国会職員法
第1章 総則
第1条 この法律において国会職員とは、次に掲げる者をいう。
一 各議院事務局の事務総長、参事、常任委員会専門員及び常任委員会調査員並びに衆議院事務局の調査局長及び調査局調査員
二 各議院法制局の法制局長及び参事
三 国立国会図書館の館長、副館長、司書、専門調査員、調査員及び参事
四 裁判官弾劾裁判所事務局(以下「弾劾裁判所事務局」という。)及び裁判官訴追委員会事務局(以下「訴追委員会事務局」という。)の参事
五 前各号に掲げる者を除くほか、各議院事務局、各議院法制局、国立国会図書館、弾劾裁判所事務局及び訴追委員会事務局の職員
第2章 任用
第2条 国会職員は次の各号のいずれかに該当しない者でなければならない。
一 懲役又は禁錮の刑に処せられて、その刑の執行を終わらない者又はその刑の執行を受けることのなくなるまでの者
二 懲戒処分により官公職を免ぜられ、その身分を失つた日から2年を経過しない者
三 前二号のいずれかに該当する者のほか、国家公務員法(昭和22年法律第120号)の規定により官職に就く能力を有しない者
第3条 国会職員の任用は、別に定のあるものを除き、各本属長の定める任用の基準に基いて、これを行う。
第3条の2 国会職員の昇任(国会職員にその国会職員が現に命ぜられている職より上位の職制上の段階に属する職を命ずることをいう。以下同じ。)及び転任(国会職員にその国会職員が現に命ぜられている職以外の職を命ずることであつて昇任及び降任(国会職員にその国会職員が現に命ぜられている職より下位の職制上の段階に属する職を命ずることをいう。以下同じ。)に該当しないものをいう。以下同じ。)は、各本属長が、国会職員の人事評価(任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とするために、国会職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力及び挙げた業績を把握した上で行われる勤務成績の評価をいう。以下同じ。)に基づき、命じようとする職の属する職制上の段階の標準的な職に係る標準職務遂行能力(職制上の段階の標準的な職の職務を遂行する上で発揮することが求められる能力として両議院の議長が協議して定めるものをいう。以下同じ。)及び当該命じようとする職についての適性を有すると認められる者の中から行うものとする。
2 各本属長は、国会職員を降任させる場合には、当該国会職員の人事評価に基づき、命じようとする職の属する職制上の段階の標準的な職に係る標準職務遂行能力及び当該命じようとする職についての適性を有すると認められる職を命ずるものとする。
3 国際機関に派遣されていたこと等の事情により、人事評価が行われていない国会職員の昇任、降任及び転任については、前二項の規定にかかわらず、各本属長が、人事評価以外の能力の実証に基づき、命じようとする職の属する職制上の段階の標準的な職に係る標準職務遂行能力及び当該命じようとする職についての適性を判断して行うことができる。
4 前三項の標準的な職は、係員、係長、課長補佐、課長その他の職とし、職制上の段階及び職務の種類に応じ、両議院の議長が協議して定める。
第3条の3 各本属長は、高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者をその者が有する当該高度の専門的な知識経験又は優れた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合には、選考により、任期を定めて国会職員を採用することができる。
2 各本属長は、前項の規定によるほか、専門的な知識経験を有する者を当該専門的な知識経験が必要とされる業務に従事させる場合において、両議院の議長が協議して定める場合に該当するときであつて、当該専門的な知識経験を有する者を当該業務に期間を限つて従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要であるときは、選考により、任期を定めて国会職員を採用することができる。
3 前二項の規定により採用される国会職員の任期及びこれらの規定により任期を定めて採用された国会職員の任用の制限については、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律(平成12年法律第125号)の適用を受ける職員の例による。
4 前三項の規定の実施に関し必要な事項は、両議院の議長が協議して定める。
5 前各項の規定は、非常勤の職員の採用については、適用しない。
第4条 国会職員の採用は、条件附のものとし、その国会職員が6月を下らない期間を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のものとなるものとする。
2 条件附採用に関し必要な事項又は条件附採用期間であつて6月をこえる期間を要するものについては、各本属長がこれを定める。
第5条 この章の規定(第2条の規定を除く。)は、各議院事務局の事務総長、議長又は副議長の秘書事務をつかさどる参事及び常任委員会専門員、各議院法制局の法制局長並びに国立国会図書館の館長及び専門調査員については、適用しない。
第3章 人事評価
第6条 国会職員の執務については、各本属長は、定期的に人事評価を行わなければならない。
