業務を行うことができる。
5 機構は、前各項に規定する業務に附帯する業務を行うことができる。
6 機構は、前各項に規定する業務に係る経理については、第12条の3に規定する社会復帰促進等事業として行われるものに係る経理として整理しなければならない。
第4条 機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、前条第3項及び第4項に規定する業務の一部を金融機関に委託することができる。
2 金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該業務を行うことができる。
3 第1項の規定により業務の委託を受けた金融機関(次条第1項及び附則第9条において「受託金融機関」という。)の役員及び職員であって当該委託を受けた業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第5条 厚生労働大臣は、附則第3条第3項及び第4項に規定する業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、受託金融機関に対し、その委託を受けた業務に関し報告をさせ、又はその職員に、受託金融機関の事務所に立ち入り、その委託を受けた業務に関し業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第6条 機構が附則第2条第1項の規定により不動産に関する権利を承継した場合において、その権利につきなすべき登記の手続については、政令で特例を設けることができる。
第7条 機構が附則第3条第1項に規定する厚生労働大臣が定める療養施設又は同条第2項に規定する政令で定める施設に係る資産の譲渡その他の処分を行った時において、機構の資本金のうち当該資産に係る部分として厚生労働大臣が定める金額については、機構に対する政府からの出資はなかったものとし、機構は、その額により資本金を減少するものとする。
2 厚生労働大臣は、前項の規定により金額を定めようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
3 機構は、政令で定めるところにより、第1項の規定による処分により生じた収入の額を国庫に納付するものとする。
第8条 附則第3条の規定により機構が同条に規定する業務を行う場合には、第14条第2項中「長期借入金又は債券」とあるのは「長期借入金、債券又は附則第10条の規定による廃止前の労働福祉事業団法第19条第1項第2号の規定による貸付けに要する資金の財源に充てるための同法第26条の規定による長期借入金」と、第17条第2号中「又は第15条」とあるのは「、第15条又は附則第4条第1項」と、第23条第2号中「第12条」とあるのは「第12条及び附則第3条」とする。
第9条 附則第5条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした受託金融機関の役員又は職員は、20万円以下の罰金に処する。
第10条 労働福祉事業団法は、廃止する。
第11条 旧法(第10条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法、この法律又は独立行政法人福祉医療機構法(平成14年法律第166号)中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第12条 附則第10条の規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第13条 附則第2条から第9条まで及び前二条に定めるもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第1条 この法律は、協定の効力発生の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一及び二 略
三 附則第42条の規定 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成16年法律第130号)の公布の日又は公布日のいずれか遅い日
第1条 この法律は、協定の効力発生の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第3条の規定 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成16年法律第130号)の公布の日又は公布日のいずれか遅い日
第1条 この法律は、平成16年10月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第2条、第7条、第10条、第13条及び第18条並びに附則第9条から第15条まで、第28条から第36条まで、第38条から第76条の2まで、第79条及び第81条の規定 平成17年4月1日
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第17条の規定 この法律の公布の日又は国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成16年法律第130号)の公布の日のいずれか遅い日
この法律は、会社法の施行の日から施行する。
第1条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第14条第2項、第18条及び第30条の規定 公布の日
第28条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
第29条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第30条 附則第3条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
第1条 この法律は、平成28年4月1日から施行する。
第8条 独立行政法人労働安全衛生総合研究所(以下「研究所」という。)は、この法律の施行の時において解散するものとし、次項の規定により国が承継する資産を除き、その一切の権利及び義務は、その時において独立行政法人労働者健康安全機構(以下「機構」という。)が承継する。
2 この法律の施行の際現に研究所が有する権利のうち、機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、この法律の施行の時において国が承継する。
