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植物防疫法

昭和25年法律第151号
最終改正:平成27年9月18日法律第70号
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第1章 総則

(法律の目的)

第1条 この法律は、輸出入植物及び国内植物を検疫し、並びに植物に有害な動植物を駆除し、及びそのまん延を防止し、もつて農業生産の安全及び助長を図ることを目的とする。


(定義)

第2条 この法律で「植物」とは、顕花植物、しだ類又はせんたい類に属する植物(その部分、種子、果実及びむしろ、こもその他これに準ずる加工品を含む。)で、次項の有害植物を除くものをいう。

 この法律で「有害植物」とは、真菌、粘菌、細菌、寄生植物及びウイルスであつて、直接又は間接に有用な植物を害するものをいう。

 この法律で「有害動物」とは、昆虫、だに等の節足動物、線虫その他の無脊椎動物又は脊椎動物であつて、有用な植物を害するものをいう。

 この法律で「発生予察事業」とは、有害動物又は有害植物の防除を適時で経済的なものにするため、有害動物又は有害植物の繁殖、気象、農作物の生育等の状況を調査して、農作物についての有害動物又は有害植物による損害の発生を予察し、及びそれに基づく情報を関係者に提供する事業をいう。


(植物防疫官及び植物防疫員)

第3条 この法律に規定する検疫又は防除に従事させるため、農林水産省に植物防疫官を置く。

 植物防疫官が行う検疫又は防除の事務を補助させるため、農林水産省に植物防疫員を置くことができる。

 植物防疫員は、非常勤とする。


(植物防疫官の権限)

第4条 植物防疫官は、有害動物又は有害植物が附着しているおそれがある植物又は容器包装があると認めるときは、土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船車又は航空機に立ち入り、当該植物及び容器包装等を検査し、関係者に質問し、又は検査のため必要な最少量に限り、当該植物又は容器包装を無償で集取することができる。

 前項の規定による検査の結果、有害動物又は有害植物があると認めた場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、植物防疫官は、当該植物、容器包装、土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船車又は航空機を所有し、又は管理する者に対し、その消毒を命ずることができる。

 前項の場合には、第20条第1項の規定を準用する。

 第1項の規定による立入検査、質問及び集取の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。


(証票の携帯及び服制)

第5条 植物防疫官及び植物防疫員は、この法律により職務を執行するときは、その身分を示す証票を携帯し、且つ、前条第1項の規定による権限を行うとき、又は関係者の要求があつたときは、これを呈示しなければならない。

 植物防疫官の服制は、農林水産大臣が定める。

第2章 国際植物検疫

(検疫有害動植物)

第5条の2 この章で「検疫有害動植物」とは、まん延した場合に有用な植物に損害を与えるおそれがある有害動物又は有害植物であつて、次の各号のいずれかに該当するものとして農林水産省令で定めるものをいう。

 国内に存在することが確認されていないもの

 既に国内の一部に存在しており、かつ、国により発生予察事業その他防除に関し必要な措置がとられているもの

 農林水産大臣は、前項の規定による農林水産省令を定めようとするときは、あらかじめ公聴会を開き、利害関係人及び学識経験がある者の意見を聴かなければならない。


(輸入の制限)

第6条 輸入する植物(栽培の用に供しない植物であつて、検疫有害動植物が付着するおそれが少ないものとして農林水産省令で定めるものを除く。以下この項及び次項において同じ。)及びその容器包装は、輸出国の政府機関により発行され、かつ、その検査の結果検疫有害動植物が付着していないことを確かめ、又は信ずる旨を記載した検査証明書又はその写しを添付してあるものでなければ、輸入してはならない。ただし、次に掲げる植物及びその容器包装については、この限りでない。

 植物検疫についての政府機関を有しない国から輸入する植物及びその容器包装であるためこの章の規定により特に綿密な検査が行われるもの

 農林水産省令で定める国から輸入する植物及びその容器包装であつて、検査証明書又はその写しに記載されるべき事項が当該国の政府機関から電気通信回線を通じて植物防疫所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に送信され、当該電子計算機に備えられたファイルに記録されたもの

 農林水産省令で定める地域から発送された植物で、第8条第1項の規定による検査を的確に実施するためその栽培地において検査を行う必要があるものとして農林水産省令で定めるものについては、前項の規定によるほか、輸出国の政府機関によりその栽培地で行われた検査の結果農林水産省令で定める検疫有害動植物が付着していないことを確かめ、又は信ずる旨を記載した検査証明書又はその写しを添付してあるものでなければ、輸入してはならない。この場合においては、同項ただし書(第1号を除く。)の規定を準用する。