2 人事評価の基準及び方法に関する事項その他人事評価に関し必要な事項は、両議院の議長が協議して定める。
第7条 各本属長は、前条第1項の人事評価の結果に応じた措置を講じなければならない。
第8条 この章の規定は、各議院事務局の事務総長、議長又は副議長の秘書事務をつかさどる参事及び常任委員会専門員、各議院法制局の法制局長並びに国立国会図書館の館長及び専門調査員については、適用しない。
第4章 分限及び保障
第9条 国会職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。
2 国会職員は、両議院の議長が協議して定める事由に該当するときは、降給されるものとする。
3 前項の規定により降給するときは、両議院の議長が協議して定める場合を除き、国会職員考査委員会の審査を経なければならない。
第10条 国会職員が第2条各号(第2号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、当然失職する。
第11条 国会職員が次の各号のいずれかに該当するときは、両議院の議長が協議して定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
一 人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績が良くないとき。
二 身体又は精神の故障により、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
三 その他その職に必要な適格性を欠くとき。
四 廃職となり、又は定員改正により過員を生じたとき。
2 前項第1号から第3号までの規定により降任し、又は免職するときは、国会職員考査委員会の審査を経なければならない。
第12条 第13条第1項第3号により休職を命ぜられ、満期となつたときは、当然退職者とする。
第13条 国会職員が左の各号の一に該当するときは、その意に反して、これに休職を命ずることができる。
一 懲戒のため国会職員考査委員会の審査に付せられたとき
二 刑事事件に関し起訴されたとき
三 廃職となり又は定員改正により過員を生じたとき
四 身体又は精神の故障により長期の休養を要するとき
五 事務の都合により必要があるとき
2 前項第4号及び第5号の規定により休職を命ずるには、国会職員考査委員会の審査を経なければならない。
3 第1項の休職の期間は、第1号及び第2号の場合においては、その事件が、国会職員考査委員会又は裁判所に繋属中とし、第3号及び第5号の場合においては1年とし、第4号の場合においては、3年をこえない範囲内において、休養を要する程度に応じ個々の場合について、休職について権限のある者がこれを定める。
4 第1項第4号に該当し、3年に満たない期間休職を命ぜられた国会職員が、その期間経過の際、引き続き同号に該当するときは、休職について権限のある者は、その休職を発令した日から引き続き3年をこえない範囲内において、休養を要する程度に応じ、当該休職期間を延長しなければならない。
第14条 休職者は、その身分を有するが、職務に従事しない。
2 前条第1項第3号乃至第5号の規定により休職を命ぜられた者に対しては、休職期間が満期となるまでは、事務の都合により、何時でも復職を命ずることができる。
3 前条第1項第4号の規定により休職を命ぜられ同条第3項又は第4項の規定による3年の休職期間が満期となつた者及び同条第1項第5号の規定により休職を命ぜられその休職期間が満期となつた者については、事務の都合により、復職を命じ、又は休職期間を更新することができる。
第15条 休職及び復職は、任用について権限がある者が、これを行う。
第15条の2 国会職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の3月31日又は各本属長があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する。
2 前項の定年は、年齢60年とする。ただし、次の各号に掲げる国会職員の定年は、当該各号に定める年齢とする。
一 診療所等で両議院の議長が協議して定めるものに勤務する医師及び歯科医師 年齢65年
二 庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する国会職員で両議院の議長が協議して定めるもの 年齢63年
三 前二号に掲げる国会職員のほか、その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を年齢60年とすることが著しく不適当と認められる職を占める国会職員で両議院の議長が協議して定めるもの 60年を超え、65年を超えない範囲内で両議院の議長が協議して定める年齢
3 前二項の規定は、法律により任期を定めて任用される国会職員については、適用しない。
第15条の3 各本属長は、定年に達した国会職員が前条第1項の規定により退職すべきこととなる場合において、その国会職員の職務の特殊性又はその国会職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その国会職員に係る定年退職日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、その国会職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。
