森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律
第1章 総則
第1条 この法律は、森林(森林法(昭和26年法律第249号)第2条第1項に規定する森林をいう。以下同じ。)の有する公益的機能の維持増進の重要性に鑑み、市町村(特別区を含む。以下同じ。)及び都道府県が実施する森林の整備及びその促進に関する施策の財源に充てるため、森林環境税について、納税義務者、税率、賦課徴収等の手続及びその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるとともに、その収入額に相当する額を森林環境譲与税として市町村及び都道府県に対して譲与するために必要な事項を定めるものとする。
第2章 森林環境税
第1節 総則
第2条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 個人の市町村民税 地方税法(昭和25年法律第226号)第294条第1項第1号に掲げる者に対して課する市町村民税(同法第1条第2項において準用する同号に掲げる者に対して課する特別区民税を含む。)をいう。
二 個人の市町村民税の均等割 均等の額により課する個人の市町村民税をいう。
三 個人の道府県民税 地方税法第24条第1項第1号に掲げる者に対して課する道府県民税(同法第1条第2項又は第734条第3項において準用する同号に掲げる者に対して課する都民税を含む。)をいう。
四 個人の道府県民税の均等割 均等の額により課する個人の道府県民税をいう。
五 森林環境税に係る徴収金 森林環境税並びにその督促手数料、延滞金及び滞納処分費をいう。
六 特別徴収 森林環境税の徴収について便宜を有する者にこれを徴収させ、かつ、その徴収すべき税金を納入させることをいう。
七 特別徴収義務者 特別徴収により森林環境税を徴収し、かつ、納入する義務を負う者をいう。
八 地方団体の徴収金 地方税法第1条第1項第14号に規定する地方団体の徴収金をいう。
第3条 この法律の施行地に住所を有する個人に対しては、この法律により、国が均等の額により森林環境税を課する。
第4条 国は、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、森林環境税を課さない。
一 生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による生活扶助その他これに準ずるものとして政令で定める扶助を受けている者
二 障害者、未成年者、寡婦又はひとり親(これらの者の当該年度の初日の属する年の前年(次号において「前年」という。)の合計所得金額が135万円を超える場合を除く。)
三 前年の合計所得金額が政令で定める金額以下である者
2 前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 障害者 地方税法第292条第1項第10号に規定する障害者をいう。
二 寡婦 地方税法第292条第1項第11号に規定する寡婦をいう。
三 ひとり親 地方税法第292条第1項第12号に規定するひとり親をいう。
四 合計所得金額 地方税法第292条第1項第13号に規定する合計所得金額をいう。
第2節 税率
第5条 森林環境税の税率は、1000円とする。
第3節 賦課徴収等
第6条 森林環境税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする。
第7条 森林環境税の賦課徴収は、この章に特別の定めがある場合を除くほか、住所所在市町村(森林環境税の納税義務者が賦課期日において住所を有する市町村をいう。以下この項及び次条第1項において同じ。)が、当該住所所在市町村の個人の市町村民税の均等割の賦課徴収(地方税法第6条、第7条、第311条、第321条第2項又は第323条の規定によるものを除く。)の例により、当該住所所在市町村の個人の市町村民税の均等割及び同法第41条第1項の規定によりこれと併せて賦課徴収を行う当該住所所在市町村を包括する都道府県の個人の道府県民税の均等割の賦課徴収と併せて行うものとする。この場合において、同法第17条の6第1項(第1号に係る部分に限る。以下この項において同じ。)の規定により賦課決定をすることができる期間については、森林環境税及び個人の市町村民税は、同一の税目に属する地方税とみなして、同条第1項の規定を適用するものとする。
2 前項に規定する住所を有する市町村は、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)の適用を受ける森林環境税の納税義務者については、当該納税義務者が記録されている住民基本台帳を備える市町村(地方税法第294条第3項の規定により当該納税義務者を当該市町村の住民基本台帳に記録されている者とみなして当該納税義務者に個人の市町村民税を課する市町村を含み、同条第4項の規定により当該納税義務者に個人の市町村民税を課することができない市町村を除く。)とする。
第8条 森林環境税の納税義務者又は特別徴収義務者は、森林環境税に係る徴収金を当該住所所在市町村の個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金の納付又は納入の例により、当該住所所在市町村の個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金及び地方税法第42条第1項の規定によりこれと併せて納付し、又は納入する当該住所所在市町村を包括する都道府県の個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金と併せて納付し、又は納入しなければならない。