 植物及び次条第1項に掲げる輸入禁止品は、郵便物として輸入する場合を除き、農林水産省令で定める港及び飛行場以外の場所で輸入してはならない。

 植物及び次条第1項に掲げる輸入禁止品は、小形包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第3項に規定する信書便物(次項において「信書便物」という。)としては、輸入してはならない。

 植物又は次条第1項に掲げる輸入禁止品を小形包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は信書便物として受け取つた者は、遅滞なく、その現品を添えて植物防疫所に届け出なければならない。

 第1項本文又は第2項の農林水産省令を定める場合には、前条第2項の規定を準用する。


(輸入の禁止)

第7条 何人も、次に掲げる物(以下「輸入禁止品」という。)を輸入してはならない。ただし、試験研究の用その他農林水産省令で定める特別の用に供するため農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

 農林水産省令で定める地域から発送され、又は当該地域を経由した植物で、農林水産省令で定めるもの

 検疫有害動植物

 土又は土の付着する植物

 前各号に掲げる物の容器包装

 前項但書の許可を受けた場合には、同項の許可を受けたことを証する書面を添附して輸入しなければならない。

 第1項但書の許可には、輸入の方法、輸入後の管理方法その他必要な条件を附することができる。

 第1項第1号の農林水産省令を定める場合には、第5条の2第2項の規定を準用する。


(輸入植物等の検査)

第8条 植物又は輸入禁止品を輸入した者は、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、その植物又は輸入禁止品及び容器包装につき、原状のままで、植物防疫官から、第6条第1項及び第2項の規定に違反しないかどうか、輸入禁止品であるかどうか、並びに検疫有害動植物(農林水産大臣が指定する検疫有害動植物を除く。本条及び次条において同じ。)があるかどうかについての検査を受けなければならない。ただし、第3項の規定による検査を受けた場合及び郵便物として輸入した場合は、この限りでない。

 前項の検査は、第6条第3項の港又は飛行場の中の植物防疫官が指定する場所で行う。

 植物防疫官は、必要と認めるときは、輸入される植物及び容器包装につき、船舶又は航空機内で輸入に先立つて検査を行うことができる。

 日本郵便株式会社は、通関手続が行われる事業所において、植物又は輸入禁止品を包有し、又は包有している疑いのある小形包装物又は小包郵便物の送付を受けたときは、遅滞なく、その旨を植物防疫所に通知しなければならない。

 前項の通知があつたときは、植物防疫官は、同項の小形包装物又は小包郵便物の検査を行う。この場合において、検査のため必要があるときは、日本郵便株式会社の職員の立会いの下に当該郵便物を開くことができる。

 前項の検査を受けていない小形包装物又は小包郵便物であつて植物を包有しているものを受け取つた者は、その郵便物を添え、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、植物防疫官の検査を受けなければならない。

 農林水産省令で定める種苗については、植物防疫官は、第1項、第3項、第5項又は前項の規定による検査の結果、検疫有害動植物があるかどうかを判定するためなお必要があるときは、農林水産省令で定めるところにより、当該植物の所有者に対して隔離栽培を命じてその栽培地で検査を行い、又は自ら隔離栽培を実施することができる。


(廃棄、消毒等の処分)

第9条 前条の規定による検査の結果、検疫有害動植物があつた場合は、植物防疫官は、その植物及び容器包装を消毒し、若しくは廃棄し、又はこれを所有し、若しくは管理する者に対して植物防疫官の立会いの下にこれを消毒し、若しくは廃棄すべきことを命じなければならない。

 植物防疫官は、第6条第1項から第5項まで若しくは第8条第1項若しくは第6項の規定に違反して輸入された植物及び容器包装を廃棄し、又はこれを所持している者に対して植物防疫官の立会いの下にこれを廃棄すべきことを命ずることができる。第8条第7項の規定による隔離栽培の命令の違反があつた場合において、その違反に係る植物についてもまた同様とする。

 第7条の規定に違反して輸入された輸入禁止品があるときは、植物防疫官は、これを廃棄する。

 前条の規定による検査の結果、当該植物及び容器包装が第6条第1項及び第2項の規定に違反せず、輸入禁止品に該当せず、かつ、これに検疫有害動植物がないと認めたときは、植物防疫官は、検査に合格した旨の証明をしなければならない。


(輸出植物の検査)