2 各本属長は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、1年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、その国会職員に係る定年退職日の翌日から起算して3年を超えることができない。
第15条の4 各本属長は、第15条の2第1項の規定により退職した者若しくは前条の規定により勤務した後退職した者又は定年退職日以前に退職した者のうち勤続期間等を考慮してこれらに準ずるものとして両議院の議長が協議して定める者(以下「定年退職者等」という。)を、従前の勤務実績等に基づく選考により、1年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する職に採用することができる。ただし、その者がその者を採用しようとする職に係る定年に達していないときは、この限りでない。
2 前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、各本属長の定めるところにより、1年を超えない範囲内で更新することができる。
3 前二項の規定による任期については、その末日は、その者が年齢65年に達する日以後における最初の3月31日以前でなければならない。
第15条の5 各本属長は、定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、1年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の職(当該職を占める国会職員の1週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種のものを占める国会職員の1週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるものをいう。以下同じ。)に採用することができる。
2 前項の規定により採用された国会職員の任期については、前条第2項及び第3項の規定を準用する。
3 短時間勤務の職については、定年退職者等のうち第15条の2第1項及び第2項の規定の適用があるものとした場合の当該職に係る定年に達した者に限り任用することができるものとする。
第15条の6 国会職員で、その意に反して、降給され、降任され、休職され、免職され、その他著しく不利益な処分若しくは取扱いを受け、又は懲戒処分を受けたものの苦情の処理に関しては、衆議院の事務局及び法制局並びに訴追委員会事務局の職員については衆議院議長が衆議院の議院運営委員会に諮つて定め、参議院の事務局及び法制局並びに弾劾裁判所事務局の職員については参議院議長が参議院の議院運営委員会に諮つて定め、国立国会図書館の職員については国立国会図書館の館長が両議院の議院運営委員会の承認を経て定めるところによる。
第16条 本章の規定(第10条の規定を除く。)は、各議院事務局の事務総長、議長又は副議長の秘書事務をつかさどる参事及び常任委員会専門員、各議院法制局の法制局長、国立国会図書館の館長及び専門調査員並びに条件付採用期間中の職員、非常勤の職員(短時間勤務の職を占める国会職員を除く。)及び臨時の職員については、これを適用しない。
第5章 服務等
第17条 国会職員は、国会の事務に従事するに当り、公正不偏、誠実にその職務を尽し、以て国民全体に奉仕することを本分とする。
第18条 国会職員は、その職務を行うについては、上司の命令に従わねばならない。但し、その命令について意見を述べることができる。
第18条の2 国会職員は、組合又はその連合体(以下本条中「組合」という。)を結成し、若しくは結成せず、又はこれらに加入し、若しくは加入しないことができる。国会職員は、これらの組織を通じて、代表者を自ら選んでこれを指名し、勤務条件に関し、及びその他社交的厚生的活動を含む適法な目的のため、当局と交渉することができる。但し、この交渉は、当局と団体協約を締結する権利を含まないものとする。すべて国会職員は、国会職員の組合に属していないという理由で、不満を表明し、又は意見を申し出る自由を否定されてはならない。
2 国会職員は、前項の組合について、その構成員であること、これを結成しようとしたこと若しくはこれに加入しようとしたこと又はその組合における正当な行為をしたことのために不利益な取扱を受けない。
3 国会職員は、同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は国会の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。
4 国会職員で同盟罷業その他前項の規定に違反する行為をした者は、その行為の開始とともに、当局に対し、法令に基いて保有する任命上又は雇用上の権利を以て、対抗することができない。
5 国会職員が当局と交渉する場合の手続その他組合に関し必要な事項は、両議院の議長が協議してこれを定める。
第19条 国会職員は、本属長の許可がなければ、職務上知り得た秘密を漏らすことはできない。その職を離れた後でも同様である。
