かっこ色付け
移動

民事訴訟法

平成8年法律第109号
最終改正:平成24年5月8日法律第30号
    検索

    第1編 総則

    第1章 通則

    (趣旨)

    第1条 民事訴訟に関する手続については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。


    (裁判所及び当事者の責務)

    第2条 裁判所は、民事訴訟が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない。


    (最高裁判所規則)

    第3条 この法律に定めるもののほか、民事訴訟に関する手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

    第2章 裁判所

    第1節 日本の裁判所の管轄権

    (被告の住所等による管轄権)

    第3条の2 裁判所は、人に対する訴えについて、その住所が日本国内にあるとき、住所がない場合又は住所が知れない場合にはその居所が日本国内にあるとき、居所がない場合又は居所が知れない場合には訴えの提起前に日本国内に住所を有していたとき(日本国内に最後に住所を有していた後に外国に住所を有していたときを除く。)は、管轄権を有する。

     裁判所は、大使、公使その他外国に在ってその国の裁判権からの免除を享有する日本人に対する訴えについて、前項の規定にかかわらず、管轄権を有する。

     裁判所は、法人その他の社団又は財団に対する訴えについて、その主たる事務所又は営業所が日本国内にあるとき、事務所若しくは営業所がない場合又はその所在地が知れない場合には代表者その他の主たる業務担当者の住所が日本国内にあるときは、管轄権を有する。


    (契約上の債務に関する訴え等の管轄権)

    第3条の3 次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定めるときは、日本の裁判所に提起することができる。

    一 契約上の債務の履行の請求を目的とする訴え又は契約上の債務に関して行われた事務管理若しくは生じた不当利得に係る請求、契約上の債務の不履行による損害賠償の請求その他契約上の債務に関する請求を目的とする訴え

    契約において定められた当該債務の履行地が日本国内にあるとき、又は契約において選択された地の法によれば当該債務の履行地が日本国内にあるとき。

    二 手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え

    手形又は小切手の支払地が日本国内にあるとき。

    三 財産権上の訴え

    請求の目的が日本国内にあるとき、又は当該訴えが金銭の支払を請求するものである場合には差し押さえることができる被告の財産が日本国内にあるとき(その財産の価額が著しく低いときを除く。)。

    四 事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの

    当該事務所又は営業所が日本国内にあるとき。

    五 日本において事業を行う者(日本において取引を継続してする外国会社(会社法(平成17年法律第86号)第2条第2号に規定する外国会社をいう。)を含む。)に対する訴え

    当該訴えがその者の日本における業務に関するものであるとき。

    六 船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え

    船舶が日本国内にあるとき。

    七 会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの

    社団又は財団が法人である場合にはそれが日本の法令により設立されたものであるとき、法人でない場合にはその主たる事務所又は営業所が日本国内にあるとき。

    イ 会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの

    ロ 社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの

    ハ 会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの

    ニ 会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの

    八 不法行為に関する訴え

    不法行為があった地が日本国内にあるとき(外国で行われた加害行為の結果が日本国内で発生した場合において、日本国内におけるその結果の発生が通常予見することのできないものであったときを除く。)。

    九 船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え

    損害を受けた船舶が最初に到達した地が日本国内にあるとき。

    十 海難救助に関する訴え

    海難救助があった地又は救助された船舶が最初に到達した地が日本国内にあるとき。

    十一 不動産に関する訴え

    不動産が日本国内にあるとき。

    十二 相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え

    相続開始の時における被相続人の住所が日本国内にあるとき、住所がない場合又は住所が知れない場合には相続開始の時における被相続人の居所が日本国内にあるとき、居所がない場合又は居所が知れない場合には被相続人が相続開始の前に日本国内に住所を有していたとき(日本国内に最後に住所を有していた後に外国に住所を有していたときを除く。)。

    十三 相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで前号に掲げる訴えに該当しないもの

    同号に定めるとき。


    (消費者契約及び労働関係に関する訴えの管轄権)

    第3条の4 消費者(個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。以下同じ。)と事業者(法人その他の社団又は財団及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。以下同じ。)との間で締結される契約(労働契約を除く。以下「消費者契約」という。)に関する消費者からの事業者に対する訴えは、訴えの提起の時又は消費者契約の締結の時における消費者の住所が日本国内にあるときは、日本の裁判所に提起することができる。

     労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関する労働者からの事業主に対する訴えは、個別労働関係民事紛争に係る労働契約における労務の提供の地(その地が定まっていない場合にあっては、労働者を雇い入れた事業所の所在地)が日本国内にあるときは、日本の裁判所に提起することができる。

     消費者契約に関する事業者からの消費者に対する訴え及び個別労働関係民事紛争に関する事業主からの労働者に対する訴えについては、前条の規定は、適用しない。


    (管轄権の専属)

    第3条の5 会社法第7編第2章に規定する訴え(同章第4節及び第6節に規定するものを除く。)、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第6章第2節に規定する訴えその他これらの法令以外の日本の法令により設立された社団又は財団に関する訴えでこれらに準ずるものの管轄権は、日本の裁判所に専属する。

     登記又は登録に関する訴えの管轄権は、登記又は登録をすべき地が日本国内にあるときは、日本の裁判所に専属する。

     知的財産権(知的財産基本法(平成14年法律第122号)第2条第2項に規定する知的財産権をいう。)のうち設定の登録により発生するものの存否又は効力に関する訴えの管轄権は、その登録が日本においてされたものであるときは、日本の裁判所に専属する。


    (併合請求における管轄権)

    第3条の6 一の訴えで数個の請求をする場合において、日本の裁判所が一の請求について管轄権を有し、他の請求について管轄権を有しないときは、当該一の請求と他の請求との間に密接な関連があるときに限り、日本の裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第38条前段に定める場合に限る。


    (管轄権に関する合意)

    第3条の7 当事者は、合意により、いずれの国の裁判所に訴えを提起することができるかについて定めることができる。

     前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。

     第1項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

     外国の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意は、その裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、これを援用することができない。

     将来において生ずる消費者契約に関する紛争を対象とする第1項の合意は、次に掲げる場合に限り、その効力を有する。

     消費者契約の締結の時において消費者が住所を有していた国の裁判所に訴えを提起することができる旨の合意(その国の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意については、次号に掲げる場合を除き、その国以外の国の裁判所にも訴えを提起することを妨げない旨の合意とみなす。)であるとき。

     消費者が当該合意に基づき合意された国の裁判所に訴えを提起したとき、又は事業者が日本若しくは外国の裁判所に訴えを提起した場合において、消費者が当該合意を援用したとき。

     将来において生ずる個別労働関係民事紛争を対象とする第1項の合意は、次に掲げる場合に限り、その効力を有する。

     労働契約の終了の時にされた合意であって、その時における労務の提供の地がある国の裁判所に訴えを提起することができる旨を定めたもの(その国の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意については、次号に掲げる場合を除き、その国以外の国の裁判所にも訴えを提起することを妨げない旨の合意とみなす。)であるとき。

     労働者が当該合意に基づき合意された国の裁判所に訴えを提起したとき、又は事業主が日本若しくは外国の裁判所に訴えを提起した場合において、労働者が当該合意を援用したとき。


    (応訴による管轄権)

    第3条の8 被告が日本の裁判所が管轄権を有しない旨の抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、裁判所は、管轄権を有する。


    (特別の事情による訴えの却下)

    第3条の9 裁判所は、訴えについて日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(日本の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意に基づき訴えが提起された場合を除く。)においても、事案の性質、応訴による被告の負担の程度、証拠の所在地その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情があると認めるときは、その訴えの全部又は一部を却下することができる。


    (管轄権が専属する場合の適用除外)

    第3条の10 第3条の2から第3条の4まで及び第3条の6から前条までの規定は、訴えについて法令に日本の裁判所の管轄権の専属に関する定めがある場合には、適用しない。


    (職権証拠調べ)

    第3条の11 裁判所は、日本の裁判所の管轄権に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。


    (管轄権の標準時)

    第3条の12 日本の裁判所の管轄権は、訴えの提起の時を標準として定める。

    第2節 管轄

    (普通裁判籍による管轄)

    第4条 訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。

     人の普通裁判籍は、住所により、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときは最後の住所により定まる。

     大使、公使その他外国に在ってその国の裁判権からの免除を享有する日本人が前項の規定により普通裁判籍を有しないときは、その者の普通裁判籍は、最高裁判所規則で定める地にあるものとする。

     法人その他の社団又は財団の普通裁判籍は、その主たる事務所又は営業所により、事務所又は営業所がないときは代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。

     外国の社団又は財団の普通裁判籍は、前項の規定にかかわらず、日本における主たる事務所又は営業所により、日本国内に事務所又は営業所がないときは日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。

     国の普通裁判籍は、訴訟について国を代表する官庁の所在地により定まる。


    (財産権上の訴え等についての管轄)

    第5条 次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。

    一 財産権上の訴え

    義務履行地

    二 手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え

    手形又は小切手の支払地

    三 船員に対する財産権上の訴え

    船舶の船籍の所在地

    四 日本国内に住所(法人にあっては、事務所又は営業所。以下この号において同じ。)がない者又は住所が知れない者に対する財産権上の訴え

    請求若しくはその担保の目的又は差し押さえることができる被告の財産の所在地

    五 事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの

    当該事務所又は営業所の所在地

    六 船舶所有者その他船舶を利用する者に対する船舶又は航海に関する訴え

    船舶の船籍の所在地

    七 船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え

    船舶の所在地

    八 会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの

    社団又は財団の普通裁判籍の所在地

    イ 会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの

      

    ロ 社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの

    ハ 会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの

    ニ 会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの

    九 不法行為に関する訴え

    不法行為があった地

    十 船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え

    損害を受けた船舶が最初に到達した地

    十一 海難救助に関する訴え

    海難救助があった地又は救助された船舶が最初に到達した地

    十二 不動産に関する訴え

    不動産の所在地

    十三 登記又は登録に関する訴え

    登記又は登録をすべき地

    十四 相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え

    相続開始の時における被相続人の普通裁判籍の所在地

    十五 相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで前号に掲げる訴えに該当しないもの

    同号に定める地


    (特許権等に関する訴え等の管轄)

    第6条 特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴え(以下「特許権等に関する訴え」という。)について、前二条の規定によれば次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有すべき場合には、その訴えは、それぞれ当該各号に定める裁判所の管轄に専属する。

    一 東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所

    東京地方裁判所

    二 大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所

    大阪地方裁判所

     特許権等に関する訴えについて、前二条の規定により前項各号に掲げる裁判所の管轄区域内に所在する簡易裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。

     第1項第2号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴は、東京高等裁判所の管轄に専属する。ただし、第20条の2第1項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴については、この限りでない。


    (意匠権等に関する訴えの管轄)

    第6条の2 意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成5年法律第47号)第2条第1項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて、第4条又は第5条の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。

    一 前条第1項第1号に掲げる裁判所(東京地方裁判所を除く。)

    東京地方裁判所

    二 前条第1項第2号に掲げる裁判所(大阪地方裁判所を除く。)

    大阪地方裁判所


    (併合請求における管轄)

    第7条 一の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により一の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第38条前段に定める場合に限る。