第10条 輸入国がその輸入につき輸出国の検査証明を必要としている植物及びその容器包装を輸出しようとする者は、当該植物及び容器包装につき、植物防疫官から、それが当該輸入国の要求に適合していることについての検査を受け、これに合格した後でなければ、これを輸出してはならない。

 前項の検査は、植物防疫所で行う。但し、植物防疫官が必要と認めるときは、当該植物の所在地において行うことができる。

 輸入国がその輸入につき栽培地における検査を要求している植物その他農林水産省令で定める植物については、あらかじめその栽培地で植物防疫官の検査を受け、その検査に合格した後でなければ、第1項の検査を受けることができない。

 植物防疫官は、輸入国の要求に応ずるため、必要があると認めるときは、第1項の検査を受けた物についてさらに検査をすることができる。


(委任規定)

第11条 この章に規定するものの外、検査の手続及び方法並びに検査の結果行う処分の基準は、農林水産大臣が定めて公表する。

 前項の場合には、第5条の2第2項の規定を準用する。

第3章 国内植物検疫

(国内検疫)

第12条 農林水産大臣は、新たに国内に侵入し、又は既に国内の一部に存在している有害動物若しくは有害植物のまん延を防止するため、この章の規定により検疫を実施するものとする。


(種苗の検査)

第13条 農林水産大臣の指定する繁殖の用に供する植物(以下「指定種苗」という。)を生産する者(以下「種苗生産者」という。)は、毎年その生産する指定種苗について、その栽培地において栽培中に、植物防疫官の検査を受けなければならない。

 植物防疫官は、前項の検査のみによつては有害動物又は有害植物を駆除し、又はそのまん延を防止する目的を達することができないと認めるときは、指定種苗の栽培前若しくは採取後における検査をあわせて行うことができる。

 植物防疫官は、第1項又は前項の規定による検査の結果、指定種苗に農林水産大臣の指定する有害動物及び有害植物がないと認めたときは、当該種苗生産者に対して、合格証明書を交付しなければならない。

 指定種苗は、前項の合格証明書又は植物防疫官の発行するその謄本若しくは抄本を添付してあるものでなければ、譲渡し、譲渡を委託し、又は当該検査を受けた栽培地の属する都道府県の区域外に移出してはならない。

 植物防疫官は、第1項又は第2項の規定による検査により、第3項の有害動物又は有害植物があると認めたときは、その検査を中止し、当該種苗生産者に対し、当該有害動物又は有害植物を駆除し、又はそのまん延を防止するため必要と認める事項を口頭又は文書により指示しなければならない。

 前項の指示を受けた種苗生産者は、当該指示に従つて必要な駆除予防をした場合には、植物防疫官に対し、当該指定種苗について第1項又は第2項に規定する検査を継続すべきことを申請することができる。

 第1項の指定をする場合には、第5条の2第2項の規定を準用する。


(廃棄処分)

第14条 植物防疫官は、前条第4項の規定に違反して譲渡され、譲渡を委託され、又は移出された指定種苗を所持している者に対して、その廃棄を命じ、又は自らこれを廃棄することができる。


(手数料の徴収及び委任規定)

第15条 農林水産大臣は、第13条第1項の規定により検査を受ける者から、検査の実費をこえない範囲内において農林水産省令で定める額の手数料を徴収することができる。

 第11条の規定は、第13条第1項又は第2項の検査について準用する。


(適用除外)

第16条 次に掲げる指定種苗については、第12条から前条までの規定は適用しない。

 農林水産大臣の指定する地域で生産される指定種苗

 都道府県又は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が生産し、かつ、農林水産大臣の定める基準に従つて自ら検査する指定種苗

 種苗生産者が同一都道府県の区域内で自ら繁殖の用に供するため生産する指定種苗


(植物等の移動の制限)

第16条の2 農林水産省令で定める地域内にある植物で、有害動物又は有害植物のまん延を防止するため他の地域への移動を制限する必要があるものとして農林水産省令で定めるもの及びその容器包装は、農林水産省令で定める場合を除き、農林水産省令で定めるところにより、植物防疫官が、その行なう検査の結果有害動物又は有害植物が附着していないと認め、又は農林水産省令で定める基準に従つて消毒したと認める旨を示す表示を附したものでなければ、他の地域へ移動してはならない。

 前項の農林水産省令を定める場合には、第5条の2第2項の規定を準用する。


(植物等の移動の禁止)