2 都道府県は、地方税法第739条の4第2項の規定により森林環境税に係る徴収金の払込みがあった場合には、当該払込みがあった月の翌月の末日までに、政令で定めるところにより、森林環境税に係る徴収金として払い込まれた額を国に払い込むものとする。
3 都道府県は、地方税法第739条の5第1項又は第2項(これらの規定を同条第8項において準用する場合を含む。第13条第2項において同じ。)の規定により森林環境税に係る徴収金を徴収し、又は滞納処分をした場合には、政令で定める期日までに、政令で定めるところにより、森林環境税に係る徴収金として徴収した額を国に払い込むものとする。
第9条 市町村長(特別区長を含む。以下この節において同じ。)が地方税法第20条の5の2第1項の規定により、又は総務大臣が同条第2項の規定により個人の市町村民税の納期限を延長した場合には、当該納税者又は特別徴収義務者に係る森林環境税の納期限についても、同一期間延長されたものとする。
第10条 市町村長が地方税法第321条の7の13の規定により個人の市町村民税の徴収を猶予した場合には、当該個人の市町村民税の納税義務者に係る森林環境税の徴収についても当該個人の市町村民税に対する当該猶予に係る個人の市町村民税の割合と同じ割合により猶予されたものとする。
第11条 市町村長は、次に掲げる者に対しては、政令で定めるところにより、森林環境税を免除する。
一 震災、風水害、落雷、火災その他これらに類する災害により生命、身体又は財産に甚大な被害を受けた者として政令で定める者
二 生活保護法の規定による生活扶助その他これに準ずるものとして政令で定める扶助を受けている者
三 失業又は廃業により収入が著しく減少したことその他の政令で定める特別の事情により森林環境税の納付が困難と認められる者
第12条 市町村長が地方税法第15条の9、第20条の9の5、第321条の2第5項又は第326条第4項の規定により個人の市町村民税の延滞金額を減免した場合には、当該納税者又は特別徴収義務者に係る森林環境税の延滞金額についても当該個人の市町村民税の延滞金額に対する減免額の割合と同じ割合により減免されたものとする。
第13条 市町村は、第7条第1項の規定により当該市町村の個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金及び当該市町村を包括する都道府県の個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金と併せて徴収した森林環境税に係る徴収金に係る過誤納金がある場合には、当該市町村の個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金に係る過誤納金の還付の例により、遅滞なく、還付しなければならない。
2 都道府県は、地方税法第739条の5第1項又は第2項の規定により当該都道府県の個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金及び当該都道府県の区域内の市町村の個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金と併せて徴収した森林環境税に係る徴収金に係る過誤納金がある場合には、当該都道府県の個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金に係る過誤納金の還付の例により、遅滞なく、還付しなければならない。
3 前二項の規定による森林環境税に係る徴収金に係る過誤納金の還付は、個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金及び地方税法第41条第1項の規定によりこれと併せて賦課徴収を行う個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金に係る過誤納金の還付と併せて行わなければならない。
第14条 市町村は、前条第1項の規定により森林環境税に係る徴収金に係る過誤納金を還付することとした場合には、政令で定めるところにより、当該過誤納金に相当する額を、地方税法第739条の4第2項の規定により翌月の10日までに都道府県に払い込むものとされる森林環境税に係る徴収金として納付され、又は納入された額(以下この項及び第3項において「市町村の払込予定額」という。)であって当該過誤納金を還付することとした日の属する月に納付され、又は納入された総額から控除するものとする。ただし、当該過誤納金に相当する額が当該総額を超える場合には、当該超える額に相当する額に達するまでの額を市町村の払込予定額であって当該月の翌月以後の各月に納付され、又は納入されたものの総額から順次控除するものとする。
2 都道府県は、前条第2項の規定により森林環境税に係る徴収金に係る過誤納金を還付することとした場合には、政令で定めるところにより、当該過誤納金に相当する額を、第8条第3項の規定により同項に規定する期日までに国に払い込むものとされる森林環境税に係る徴収金として徴収した額(以下この項及び次項において「都道府県の払込予定額」という。)であって当該過誤納金を還付することとした日の属する月に徴収した総額から控除するものとする。ただし、当該過誤納金に相当する額が当該総額を超える場合には、当該超える額に相当する額に達するまでの額を都道府県の払込予定額であって当該月の翌月以後の各月に徴収した総額から順次控除するものとする。
3 前二項の規定の適用を受けた過誤納金について返納があった場合その他政令で定める事由が生じた場合には、政令で定めるところにより、当該返納があった額その他政令で定める額に相当する額を、当該返納があった日又は政令で定める事由が生じた日の属する月における市町村の払込予定額又は都道府県の払込予定額の総額に加算するものとする。
第15条 地方税法第300条第1項の規定により定められた個人の市町村民税の納税管理人は、当該市町村における当該納税義務者に係る森林環境税の納税管理人として、納税に関する一切の事項を処理しなければならない。