    (訴訟の目的の価額の算定)

    第8条 裁判所法(昭和22年法律第59号)の規定により管轄が訴訟の目的の価額により定まるときは、その価額は、訴えで主張する利益によって算定する。

     前項の価額を算定することができないとき、又は極めて困難であるときは、その価額は140万円を超えるものとみなす。


    (併合請求の場合の価額の算定)

    第9条 一の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。ただし、その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求については、この限りでない。

     果実、損害賠償、違約金又は費用の請求が訴訟の附帯の目的であるときは、その価額は、訴訟の目的の価額に算入しない。


    (管轄裁判所の指定)

    第10条 管轄裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、その裁判所の直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。

     裁判所の管轄区域が明確でないため管轄裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。

     前二項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。


    (管轄裁判所の特例)

    第10条の2 前節の規定により日本の裁判所が管轄権を有する訴えについて、この法律の他の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、その訴えは、最高裁判所規則で定める地を管轄する裁判所の管轄に属する。


    (管轄の合意)

    第11条 当事者は、第一審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。

     前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。

     第1項の合意がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。


    (応訴管轄)

    第12条 被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。


    (専属管轄の場合の適用除外等)

    第13条 第4条第1項、第5条、第6条第2項、第6条の2、第7条及び前二条の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。

     特許権等に関する訴えについて、第7条又は前二条の規定によれば第6条第1項各号に定める裁判所が管轄権を有すべき場合には、前項の規定にかかわらず、第7条又は前二条の規定により、その裁判所は、管轄権を有する。


    (職権証拠調べ)

    第14条 裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。


    (管轄の標準時)

    第15条 裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。


    (管轄違いの場合の取扱い)

    第16条 裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。

     地方裁判所は、訴訟がその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、前項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。ただし、訴訟がその簡易裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合は、この限りでない。


    (遅滞を避ける等のための移送)

    第17条 第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者及び尋問を受けるべき証人の住所、使用すべき検証物の所在地その他の事情を考慮して、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。


    (簡易裁判所の裁量移送)

    第18条 簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送することができる。


    (必要的移送)

    第19条 第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき、又はその申立てが、簡易裁判所からその所在地を管轄する地方裁判所への移送の申立て以外のものであって、被告が本案について弁論をし、若しくは弁論準備手続において申述をした後にされたものであるときは、この限りでない。

     簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。


    (専属管轄の場合の移送の制限)

    第20条 前三条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合には、適用しない。

     特許権等に関する訴えに係る訴訟について、第17条又は前条第1項の規定によれば第6条第1項各号に定める裁判所に移送すべき場合には、前項の規定にかかわらず、第17条又は前条第1項の規定を適用する。


    (特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)

    第20条の2 第6条第1項各号に定める裁判所は、特許権等に関する訴えに係る訴訟が同項の規定によりその管轄に専属する場合においても、当該訴訟において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を第4条、第5条若しくは第11条の規定によれば管轄権を有すべき地方裁判所又は第19条第1項の規定によれば移送を受けるべき地方裁判所に移送することができる。

     東京高等裁判所は、第6条第3項の控訴が提起された場合において、その控訴審において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を大阪高等裁判所に移送することができる。


    (即時抗告)

    第21条 移送の決定及び移送の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (移送の裁判の拘束力等)

    第22条 確定した移送の裁判は、移送を受けた裁判所を拘束する。

     移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができない。

     移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみなす。

    第3節 裁判所職員の除斥及び忌避

    (裁判官の除斥)

    第23条 裁判官は、次に掲げる場合には、その職務の執行から除斥される。ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。

     裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者であるとき、又は事件について当事者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。

     裁判官が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。

     裁判官が当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。

     裁判官が事件について証人又は鑑定人となったとき。

     裁判官が事件について当事者の代理人又は補佐人であるとき、又はあったとき。

     裁判官が事件について仲裁判断に関与し、又は不服を申し立てられた前審の裁判に関与したとき。

     前項に規定する除斥の原因があるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、除斥の裁判をする。


    (裁判官の忌避)

    第24条 裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。

     当事者は、裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。


    (除斥又は忌避の裁判)

    第25条 合議体の構成員である裁判官及び地方裁判所の1人の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判官の所属する裁判所が、簡易裁判所の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が、決定で、裁判をする。

     地方裁判所における前項の裁判は、合議体でする。

     裁判官は、その除斥又は忌避についての裁判に関与することができない。

     除斥又は忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。

     除斥又は忌避を理由がないとする決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (訴訟手続の停止)

    第26条 除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。


    (裁判所書記官への準用)

    第27条 この節の規定は、裁判所書記官について準用する。この場合においては、裁判は、裁判所書記官の所属する裁判所がする。

    第3章 当事者

    第1節 当事者能力及び訴訟能力

    (原則)

    第28条 当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法(明治29年法律第89号)その他の法令に従う。訴訟行為をするのに必要な授権についても、同様とする。


    (法人でない社団等の当事者能力)

    第29条 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。


    (選定当事者)

    第30条 共同の利益を有する多数の者で前条の規定に該当しないものは、その中から、全員のために原告又は被告となるべき1人又は数人を選定することができる。

     訴訟の係属の後、前項の規定により原告又は被告となるべき者を選定したときは、他の当事者は、当然に訴訟から脱退する。

     係属中の訴訟の原告又は被告と共同の利益を有する者で当事者でないものは、その原告又は被告を自己のためにも原告又は被告となるべき者として選定することができる。

     第1項又は前項の規定により原告又は被告となるべき者を選定した者(以下「選定者」という。)は、その選定を取り消し、又は選定された当事者(以下「選定当事者」という。)を変更することができる。

     選定当事者のうち死亡その他の事由によりその資格を喪失した者があるときは、他の選定当事者において全員のために訴訟行為をすることができる。


    (未成年者及び成年被後見人の訴訟能力)

    第31条 未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。


    (被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則)

    第32条 被保佐人、被補助人(訴訟行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。次項及び第40条第4項において同じ。)又は後見人その他の法定代理人が相手方の提起した訴え又は上訴について訴訟行為をするには、保佐人若しくは保佐監督人、補助人若しくは補助監督人又は後見監督人の同意その他の授権を要しない。

     被保佐人、被補助人又は後見人その他の法定代理人が次に掲げる訴訟行為をするには、特別の授権がなければならない。

     訴えの取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾又は第48条(第50条第3項及び第51条において準用する場合を含む。)の規定による脱退

     控訴、上告又は第318条第1項の申立ての取下げ

     第360条(第367条第2項及び第378条第2項において準用する場合を含む。)の規定による異議の取下げ又はその取下げについての同意


    (外国人の訴訟能力の特則)

    第33条 外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなす。


    (訴訟能力等を欠く場合の措置等)

    第34条 訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、一時訴訟行為をさせることができる。

     訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。

     前二項の規定は、選定当事者が訴訟行為をする場合について準用する。


    (特別代理人)

    第35条 法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる。

     裁判所は、いつでも特別代理人を改任することができる。

     特別代理人が訴訟行為をするには、後見人と同一の授権がなければならない。


    (法定代理権の消滅の通知)

    第36条 法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。

     前項の規定は、選定当事者の選定の取消し及び変更について準用する。


    (法人の代表者等への準用)

    第37条 この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。

    第2節 共同訴訟

    (共同訴訟の要件)

    第38条 訴訟の目的である権利又は義務が数人について共通であるとき、又は同一の事実上及び法律上の原因に基づくときは、その数人は、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。訴訟の目的である権利又は義務が同種であって事実上及び法律上同種の原因に基づくときも、同様とする。


    (共同訴訟人の地位)

    第39条 共同訴訟人の1人の訴訟行為、共同訴訟人の1人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の1人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。


    (必要的共同訴訟)

    第40条 訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その1人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。

     前項に規定する場合には、共同訴訟人の1人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。

     第1項に規定する場合において、共同訴訟人の1人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。

     第32条第1項の規定は、第1項に規定する場合において、共同訴訟人の1人が提起した上訴について他の共同訴訟人である被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の法定代理人のすべき訴訟行為について準用する。


    (同時審判の申出がある共同訴訟)

    第41条 共同被告の一方に対する訴訟の目的である権利と共同被告の他方に対する訴訟の目的である権利とが法律上併存し得ない関係にある場合において、原告の申出があったときは、弁論及び裁判は、分離しないでしなければならない。

     前項の申出は、控訴審の口頭弁論の終結の時までにしなければならない。

     第1項の場合において、各共同被告に係る控訴事件が同一の控訴裁判所に各別に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。

    第3節 訴訟参加

    (補助参加)

    第42条 訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。


    (補助参加の申出)

    第43条 補助参加の申出は、参加の趣旨及び理由を明らかにして、補助参加により訴訟行為をすべき裁判所にしなければならない。

     補助参加の申出は、補助参加人としてすることができる訴訟行為とともにすることができる。


    (補助参加についての異議等)

    第44条 当事者が補助参加について異議を述べたときは、裁判所は、補助参加の許否について、決定で、裁判をする。この場合においては、補助参加人は、参加の理由を疎明しなければならない。

     前項の異議は、当事者がこれを述べないで弁論をし、又は弁論準備手続において申述をした後は、述べることができない。

     第1項の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。


    (補助参加人の訴訟行為)

    第45条 補助参加人は、訴訟について、攻撃又は防御の方法の提出、異議の申立て、上訴の提起、再審の訴えの提起その他一切の訴訟行為をすることができる。ただし、補助参加の時における訴訟の程度に従いすることができないものは、この限りでない。

     補助参加人の訴訟行為は、被参加人の訴訟行為と抵触するときは、その効力を有しない。

     補助参加人は、補助参加について異議があった場合においても、補助参加を許さない裁判が確定するまでの間は、訴訟行為をすることができる。

     補助参加人の訴訟行為は、補助参加を許さない裁判が確定した場合においても、当事者が援用したときは、その効力を有する。


    (補助参加人に対する裁判の効力)

    第46条 補助参加に係る訴訟の裁判は、次に掲げる場合を除き、補助参加人に対してもその効力を有する。

     前条第1項ただし書の規定により補助参加人が訴訟行為をすることができなかったとき。

     前条第2項の規定により補助参加人の訴訟行為が効力を有しなかったとき。

     被参加人が補助参加人の訴訟行為を妨げたとき。

     被参加人が補助参加人のすることができない訴訟行為を故意又は過失によってしなかったとき。


    (独立当事者参加)

    第47条 訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。

     前項の規定による参加の申出は、書面でしなければならない。

     前項の書面は、当事者双方に送達しなければならない。

     第40条第1項から第3項までの規定は第1項の訴訟の当事者及び同項の規定によりその訴訟に参加した者について、第43条の規定は同項の規定による参加の申出について準用する。


    (訴訟脱退)

    第48条 前条第1項の規定により自己の権利を主張するため訴訟に参加した者がある場合には、参加前の原告又は被告は、相手方の承諾を得て訴訟から脱退することができる。この場合において、判決は、脱退した当事者に対してもその効力を有する。


    (権利承継人の訴訟参加の場合における時効の中断等)