第16条の3 農林水産省令で定める地域内にある植物、有害動物若しくは有害植物又は土で、有害動物又は有害植物のまん延を防止するため他の地域への移動を禁止する必要があるものとして農林水産省令で定めるもの及びこれらの容器包装は、他の地域へ移動してはならない。ただし、試験研究の用に供するため農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

 前項の農林水産省令を定める場合には第5条の2第2項の規定を、前項ただし書の場合には第7条第2項及び第3項の規定を準用する。


(船車等への積込み等の禁止)

第16条の4 植物防疫官は、第16条の2第1項又は前条第1項の規定に違反して植物、有害動物若しくは有害植物又は土及びこれらの容器包装が移動されることを防止するため必要があると認めるときは、これらの物品を所有し、又は管理する者に対し、船車若しくは航空機にこれらの物品の積込み若しくは持込みをしないよう、又は船車若しくは航空機に積込み若しくは持込みをしたこれらの物品を取り卸すよう命ずることができる。


(廃棄処分)

第16条の5 植物防疫官は、第16条の2第1項又は第16条の3第1項の規定に違反して移動された植物、有害動物若しくは有害植物又は土及びこれらの容器包装を所持する者に対して、その廃棄を命じ、又は自らこれを廃棄することができる。

第4章 緊急防除

(防除)

第17条 新たに国内に侵入し、若しくは既に国内の一部に存在している有害動物若しくは有害植物がまん延して有用な植物に重大な損害を与えるおそれがある場合、又は有害動物若しくは有害植物により有用な植物の輸出が阻害されるおそれがある場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、農林水産大臣は、この章の規定により、防除を行うものとする。但し、森林病害虫等について、別に法律で定めるところにより防除が行われる場合は、この限りでない。

 農林水産大臣は、前項の規定による防除をするには、その30日前までに次の事項を告示しなければならない。

 防除を行う区域及び期間

 有害動物又は有害植物の種類

 防除の内容

 その他必要な事項


(防除の内容)

第18条 農林水産大臣は、前条第1項の防除を行うため必要な限度において、左の各号に掲げる命令をすることができる。

 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着するおそれがある植物を栽培する者に対し、当該植物の栽培を制限し、又は禁止すること。

 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着しているおそれがある植物又は容器包装の譲渡又は移動を制限し、又は禁止すること。

 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着しているおそれがある植物又は容器包装を所有し、又は管理する者に対し、当該植物又は容器包装の消毒、除去、廃棄等の措置を命ずること。

 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着しているおそれがある農機具、運搬用具等の物品又は倉庫等の施設を所有し、又は管理する者に対し、その消毒等の措置を命ずること。

 前条第1項の場合において、緊急に防除を行う必要があるため同条第2項の規定によるいとまがないときは、農林水産大臣は、その必要の限度において、同項の規定による告示をしないで、前項第3号の命令をし、又は植物防疫官に有害動物若しくは有害植物が附着し、若しくは附着しているおそれがある植物若しくは容器包装の消毒、除去、廃棄等の措置をさせることができる。


(協力指示)

第19条 第17条第1項の防除を行うため必要があるときは、農林水産大臣は、地方公共団体、農業者の組織する団体又は防除業者に対し防除に関する業務に協力するよう指示することができる。

 前項の場合には、協力指示書を交付しなければならない。

 第1項の規定による指示に従い防除が行われたときは、国は、その費用を弁償しなければならない。


(損失の補償)

第20条 国は、第18条の処分により損失を受けた者に対し、その処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。

 前項の規定により補償を受けようとする者は、補償を受けようとする見積額を記載した申請書を農林水産大臣に提出しなければならない。

 農林水産大臣は、前項の申請があつたときは、遅滞なく、補償すべき金額を決定し、当該申請人に通知しなければならない。

 農林水産大臣は、前項の規定により補償金額を決定するには、少くとも1人の農業者を含む3人の評価人をその区域から選び、その意見を徴しなければならない。

 第1項の規定による補償を伴うべき処分は、これによつて必要となる補償金の総額が国会の議決を経た予算の金額をこえない範囲内でしなければならない。

 第3項の補償金額の決定に不服がある者は、その決定の通知を受けた日から6箇月以内に、訴えをもつてその増額を請求することができる。

 前項の訴えにおいては、国を被告とする。


(報告義務)

第21条 都道府県知事は、新たに国内に侵入し、若しくは既に国内の一部に存在している有害動物若しくは有害植物がまん延して有用な植物に重大な損害を与えるおそれがあると認めた場合には、その旨を農林水産大臣に報告しなければならない。