第16条 市町村長が第7条第1項の規定により当該市町村の個人の市町村民税及び当該市町村を包括する都道府県の個人の道府県民税と併せて賦課徴収を行う森林環境税に関する処分は、不服申立て及び訴訟については、地方税法に基づく処分とみなして、同法第1章第13節の規定を適用する。この場合において、同法第19条中「地方団体の徴収金に」とあるのは「地方団体の徴収金及び森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律第2条第5号に規定する森林環境税に係る徴収金(第9号及び第19条の7において「森林環境税に係る徴収金」という。)に」と、同条第9号並びに同法第19条の7第1項及び第2項中「地方団体の徴収金」とあるのは「地方団体の徴収金及び森林環境税に係る徴収金」とする。
第17条 森林環境税に関する犯則事件については、個人の市町村民税に関する犯則事件とみなして、地方税法第1章第16節の規定を適用する。
第18条 市町村長は、政令で定めるところにより、都道府県知事を経由して総務大臣に対し、森林環境税額、森林環境税に係る免除及び滞納の状況その他必要な事項を報告するものとする。
2 総務大臣は、必要があると認める場合には、前項に規定するもののほか、市町村長又は都道府県知事に対し、当該市町村又は都道府県に係る森林環境税の賦課徴収に関する事項の報告を求めることができる。
3 総務大臣が市町村長又は都道府県知事に対し、森林環境税、個人の市町村民税及び個人の道府県民税の賦課徴収に関する書類を閲覧し、又は記録することを求めた場合には、市町村長又は都道府県知事は、関係書類を総務大臣又はその指定する職員に閲覧させ、又は記録させるものとする。
第4節 雑則
第19条 外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律(昭和37年法律第144号。以下この項において「外国居住者等所得相互免除法」という。)第3条の規定により地方税法の施行地に住所を有しないものとみなして外国居住者等所得相互免除法(個人の市町村民税及び個人の道府県民税に係る部分に限る。)の規定を適用することとされる者については、この法律の施行地に住所を有しないものとみなして第3条及び第7条の規定を適用する。
2 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和44年法律第46号。以下この項及び第26条において「租税条約等実施特例法」という。)第2条第1号に規定する租税条約が個人の市町村民税及び個人の道府県民税について適用がある場合において、租税条約等実施特例法第6条の規定により地方税法の施行地に住所を有しないものとみなして租税条約等実施特例法(当該租税条約の規定の適用を受ける個人の市町村民税及び個人の道府県民税に係る部分に限る。)の規定を適用することとされる者については、この法律の施行地に住所を有しないものとみなして第3条及び第7条の規定を適用する。
第20条 第8条第1項の規定により個人の市町村民税及び個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金と併せて納付し、又は納入しなければならない森林環境税に係る徴収金の収納の事務については、森林環境税に係る徴収金を普通地方公共団体(特別区を含む。)の歳入とみなして、地方自治法(昭和22年法律第67号)第231条の2第6項その他政令で定める法令の規定を適用する。
2 第8条第1項の規定により個人の市町村民税及び個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金と併せて納付し、又は納入しなければならない森林環境税に係る徴収金の収納の事務については、森林環境税に係る徴収金を地方団体の徴収金とみなして、地方税法第747条の5の2の規定を適用する。
第21条 この章の規定により市町村又は都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
第5節 罰則
第22条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
一 第7条第1項の規定によりその例によることとされる地方税法第298条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 第7条第1項の規定によりその例によることとされる地方税法第298条第1項の規定による物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応ぜず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出した者
三 第7条第1項の規定によりその例によることとされる地方税法第298条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項、次条第4項及び第5項、第24条第4項並びに第25条第2項において同じ。)の代表者(当該社団又は財団の代表者又は管理人を含む。次条第4項、第24条第4項及び第25条第2項において同じ。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
3 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものについて前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第23条 偽りその他不正の行為により森林環境税の全部又は一部を免れた者は、3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 第7条第1項の規定によりその例によることとされる地方税法第321条の5第1項若しくは第2項ただし書又は第321条の7の6(同法第321条の7の8第3項において準用する場合を含む。)の規定により徴収して納入すべき森林環境税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかった特別徴収義務者は、10年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