3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4 研究所の平成28年3月31日に終わる事業年度及び中期目標の期間(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)第29条第2項第1号に規定する中期目標の期間をいう。)における業務の実績についての通則法第32条第1項の規定による評価は、機構が受けるものとする。この場合において、同条第2項の規定による報告書の提出及び公表は、機構が行うものとし、同条第4項前段の規定による通知及び同条第6項の規定による命令は、機構に対してなされるものとする。
5 研究所の平成28年3月31日に終わる事業年度に係る通則法第38条及び第39条第1項の規定により財務諸表等に関し独立行政法人が行わなければならないとされる行為は、機構が行うものとする。
6 研究所の平成28年3月31日に終わる事業年度における通則法第44条第1項及び第2項の規定による利益及び損失の処理に係る業務は、機構が行うものとする。
7 前項の規定による処理において、通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、当該積立金の処分は、機構が従前の例により行うものとする。この場合において、附則第14条の規定による廃止前の独立行政法人労働安全衛生総合研究所法(平成11年法律第181号。次条第1項及び附則第15条第2項において「旧研究所法」という。)第13条第1項中「当該中期目標の期間の次の」とあるのは「独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律(平成27年法律第17号)の施行の日を含む」と、「次の中期目標の期間における第11条」とあるのは「中期目標の期間における独立行政法人労働者健康安全機構法(平成14年法律第171号)第12条第1項及び第2項」とする。
8 第1項の規定により研究所が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第9条 前条第1項の規定により機構が研究所の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額(同条第7項の規定により読み替えられた旧研究所法第13条第1項の規定による承認を受けた金額があるときは、当該金額に相当する金額を除く。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。この場合において、機構は、その額により資本金を増加するものとする。
2 前項に規定する資産の価額は、施行日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
3 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第10条 附則第8条第1項の規定により機構が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税又は自動車取得税を課することができない。
第11条 機構は、施行日の前日に研究所の職員として在職する者(独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律(平成18年法律第25号。以下「平成18年整備法」という。)附則第4条第1項の規定の適用を受けた者に限る。)で引き続いて機構の職員となったものの退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)第2条第1項に規定する職員(同条第2項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を機構の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。ただし、その者が平成18年整備法の施行の日以後に研究所を退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
2 施行日の前日に研究所の職員として在職する者(平成18年整備法附則第4条第1項の規定の適用を受けた者であって、平成18年整備法の施行の日以後引き続き研究所の職員として在職する者に限る。)が、引き続いて機構の職員となり、かつ、引き続き機構の職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第2条第1項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の平成18年整備法の施行の日以後の研究所の職員としての在職期間及び機構の職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者が同日以後に研究所又は機構を退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
第12条 施行日の前日に研究所の役員又は職員として在職する者(同日において国家公務員共済組合法(昭和33年法律第128号)第124条の3の規定により読み替えて適用する同法第3条第1項の規定により厚生労働省に属する同法第2条第1項第1号に規定する職員及びその所管する独立行政法人(通則法第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。)のうち国家公務員共済組合法別表第二に掲げるものの同法第124条の3の規定により同号に規定する職員とみなされる者をもって組織された国家公務員共済組合(以下この項及び第3項において「厚生労働省共済組合」という。)の組合員であるものに限る。)が施行日において引き続いて機構の役員又は職員(同条の規定により同号に規定する職員とみなされるものに相当するものに限る。以下この条において「役職員」という。)となる場合であって、かつ、引き続き施行日以後において機構の役職員である場合には、同法の規定の適用については、当該役職員は、施行日から起算して20日を経過する日(正当な理由があると厚生労働省共済組合が認めた場合には、その認めた日)までに厚生労働省共済組合に申出をしたときは、施行日以後引き続く当該役職員である期間厚生労働省共済組合を組織する同号に規定する職員に該当するものとする。