第5章 指定有害動植物の防除

(指定有害動植物)

第22条 この章及び次章で「指定有害動植物」とは、有害動物又は有害植物であつて、国内における分布が局地的でなく、且つ、急激にまん延して農作物に重大な損害を与える傾向があるため、その防除につき特別の対策を要するものとして、農林水産大臣が指定するものをいう。


(国の発生予察事業)

第23条 農林水産大臣は、指定有害動植物について、発生予察事業を行うものとする。

 都道府県は、農林水産大臣が都道府県の承諾を得て定める計画に従い、前項の発生予察事業に協力しなければならない。


(防除計画)

第24条 農林水産大臣は、前条第1項の発生予察事業の実施により得た資料に基き、又はその他の事情にかんがみ、必要があると認めるときは、指定有害動植物につき、地方公共団体、農業者又はその組織する団体が行うべき防除の基本となる計画(以下「防除計画」という。)の大綱を定め、これを関係都道府県知事に指示しなければならない。

 都道府県知事は、前項の指示を受けたときは、同項の大綱に基き、すみやかに、当該都道府県に関する防除計画を定めなければならない。

 前項の防除計画には、防除を行うべき区域及び期間、指定有害動植物の種類、防除の内容その他必要な事項を定めなければならない。

 都道府県知事は、第2項の防除計画を定め、又は変更したときは、速やかにこれを告示するとともに、その旨を農林水産大臣に報告しなければならない。


(薬剤及び防除用器具に関する補助)

第25条 国は、地方公共団体、農業者又はその組織する団体であつて、前条第4項の規定による告示に係る防除計画に基づき防除を行つたものに対し、予算の範囲内において、防除に必要な薬剤(薬剤として用いることができる物を含む。以下同じ。)及び噴霧機、散粉機、煙霧機その他防除に必要な器具(以下「防除用器具」という。)の購入に要した費用の二分の一以内の補助金を交付することができる。

 前項の補助金の交付を受けようとする者は、農林水産大臣に対し、補助金交付申請書を農林水産省令で定める書類と共に提出しなければならない。

 農林水産大臣は、前項の提出書類を審査し、適当と認めるときは、補助金の交付を決定するものとする。


第26条 削除


(薬剤の譲与等及び防除用器具の無償貸付)

第27条 国は、指定有害動植物の防除のため特に必要があるときは、地方公共団体、農業者又はその組織する団体であつて、第24条第4項の規定による告示に係る防除計画に基づき防除を行おうとするものに対し、防除に必要な薬剤を譲与し、若しくは時価より低い対価で譲渡し、又は防除用器具を無償で貸し付けることができる。

 前項の規定による譲与、譲渡及び貸付に関し必要な事項は、農林水産大臣が定める。

 農林水産大臣は、前項の場合には、財務大臣と協議しなければならない。

 農林水産大臣は、第1項の規定による譲与、譲渡及び貸付の目的に供するため、常に、これに必要な薬剤及び防除用器具の整備に努めなければならない。


(風説の禁止)

第28条 何人も、自己又は他人のために財産上の不当の利益を図る目的をもつて、農作物についての指定有害動植物のまん延による広範囲の損害の発生に関し、風説を流布してはならない。

第6章 都道府県の防疫

(都道府県の行う防疫)

第29条 有害動物又は有害植物がまん延して有用な植物に重大な損害を与えるおそれがある場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、都道府県は、植物を検疫し、又は有害動物若しくは有害植物の防除に関し必要な措置をとることができる。

 前項の場合には、他の都道府県において生産された種苗その他の物の正当な流通を妨げないように留意しなければならない。


(防除に関する勧告)

第30条 都道府県の区域内において、農作物についての有害動物若しくは有害植物の防除(以下「防除」という。)が行われず、又は防除の方法が適当でないため、他の都道府県の区域に損害が波及するおそれがあるときは、農林水産大臣は、当該都道府県に対し、防除に関し必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。


(都道府県の発生予察事業)

第31条 都道府県は、指定有害動植物以外の有害動物又は有害植物について、発生予察事業を行うものとする。

 都道府県知事は、農林水産大臣に対し、前項の発生予察事業の内容及び結果を適時に報告しなければならない。

 農林水産大臣は、農作物についての指定有害動植物以外の有害動物又は有害植物による損害が都道府県の区域を超えて発生するおそれがある場合において、都道府県の発生予察事業の総合調整を図るため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、必要な指示をすることができる。