    第49条 訴訟の係属中その訴訟の目的である権利の全部又は一部を譲り受けたことを主張して、第47条第1項の規定により訴訟参加をしたときは、その参加は、訴訟の係属の初めにさかのぼって時効の中断又は法律上の期間の遵守の効力を生ずる。


    (義務承継人の訴訟引受け)

    第50条 訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。

     裁判所は、前項の決定をする場合には、当事者及び第三者を審尋しなければならない。

     第41条第1項及び第3項並びに前二条の規定は、第1項の規定により訴訟を引き受けさせる決定があった場合について準用する。


    (義務承継人の訴訟参加及び権利承継人の訴訟引受け)

    第51条 第47条から第49条までの規定は訴訟の係属中その訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したことを主張する第三者の訴訟参加について、前条の規定は訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である権利の全部又は一部を譲り受けた場合について準用する。


    (共同訴訟参加)

    第52条 訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合には、その第三者は、共同訴訟人としてその訴訟に参加することができる。

     第43条並びに第47条第2項及び第3項の規定は、前項の規定による参加の申出について準用する。


    (訴訟告知)

    第53条 当事者は、訴訟の係属中、参加することができる第三者にその訴訟の告知をすることができる。

     訴訟告知を受けた者は、更に訴訟告知をすることができる。

     訴訟告知は、その理由及び訴訟の程度を記載した書面を裁判所に提出してしなければならない。

     訴訟告知を受けた者が参加しなかった場合においても、第46条の規定の適用については、参加することができた時に参加したものとみなす。

    第4節 訴訟代理人及び補佐人

    (訴訟代理人の資格)

    第54条 法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。

     前項の許可は、いつでも取り消すことができる。


    (訴訟代理権の範囲)

    第55条 訴訟代理人は、委任を受けた事件について、反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する訴訟行為をし、かつ、弁済を受領することができる。

     訴訟代理人は、次に掲げる事項については、特別の委任を受けなければならない。

     反訴の提起

     訴えの取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾又は第48条(第50条第3項及び第51条において準用する場合を含む。)の規定による脱退

     控訴、上告若しくは第318条第1項の申立て又はこれらの取下げ

     第360条(第367条第2項及び第378条第2項において準用する場合を含む。)の規定による異議の取下げ又はその取下げについての同意

     代理人の選任

     訴訟代理権は、制限することができない。ただし、弁護士でない訴訟代理人については、この限りでない。

     前三項の規定は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人の権限を妨げない。


    (個別代理)

    第56条 訴訟代理人が数人あるときは、各自当事者を代理する。

     当事者が前項の規定と異なる定めをしても、その効力を生じない。


    (当事者による更正)

    第57条 訴訟代理人の事実に関する陳述は、当事者が直ちに取り消し、又は更正したときは、その効力を生じない。


    (訴訟代理権の不消滅)

    第58条 訴訟代理権は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。

     当事者の死亡又は訴訟能力の喪失

     当事者である法人の合併による消滅

     当事者である受託者の信託に関する任務の終了

     法定代理人の死亡、訴訟能力の喪失又は代理権の消滅若しくは変更

     一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの訴訟代理人の代理権は、当事者の死亡その他の事由による資格の喪失によっては、消滅しない。

     前項の規定は、選定当事者が死亡その他の事由により資格を喪失した場合について準用する。


    (法定代理の規定の準用)

    第59条 第34条第1項及び第2項並びに第36条第1項の規定は、訴訟代理について準用する。


    (補佐人)

    第60条 当事者又は訴訟代理人は、裁判所の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

     前項の許可は、いつでも取り消すことができる。

     補佐人の陳述は、当事者又は訴訟代理人が直ちに取り消し、又は更正しないときは、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。

    第4章 訴訟費用

    第1節 訴訟費用の負担

    (訴訟費用の負担の原則)

    第61条 訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。


    (不必要な行為があった場合等の負担)

    第62条 裁判所は、事情により、勝訴の当事者に、その権利の伸張若しくは防御に必要でない行為によって生じた訴訟費用又は行為の時における訴訟の程度において相手方の権利の伸張若しくは防御に必要であった行為によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。


    (訴訟を遅滞させた場合の負担)

    第63条 当事者が適切な時期に攻撃若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日若しくは期間の不遵守その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判所は、その当事者に、その勝訴の場合においても、遅滞によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。


    (一部敗訴の場合の負担)

    第64条 一部敗訴の場合における各当事者の訴訟費用の負担は、裁判所が、その裁量で定める。ただし、事情により、当事者の一方に訴訟費用の全部を負担させることができる。


    (共同訴訟の場合の負担)

    第65条 共同訴訟人は、等しい割合で訴訟費用を負担する。ただし、裁判所は、事情により、共同訴訟人に連帯して訴訟費用を負担させ、又は他の方法により負担させることができる。

     裁判所は、前項の規定にかかわらず、権利の伸張又は防御に必要でない行為をした当事者に、その行為によって生じた訴訟費用を負担させることができる。


    (補助参加の場合の負担)

    第66条 第61条から前条までの規定は、補助参加についての異議によって生じた訴訟費用の補助参加人とその異議を述べた当事者との間における負担の関係及び補助参加によって生じた訴訟費用の補助参加人と相手方との間における負担の関係について準用する。


    (訴訟費用の負担の裁判)

    第67条 裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における訴訟費用の全部について、その負担の裁判をしなければならない。ただし、事情により、事件の一部又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。

     上級の裁判所が本案の裁判を変更する場合には、訴訟の総費用について、その負担の裁判をしなければならない。事件の差戻し又は移送を受けた裁判所がその事件を完結する裁判をする場合も、同様とする。


    (和解の場合の負担)

    第68条 当事者が裁判所において和解をした場合において、和解の費用又は訴訟費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。


    (法定代理人等の費用償還)

    第69条 法定代理人、訴訟代理人、裁判所書記官又は執行官が故意又は重大な過失によって無益な訴訟費用を生じさせたときは、受訴裁判所は、申立てにより又は職権で、これらの者に対し、その費用額の償還を命ずることができる。

     前項の規定は、法定代理人又は訴訟代理人として訴訟行為をした者が、その代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権があることを証明することができず、かつ、追認を得ることができなかった場合において、その訴訟行為によって生じた訴訟費用について準用する。

     第1項(前項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (無権代理人の費用負担)

    第70条 前条第2項に規定する場合において、裁判所が訴えを却下したときは、訴訟費用は、代理人として訴訟行為をした者の負担とする。


    (訴訟費用額の確定手続)

    第71条 訴訟費用の負担の額は、その負担の裁判が執行力を生じた後に、申立てにより、第一審裁判所の裁判所書記官が定める。

     前項の場合において、当事者双方が訴訟費用を負担するときは、最高裁判所規則で定める場合を除き、各当事者の負担すべき費用は、その対当額について相殺があったものとみなす。

     第1項の申立てに関する処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

     前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない。

     前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。

     裁判所は、第1項の規定による額を定める処分に対する異議の申立てを理由があると認める場合において、訴訟費用の負担の額を定めるべきときは、自らその額を定めなければならない。

     第4項の異議の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (和解の場合の費用額の確定手続)

    第72条 当事者が裁判所において和解をした場合において、和解の費用又は訴訟費用の負担を定め、その額を定めなかったときは、その額は、申立てにより、第一審裁判所(第275条の和解にあっては、和解が成立した裁判所)の裁判所書記官が定める。この場合においては、前条第2項から第7項までの規定を準用する。


    (訴訟が裁判及び和解によらないで完結した場合等の取扱い)

    第73条 訴訟が裁判及び和解によらないで完結したときは、申立てにより、第一審裁判所は決定で訴訟費用の負担を命じ、その裁判所の裁判所書記官はその決定が執行力を生じた後にその負担の額を定めなければならない。補助参加の申出の取下げ又は補助参加についての異議の取下げがあった場合も、同様とする。

     第61条から第66条まで及び第71条第7項の規定は前項の申立てについての決定について、同条第2項及び第3項の規定は前項の申立てに関する裁判所書記官の処分について、同条第4項から第7項までの規定はその処分に対する異議の申立てについて準用する。


    (費用額の確定処分の更正)

    第74条 第71条第1項、第72条又は前条第1項の規定による額を定める処分に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその処分を更正することができる。

     第71条第3項から第5項まで及び第7項の規定は、前項の規定による更正の処分及びこれに対する異議の申立てについて準用する。

     第1項に規定する額を定める処分に対し適法な異議の申立てがあったときは、前項の異議の申立ては、することができない。

    第2節 訴訟費用の担保

    (担保提供命令)

    第75条 原告が日本国内に住所、事務所及び営業所を有しないときは、裁判所は、被告の申立てにより、決定で、訴訟費用の担保を立てるべきことを原告に命じなければならない。その担保に不足を生じたときも、同様とする。

     前項の規定は、金銭の支払の請求の一部について争いがない場合において、その額が担保として十分であるときは、適用しない。

     被告は、担保を立てるべき事由があることを知った後に本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、第1項の申立てをすることができない。

     第1項の申立てをした被告は、原告が担保を立てるまで応訴を拒むことができる。

     裁判所は、第1項の決定において、担保の額及び担保を立てるべき期間を定めなければならない。

     担保の額は、被告が全審級において支出すべき訴訟費用の総額を標準として定める。

     第1項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (担保提供の方法)

    第76条 担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号)第278条第1項に規定する振替債を含む。次条において同じ。)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。ただし、当事者が特別の契約をしたときは、その契約による。


    (担保物に対する被告の権利)

    第77条 被告は、訴訟費用に関し、前条の規定により供託した金銭又は有価証券について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。


    (担保不提供の効果)

    第78条 原告が担保を立てるべき期間内にこれを立てないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。ただし、判決前に担保を立てたときは、この限りでない。


    (担保の取消し)

    第79条 担保を立てた者が担保の事由が消滅したことを証明したときは、裁判所は、申立てにより、担保の取消しの決定をしなければならない。

     担保を立てた者が担保の取消しについて担保権利者の同意を得たことを証明したときも、前項と同様とする。

     訴訟の完結後、裁判所が、担保を立てた者の申立てにより、担保権利者に対し、一定の期間内にその権利を行使すべき旨を催告し、担保権利者がその行使をしないときは、担保の取消しについて担保権利者の同意があったものとみなす。

     第1項及び第2項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (担保の変換)

    第80条 裁判所は、担保を立てた者の申立てにより、決定で、その担保の変換を命ずることができる。ただし、その担保を契約によって他の担保に変換することを妨げない。


    (他の法令による担保への準用)

    第81条 第75条第4項、第5項及び第7項並びに第76条から前条までの規定は、他の法令により訴えの提起について立てるべき担保について準用する。

    第3節 訴訟上の救助

    (救助の付与)

    第82条 訴訟の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者又はその支払により生活に著しい支障を生ずる者に対しては、裁判所は、申立てにより、訴訟上の救助の決定をすることができる。ただし、勝訴の見込みがないとはいえないときに限る。

     訴訟上の救助の決定は、審級ごとにする。


    (救助の効力等)