3 前項の納入しなかった金額が200万円を超える場合には、情状により、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、200万円を超える額でその納入しなかった金額に相当する額以下の額とすることができる。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第1項又は第2項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
5 前項の規定により第2項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。
6 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものについて第4項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第24条 森林環境税の納税者又は特別徴収義務者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、市町村の不利益に処分し、又はその財産に係る負担を偽って増加する行為をしたときは、その者は、3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 納税者又は特別徴収義務者の財産を占有する第三者が納税者又は特別徴収義務者に滞納処分の執行を免れさせる目的で前項の行為をしたときも、同項と同様とする。
3 情を知って前二項の行為につき納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となった者は、2年以下の懲役若しくは150万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
5 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものについて前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第25条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
一 第7条第1項の規定によりその例によることとされる地方税法第331条第6項の場合において、国税徴収法(昭和34年法律第147号)第141条の規定の例により行う市町村の徴税吏員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をした者
二 第7条第1項の規定によりその例によることとされる地方税法第331条第6項の場合において、国税徴収法第141条の規定の例により行う市町村の徴税吏員の同条に規定する帳簿書類の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はその帳簿書類で偽りの記載若しくは記録をしたものを提示した者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
3 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものについて前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第25条の2 第7条第1項の規定によりその例によることとされる地方税法第331条第6項の場合において、国税徴収法第99条の2(同法第109条第4項において準用する場合を含む。)の規定の例により市町村長に対して陳述すべき事項について虚偽の陳述をした者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第26条 森林環境税に関する調査(森林環境税に関する処分についての不服申立てに係る事件の審理のための調査及び森林環境税に関する犯則事件の調査を含む。)若しくは租税条約等実施特例法の規定により行う情報の提供のための調査に関する事務又は森林環境税の徴収に関する事務に従事している者又は従事していた者は、これらの事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用した場合には、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第3章 森林環境譲与税
第27条 森林環境譲与税は、森林環境税の収入額に相当する額とし、市町村及び都道府県に対して譲与するものとする。
第28条 森林環境譲与税の十分の九に相当する額(以下この項において「市町村譲与額」という。)は、市町村に対して譲与するものとし、市町村譲与額の十分の五に相当する額を各市町村の区域内に存する私有林人工林の面積(統計法(平成19年法律第53号)第2条第4項に規定する基幹統計である農林業構造統計の最近に公表された結果による私有林かつ人工林の面積をいう。次項及び次条において同じ。)で、市町村譲与額の十分の二に相当する額を各市町村の林業就業者数(官報で公示された最近の国勢調査の結果による各市町村において林業に就業する者の数をいう。)で、市町村譲与額の十分の三に相当する額を各市町村の人口(官報で公示された最近の国勢調査の結果による人口をいう。同条において同じ。)で按分して譲与するものとする。
