日本アルコール産業株式会社法
第1章 総則
第1条 日本アルコール産業株式会社(以下「会社」という。)は、アルコール事業法(平成12年法律第36号)第2条第1項に規定するアルコールの製造に関する事業及びこれに附帯する事業を経営することを目的とする株式会社とする。
2 会社は、前項の事業を営むほか、同項の事業の遂行に支障のない範囲内において、経済産業大臣の認可を受けて、同項の事業以外の事業を営むことができる。
第2条 会社でない者は、その商号中に日本アルコール産業株式会社という文字を使用してはならない。
第3条 会社の社債権者は、会社の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 前項の先取特権の順位は、民法(明治29年法律第89号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
第2章 経営の健全性及び安定性の確保
第4条 会社は、会社法(平成17年法律第86号)第199条第1項に規定するその発行する株式(第17条第2号において「新株」という。)、同法第238条第1項に規定する募集新株予約権(第17条第2号において「募集新株予約権」という。)若しくは同法第676条に規定する募集社債(第17条第2号において「募集社債」という。)を引き受ける者の募集をし、株式交換若しくは株式交付に際して株式、社債若しくは新株予約権を発行し、又は弁済期限が1年を超える資金を借り入れようとするときは、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
2 会社は、新株予約権の行使により株式を発行した後、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第5条 会社の代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任又は監査委員の選定及び解職の決議は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第6条 会社は、毎事業年度の開始前に、その事業年度の事業計画を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第7条 会社は、経済産業省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
第8条 会社の定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、分割及び解散の決議は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第9条 会社は、毎事業年度終了後3月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を経済産業大臣に提出しなければならない。
第3章 雑則
第10条 会社は、経済産業大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
2 経済産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社に対し、業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第11条 経済産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第12条 経済産業大臣は、第1条第2項、第4条第1項、第6条、第7条又は第8条(会社の定款の変更の決議に係るものについては、会社が発行することができる株式の総数を変更するものに限る。)の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
第4章 罰則
第13条 会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の懲役に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、5年以下の懲役に処する。
2 前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第14条 前条第1項の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第15条 第13条第1項の罪は、刑法(明治40年法律第45号)第4条の例に従う。
2 前条第1項の罪は、刑法第2条の例に従う。
第16条 第11条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員は、30万円以下の罰金に処する。
第17条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、100万円以下の過料に処する。
一 第1条第2項の規定に違反して、事業を営んだとき。
二 第4条第1項の規定に違反して、新株、募集新株予約権若しくは募集社債を引き受ける者の募集をし、株式交換若しくは株式交付に際して株式、社債若しくは新株予約権を発行し、又は資金を借り入れたとき。
三 第4条第2項の規定に違反して、株式を発行した旨の届出を行わなかったとき。
四 第6条の規定に違反して、事業計画の認可を受けなかったとき。
五 第7条の規定に違反して、財産を譲渡し、又は担保に供したとき。
六 第9条の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書若しくは事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたこれらのものを提出したとき。
七 第10条第2項の規定による命令に違反したとき。
第18条 第2条の規定に違反した者は、10万円以下の過料に処する。
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第17条、第19条、第20条、第21条(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法(平成14年法律第145号)附則第5条の改正規定を除く。)、第22条及び第23条の規定は平成18年4月1日から、附則第21条中独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法附則第5条の改正規定は平成19年3月31日から施行する。