    第83条 訴訟上の救助の決定は、その定めるところに従い、訴訟及び強制執行について、次に掲げる効力を有する。

     裁判費用並びに執行官の手数料及びその職務の執行に要する費用の支払の猶予

     裁判所において付添いを命じた弁護士の報酬及び費用の支払の猶予

     訴訟費用の担保の免除

     訴訟上の救助の決定は、これを受けた者のためにのみその効力を有する。

     裁判所は、訴訟の承継人に対し、決定で、猶予した費用の支払を命ずる。


    (救助の決定の取消し)

    第84条 訴訟上の救助の決定を受けた者が第82条第1項本文に規定する要件を欠くことが判明し、又はこれを欠くに至ったときは、訴訟記録の存する裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、決定により、いつでも訴訟上の救助の決定を取り消し、猶予した費用の支払を命ずることができる。


    (猶予された費用等の取立方法)

    第85条 訴訟上の救助の決定を受けた者に支払を猶予した費用は、これを負担することとされた相手方から直接に取り立てることができる。この場合において、弁護士又は執行官は、報酬又は手数料及び費用について、訴訟上の救助の決定を受けた者に代わり、第71条第1項、第72条又は第73条第1項の申立て及び強制執行をすることができる。


    (即時抗告)

    第86条 この節に規定する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

    第5章 訴訟手続

    第1節 訴訟の審理等

    (口頭弁論の必要性)

    第87条 当事者は、訴訟について、裁判所において口頭弁論をしなければならない。ただし、決定で完結すべき事件については、裁判所が、口頭弁論をすべきか否かを定める。

     前項ただし書の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。

     前二項の規定は、特別の定めがある場合には、適用しない。


    (受命裁判官による審尋)

    第88条 裁判所は、審尋をする場合には、受命裁判官にこれを行わせることができる。


    (和解の試み)

    第89条 裁判所は、訴訟がいかなる程度にあるかを問わず、和解を試み、又は受命裁判官若しくは受託裁判官に和解を試みさせることができる。


    (訴訟手続に関する異議権の喪失)

    第90条 当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができないものについては、この限りでない。


    (訴訟記録の閲覧等)

    第91条 何人も、裁判所書記官に対し、訴訟記録の閲覧を請求することができる。

     公開を禁止した口頭弁論に係る訴訟記録については、当事者及び利害関係を疎明した第三者に限り、前項の規定による請求をすることができる。

     当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、訴訟記録の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は訴訟に関する事項の証明書の交付を請求することができる。

     前項の規定は、訴訟記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について当事者又は利害関係を疎明した第三者の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。

     訴訟記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、訴訟記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。


    (秘密保護のための閲覧等の制限)

    第92条 次に掲げる事由につき疎明があった場合には、裁判所は、当該当事者の申立てにより、決定で、当該訴訟記録中当該秘密が記載され、又は記録された部分の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下「秘密記載部分の閲覧等」という。)の請求をすることができる者を当事者に限ることができる。

     訴訟記録中に当事者の私生活についての重大な秘密が記載され、又は記録されており、かつ、第三者が秘密記載部分の閲覧等を行うことにより、その当事者が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあること。

     訴訟記録中に当事者が保有する営業秘密(不正競争防止法第2条第6項に規定する営業秘密をいう。第132条の2第1項第3号及び第2項において同じ。)が記載され、又は記録されていること。

     前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、第三者は、秘密記載部分の閲覧等の請求をすることができない。

     秘密記載部分の閲覧等の請求をしようとする第三者は、訴訟記録の存する裁判所に対し、第1項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の決定の取消しの申立てをすることができる。

     第1項の申立てを却下した裁判及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

     第1項の決定を取り消す裁判は、確定しなければその効力を生じない。

    第2節 専門委員等

    第1款 専門委員
    (専門委員の関与)

    第92条の2 裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、専門委員の説明は、裁判長が書面により又は口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならない。

     裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。

     裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。


    (音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与)

    第92条の3 裁判所は、前条各項の規定により専門委員を手続に関与させる場合において、専門委員が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、同条各項の期日において、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が専門委員との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、専門委員に同条各項の説明又は発問をさせることができる。


    (専門委員の関与の決定の取消し)

    第92条の4 裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、専門委員を手続に関与させる決定を取り消すことができる。ただし、当事者双方の申立てがあるときは、これを取り消さなければならない。


    (専門委員の指定及び任免等)

    第92条の5 専門委員の員数は、各事件について1人以上とする。

     第92条の2の規定により手続に関与させる専門委員は、当事者の意見を聴いて、裁判所が各事件について指定する。

     専門委員は、非常勤とし、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

     専門委員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。


    (専門委員の除斥及び忌避)

    第92条の6 第23条から第25条まで(同条第2項を除く。)の規定は、専門委員について準用する。

     専門委員について除斥又は忌避の申立てがあったときは、その専門委員は、その申立てについての決定が確定するまでその申立てがあった事件の手続に関与することができない。


    (受命裁判官等の権限)

    第92条の7 受命裁判官又は受託裁判官が第92条の2各項の手続を行う場合には、同条から第92条の4まで及び第92条の5第2項の規定による裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第92条の2第2項の手続を行う場合には、専門委員を手続に関与させる決定、その決定の取消し及び専門委員の指定は、受訴裁判所がする。

    第2款 知的財産に関する事件における裁判所調査官の事務等
    (知的財産に関する事件における裁判所調査官の事務)

    第92条の8 裁判所は、必要があると認めるときは、高等裁判所又は地方裁判所において知的財産に関する事件の審理及び裁判に関して調査を行う裁判所調査官に、当該事件において次に掲げる事務を行わせることができる。この場合において、当該裁判所調査官は、裁判長の命を受けて、当該事務を行うものとする。

     次に掲げる期日又は手続において、訴訟関係を明瞭にするため、事実上及び法律上の事項に関し、当事者に対して問いを発し、又は立証を促すこと。

     口頭弁論又は審尋の期日

     争点又は証拠の整理を行うための手続

     文書の提出義務又は検証の目的の提示義務の有無を判断するための手続

     争点又は証拠の整理に係る事項その他訴訟手続の進行に関し必要な事項についての協議を行うための手続

     証拠調べの期日において、証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発すること。

     和解を試みる期日において、専門的な知見に基づく説明をすること。

     裁判官に対し、事件につき意見を述べること。


    (知的財産に関する事件における裁判所調査官の除斥及び忌避)

    第92条の9 第23条から第25条までの規定は、前条の事務を行う裁判所調査官について準用する。

     前条の事務を行う裁判所調査官について除斥又は忌避の申立てがあったときは、その裁判所調査官は、その申立てについての決定が確定するまでその申立てがあった事件に関与することができない。

    第3節 期日及び期間

    (期日の指定及び変更)

    第93条 期日は、申立てにより又は職権で、裁判長が指定する。

     期日は、やむを得ない場合に限り、日曜日その他の一般の休日に指定することができる。

     口頭弁論及び弁論準備手続の期日の変更は、顕著な事由がある場合に限り許す。ただし、最初の期日の変更は、当事者の合意がある場合にも許す。

     前項の規定にかかわらず、弁論準備手続を経た口頭弁論の期日の変更は、やむを得ない事由がある場合でなければ、許すことができない。


    (期日の呼出し)

    第94条 期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。

     呼出状の送達及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない当事者、証人又は鑑定人に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。ただし、これらの者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。


    (期間の計算)

    第95条 期間の計算については、民法の期間に関する規定に従う。

     期間を定める裁判において始期を定めなかったときは、期間は、その裁判が効力を生じた時から進行を始める。

     期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日、1月2日、1月3日又は12月29日から12月31日までの日に当たるときは、期間は、その翌日に満了する。


    (期間の伸縮及び付加期間)

    第96条 裁判所は、法定の期間又はその定めた期間を伸長し、又は短縮することができる。ただし、不変期間については、この限りでない。

     不変期間については、裁判所は、遠隔の地に住所又は居所を有する者のために付加期間を定めることができる。


    (訴訟行為の追完)

    第97条 当事者がその責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した後1週間以内に限り、不変期間内にすべき訴訟行為の追完をすることができる。ただし、外国に在る当事者については、この期間は、2月とする。

     前項の期間については、前条第1項本文の規定は、適用しない。

    第4節 送達

    (職権送達の原則等)

    第98条 送達は、特別の定めがある場合を除き、職権でする。

     送達に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。


    (送達実施機関)

    第99条 送達は、特別の定めがある場合を除き、郵便又は執行官によってする。

     郵便による送達にあっては、郵便の業務に従事する者を送達をする者とする。


    (裁判所書記官による送達)

    第100条 裁判所書記官は、その所属する裁判所の事件について出頭した者に対しては、自ら送達をすることができる。


    (交付送達の原則)

    第101条 送達は、特別の定めがある場合を除き、送達を受けるべき者に送達すべき書類を交付してする。


    (訴訟無能力者等に対する送達)

    第102条 訴訟無能力者に対する送達は、その法定代理人にする。

     数人が共同して代理権を行うべき場合には、送達は、その1人にすれば足りる。

     刑事施設に収容されている者に対する送達は、刑事施設の長にする。


    (送達場所)

    第103条 送達は、送達を受けるべき者の住所、居所、営業所又は事務所(以下この節において「住所等」という。)においてする。ただし、法定代理人に対する送達は、本人の営業所又は事務所においてもすることができる。

     前項に定める場所が知れないとき、又はその場所において送達をするのに支障があるときは、送達は、送達を受けるべき者が雇用、委任その他の法律上の行為に基づき就業する他人の住所等(以下「就業場所」という。)においてすることができる。送達を受けるべき者(次条第1項に規定する者を除く。)が就業場所において送達を受ける旨の申述をしたときも、同様とする。


    (送達場所等の届出)

    第104条 当事者、法定代理人又は訴訟代理人は、送達を受けるべき場所(日本国内に限る。)を受訴裁判所に届け出なければならない。この場合においては、送達受取人をも届け出ることができる。

     前項前段の規定による届出があった場合には、送達は、前条の規定にかかわらず、その届出に係る場所においてする。

     第1項前段の規定による届出をしない者で次の各号に掲げる送達を受けたものに対するその後の送達は、前条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める場所においてする。

    一 前条の規定による送達

    その送達をした場所

    二 次条後段の規定による送達のうち郵便の業務に従事する者が日本郵便株式会社の営業所(郵便の業務を行うものに限る。第106条第1項後段において同じ。)においてするもの及び同項後段の規定による送達

    その送達において送達をすべき場所とされていた場所

    三 第107条第1項第1号の規定による送達

    その送達においてあて先とした場所


    (出会送達)

    第105条 前二条の規定にかかわらず、送達を受けるべき者で日本国内に住所等を有することが明らかでないもの(前条第1項前段の規定による届出をした者を除く。)に対する送達は、その者に出会った場所においてすることができる。日本国内に住所等を有することが明らかな者又は同項前段の規定による届出をした者が送達を受けることを拒まないときも、同様とする。


    (補充送達及び差置送達)

    第106条 就業場所以外の送達をすべき場所において送達を受けるべき者に出会わないときは、使用人その他の従業者又は同居者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交付することができる。郵便の業務に従事する者が日本郵便株式会社の営業所において書類を交付すべきときも、同様とする。