2 前項に規定する機構の役職員が同項に規定する期限内に同項の申出を行うことなく死亡した場合には、その申出は、当該期限内に当該役職員の遺族(国家公務員共済組合法第2条第1項第3号に規定する遺族に相当する者に限る。次項において同じ。)がすることができる。
3 施行日の前日において研究所の役員又は職員として在職する者(同日において厚生労働省共済組合の組合員であるものに限る。)が施行日において引き続いて機構の役職員となる場合であって、かつ、当該役職員又はその遺族が第1項に規定する期限内に同項の申出を行わなかった場合には、当該役職員は、国家公務員共済組合法の適用については、施行日の前日に退職(同法第2条第1項第4号に規定する退職をいう。)をしたものとみなす。
第13条 機構の役員又は職員についての通則法第50条の4第1項、第2項第1号及び第4号並びに第6項並びに第50条の6の規定の適用については、次の表の上欄に掲げるこれらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
通則法第50条の4第1項 |
の中期目標管理法人役職員であった者 |
の中期目標管理法人役職員であった者(独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律(平成27年法律第17号。第6項において「平成27年整備法」という。)附則第8条第1項の規定により解散した旧独立行政法人労働安全衛生総合研究所(独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号)の施行の日以後のものに限る。以下「旧研究所」という。)の中期目標管理法人役職員であった者を含む。以下この項において同じ。) |
通則法第50条の4第2項第1号 |
であった者 |
であった者(旧研究所の中期目標管理法人役職員であった者を含む。) |
通則法第50条の4第2項第4号 |
当該中期目標管理法人 |
当該中期目標管理法人(旧研究所を含む。) |
通則法第50条の4第6項 |
したこと |
したこと(平成27年整備法附則第14条の規定による廃止前の独立行政法人労働安全衛生総合研究所法(平成11年法律第181号。以下この項において「旧研究所法」という。)又は旧研究所が定めていた業務方法書、第49条に規定する規程その他の規則(以下この項において「旧研究所規則」という。)に違反する職務上の行為をしたことを含む。次条において同じ。) |
させたこと |
させたこと(旧研究所の役員又は職員にこの法律、旧研究所法若しくは他の法令又は旧研究所規則に違反する職務上の行為をさせたことを含む。次条において同じ。) |
|
であった者 |
であった者(旧研究所の役員又は職員であった者を含む。) |
|
通則法第50条の6第1号 |
であった者 |
であった者(旧研究所の中期目標管理法人役職員であった者を含む。) |
定めるもの |
定めるもの(離職前5年間に在職していた旧研究所の内部組織として主務省令で定めるものが行っていた業務を行う当該中期目標管理法人の内部組織として主務省令で定めるものを含む。) |
|
通則法第50条の6第2号 |
うち、当該中期目標管理法人 |
うち、当該中期目標管理法人(旧研究所を含む。) |
通則法第50条の6第3号 |
、当該中期目標管理法人 |
、当該中期目標管理法人(旧研究所を含む。以下この号において同じ。) |
第14条 独立行政法人労働安全衛生総合研究所法は、廃止する。
第15条 研究所の役員又は職員であった者に係るその職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務については、施行日以後も、なお従前の例による。
2 施行日前に旧研究所法第14条第1項の規定により厚生労働大臣が研究所に対してした求めは、第4条の規定による改正後の独立行政法人労働者健康安全機構法(次条及び附則第17条第1項において「改正機構法」という。)第16条第2項の規定により厚生労働大臣が機構にした求めとみなす。
3 施行日前に労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第96条の2第3項又は第96条の3の規定により厚生労働大臣が研究所に対してした指示又は命令は、附則第28条の規定による改正後の労働安全衛生法第96条の2第3項又は第96条の3の規定により厚生労働大臣が機構にした指示又は命令とみなす。
第16条 機構は、改正機構法第12条に規定する業務のほか、当分の間、第4条の規定による改正前の独立行政法人労働者健康福祉機構法第12条第1項第7号の業務の用に供していたリハビリテーション施設の移譲又は廃止の業務及びこれに附帯する業務を行う。
2 機構は、前項に規定する業務に係る経理については、改正機構法第12条の3に規定する社会復帰促進等事業として行われるものに係る経理として整理しなければならない。
3 第1項の規定により機構が業務を行う場合には、改正機構法第23条第2号中「第12条」とあるのは、「第12条及び独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律(平成27年法律第17号)附則第16条第1項」とする。
第17条 この法律の施行の際、改正機構法第12条第1項第4号に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、この法律の施行の時において機構が承継する。
2 前項の規定により機構が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から機構に対し出資されたものとする。この場合において、機構は、その額により資本金を増加するものとする。
第18条 厚生労働大臣は、この法律の施行の際現に厚生労働省の部局又は機関で政令で定めるものに使用されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、機構の用に供するため、機構に無償で使用させることができる。
第19条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第35条 この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。