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自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律

平成25年法律第86号
最終改正:令和2年6月12日法律第47号
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(定義)

第1条 この法律において「自動車」とは、道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第9号に規定する自動車及び同項第10号に規定する原動機付自転車をいう。

 この法律において「無免許運転」とは、法令の規定による運転の免許を受けている者又は道路交通法第107条の2の規定により国際運転免許証若しくは外国運転免許証で運転することができるとされている者でなければ運転することができないこととされている自動車を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は当該国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持しないで(同法第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当する場合又は本邦に上陸(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)に基づき住民基本台帳に記録されている者が出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第60条第1項の規定による出国の確認、同法第26条第1項の規定による再入国の許可(同法第26条の2第1項(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)第23条第2項において準用する場合を含む。)の規定により出入国管理及び難民認定法第26条第1項の規定による再入国の許可を受けたものとみなされる場合を含む。)又は出入国管理及び難民認定法第61条の2の12第1項の規定による難民旅行証明書の交付を受けて出国し、当該出国の日から3月に満たない期間内に再び本邦に上陸した場合における当該上陸を除く。)をした日から起算して滞在期間が1年を超えている場合を含む。)、道路(道路交通法第2条第1項第1号に規定する道路をいう。)において、運転することをいう。


(危険運転致死傷)

第2条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。

 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為

 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為

 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第4条第1項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和27年法律第180号)第48条の4に規定する自動車専用道路をいう。)において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為

 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為


第3条 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。


(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱)

第4条 アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。


(過失運転致死傷)

第5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。


(無免許運転による加重)

第6条 第2条(第3号を除く。)の罪を犯した者(人を負傷させた者に限る。)が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、6月以上の有期懲役に処する。

 第3条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は6月以上の有期懲役に処する。

 第4条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、15年以下の懲役に処する。

 前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、10年以下の懲役に処する。

附 則
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


(罰則の適用等に関する経過措置)

第14条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(令和2年6月12日法律第47号)

この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。