2 前項の各市町村の区域内に存する私有林人工林の面積については、各市町村の林野率(統計法第2条第4項に規定する基幹統計である農林業構造統計の最近に公表された結果による林野率をいう。)に基づき、総務省令で定めるところにより補正するものとする。
第29条 森林環境譲与税の十分の一に相当する額(以下この条において「都道府県譲与額」という。)は、都道府県に対して譲与するものとし、都道府県譲与額の十分の五に相当する額を各都道府県の区域内の各市町村に係る私有林人工林の面積を合算した面積で、都道府県譲与額の十分の二に相当する額を各都道府県の林業就業者数(官報で公示された最近の国勢調査の結果による各都道府県において林業に就業する者の数をいう。)で、都道府県譲与額の十分の三に相当する額を各都道府県の人口で按分して譲与するものとする。
第30条 森林環境譲与税は、毎年度、次の表の上欄に掲げる譲与時期に、第28条第1項の規定により譲与すべきものについてはそれぞれ同表の下欄に掲げる額の十分の九に相当する額を、前条の規定により譲与すべきものについてはそれぞれ同表の下欄に掲げる額の十分の一に相当する額を譲与する。
譲与時期 |
各譲与時期に譲与すべき額 |
9月 |
当該年度の初日の属する年の3月から8月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
3月 |
当該年度の初日の属する年の9月から翌年の2月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
2 前項に規定する各譲与時期に譲与することができなかった金額があるとき、又は当該譲与時期において譲与すべき額を超えて譲与した金額があるときは、それぞれ当該金額を、当該譲与時期以後の譲与時期に譲与すべき額に加算し、又はこれから減額するものとする。
第31条 各市町村及び都道府県に対する前条第1項に規定する各譲与時期に譲与すべき森林環境譲与税の額として第27条から前条までの規定を適用して計算した金額に1000円未満の端数金額があるときは、その端数金額を控除した金額をもって、当該譲与時期に譲与すべき森林環境譲与税の額とする。
第32条 総務大臣は、森林環境譲与税を市町村及び都道府県に譲与した後において、その譲与した額の算定に錯誤があったため、譲与した額を増加し、又は減少する必要が生じたときは、総務省令で定めるところにより、当該増加し、又は減少すべき額を、錯誤があったことを発見した日以後に到来する譲与時期において譲与すべき額に加算し、又はこれから減額した額をもって当該譲与時期において市町村及び都道府県に譲与すべき額とするものとする。
第33条 総務大臣は、第28条第2項若しくは前条の総務省令を制定し、若しくは改廃しようとするとき、又は市町村及び都道府県に対して譲与すべき森林環境譲与税を譲与しようとするときは、地方財政審議会の意見を聴かなければならない。
第34条 市町村は、譲与を受けた森林環境譲与税の総額を次に掲げる施策に要する費用に充てなければならない。
一 森林の整備に関する施策
二 森林の整備を担うべき人材の育成及び確保、森林の有する公益的機能に関する普及啓発、木材の利用(公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成22年法律第36号)第2条第2項に規定する木材の利用をいう。)の促進その他の森林の整備の促進に関する施策
2 都道府県は、譲与を受けた森林環境譲与税の総額を次に掲げる施策に要する費用に充てなければならない。
一 当該都道府県の区域内の市町村が実施する前項各号に掲げる施策の支援に関する施策
二 当該都道府県の区域内の市町村が実施する前項第1号に掲げる施策の円滑な実施に資するための同号に掲げる施策
三 前項第2号に掲げる施策
3 市町村及び都道府県の長は、地方自治法第233条第3項の規定により決算を議会の認定に付したときは、遅滞なく、森林環境譲与税の使途に関する事項について、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。
第4章 雑則
第35条 この法律に定めるもののほか、市町村及び都道府県に対して譲与する森林環境譲与税の額の計算に関し必要な細目その他この法律の施行に関し必要な事項は、命令で定める。
第1条 この法律は、平成31年4月1日から施行する。ただし、第2章並びに附則第5条、第8条(地方税法第27条第2項の改正規定(「第50条第6項、」を削る部分を除く。)及び同法第299条第2項の改正規定を除く。)、第9条から第16条まで、第17条(特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第23条第1号ニの改正規定に限る。)、第18条、第19条及び第21条(総務省設置法(平成11年法律第91号)第4条第1項第52号及び第54号の改正規定に限る。)の規定は、令和6年1月1日から施行する。
第2条 第2章の規定は、令和6年度以後の年度分の森林環境税について適用する。
2 第3章の規定は、令和元年度以後の年度分の森林環境譲与税について適用する。
第2条の2 市町村及び都道府県における森林の整備及びその促進に関する施策の実施状況等に鑑み、令和2年度から令和6年度までの各年度において市町村及び都道府県に対して譲与する森林環境譲与税については、第27条及び第30条第1項の規定にかかわらず、特別会計に関する法律附則第10条第3項の規定により交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れた額の全部又は一部に相当する額を譲与するものとする。
第3条 令和元年度において市町村及び都道府県に対して譲与する森林環境譲与税に係る第27条から第30条までの規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第27条 |