第20条 国会職員は、職務の内外を問わず、その信用を失うような行為があつてはならない。
第20条の2 国会職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、両議院の議長が両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮つて定める政治的行為をしてはならない。
2 国会職員は、公選による公職の候補者となり、又は公選による公職と兼ねることができない。
3 国会職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない。
第21条 国会職員は、営利を目的とする事業団体の役員又は職員その他の使用人となり、又は営利を目的とする事業に従事することができない。
2 本属長は、その所属国会職員が、営利を目的としない事業団体の役員若しくは職員となり、又は営利を目的としない事業に従事することが、国会職員の職務遂行に支障があると認める場合においては、これを禁ずることができる。
第22条 国会職員は、本属長の許可を受けなければ、本職の外に、給料を得て他の事務を行うことはできない。
第23条 国会職員は、本属長の許可を受けなければ、濫りに職務を離れることはできない。
第24条 国会職員の居住地、制服その他服務上必要な事項は、本属長がこれを定める。
第24条の2 国会職員の勤務時間、休日及び休暇に関する事項については、両議院の議長が、両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮つてこれを定める。
第24条の3 本章の規定は、各議院事務局の事務総長、議長又は副議長の秘書事務を掌る参事及び常任委員会専門員、各議院法制局の法制局長並びに国立国会図書館の館長については、これを適用しない。
2 第20条の2から第22条までの規定は、両議院の議長が協議して定める非常勤の職員については、これを適用しない。
第5章の2 適性評価
第24条の4 各議院の議長は、両議院の議長が協議して定めるところにより、両議院の議長が協議して定める国会職員又は国会職員になることが見込まれる者について、適性評価(国会法(昭和22年法律第79号)第102条の18に規定する適性評価をいう。以下次条までにおいて同じ。)を実施するものとする。
2 各議院の議長は、適性評価の対象となる者(以下この項において「評価対象者」という。)について、両議院の議長が協議して定める事項についての調査を行うため必要な範囲内において、その院の国会職員に評価対象者若しくは評価対象者の知人その他の関係者に質問させ、若しくは評価対象者に対し資料の提出を求めさせ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
第24条の5 前条に定めるもののほか、適性評価の実施に関し必要な事項は、両議院の議長が協議して定める。
第6章 給与、旅費、災害補償及び年金等
第25条 国会職員は、その在職中給料を受ける。
2 国会職員は、給料の外、必要な手当その他の給与及び旅費を受けることができる。
3 国会職員の給料、手当その他の給与の種類、額、支給条件及び支給方法並びに旅費については、別に法律(これに基く命令を含む。)で定めるものを除く外、両議院の議長が、両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮つてこれを定める。
第26条 第13条の規定により休職を命ぜられた国会職員は、両議院の議長が両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮つて定めるところにより、給与の全部又は一部を受けることができる。
第26条の2 国会職員及びその遺族は、両議院の議長が両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮つて定めるところにより、その国会職員の公務上の災害又は通勤による災害に対する補償等を受ける。
第27条 国会職員及びその遺族は、その国会職員の退職又は死亡の場合には、別に法律の定めるところにより、年金及び一時金並びに退職手当を受ける。
第27条の2 各本属長は、国会職員の勤務能率の発揮及び増進のために、左の事項について計画を樹立し、これが実施に努めるものとする。
一 国会職員の教育訓練に関する事項
二 国会職員の保健に関する事項
三 国会職員の元気回復に関する事項
四 国会職員の安全保持に関する事項
五 国会職員の厚生に関する事項
第27条の3 国会職員に関する留学費用の償還義務については、国家公務員の留学費用の償還に関する法律(平成18年法律第70号)第2条第1項に規定する職員の例による。
第7章 懲戒
第28条 各議院事務局の事務総長、議長又は副議長の秘書事務をつかさどる参事及び常任委員会専門員、各議院法制局の法制局長並びに国立国会図書館の館長及び専門調査員を除く国会職員は、次の各号のいずれかに該当する場合において懲戒の処分を受ける。
一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つたとき。
二 職務の内外を問わずその信用を失うような行為があつたとき。