     就業場所(第104条第1項前段の規定による届出に係る場所が就業場所である場合を含む。)において送達を受けるべき者に出会わない場合において、第103条第2項の他人又はその法定代理人若しくは使用人その他の従業者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものが書類の交付を受けることを拒まないときは、これらの者に書類を交付することができる。

     送達を受けるべき者又は第1項前段の規定により書類の交付を受けるべき者が正当な理由なくこれを受けることを拒んだときは、送達をすべき場所に書類を差し置くことができる。


    (書留郵便等に付する送達)

    第107条 前条の規定により送達をすることができない場合には、裁判所書記官は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場所にあてて、書類を書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第2項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして最高裁判所規則で定めるもの(次項及び第3項において「書留郵便等」という。)に付して発送することができる。

    一 第103条の規定による送達をすべき場合

    同条第1項に定める場所

    二 第104条第2項の規定による送達をすべき場合

    同項の場所

    三 第104条第3項の規定による送達をすべき場合

    同項の場所(その場所が就業場所である場合にあっては、訴訟記録に表れたその者の住所等)

     前項第2号又は第3号の規定により書類を書留郵便等に付して発送した場合には、その後に送達すべき書類は、同項第2号又は第3号に定める場所にあてて、書留郵便等に付して発送することができる。

     前二項の規定により書類を書留郵便等に付して発送した場合には、その発送の時に、送達があったものとみなす。


    (外国における送達)

    第108条 外国においてすべき送達は、裁判長がその国の管轄官庁又はその国に駐在する日本の大使、公使若しくは領事に嘱託してする。


    (送達報告書)

    第109条 送達をした者は、書面を作成し、送達に関する事項を記載して、これを裁判所に提出しなければならない。


    (公示送達の要件)

    第110条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。

     当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合

     第107条第1項の規定により送達をすることができない場合

     外国においてすべき送達について、第108条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認めるべき場合

     第108条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後6月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合

     前項の場合において、裁判所は、訴訟の遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てがないときであっても、裁判所書記官に公示送達をすべきことを命ずることができる。

     同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。ただし、第1項第4号に掲げる場合は、この限りでない。


    (公示送達の方法)

    第111条 公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。


    (公示送達の効力発生の時期)

    第112条 公示送達は、前条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過することによって、その効力を生ずる。ただし、第110条第3項の公示送達は、掲示を始めた日の翌日にその効力を生ずる。

     外国においてすべき送達についてした公示送達にあっては、前項の期間は、6週間とする。

     前二項の期間は、短縮することができない。


    (公示送達による意思表示の到達)

    第113条 訴訟の当事者が相手方の所在を知ることができない場合において、相手方に対する公示送達がされた書類に、その相手方に対しその訴訟の目的である請求又は防御の方法に関する意思表示をする旨の記載があるときは、その意思表示は、第111条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。この場合においては、民法第98条第3項ただし書の規定を準用する。

    第5節 裁判

    (既判力の範囲)

    第114条 確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。

     相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。


    (確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)

    第115条 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。

     当事者

     当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人

     前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人

     前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者

     前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。


    (判決の確定時期)

    第116条 判決は、控訴若しくは上告(第327条第1項(第380条第2項において準用する場合を含む。)の上告を除く。)の提起、第318条第1項の申立て又は第357条(第367条第2項において準用する場合を含む。)若しくは第378条第1項の規定による異議の申立てについて定めた期間の満了前には、確定しないものとする。

     判決の確定は、前項の期間内にした控訴の提起、同項の上告の提起又は同項の申立てにより、遮断される。


    (定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)

    第117条 口頭弁論終結前に生じた損害につき定期金による賠償を命じた確定判決について、口頭弁論終結後に、後遺障害の程度、賃金水準その他の損害額の算定の基礎となった事情に著しい変更が生じた場合には、その判決の変更を求める訴えを提起することができる。ただし、その訴えの提起の日以後に支払期限が到来する定期金に係る部分に限る。

     前項の訴えは、第一審裁判所の管轄に専属する。


    (外国裁判所の確定判決の効力)

    第118条 外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。

     法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。

     敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと。

     判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと。

     相互の保証があること。


    (決定及び命令の告知)

    第119条 決定及び命令は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。


    (訴訟指揮に関する裁判の取消し)

    第120条 訴訟の指揮に関する決定及び命令は、いつでも取り消すことができる。


    (裁判所書記官の処分に対する異議)

    第121条 裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては、その裁判所書記官の所属する裁判所が、決定で、裁判をする。


    (判決に関する規定の準用)

    第122条 決定及び命令には、その性質に反しない限り、判決に関する規定を準用する。


    (判事補の権限)

    第123条 判決以外の裁判は、判事補が単独ですることができる。

    第6節 訴訟手続の中断及び中止

    (訴訟手続の中断及び受継)

    第124条 次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。

    一 当事者の死亡

    相続人、相続財産管理人その他法令により訴訟を続行すべき者

    二 当事者である法人の合併による消滅

    合併によって設立された法人又は合併後存続する法人

    三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅

    法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者

    四 次のイからハまでに掲げる者の信託に関する任務の終了

    当該イからハまでに定める者

    イ 当事者である受託者

    新たな受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人

    ロ 当事者である信託財産管理者又は信託財産法人管理人

    新たな受託者又は新たな信託財産管理者若しくは新たな信託財産法人管理人

    ハ 当事者である信託管理人

    受益者又は新たな信託管理人

    五 一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失

    同一の資格を有する者

    六 選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失

    選定者の全員又は新たな選定当事者

     前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。

     第1項第1号に掲げる事由がある場合においても、相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない。

     第1項第2号の規定は、合併をもって相手方に対抗することができない場合には、適用しない。

     第1項第3号の法定代理人が保佐人又は補助人である場合にあっては、同号の規定は、次に掲げるときには、適用しない。

     被保佐人又は被補助人が訴訟行為をすることについて保佐人又は補助人の同意を得ることを要しないとき。

     被保佐人又は被補助人が前号に規定する同意を得ることを要する場合において、その同意を得ているとき。


    第125条 削除


    (相手方による受継の申立て)

    第126条 訴訟手続の受継の申立ては、相手方もすることができる。


    (受継の通知)

    第127条 訴訟手続の受継の申立てがあった場合には、裁判所は、相手方に通知しなければならない。


    (受継についての裁判)

    第128条 訴訟手続の受継の申立てがあった場合には、裁判所は、職権で調査し、理由がないと認めるときは、決定で、その申立てを却下しなければならない。

     判決書又は第254条第2項(第374条第2項において準用する場合を含む。)の調書の送達後に中断した訴訟手続の受継の申立てがあった場合には、その判決をした裁判所は、その申立てについて裁判をしなければならない。


    (職権による続行命令)

    第129条 当事者が訴訟手続の受継の申立てをしない場合においても、裁判所は、職権で、訴訟手続の続行を命ずることができる。


    (裁判所の職務執行不能による中止)

    第130条 天災その他の事由によって裁判所が職務を行うことができないときは、訴訟手続は、その事由が消滅するまで中止する。


    (当事者の故障による中止)

    第131条 当事者が不定期間の故障により訴訟手続を続行することができないときは、裁判所は、決定で、その中止を命ずることができる。

     裁判所は、前項の決定を取り消すことができる。


    (中断及び中止の効果)

    第132条 判決の言渡しは、訴訟手続の中断中であっても、することができる。

     訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始める。

    第6章 訴えの提起前における証拠収集の処分等

    (訴えの提起前における照会)

    第132条の2 訴えを提起しようとする者が訴えの被告となるべき者に対し訴えの提起を予告する通知を書面でした場合(以下この章において当該通知を「予告通知」という。)には、その予告通知をした者(以下この章において「予告通知者」という。)は、その予告通知を受けた者に対し、その予告通知をした日から4月以内に限り、訴えの提起前に、訴えを提起した場合の主張又は立証を準備するために必要であることが明らかな事項について、相当の期間を定めて、書面で回答するよう、書面で照会をすることができる。ただし、その照会が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

     第163条各号のいずれかに該当する照会

     相手方又は第三者の私生活についての秘密に関する事項についての照会であって、これに回答することにより、その相手方又は第三者が社会生活を営むのに支障を生ずるおそれがあるもの

     相手方又は第三者の営業秘密に関する事項についての照会

     前項第2号に規定する第三者の私生活についての秘密又は同項第3号に規定する第三者の営業秘密に関する事項についての照会については、相手方がこれに回答することをその第三者が承諾した場合には、これらの規定は、適用しない。

     予告通知の書面には、提起しようとする訴えに係る請求の要旨及び紛争の要点を記載しなければならない。

     第1項の照会は、既にした予告通知と重複する予告通知に基づいては、することができない。


    第132条の3 予告通知を受けた者(以下この章において「被予告通知者」という。)は、予告通知者に対し、その予告通知の書面に記載された前条第3項の請求の要旨及び紛争の要点に対する答弁の要旨を記載した書面でその予告通知に対する返答をしたときは、予告通知者に対し、その予告通知がされた日から4月以内に限り、訴えの提起前に、訴えを提起された場合の主張又は立証を準備するために必要であることが明らかな事項について、相当の期間を定めて、書面で回答するよう、書面で照会をすることができる。この場合においては、同条第1項ただし書及び同条第2項の規定を準用する。

     前項の照会は、既にされた予告通知と重複する予告通知に対する返答に基づいては、することができない。


    (訴えの提起前における証拠収集の処分)

    第132条の4 裁判所は、予告通知者又は前条第1項の返答をした被予告通知者の申立てにより、当該予告通知に係る訴えが提起された場合の立証に必要であることが明らかな証拠となるべきものについて、申立人がこれを自ら収集することが困難であると認められるときは、その予告通知又は返答の相手方(以下この章において単に「相手方」という。)の意見を聴いて、訴えの提起前に、その収集に係る次に掲げる処分をすることができる。ただし、その収集に要すべき時間又は嘱託を受けるべき者の負担が不相当なものとなることその他の事情により、相当でないと認めるときは、この限りでない。

     文書(第231条に規定する物件を含む。以下この章において同じ。)の所持者にその文書の送付を嘱託すること。

     必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体(次条第1項第2号において「官公署等」という。)に嘱託すること。

     専門的な知識経験を有する者にその専門的な知識経験に基づく意見の陳述を嘱託すること。

     執行官に対し、物の形状、占有関係その他の現況について調査を命ずること。

     前項の処分の申立ては、予告通知がされた日から4月の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間の経過後にその申立てをすることについて相手方の同意があるときは、この限りでない。

     第1項の処分の申立ては、既にした予告通知と重複する予告通知又はこれに対する返答に基づいては、することができない。

     裁判所は、第1項の処分をした後において、同項ただし書に規定する事情により相当でないと認められるに至ったときは、その処分を取り消すことができる。


    (証拠収集の処分の管轄裁判所等)