森林環境税の収入額に相当する額 |
200億円 |
第28条第1項 |
十分の九 |
五分の四 |
公表された結果 |
公表された結果又は林野庁長官が実施した調査のうち総務省令で定める調査の最近に公表された結果 |
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第29条 |
十分の一 |
五分の一 |
第30条第1項 |
十分の九 |
五分の四 |
十分の一 |
五分の一 |
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第30条第1項の表9月の項 |
当該年度の初日の属する年の3月から8月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
100億円 |
第30条第1項の表3月の項 |
当該年度の初日の属する年の9月から翌年の2月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
100億円 |
2 令和2年度及び令和3年度において市町村及び都道府県に対して譲与する森林環境譲与税に係る第27条から第30条までの規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第27条 |
森林環境税の収入額に相当する額 |
400億円 |
第28条第1項 |
十分の九 |
二十分の十七 |
公表された結果 |
公表された結果又は林野庁長官が実施した調査のうち総務省令で定める調査の最近に公表された結果 |
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第29条 |
十分の一 |
二十分の三 |
第30条第1項 |
十分の九 |
二十分の十七 |
十分の一 |
二十分の三 |
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第30条第1項の表9月の項 |
当該年度の初日の属する年の3月から8月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
200億円 |
第30条第1項の表3月の項 |
当該年度の初日の属する年の9月から翌年の2月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
200億円 |
3 令和4年度及び令和5年度において市町村及び都道府県に対して譲与する森林環境譲与税に係る第27条から第30条までの規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第27条 |
森林環境税の収入額に相当する額 |
500億円 |
第28条第1項 |
十分の九 |
二十五分の二十二 |
第29条 |
十分の一 |
二十五分の三 |
第30条第1項 |
十分の九 |
二十五分の二十二 |
十分の一 |
二十五分の三 |
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第30条第1項の表9月の項 |
当該年度の初日の属する年の3月から8月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
250億円 |
第30条第1項の表3月の項 |
当該年度の初日の属する年の9月から翌年の2月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
250億円 |
4 令和6年度において市町村及び都道府県に対して譲与する森林環境譲与税に係る第27条及び第30条の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第27条 |
相当する額 |
相当する額に300億円を加算した額 |
第30条第1項の表9月の項 |
3月から8月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
4月から翌年の2月までの間において収納すべき森林環境税の収入額の見込額の二分の一に相当する額(次項において「見込譲与額」という。)に150億円を加算した額 |
第30条第1項の表3月の項 |
9月から翌年の2月までの間の収納に係る森林環境税の収入額に相当する額 |
4月から翌年の2月までの間において収納した森林環境税の収入額から見込譲与額を控除した額に相当する額に150億円を加算した額 |
第4条 この附則に定めるもののほか、令和6年度における森林環境税の賦課徴収に関し必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第1条 この法律は、令和2年4月1日から施行する。
第20条 令和2年度分の地方交付税に係る地方交付税法(昭和25年法律第211号)第14条の規定による基準財政収入額の算定に係る同条第3項の規定の適用については、同項の表道府県の項第17号中「前年度の森林環境譲与税の譲与額」とあるのは「当該年度の森林環境譲与税の譲与見込額として総務大臣が定める額」と、同表市町村の項第21号中「前年度の森林環境譲与税の譲与額」とあるのは「当該年度の森林環境譲与税の譲与見込額として総務大臣が定める額」とする。
第22条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる地方税及び特別法人事業税並びにこの附則の規定によりなお効力を有することとされる旧法の規定に係る地方税に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第23条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。