2 国会職員が、各本属長の要請に応じ国会職員以外の国家公務員、地方公務員又は沖縄振興開発金融公庫その他その業務が国の事務若しくは事業と密接な関連を有する法人のうち両議院の議長が協議して定めるものに使用される者(以下「国会職員以外の国家公務員等」という。)となるため退職し、引き続き国会職員以外の国家公務員等として在職した後、引き続いて当該退職を前提として国会職員として採用された場合(一の国会職員以外の国家公務員等として在職した後、引き続き一以上の国会職員以外の国家公務員等として在職し、引き続いて当該退職を前提として国会職員として採用された場合を含む。)において、当該退職までの引き続く国会職員としての在職期間(当該退職前に同様の退職(以下「先の退職」という。)、国会職員以外の国家公務員等としての在職及び国会職員としての採用がある場合には、当該先の退職までの引き続く国会職員としての在職期間を含む。以下「要請に応じた退職前の在職期間」という。)のうち前項の国会職員としての在職期間中に同項各号のいずれかに該当したときは、当該国会職員(同項の国会職員であるものに限る。)は、懲戒の処分を受ける。国会職員が、第15条の4第1項又は第15条の5第1項の規定により採用された場合において、定年退職者等となつた日までの引き続く国会職員としての在職期間(要請に応じた退職前の在職期間を含む。)のうち前項の国会職員としての在職期間又は第15条の4第1項若しくは第15条の5第1項の規定によりかつて採用されて国会職員として在職していた期間中に前項各号のいずれかに該当したときも、同様とする。
第29条 懲戒は左の通りとする。
一 戒告
二 減給
三 停職
四 免職
第30条 減給は、1日以上1年以下給料の五分の一以下を減ずる。
第30条の2 停職の期間は、1日以上1年以下とする。
2 停職者は、国会職員としての身分を保有するが、職務に従事しない。停職者は、停職の期間中給与を受けることができない。
第31条 懲戒は、国会職員考査委員会の審査を経て、任用について権限がある者が、これを行う。
第32条 懲戒に付せらるべき事件が、刑事裁判所に係属する間においても、同一事件について、適宜に、懲戒手続を進めることができる。この法律による懲戒処分は、その国会職員が、同一又は関連の事件に関し、重ねて刑事上の訴追を受けることを妨げない。
第8章 国会職員考査委員会
第33条 国会職員の分限及び懲戒に関する事項を審査するため、各議院事務局、各議院法制局、国立国会図書館、裁判官弾劾裁判所(以下「弾劾裁判所」という。)及び裁判官訴追委員会(以下「訴追委員会」という。)に、それぞれ国会職員考査委員会を設ける。
第34条 国会職員考査委員会は、それぞれ委員長1人、委員若干人でこれを組織する。
第35条 各議院事務局に設ける国会職員考査委員会の委員長は、その院の事務局の事務総長、その委員は、その院の事務局の事務次長及び部長並びにその院が衆議院である場合にあつては衆議院事務局の調査局長、他の院の事務局の事務総長及び事務次長、各議院法制局の法制局長及び法制次長並びに国立国会図書館の館長が、これに当たる。
第35条の2 各議院法制局に設ける国会職員考査委員会の委員長は、その院の法制局の法制局長、その委員は、その院の法制局の法制次長及び部長、他の院の法制局の法制局長及び法制次長、各議院事務局の事務総長及び事務次長並びに国立国会図書館の館長が、これに当る。
第36条 国立国会図書館に設ける国会職員考査委員会の委員長は、国立国会図書館の館長、その委員には、国立国会図書館の副館長、館長が指名する部局の長、関西館長及び国際子ども図書館長、各議院事務局の事務総長及び事務次長並びに各議院法制局の法制局長及び法制次長が、これに当たる。
第37条 弾劾裁判所に設ける国会職員考査委員会の委員長は、弾劾裁判所の裁判長、その委員には、弾劾裁判所事務局及び訴追委員会事務局の事務局長、各議院事務局の事務総長及び事務次長並びに各議院法制局の法制局長及び法制次長が、これに当る。
第38条 訴追委員会に設ける国会職員考査委員会の委員長は、訴追委員会の委員長、その委員は、訴追委員会事務局及び弾劾裁判所事務局の事務局長、各議院事務局の事務総長及び事務次長並びに各議院法制局の法制局長及び法制次長が、これに当る。
第39条 国会職員考査委員会にそれぞれ幹事数人を置き、各委員長が、国会職員の中よりこれを命ずる。
第40条 国会職員考査委員会に関する規程は、両議院の議院運営委員会の合同審査会に諮り、両議院の議長が、これを定める。
第9章 国際機関等への派遣
第41条 各本属長は、条約その他の国際約束若しくはこれに準ずるものに基づき又は次に掲げる機関の要請に応じ、これらの機関の業務に従事させるため、その所属国会職員(両議院の議長が協議して定める国会職員を除く。)を派遣することができる。
一 わが国が加盟している国際機関
二 外国政府の機関
三 前二号に準ずる機関で、両議院の議長が協議して定めるもの
2 各本属長は、前項の規定によりその所属国会職員を派遣する場合には、当該国会職員の同意を得なければならない。
第42条 前条第1項の規定により派遣された国会職員(以下「派遣国会職員」という。)は、その派遣の期間中、国会職員としての身分を保有するが、職務に従事しない。
第43条 派遣国会職員に関する給与、旅費、災害補償、退職又は死亡の場合における年金及び一時金、退職手当等並びに派遣国会職員の職務への復帰及び復帰時における処遇については、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律(昭和45年法律第117号)第3条に規定する派遣職員の例による。