第2条 政府は、この法律の施行の状況を勘案し、会社をできる限り早期に民営化するため、速やかにこの法律の廃止を含めた見直しを行うとともに、その保有する株式の売却その他の必要な措置を講ずるものとする。
第3条 経済産業大臣は、設立委員を命じ、会社の設立に関して発起人の職務を行わせる。
第4条 設立委員は、定款を作成して、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
2 経済産業大臣は、前項の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
第5条 会社の設立に際して発行する株式に関する商法(明治32年法律第48号)第168条ノ2各号に掲げる事項は、定款で定めなければならない。
2 会社の設立に際して発行する株式については、商法第284条ノ2第2項の規定にかかわらず、その発行価額の二分の一を超える額を資本に組み入れないことができる。この場合において、同条第1項中「本法」とあるのは、「本法又ハ日本アルコール産業株式会社法」とする。
第6条 会社の設立に際して発行する株式の総数は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「機構」という。)が引き受けるものとし、設立委員は、これを機構に割り当てるものとする。
2 前項の規定により割り当てられた株式による会社の設立に関する株式引受人としての権利は、政府が行使する。
第7条 機構は、会社の設立に際し、会社に対し、その財産のうち、附則第19条の規定による改正前のアルコール事業法(以下「旧アルコール事業法」という。)第31条及び附則第2条に規定する業務に係るものを出資するものとする。この場合においては、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第48条の規定は、適用しない。
第8条 会社の設立に係る商法第180条第1項の規定の適用については、同項中「第177条ノ規定ニ依ル払込及現物出資ノ給付」とあるのは、「日本アルコール産業株式会社法附則第6条第1項ノ規定ニ依ル株式ノ割当」とする。
第9条 附則第7条の規定により機構が行う出資に係る給付は、附則第19条の規定の施行の時に行われるものとし、会社は、商法第57条の規定にかかわらず、その時に成立する。
第10条 会社は、商法第188条第1項の規定にかかわらず、会社の成立後遅滞なく、その設立の登記をしなければならない。
第11条 機構が出資によって取得する会社の株式は、会社の成立の時に、政府に無償譲渡されるものとする。
第12条 商法第167条、第168条第2項、第169条、第181条及び第184条の規定は、会社の設立については、適用しない。
第13条 機構は、会社の成立の時において旧アルコール事業法第31条及び附則第2条に規定する業務を終了するものとし、それらの業務に係る一切の権利及び義務は、その時において会社が承継する。
2 機構は、前項の規定により会社が機構の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、次に掲げる額の合計額によりその資本金を減少するものとする。
一 その承継の際附則第21条の規定による改正前の独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法(以下「旧機構法」という。)第17条第4号に掲げる業務に係る勘定に属する資本金の額
二 その承継の際旧機構法附則第11条第2項に規定するアルコール製造勘定及び一般アルコール販売勘定に属する資本金の額
第14条 第2条の規定は、この法律の施行の際現にその商号中に日本アルコール産業株式会社という文字を使用している者については、この法律の施行後6月間は、適用しない。
第15条 会社の成立の日の属する事業年度の事業計画については、第6条中「毎事業年度の開始前に」とあるのは、「会社の成立後遅滞なく」とする。
第16条 会社は、その成立の日においてアルコール事業法第3条第1項の許可を受けたものとみなす。
第17条 附則第10条の規定により会社が受ける設立の登記及び附則第7条の規定により機構が行う出資に係る財産の給付に伴い会社が受ける登記又は登録については、登録免許税を課さない。
第18条 附則第3条から前条までに規定するもののほか、会社の設立に関し必要な事項は、政令で定める。
第22条 附則第19条の規定の施行前に独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)の規定に基づき機構がした行為及び機構に対してなされた行為(附則第13条の規定により会社が承継することとなる権利及び義務に関するものに限る。)については、会社を同法第2条第1項に規定する独立行政法人等とみなす。
2 附則第19条の規定の施行前に独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)の規定に基づき機構がした行為及び機構に対してなされた行為(附則第13条の規定により会社が承継することとなる権利及び義務に関するものに限る。)については、会社を同法第2条第1項に規定する独立行政法人等とみなす。
この法律は、会社法の施行の日から施行する。
この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
この法律は、会社法改正法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第9条中社債、株式等の振替に関する法律第269条の改正規定(「第68条第2項」を「第86条第1項」に改める部分に限る。)、第21条中民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第56条第2項及び附則第4条の改正規定、第41条中保険業法附則第1条の2の14第1項の改正規定、第47条中保険業法等の一部を改正する法律附則第16条第1項の改正規定、第51条中株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法第27条の改正規定、第78条及び第79条の規定、第89条中農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律附則第26条第1項の改正規定並びに第124条及び第125条の規定 公布の日