 農林水産大臣は、必要があると認めるときは、その職員をして都道府県の発生予察事業に協力させるものとする。


(病害虫防除所)

第32条 病害虫防除所は、地方における植物の検疫及び防除に資するため、都道府県が設置する。

 病害虫防除所の位置、名称及び管轄区域は、条例で定める。

 都道府県は、病害虫防除所を設置しようとするときは、あらかじめ、農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に届け出なければならない。

 病害虫防除所は、第1項に規定する目的を達成するため、左に掲げる事務を行う。

 植物の検疫に関する事務

 防除についての企画に関する事務

 市町村、農業者又はその組織する団体が行う防除に対する指導及び協力に関する事務

 発生予察事業に関する事務

 防除に必要な薬剤及び器具の保管並びに防除に必要な器具の修理に関する事務

 その他防除に関し必要な事務

 病害虫防除所は、前項に規定する事務を適切に行うため必要なものとして政令で定める基準に適合したものでなければならない。

 農林水産大臣は、有害動物又は有害植物がまん延して都道府県の区域を超えて有用な植物に重大な損害を与えるおそれがある場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、病害虫防除所の事務に関し、必要な事項を指示し、又は必要な報告を求めることができる。

 この法律による病害虫防除所でないものは、その名称中に「病害虫防除所」という文字又はこれに類似する文字を用いてはならない。


(病害虫防除員)

第33条 都道府県は、防除のため必要があると認めるときは、発生予察事業その他防除に関する事務に従事させるため、条例で定める区域ごとに、非常勤の病害虫防除員を置く。

 前項の場合には、前条第3項の規定を準用する。


第34条 削除

第7章 雑則

(交付金)

第35条 国は、第23条第2項の規定により同条第1項の発生予察事業に協力するのに要する経費及び病害虫防除所の運営に要する経費の財源に充てるため、都道府県に対し、交付金を交付する。

 農林水産大臣は、前項の規定による都道府県への交付金の交付については、各都道府県の農家数、農地面積及び市町村数を基礎とし、各都道府県において植物の検疫、防除及び発生予察事業を緊急に行うことの必要性等を考慮して政令で定める基準に従つて決定しなければならない。


(不服申立て)

第36条 第9条第1項若しくは第2項、第14条、第16条の4又は第16条の5の規定による命令については、審査請求をすることができない。

 第10条第1項若しくは第4項又は第13条第2項の検査の結果に不服がある者は、検査を受けた日の翌日から起算して3月以内に、植物防疫官に対して再検査を申し立てることができる。

 前項に規定する検査又は再検査の結果については、審査請求をすることができない。


(報告の徴取)

第37条 この法律中他の規定による場合の外、防除に関し特に必要があるときは、農林水産大臣は、地方公共団体、農業者又はその組織する団体に対し、必要な報告を求めることができる。


(都道府県が処理する事務等)

第38条 第25条及び前条の規定により農林水産大臣の権限に属する事務の一部は、政令の定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

 第3章からこの章までに規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令の定めるところにより、その一部を地方農政局長に委任することができる。


(事務の区分)

第38条の2 第21条の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。

第8章 罰則

第39条 次の各号の一に該当する者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

 第6条第1項、第2項若しくは第3項、第7条第1項、第13条第4項、第16条の2第1項又は第16条の3第1項の規定に違反した者

 第7条第3項(第16条の3第2項において準用する場合を含む。)の規定による許可の条件に違反した者

 第8条第1項の規定による検査を受けず、又はその検査を受けるに当つて不正行為をした者

 第18条第1項の規定による命令に違反した者


第40条 次の各号の一に該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 第8条第6項の規定による検査を受けず、又はその検査を受けるに当つて不正行為をした者

 第8条第7項又は第16条の4の規定による命令に違反した者

 第9条第1項若しくは第2項の規定による命令に違反し、又は同条第1項、第2項若しくは第3項の規定による処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 第10条第1項の規定に違反し、又は同項の検査を受けるに当つて不正行為をした者

 第16条の5の規定による命令に違反し、又は同条の規定による処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 第18条第2項の規定による命令に違反し、又は同項の規定による処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 第28条の規定に違反した者


第41条 次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

 第4条第1項の規定による検査若しくは集取を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

 第4条第2項の規定による命令に違反した者

 第6条第5項の規定に違反した者

 第10条第4項の規定による検査を拒み、妨げ又は忌避した者

 第14条の規定による命令に違反し、又は同条の規定による処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した者


(両罰規定)