第44条 前三条の規定の実施に関し必要な事項は、両議院の議長が協議して定める。
第10章 補則
第45条 労働組合法(昭和24年法律第174号)、労働関係調整法(昭和21年法律第25号)、労働基準法(昭和22年法律第49号)、最低賃金法(昭和34年法律第137号)、じん肺法(昭和35年法律第30号)及び労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)並びにこれらに基く命令は、国会職員については、これを適用しない。
2 国会職員に関しては、この法律で定めた事項及びこの法律に基き両議院の議長若しくは本属長が定めた事項又は国会職員の勤務条件について他の法律(これに基く命令を含む。)で定めた事項に矛盾しない範囲内において、労働基準法及び労働安全衛生法並びにこれらに基く命令の規定を準用する。但し、労働基準監督機関の職権に関する規定は、これを準用しない。
3 前項の規定の適用に関し必要な事項は、両議院の議長が協議してこれを定める。
1 この法律は、国会法施行の日から、これを施行する。
2 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法(平成23年法律第112号)がその効力を有する間における第1条、第5条、第8条、第15条の6、第16条、第24条の3第1項、第28条第1項及び第33条の規定の適用については、第1条中「次に掲げる者」とあるのは「次に掲げる者並びに東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長及び委員その他の職員」と、第5条、第8条及び第28条第1項中「並びに国立国会図書館」とあるのは「、国立国会図書館」と、「専門調査員」とあるのは「専門調査員並びに東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長及び委員」と、第15条の6中「定める」とあるのは「定め、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の職員については東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長が両議院の議院運営委員会の承認を経て定める」と、第16条中「専門調査員」とあるのは「専門調査員、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長及び委員」と、第24条の3第1項中「並びに国立国会図書館の館長」とあるのは「、国立国会図書館の館長並びに東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長及び委員」と、第33条中「訴追委員会」という。)」とあるのは「訴追委員会」という。)並びに東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」とする。
3 前項の規定により読み替えて適用する第33条の規定により東京電力福島原子力発電所事故調査委員会に設ける国会職員考査委員会の委員長は、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長、その委員には、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員、各議院事務局の事務総長及び事務次長並びに各議院法制局の法制局長及び法制次長が、これに当たる。
この法律は、公布の日から、これを施行する。
1 この法律は、公布の日から施行し、第1条中国会職員法第26条の改正規定は、昭和27年1月1日から適用する。
2 この法律施行の際現に国会に勤務する職員で、従前の国会職員法第1条に規定する国会職員以外の者は、同一の勤務条件をもつて改正後の同法第1条第5号に掲げる各相当の国会職員となるものとする。
3 改正後の国会職員法第13条第4項の規定は、この法律施行の際現に休職を命ぜられている国会職員に対しても適用する。
この法律は、公布の日から施行する。
1 この法律は、第二十二回国会の召集の日から施行する。
この法律は、公布の日から施行する。
1 この法律は、昭和34年4月1日から施行する。
2 この法律の施行の際現に各議院事務局の参事、主事、常任委員会調査員若しくは常任委員会調査主事、各議院法制局の参事若しくは主事、国立国会図書館の参事若しくは主事又は弾劾裁判所事務局若しくは訴追委員会事務局の参事若しくは主事の職にある者は、別に辞令を発せられないときは、同一の勤務条件をもつて、それぞれ各議院事務局の参事若しくは常任委員会調査員、各議院法制局の参事、国立国会図書館の参事又は弾劾裁判所事務局若しくは訴追委員会事務局の参事に任用されたものとする。
3 この法律の施行の際現に改正前の国会職員法第1条第5号の職員である者は、別に辞令を発せられないときは、同一の勤務条件をもつて、改正後の同法第1条第5号の相当の職員となるものとする。
第1条 この法律の施行期日は、公布の日から起算して90日をこえない範囲内において、各規定につき、政令で定める。