    第132条の5 次の各号に掲げる処分の申立ては、それぞれ当該各号に定める地を管轄する地方裁判所にしなければならない。

    一 前条第1項第1号の処分の申立て

    申立人若しくは相手方の普通裁判籍の所在地又は文書を所持する者の居所

    二 前条第1項第2号の処分の申立て

    申立人若しくは相手方の普通裁判籍の所在地又は調査の嘱託を受けるべき官公署等の所在地

    三 前条第1項第3号の処分の申立て

    申立人若しくは相手方の普通裁判籍の所在地又は特定の物につき意見の陳述の嘱託がされるべき場合における当該特定の物の所在地

    四 前条第1項第4号の処分の申立て

    調査に係る物の所在地

     第16条第1項、第21条及び第22条の規定は、前条第1項の処分の申立てに係る事件について準用する。


    (証拠収集の処分の手続等)

    第132条の6 裁判所は、第132条の4第1項第1号から第3号までの処分をする場合には、嘱託を受けた者が文書の送付、調査結果の報告又は意見の陳述をすべき期間を定めなければならない。

     第132条の4第1項第2号の嘱託若しくは同項第4号の命令に係る調査結果の報告又は同項第3号の嘱託に係る意見の陳述は、書面でしなければならない。

     裁判所は、第132条の4第1項の処分に基づいて文書の送付、調査結果の報告又は意見の陳述がされたときは、申立人及び相手方にその旨を通知しなければならない。

     裁判所は、次条の定める手続による申立人及び相手方の利用に供するため、前項に規定する通知を発した日から1月間、送付に係る文書又は調査結果の報告若しくは意見の陳述に係る書面を保管しなければならない。

     第180条第1項の規定は第132条の4第1項の処分について、第184条第1項の規定は第132条の4第1項第1号から第3号までの処分について、第213条の規定は同号の処分について準用する。


    (事件の記録の閲覧等)

    第132条の7 申立人及び相手方は、裁判所書記官に対し、第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は当該事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。

     第91条第4項及び第5項の規定は、前項の記録について準用する。この場合において、同条第4項中「前項」とあるのは「第132条の7第1項」と、「当事者又は利害関係を疎明した第三者」とあるのは「申立人又は相手方」と読み替えるものとする。


    (不服申立ての不許)

    第132条の8 第132条の4第1項の処分の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。


    (証拠収集の処分に係る裁判に関する費用の負担)

    第132条の9 第132条の4第1項の処分の申立てについての裁判に関する費用は、申立人の負担とする。

    第7章 電子情報処理組織による申立て等

    第132条の10 民事訴訟に関する手続における申立てその他の申述(以下「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と申立て等をする者又は第399条第1項の規定による処分の告知を受ける者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。第397条から第401条までにおいて同じ。)を用いてすることができる。ただし、督促手続に関する申立て等であって、支払督促の申立てが書面をもってされたものについては、この限りでない。

     前項本文の規定によりされた申立て等については、当該申立て等を書面等をもってするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。

     第1項本文の規定によりされた申立て等は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。

     第1項本文の場合において、当該申立て等に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。

     第1項本文の規定によりされた申立て等(督促手続における申立て等を除く。次項において同じ。)が第3項に規定するファイルに記録されたときは、第1項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。

     第1項本文の規定によりされた申立て等に係る第91条第1項又は第3項の規定による訴訟記録の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付(第401条において「訴訟記録の閲覧等」という。)は、前項の書面をもってするものとする。当該申立て等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。

    第2編 第一審の訴訟手続

    第1章 訴え

    (訴え提起の方式)

    第133条 訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。

     訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

     当事者及び法定代理人

     請求の趣旨及び原因


    (証書真否確認の訴え)

    第134条 確認の訴えは、法律関係を証する書面の成立の真否を確定するためにも提起することができる。


    (将来の給付の訴え)

    第135条 将来の給付を求める訴えは、あらかじめその請求をする必要がある場合に限り、提起することができる。


    (請求の併合)

    第136条 数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、一の訴えですることができる。


    (裁判長の訴状審査権)

    第137条 訴状が第133条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律(昭和46年法律第40号)の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。

     前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。

     前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。


    (訴状の送達)

    第138条 訴状は、被告に送達しなければならない。

     前条の規定は、訴状の送達をすることができない場合(訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。


    (口頭弁論期日の指定)

    第139条 訴えの提起があったときは、裁判長は、口頭弁論の期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。


    (口頭弁論を経ない訴えの却下)

    第140条 訴えが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。


    (呼出費用の予納がない場合の訴えの却下)

    第141条 裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて原告に命じた場合において、その予納がないときは、被告に異議がない場合に限り、決定で、訴えを却下することができる。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (重複する訴えの提起の禁止)

    第142条 裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。


    (訴えの変更)

    第143条 原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。ただし、これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない。

     請求の変更は、書面でしなければならない。

     前項の書面は、相手方に送達しなければならない。

     裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない。


    (選定者に係る請求の追加)

    第144条 第30条第3項の規定による原告となるべき者の選定があった場合には、その者は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者のために請求の追加をすることができる。

     第30条第3項の規定による被告となるべき者の選定があった場合には、原告は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者に係る請求の追加をすることができる。

     前条第1項ただし書及び第2項から第4項までの規定は、前二項の請求の追加について準用する。


    (中間確認の訴え)

    第145条 裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。ただし、その確認の請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するときは、この限りでない。

     前項の訴訟が係属する裁判所が第6条第1項各号に定める裁判所である場合において、前項の確認の請求が同条第1項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。

     日本の裁判所が管轄権の専属に関する規定により第1項の確認の請求について管轄権を有しないときは、当事者は、同項の確認の判決を求めることができない。

     第143条第2項及び第3項の規定は、第1項の規定による請求の拡張について準用する。


    (反訴)

    第146条 被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

     反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するとき。

     反訴の提起により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき。

     本訴の係属する裁判所が第6条第1項各号に定める裁判所である場合において、反訴の目的である請求が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項第1号の規定は、適用しない。

     日本の裁判所が反訴の目的である請求について管轄権を有しない場合には、被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と密接に関連する請求を目的とする場合に限り、第1項の規定による反訴を提起することができる。ただし、日本の裁判所が管轄権の専属に関する規定により反訴の目的である請求について管轄権を有しないときは、この限りでない。

     反訴については、訴えに関する規定による。


    (時効中断等の効力発生の時期)

    第147条 時効の中断又は法律上の期間の遵守のために必要な裁判上の請求は、訴えを提起した時又は第143条第2項(第144条第3項及び第145条第4項において準用する場合を含む。)の書面を裁判所に提出した時に、その効力を生ずる。

    第2章 計画審理

    (訴訟手続の計画的進行)

    第147条の2 裁判所及び当事者は、適正かつ迅速な審理の実現のため、訴訟手続の計画的な進行を図らなければならない。


    (審理の計画)

    第147条の3 裁判所は、審理すべき事項が多数であり又は錯そうしているなど事件が複雑であることその他の事情によりその適正かつ迅速な審理を行うため必要があると認められるときは、当事者双方と協議をし、その結果を踏まえて審理の計画を定めなければならない。

     前項の審理の計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

     争点及び証拠の整理を行う期間

     証人及び当事者本人の尋問を行う期間

     口頭弁論の終結及び判決の言渡しの予定時期

     第1項の審理の計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間その他の訴訟手続の計画的な進行上必要な事項を定めることができる。

     裁判所は、審理の現状及び当事者の訴訟追行の状況その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、当事者双方と協議をし、その結果を踏まえて第1項の審理の計画を変更することができる。

    第3章 口頭弁論及びその準備

    第1節 口頭弁論

    (裁判長の訴訟指揮権)

    第148条 口頭弁論は、裁判長が指揮する。

     裁判長は、発言を許し、又はその命令に従わない者の発言を禁ずることができる。


    (釈明権等)

    第149条 裁判長は、口頭弁論の期日又は期日外において、訴訟関係を明瞭にするため、事実上及び法律上の事項に関し、当事者に対して問いを発し、又は立証を促すことができる。

     陪席裁判官は、裁判長に告げて、前項に規定する処置をすることができる。

     当事者は、口頭弁論の期日又は期日外において、裁判長に対して必要な発問を求めることができる。

     裁判長又は陪席裁判官が、口頭弁論の期日外において、攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じ得る事項について第1項又は第2項の規定による処置をしたときは、その内容を相手方に通知しなければならない。


    (訴訟指揮等に対する異議)

    第150条 当事者が、口頭弁論の指揮に関する裁判長の命令又は前条第1項若しくは第2項の規定による裁判長若しくは陪席裁判官の処置に対し、異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。


    (釈明処分)

    第151条 裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、次に掲げる処分をすることができる。

     当事者本人又はその法定代理人に対し、口頭弁論の期日に出頭することを命ずること。

     口頭弁論の期日において、当事者のため事務を処理し、又は補助する者で裁判所が相当と認めるものに陳述をさせること。

     訴訟書類又は訴訟において引用した文書その他の物件で当事者の所持するものを提出させること。

     当事者又は第三者の提出した文書その他の物件を裁判所に留め置くこと。

     検証をし、又は鑑定を命ずること。

     調査を嘱託すること。

     前項に規定する検証、鑑定及び調査の嘱託については、証拠調べに関する規定を準用する。


    (口頭弁論の併合等)

    第152条 裁判所は、口頭弁論の制限、分離若しくは併合を命じ、又はその命令を取り消すことができる。

     裁判所は、当事者を異にする事件について口頭弁論の併合を命じた場合において、その前に尋問をした証人について、尋問の機会がなかった当事者が尋問の申出をしたときは、その尋問をしなければならない。


    (口頭弁論の再開)

    第153条 裁判所は、終結した口頭弁論の再開を命ずることができる。


    (通訳人の立会い等)

    第154条 口頭弁論に関与する者が日本語に通じないとき、又は耳が聞こえない者若しくは口がきけない者であるときは、通訳人を立ち会わせる。ただし、耳が聞こえない者又は口がきけない者には、文字で問い、又は陳述をさせることができる。

     鑑定人に関する規定は、通訳人について準用する。


    (弁論能力を欠く者に対する措置)

    第155条 裁判所は、訴訟関係を明瞭にするために必要な陳述をすることができない当事者、代理人又は補佐人の陳述を禁じ、口頭弁論の続行のため新たな期日を定めることができる。

     前項の規定により陳述を禁じた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、弁護士の付添いを命ずることができる。


    (攻撃防御方法の提出時期)

    第156条 攻撃又は防御の方法は、訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出しなければならない。


    (審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の提出期間)

    第156条の2 第147条の3第1項の審理の計画に従った訴訟手続の進行上必要があると認めるときは、裁判長は、当事者の意見を聴いて、特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間を定めることができる。


    (時機に後れた攻撃防御方法の却下等)

    第157条 当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。

     攻撃又は防御の方法でその趣旨が明瞭でないものについて当事者が必要な釈明をせず、又は釈明をすべき期日に出頭しないときも、前項と同様とする。


    (審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下)

    第157条の2 第147条の3第3項又は第156条の2(第170条第5項において準用する場合を含む。)の規定により特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間が定められている場合において、当事者がその期間の経過後に提出した攻撃又は防御の方法については、これにより審理の計画に従った訴訟手続の進行に著しい支障を生ずるおそれがあると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。ただし、その当事者がその期間内に当該攻撃又は防御の方法を提出することができなかったことについて相当の理由があることを疎明したときは、この限りでない。