第42条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほかその法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

附 則
(施行期日)

 この法律は、公布の日から施行する。但し、第2章並びに附則第3項及び第4項の規定は、公布の日から起算して60日を経過した日から施行する。

(廃止法律)

 左に掲げる法律は、廃止する。但し、この法律施行前にした行為に対する罰則の適用に関しては、この法律施行後でも、なお従前の例による。

輸出入植物検疫法(昭和23年法律第86号)

害虫駆除予防法(明治29年法律第17号)

(経過規定)

 この法律施行前に輸出入植物検疫法の規定に基いてした検査又は許可は、この法律の相当規定に基いてなされたものとみなす。

附 則(昭和26年6月19日法律第243号)
(施行期日)

 この法律施行の期日は、政令で定める。但し、その期日は、この法律の施行に要する費用で国の負担に係るものが計上された予算が成立した後でなければならない。

附 則(昭和27年3月31日法律第26号)

 この法律は、昭和27年4月1日から施行する。

附 則(昭和27年3月31日法律第39号)

 この法律は、昭和27年4月1日から施行する。但し、附則第3項の規定は、公布の日から施行する。

附 則(昭和37年5月16日法律第140号)

 この法律は、昭和37年10月1日から施行する。

 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。

 この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の規定による出訴期間が進行している処分又は裁決に関する訴訟の出訴期間については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正後の規定による出訴期間がこの法律による改正前の規定による出訴期間より短い場合に限る。

 この法律の施行前にされた処分又は裁決に関する当事者訴訟で、この法律による改正により出訴期間が定められることとなつたものについての出訴期間は、この法律の施行の日から起算する。

 この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。

 前項ただし書の場合には、行政事件訴訟法第18条後段及び第21条第2項から第5項までの規定を準用する。

附 則(昭和37年9月15日法律第161号)

 この法律は、昭和37年10月1日から施行する。

 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。

 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。

 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。

 第3項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。

 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。

 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

10 この法律及び行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和37年法律第140号)に同一の法律についての改正規定がある場合においては、当該法律は、この法律によつてまず改正され、次いで行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律によつて改正されるものとする。

附 則(昭和46年12月31日法律第130号)
(施行期日)

 この法律は、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の効力発生の日から施行する。ただし、第10条、第11条及び第19条の規定は同日から起算して1年をこえない範囲内において政令で定める日から、第62条及び次項の規定はこの法律の公布の日から、第66条の規定は昭和47年10月1日から施行する。

附 則(昭和51年6月11日法律第65号)

この法律は、公布の日から施行する。

附 則(昭和53年7月5日法律第87号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(昭和60年5月18日法律第37号)
(施行期日等)

 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(昭和60年7月12日法律第90号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(平成8年6月12日法律第67号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。


(施行の準備手続)

第2条 改正後の植物防疫法(以下「新法」という。)第5条の2第2項(第6条第6項において準用する場合を含む。)の規定による公聴会は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前でも、新法第5条の2第1項又は第6条第1項本文若しくは第2項の省令を定めるために開くことができる。


(経過措置)

第3条 施行日前に改正前の植物防疫法(以下「旧法」という。)第8条第1項の規定による届出(同条第4項の規定による通知又は同条第6項の規定による届出を含む。以下「届出等」という。)があった植物については、新法第6条第2項の規定は適用しない。


第4条 施行日前に届出等があった植物又は輸入禁止品及び容器包装について旧法第8条第1項、第5項又は第6項の規定による検査が行われていない場合には、当該届出等は、新法第8条第1項の規定による届出、同条第4項の規定による通知又は同条第6項の規定による届出とみなす。


第5条 施行日前に旧法第8条第1項、第3項、第5項又は第6項の規定により行われた検査であって、施行日前に旧法第9条の規定による命令、処分又は証明がされていないものについては、新法第9条の規定を適用する。


第6条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成11年7月16日法律第87号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第1条中地方自治法第250条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第250条の9第1項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第40条中自然公園法附則第9項及び第10項の改正規定(同法附則第10項に係る部分に限る。)、第244条の規定(農業改良助長法第14条の3の改正規定に係る部分を除く。)並びに第472条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第6条、第8条及び第17条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第7条、第10条、第12条、第59条ただし書、第60条第4項及び第5項、第73条、第77条、第157条第4項から第6項まで、第160条、第163条、第164条並びに第202条の規定 公布の日


(植物防疫法の一部改正に伴う経過措置)