第1条 この法律は、昭和35年4月1日から施行する。
この法律は、昭和39年1月1日から施行する。
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
1 この法律は、公布の日から起算して30日を経過した日から施行する。
7 この法律の施行の際現に国会職員法第13条の規定により休職にされ、前項の規定による改正後の同法第41条第1項各号に掲げる機関(以下「国際機関等」という。)の業務に従事している国会職員及び施行日前に国会職員法第13条の規定により休職にされ、国際機関等の業務に従事していた期間を有する国会職員のうち、引き続き施行日において国会職員として在職しているものの処遇等については、附則第2項及び附則第3項の規定の例による。
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
1 この法律は、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭和48年法律第85号)の施行の日から施行する。
2 第1条の規定による改正後の国会職員法第26条の2の規定及び第2条の規定による改正後の国会議員の秘書の給料等に関する法律第5条の3の規定は、この法律の施行の日以後に発生した事故に起因する通勤による災害について適用する。
1 この法律は、昭和60年3月31日から施行する。
2 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までにこの法律による改正後の国会職員法(以下「新法」という。)第15条の2第2項に規定する定年(次項の規定の適用を受ける国会職員にあつては、同項の両議院の議長が協議して定める年齢)に達している国会職員(新法第16条に規定する国会職員を除く。以下同じ。)は、施行日に退職する。
3 この法律の施行の際現に在職する国会職員についての新法第15条の2第2項の規定の適用については、昭和70年3月30日までの間は、同項中「年齢60年」とあり、「60年」とあるのは、「両議院の議長が協議して定める年齢」とする。
4 前項の両議院の議長が協議して定める年齢(以下「暫定年齢」という。)は、65年を超えることができない。
5 暫定年齢は、施行日前における国会職員の退職年齢を考慮し、昭和70年3月30日には60年になるよう逓減して定めるものとする。
6 両議院の議長は、暫定年齢の決定を各本属長に委任することができる。
7 新法第15条の3の規定は、附則第2項の規定により国会職員が退職すべきこととなる場合について準用する。この場合において、新法第15条の3第1項中「同項」とあるのは「国会職員法の一部を改正する法律(昭和59年法律第40号。以下「昭和59年法律第40号」という。)附則第2項」と、同条中「その国会職員に係る定年退職日」とあるのは「昭和59年法律第40号の施行の日」と読み替えるものとする。
8 新法第15条の4の規定は、附則第2項の規定により国会職員が退職した場合又は前項において準用する新法第15条の3の規定により国会職員が勤務した後退職した場合について準用する。この場合において、新法第15条の4第3項中「その者に係る定年退職日」とあるのは、「その者が昭和59年法律第40号附則第3項の両議院の議長が協議して定める年齢(退職した時に第15条の2第2項各号に掲げる国会職員であつた者にあつては、当該各号に定める年齢)に達した日」と読み替えるものとする。
1 この法律は、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成6年法律第33号)の施行の日から施行する。
第1条 この法律は、次の常会の召集の日から施行する。
1 この法律は、平成12年1月1日から施行する。
第1条 この法律は、平成13年4月1日から施行する。ただし、第1条中国会職員法第28条の改正規定(同条第2項後段に係る部分を除く。)及び附則第4条第1項の規定については、国家公務員法等の一部を改正する法律(平成11年法律第83号)附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日から施行する。
第2条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に第1条の規定による改正前の国会職員法第15条の4第1項の規定により採用され、同項の任期又は同条第2項の規定により更新された任期の末日が施行日以後である国会職員に係る任用(任期の更新を除く。)及び退職手当については、なお従前の例による。
第3条 次の表の上欄に掲げる期間における第1条の規定による改正後の国会職員法(以下「新国会職員法」という。)第15条の4第3項(新国会職員法第15条の5第2項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、新国会職員法第15条の4第3項中「65年」とあるのは、同表の上欄に掲げる区分に応じそれぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
平成13年4月1日から平成16年3月31日まで |
61年 |
平成16年4月1日から平成19年3月31日まで |
62年 |
平成19年4月1日から平成22年3月31日まで |