    (訴状等の陳述の擬制)

    第158条 原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。


    (自白の擬制)

    第159条 当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったものと認めるべきときは、この限りでない。

     相手方の主張した事実を知らない旨の陳述をした者は、その事実を争ったものと推定する。

     第1項の規定は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合について準用する。ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。


    (口頭弁論調書)

    第160条 裁判所書記官は、口頭弁論について、期日ごとに調書を作成しなければならない。

     調書の記載について当事者その他の関係人が異議を述べたときは、調書にその旨を記載しなければならない。

     口頭弁論の方式に関する規定の遵守は、調書によってのみ証明することができる。ただし、調書が滅失したときは、この限りでない。

    第2節 準備書面等

    (準備書面)

    第161条 口頭弁論は、書面で準備しなければならない。

     準備書面には、次に掲げる事項を記載する。

     攻撃又は防御の方法

     相手方の請求及び攻撃又は防御の方法に対する陳述

     相手方が在廷していない口頭弁論においては、準備書面(相手方に送達されたもの又は相手方からその準備書面を受領した旨を記載した書面が提出されたものに限る。)に記載した事実でなければ、主張することができない。


    (準備書面等の提出期間)

    第162条 裁判長は、答弁書若しくは特定の事項に関する主張を記載した準備書面の提出又は特定の事項に関する証拠の申出をすべき期間を定めることができる。


    (当事者照会)

    第163条 当事者は、訴訟の係属中、相手方に対し、主張又は立証を準備するために必要な事項について、相当の期間を定めて、書面で回答するよう、書面で照会をすることができる。ただし、その照会が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

     具体的又は個別的でない照会

     相手方を侮辱し、又は困惑させる照会

     既にした照会と重複する照会

     意見を求める照会

     相手方が回答するために不相当な費用又は時間を要する照会

     第196条又は第197条の規定により証言を拒絶することができる事項と同様の事項についての照会

    第3節 争点及び証拠の整理手続

    第1款 準備的口頭弁論
    (準備的口頭弁論の開始)

    第164条 裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるときは、この款に定めるところにより、準備的口頭弁論を行うことができる。


    (証明すべき事実の確認等)

    第165条 裁判所は、準備的口頭弁論を終了するに当たり、その後の証拠調べにより証明すべき事実を当事者との間で確認するものとする。

     裁判長は、相当と認めるときは、準備的口頭弁論を終了するに当たり、当事者に準備的口頭弁論における争点及び証拠の整理の結果を要約した書面を提出させることができる。


    (当事者の不出頭等による終了)

    第166条 当事者が期日に出頭せず、又は第162条の規定により定められた期間内に準備書面の提出若しくは証拠の申出をしないときは、裁判所は、準備的口頭弁論を終了することができる。


    (準備的口頭弁論終了後の攻撃防御方法の提出)

    第167条 準備的口頭弁論の終了後に攻撃又は防御の方法を提出した当事者は、相手方の求めがあるときは、相手方に対し、準備的口頭弁論の終了前にこれを提出することができなかった理由を説明しなければならない。

    第2款 弁論準備手続
    (弁論準備手続の開始)

    第168条 裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を弁論準備手続に付することができる。


    (弁論準備手続の期日)

    第169条 弁論準備手続は、当事者双方が立ち会うことができる期日において行う。

     裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。ただし、当事者が申し出た者については、手続を行うのに支障を生ずるおそれがあると認める場合を除き、その傍聴を許さなければならない。


    (弁論準備手続における訴訟行為等)

    第170条 裁判所は、当事者に準備書面を提出させることができる。

     裁判所は、弁論準備手続の期日において、証拠の申出に関する裁判その他の口頭弁論の期日外においてすることができる裁判及び文書(第231条に規定する物件を含む。)の証拠調べをすることができる。

     裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、弁論準備手続の期日における手続を行うことができる。ただし、当事者の一方がその期日に出頭した場合に限る。

     前項の期日に出頭しないで同項の手続に関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなす。

     第148条から第151条まで、第152条第1項、第153条から第159条まで、第162条、第165条及び第166条の規定は、弁論準備手続について準用する。


    (受命裁判官による弁論準備手続)

    第171条 裁判所は、受命裁判官に弁論準備手続を行わせることができる。

     弁論準備手続を受命裁判官が行う場合には、前二条の規定による裁判所及び裁判長の職務(前条第2項に規定する裁判を除く。)は、その裁判官が行う。ただし、同条第5項において準用する第150条の規定による異議についての裁判及び同項において準用する第157条の2の規定による却下についての裁判は、受訴裁判所がする。

     弁論準備手続を行う受命裁判官は、第186条の規定による調査の嘱託、鑑定の嘱託、文書(第231条に規定する物件を含む。)を提出してする書証の申出及び文書(第229条第2項及び第231条に規定する物件を含む。)の送付の嘱託についての裁判をすることができる。


    (弁論準備手続に付する裁判の取消し)

    第172条 裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、弁論準備手続に付する裁判を取り消すことができる。ただし、当事者双方の申立てがあるときは、これを取り消さなければならない。


    (弁論準備手続の結果の陳述)

    第173条 当事者は、口頭弁論において、弁論準備手続の結果を陳述しなければならない。


    (弁論準備手続終結後の攻撃防御方法の提出)

    第174条 第167条の規定は、弁論準備手続の終結後に攻撃又は防御の方法を提出した当事者について準用する。

    第3款 書面による準備手続
    (書面による準備手続の開始)

    第175条 裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続(当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点及び証拠の整理をする手続をいう。以下同じ。)に付することができる。


    (書面による準備手続の方法等)

    第176条 書面による準備手続は、裁判長が行う。ただし、高等裁判所においては、受命裁判官にこれを行わせることができる。

     裁判長又は高等裁判所における受命裁判官(次項において「裁判長等」という。)は、第162条に規定する期間を定めなければならない。

     裁判長等は、必要があると認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、争点及び証拠の整理に関する事項その他口頭弁論の準備のため必要な事項について、当事者双方と協議をすることができる。この場合においては、協議の結果を裁判所書記官に記録させることができる。

     第149条(第2項を除く。)、第150条及び第165条第2項の規定は、書面による準備手続について準用する。


    (証明すべき事実の確認)

    第177条 裁判所は、書面による準備手続の終結後の口頭弁論の期日において、その後の証拠調べによって証明すべき事実を当事者との間で確認するものとする。


    (書面による準備手続終結後の攻撃防御方法の提出)

    第178条 書面による準備手続を終結した事件について、口頭弁論の期日において、第176条第4項において準用する第165条第2項の書面に記載した事項の陳述がされ、又は前条の規定による確認がされた後に攻撃又は防御の方法を提出した当事者は、相手方の求めがあるときは、相手方に対し、その陳述又は確認前にこれを提出することができなかった理由を説明しなければならない。

    第4章 証拠

    第1節 総則

    (証明することを要しない事実)

    第179条 裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。


    (証拠の申出)

    第180条 証拠の申出は、証明すべき事実を特定してしなければならない。

     証拠の申出は、期日前においてもすることができる。


    (証拠調べを要しない場合)

    第181条 裁判所は、当事者が申し出た証拠で必要でないと認めるものは、取り調べることを要しない。

     証拠調べについて不定期間の障害があるときは、裁判所は、証拠調べをしないことができる。


    (集中証拠調べ)

    第182条 証人及び当事者本人の尋問は、できる限り、争点及び証拠の整理が終了した後に集中して行わなければならない。


    (当事者の不出頭の場合の取扱い)

    第183条 証拠調べは、当事者が期日に出頭しない場合においても、することができる。


    (外国における証拠調べ)

    第184条 外国においてすべき証拠調べは、その国の管轄官庁又はその国に駐在する日本の大使、公使若しくは領事に嘱託してしなければならない。

     外国においてした証拠調べは、その国の法律に違反する場合であっても、この法律に違反しないときは、その効力を有する。


    (裁判所外における証拠調べ)

    第185条 裁判所は、相当と認めるときは、裁判所外において証拠調べをすることができる。この場合においては、合議体の構成員に命じ、又は地方裁判所若しくは簡易裁判所に嘱託して証拠調べをさせることができる。

     前項に規定する嘱託により職務を行う受託裁判官は、他の地方裁判所又は簡易裁判所において証拠調べをすることを相当と認めるときは、更に証拠調べの嘱託をすることができる。


    (調査の嘱託)

    第186条 裁判所は、必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託することができる。


    (参考人等の審尋)

    第187条 裁判所は、決定で完結すべき事件について、参考人又は当事者本人を審尋することができる。ただし、参考人については、当事者が申し出た者に限る。

     前項の規定による審尋は、相手方がある事件については、当事者双方が立ち会うことができる審尋の期日においてしなければならない。


    (疎明)

    第188条 疎明は、即時に取り調べることができる証拠によってしなければならない。


    (過料の裁判の執行)

    第189条 この章の規定による過料の裁判は、検察官の命令で執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。

     過料の裁判の執行は、民事執行法(昭和54年法律第4号)その他強制執行の手続に関する法令の規定に従ってする。ただし、執行をする前に裁判の送達をすることを要しない。

     刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第507条の規定は、過料の裁判の執行について準用する。

     過料の裁判の執行があった後に当該裁判(以下この項において「原裁判」という。)に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消して更に過料の裁判をしたときは、その金額の限度において当該過料の裁判の執行があったものとみなす。この場合において、原裁判の執行によって得た金額が当該過料の金額を超えるときは、その超過額は、これを還付しなければならない。

    第2節 証人尋問

    (証人義務)

    第190条 裁判所は、特別の定めがある場合を除き、何人でも証人として尋問することができる。


    (公務員の尋問)

    第191条 公務員又は公務員であった者を証人として職務上の秘密について尋問する場合には、裁判所は、当該監督官庁(衆議院若しくは参議院の議員又はその職にあった者についてはその院、内閣総理大臣その他の国務大臣又はその職にあった者については内閣)の承認を得なければならない。

     前項の承認は、公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合を除き、拒むことができない。


    (不出頭に対する過料等)

    第192条 証人が正当な理由なく出頭しないときは、裁判所は、決定で、これによって生じた訴訟費用の負担を命じ、かつ、10万円以下の過料に処する。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (不出頭に対する罰金等)

    第193条 証人が正当な理由なく出頭しないときは、10万円以下の罰金又は拘留に処する。

     前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。


    (勾引)

    第194条 裁判所は、正当な理由なく出頭しない証人の勾引を命ずることができる。

     刑事訴訟法中勾引に関する規定は、前項の勾引について準用する。


    (受命裁判官等による証人尋問)

    第195条 裁判所は、次に掲げる場合に限り、受命裁判官又は受託裁判官に裁判所外で証人の尋問をさせることができる。

     証人が受訴裁判所に出頭する義務がないとき、又は正当な理由により出頭することができないとき。

     証人が受訴裁判所に出頭するについて不相当な費用又は時間を要するとき。

     現場において証人を尋問することが事実を発見するために必要であるとき。

     当事者に異議がないとき。


    (証言拒絶権)

    第196条 証言が証人又は証人と次に掲げる関係を有する者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれがある事項に関するときは、証人は、証言を拒むことができる。証言がこれらの者の名誉を害すべき事項に関するときも、同様とする。