第84条 施行日前に第254条の規定による改正前の植物防疫法(以下この条において「旧植物防疫法」という。)第19条第1項の規定によりされた協力命令については、第254条の規定による改正後の植物防疫法(以下この条において「新植物防疫法」という。)第19条第1項の規定によりされた指示とみなす。

 施行日前に旧植物防疫法第24条第4項の規定によりされた承認又はこの法律の施行の際現に同項の規定によりされている承認の申請は、それぞれ新植物防疫法第24条第4項の規定によりされた同意又は協議の申出とみなす。


(国等の事務)

第159条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第161条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。


(処分、申請等に関する経過措置)

第160条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第163条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第2条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。

 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。


(不服申立てに関する経過措置)

第161条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。

 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。


(手数料に関する経過措置)

第162条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。


(罰則に関する経過措置)

第163条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第164条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。


(検討)

第250条 新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。


第251条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附 則(平成11年12月22日法律第160号)
(施行期日)

第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日

附 則(平成11年12月22日法律第184号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成13年1月6日から施行する。ただし、第10条第2項及び附則第7条から第9条までの規定は、同日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成14年7月31日法律第100号)
(施行期日)

第1条 この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)の施行の日から施行する。


(罰則に関する経過措置)

第2条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第3条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成14年12月13日法律第152号)
(施行期日)

第1条 この法律は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成14年法律第151号)の施行の日から施行する。


(罰則に関する経過措置)

第4条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第5条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成16年3月31日法律第19号)

この法律は、平成16年4月1日から施行する。

附 則(平成16年6月9日法律第84号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成17年10月21日法律第102号)
(施行期日)

第1条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。


(罰則に関する経過措置)

第117条 この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第9条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第38条の8(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第13条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第70条(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第27条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第8条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第39条第2項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第70条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第42条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第71条及び第72条(第15号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第2条第2項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第104条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成23年8月30日法律第105号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。


(植物防疫法の一部改正に伴う経過措置)

第37条 この法律の施行の際現に第63条の規定による改正前の植物防疫法第24条第4項の規定によりされている協議の申出は、第63条の規定による改正後の植物防疫法第24条第4項の規定によりされた報告とみなす。


(罰則に関する経過措置)

第81条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(政令への委任)

第82条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則(平成24年5月8日法律第30号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第1条の規定(郵政民営化法目次中「/第6章 郵便事業株式会社/ 第1節 設立等(第70条―第72条)/ 第2節 設立に関する郵便事業株式会社法等の特例(第73条・第74条)/ 第3節 移行期間中の業務に関する特例等(第75条―第78条)/第7章 郵便局株式会社/」を「/第6章 削除/第7章 日本郵便株式会社/」に改める改正規定、同法第19条第1項第1号及び第2号、第26条、第61条第1号並びに第6章の改正規定、同法中「第7章 郵便局株式会社」を「第7章 日本郵便株式会社」に改める改正規定、同法第79条第3項第2号及び第83条第1項の改正規定、同法第90条から第93条までの改正規定、同法第105条第1項、同項第2号及び第110条第1項第2号ホの改正規定、同法第110条の次に一条を加える改正規定、同法第135条第1項、同項第2号及び第138条第2項第4号の改正規定、同法第138条の次に一条を加える改正規定、同法第11章に一節を加える改正規定(第176条の5に係る部分に限る。)、同法第180条第1項第1号及び第2号並びに第196条の改正規定(第12号を削る部分を除く。)並びに同法附則第2条第2号の改正規定を除く。)、第2条のうち日本郵政株式会社法附則第2条及び第3条の改正規定、第5条(第2号に係る部分に限る。)の規定、次条の規定、附則第4条、第6条、第10条、第14条及び第18条の規定、附則第38条の規定(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年法律第102号)附則第2条第1項、第49条、第55条及び第79条第2項の改正規定、附則第90条の前の見出しを削り、同条に見出しを付する改正規定並びに附則第91条及び第95条の改正規定を除く。)、附則第40条から第44条までの規定、附則第45条中総務省設置法(平成11年法律第91号)第3条及び第4条第79号の改正規定並びに附則第46条及び第47条の規定は、公布の日から施行する。


(罰則に関する経過措置)

第46条 この法律(附則第1条ただし書に規定する規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第47条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則(平成26年6月13日法律第69号)
(施行期日)

第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。


(経過措置の原則)

第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。


(訴訟に関する経過措置)

第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。

 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。

 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。


(罰則に関する経過措置)

第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則(平成27年9月18日法律第70号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成28年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。