63年 |
平成22年4月1日から平成25年3月31日まで |
64年 |
第4条 新国会職員法第28条第2項前段の規定は、同項前段に規定する退職が附則第1条ただし書に規定する日以後である国会職員について適用する。この場合において、同日前に同項前段に規定する先の退職がある国会職員については、当該先の退職の前の国会職員としての在職期間は、同項前段に規定する要請に応じた退職前の在職期間には含まれないものとする。
2 新国会職員法第28条第2項後段の規定は、同項後段の定年退職者等となった日が施行日以後である国会職員について適用する。この場合において、附則第1条ただし書に規定する日前に同項前段に規定する退職又は先の退職がある国会職員については、同日前のこれらの退職の前の国会職員としての在職期間は、同項後段の定年退職者等となった日までの引き続く国会職員としての在職期間には含まれないものとする。
第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。
第3条 民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)附則第3条第3項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。
一~二十五 略
1 この法律は、平成14年4月1日から施行する。
1 この法律は、公布の日から施行する。
1 この法律は、国家公務員の留学費用の償還に関する法律の施行の日から施行する。
2 この法律による改正後の国会職員法第27条の3の規定は、この法律の施行後に留学を命ぜられた国会職員について適用する。
この法律は、平成20年4月1日から施行する。
第1条 この法律は、平成20年10月1日から施行する。
第8条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第9条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第1条 この法律は、平成23年4月1日から施行する。
第2条 この法律の施行の日から起算して3年間は、この法律による改正後の国会職員法第3条の2第1項及び第2項の規定の適用については、同条第1項中「評価をいう。以下同じ。)」とあるのは「評価をいう。以下同じ。)又はその他の能力の実証」と、同条第2項中「人事評価」とあるのは「人事評価又はその他の能力の実証」とする。
第1条 この法律は、国会法の一部を改正する法律(平成23年法律第111号)の施行の日から施行する。
1 この法律は、特定秘密の保護に関する法律(平成25年法律第108号)の施行の日から施行する。ただし、第3条及び次項の規定は、公布の日から施行する。
3 この法律の施行後、我が国が国際社会の中で我が国及び国民の安全を確保するために必要な海外の情報を収集することを目的とする行政機関が設置される場合には、国会における当該行政機関の監視の在り方について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。
4 情報監視審査会における調査スタッフの能力の向上、効果的な調査手法の開発その他情報監視審査会の調査機能の充実強化のための方策については、国会において、常に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
5 政府は、この法律の施行後速やかに、行政機関が保有する特定秘密以外の公表しないこととされている情報の取扱いの適正を確保するための仕組みを整備するものとし、当該情報の提供を受ける国会における手続及びその保護に関する方策については、国会において、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第40条、第59条、第61条、第75条(児童福祉法第34条の20の改正規定に限る。)、第85条、第102条、第107条(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律第26条の改正規定に限る。)、第111条、第143条、第149条、第152条、第154条(不動産の鑑定評価に関する法律第25条第6号の改正規定に限る。)及び第168条並びに次条並びに附則第3条及び第6条の規定 公布の日
第2条 この法律(前条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前に、この法律による改正前の法律又はこれに基づく命令の規定(欠格条項その他の権利の制限に係る措置を定めるものに限る。)に基づき行われた行政庁の処分その他の行為及び当該規定により生じた失職の効力については、なお従前の例による。
第3条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第7条 政府は、会社法(平成17年法律第86号)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)における法人の役員の資格を成年被後見人又は被保佐人であることを理由に制限する旨の規定について、この法律の公布後1年以内を目途として検討を加え、その結果に基づき、当該規定の削除その他の必要な法制上の措置を講ずるものとする。