     配偶者、四親等内の血族若しくは三親等内の姻族の関係にあり、又はあったこと。

     後見人と被後見人の関係にあること。


    第197条 次に掲げる場合には、証人は、証言を拒むことができる。

     第191条第1項の場合

     医師、歯科医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、弁護人、公証人、宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて尋問を受ける場合

     技術又は職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合

     前項の規定は、証人が黙秘の義務を免除された場合には、適用しない。


    (証言拒絶の理由の疎明)

    第198条 証言拒絶の理由は、疎明しなければならない。


    (証言拒絶についての裁判)

    第199条 第197条第1項第1号の場合を除き、証言拒絶の当否については、受訴裁判所が、当事者を審尋して、決定で、裁判をする。

     前項の裁判に対しては、当事者及び証人は、即時抗告をすることができる。


    (証言拒絶に対する制裁)

    第200条 第192条及び第193条の規定は、証言拒絶を理由がないとする裁判が確定した後に証人が正当な理由なく証言を拒む場合について準用する。


    (宣誓)

    第201条 証人には、特別の定めがある場合を除き、宣誓をさせなければならない。

     16歳未満の者又は宣誓の趣旨を理解することができない者を証人として尋問する場合には、宣誓をさせることができない。

     第196条の規定に該当する証人で証言拒絶の権利を行使しないものを尋問する場合には、宣誓をさせないことができる。

     証人は、自己又は自己と第196条各号に掲げる関係を有する者に著しい利害関係のある事項について尋問を受けるときは、宣誓を拒むことができる。

     第198条及び第199条の規定は証人が宣誓を拒む場合について、第192条及び第193条の規定は宣誓拒絶を理由がないとする裁判が確定した後に証人が正当な理由なく宣誓を拒む場合について準用する。


    (尋問の順序)

    第202条 証人の尋問は、その尋問の申出をした当事者、他の当事者、裁判長の順序でする。

     裁判長は、適当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、前項の順序を変更することができる。

     当事者が前項の規定による変更について異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。


    (書類に基づく陳述の禁止)

    第203条 証人は、書類に基づいて陳述することができない。ただし、裁判長の許可を受けたときは、この限りでない。


    (付添い)

    第203条の2 裁判長は、証人の年齢又は心身の状態その他の事情を考慮し、証人が尋問を受ける場合に著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、その不安又は緊張を緩和するのに適当であり、かつ、裁判長若しくは当事者の尋問若しくは証人の陳述を妨げ、又はその陳述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者を、その証人の陳述中、証人に付き添わせることができる。

     前項の規定により証人に付き添うこととされた者は、その証人の陳述中、裁判長若しくは当事者の尋問若しくは証人の陳述を妨げ、又はその陳述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはならない。

     当事者が、第1項の規定による裁判長の処置に対し、異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。


    (遮へいの措置)

    第203条の3 裁判長は、事案の性質、証人の年齢又は心身の状態、証人と当事者本人又はその法定代理人との関係(証人がこれらの者が行った犯罪により害を被った者であることを含む。次条第2号において同じ。)その他の事情により、証人が当事者本人又はその法定代理人の面前(同条に規定する方法による場合を含む。)において陳述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であって、相当と認めるときは、その当事者本人又は法定代理人とその証人との間で、一方から又は相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置をとることができる。

     裁判長は、事案の性質、証人が犯罪により害を被った者であること、証人の年齢、心身の状態又は名誉に対する影響その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、傍聴人とその証人との間で、相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置をとることができる。

     前条第3項の規定は、前二項の規定による裁判長の処置について準用する。


    (映像等の送受信による通話の方法による尋問)

    第204条 裁判所は、次に掲げる場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、証人の尋問をすることができる。

     証人が遠隔の地に居住するとき。

     事案の性質、証人の年齢又は心身の状態、証人と当事者本人又はその法定代理人との関係その他の事情により、証人が裁判長及び当事者が証人を尋問するために在席する場所において陳述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であって、相当と認めるとき。


    (尋問に代わる書面の提出)

    第205条 裁判所は、相当と認める場合において、当事者に異議がないときは、証人の尋問に代え、書面の提出をさせることができる。


    (受命裁判官等の権限)

    第206条 受命裁判官又は受託裁判官が証人尋問をする場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第202条第3項の規定による異議についての裁判は、受訴裁判所がする。

    第3節 当事者尋問

    (当事者本人の尋問)

    第207条 裁判所は、申立てにより又は職権で、当事者本人を尋問することができる。この場合においては、その当事者に宣誓をさせることができる。

     証人及び当事者本人の尋問を行うときは、まず証人の尋問をする。ただし、適当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、まず当事者本人の尋問をすることができる。


    (不出頭等の効果)

    第208条 当事者本人を尋問する場合において、その当事者が、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓若しくは陳述を拒んだときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる。


    (虚偽の陳述に対する過料)

    第209条 宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、10万円以下の過料に処する。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

     第1項の場合において、虚偽の陳述をした当事者が訴訟の係属中その陳述が虚偽であることを認めたときは、裁判所は、事情により、同項の決定を取り消すことができる。


    (証人尋問の規定の準用)

    第210条 第195条、第201条第2項、第202条から第204条まで及び第206条の規定は、当事者本人の尋問について準用する。


    (法定代理人の尋問)

    第211条 この法律中当事者本人の尋問に関する規定は、訴訟において当事者を代表する法定代理人について準用する。ただし、当事者本人を尋問することを妨げない。

    第4節 鑑定

    (鑑定義務)

    第212条 鑑定に必要な学識経験を有する者は、鑑定をする義務を負う。

     第196条又は第201条第4項の規定により証言又は宣誓を拒むことができる者と同一の地位にある者及び同条第2項に規定する者は、鑑定人となることができない。


    (鑑定人の指定)

    第213条 鑑定人は、受訴裁判所、受命裁判官又は受託裁判官が指定する。


    (忌避)

    第214条 鑑定人について誠実に鑑定をすることを妨げるべき事情があるときは、当事者は、その鑑定人が鑑定事項について陳述をする前に、これを忌避することができる。鑑定人が陳述をした場合であっても、その後に、忌避の原因が生じ、又は当事者がその原因があることを知ったときは、同様とする。

     忌避の申立ては、受訴裁判所、受命裁判官又は受託裁判官にしなければならない。

     忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。

     忌避を理由がないとする決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (鑑定人の陳述の方式等)

    第215条 裁判長は、鑑定人に、書面又は口頭で、意見を述べさせることができる。

     裁判所は、鑑定人に意見を述べさせた場合において、当該意見の内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、鑑定人に更に意見を述べさせることができる。


    (鑑定人質問)

    第215条の2 裁判所は、鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合には、鑑定人が意見の陳述をした後に、鑑定人に対し質問をすることができる。

     前項の質問は、裁判長、その鑑定の申出をした当事者、他の当事者の順序でする。

     裁判長は、適当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、前項の順序を変更することができる。

     当事者が前項の規定による変更について異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。


    (映像等の送受信による通話の方法による陳述)

    第215条の3 裁判所は、鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合において、鑑定人が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、隔地者が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、意見を述べさせることができる。


    (受命裁判官等の権限)

    第215条の4 受命裁判官又は受託裁判官が鑑定人に意見を述べさせる場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第215条の2第4項の規定による異議についての裁判は、受訴裁判所がする。


    (証人尋問の規定の準用)

    第216条 第191条の規定は公務員又は公務員であった者に鑑定人として職務上の秘密について意見を述べさせる場合について、第197条から第199条までの規定は鑑定人が鑑定を拒む場合について、第201条第1項の規定は鑑定人に宣誓をさせる場合について、第192条及び第193条の規定は鑑定人が正当な理由なく出頭しない場合、鑑定人が宣誓を拒む場合及び鑑定拒絶を理由がないとする裁判が確定した後に鑑定人が正当な理由なく鑑定を拒む場合について準用する。


    (鑑定証人)

    第217条 特別の学識経験により知り得た事実に関する尋問については、証人尋問に関する規定による。


    (鑑定の嘱託)

    第218条 裁判所は、必要があると認めるときは、官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は相当の設備を有する法人に鑑定を嘱託することができる。この場合においては、宣誓に関する規定を除き、この節の規定を準用する。

     前項の場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、官庁、公署又は法人の指定した者に鑑定書の説明をさせることができる。

    第5節 書証

    (書証の申出)

    第219条 書証の申出は、文書を提出し、又は文書の所持者にその提出を命ずることを申し立ててしなければならない。


    (文書提出義務)

    第220条 次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。

     当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき。

     挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき。

     文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき。

     前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。

     文書の所持者又は文書の所持者と第196条各号に掲げる関係を有する者についての同条に規定する事項が記載されている文書

     公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの

     第197条第1項第2号に規定する事実又は同項第3号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書

     専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)

     刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件において押収されている文書


    (文書提出命令の申立て)

    第221条 文書提出命令の申立ては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。

     文書の表示

     文書の趣旨

     文書の所持者

     証明すべき事実

     文書の提出義務の原因

     前条第4号に掲げる場合であることを文書の提出義務の原因とする文書提出命令の申立ては、書証の申出を文書提出命令の申立てによってする必要がある場合でなければ、することができない。


    (文書の特定のための手続)

    第222条 文書提出命令の申立てをする場合において、前条第1項第1号又は第2号に掲げる事項を明らかにすることが著しく困難であるときは、その申立ての時においては、これらの事項に代えて、文書の所持者がその申立てに係る文書を識別することができる事項を明らかにすれば足りる。この場合においては、裁判所に対し、文書の所持者に当該文書についての同項第1号又は第2号に掲げる事項を明らかにすることを求めるよう申し出なければならない。

     前項の規定による申出があったときは、裁判所は、文書提出命令の申立てに理由がないことが明らかな場合を除き、文書の所持者に対し、同項後段の事項を明らかにすることを求めることができる。


    (文書提出命令等)

    第223条 裁判所は、文書提出命令の申立てを理由があると認めるときは、決定で、文書の所持者に対し、その提出を命ずる。この場合において、文書に取り調べる必要がないと認める部分又は提出の義務があると認めることができない部分があるときは、その部分を除いて、提出を命ずることができる。

     裁判所は、第三者に対して文書の提出を命じようとする場合には、その第三者を審尋しなければならない。

     裁判所は、公務員の職務上の秘密に関する文書について第220条第4号に掲げる場合であることを文書の提出義務の原因とする文書提出命令の申立てがあった場合には、その申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当該文書が同号ロに掲げる文書に該当するかどうかについて、当該監督官庁(衆議院又は参議院の議員の職務上の秘密に関する文書についてはその院、内閣総理大臣その他の国務大臣の職務上の秘密に関する文書については内閣。以下この条において同じ。)の意見を聴かなければならない。この場合において、当該監督官庁は、当該文書が同号ロに掲げる文書に該当する旨の意見を述べるときは、その理由を示さなければならない。

     前項の場合において、当該監督官庁が当該文書の提出により次に掲げるおそれがあることを理由として当該文書が第220条第4号ロに掲げる文書に該当する旨の意見を述べたときは、裁判所は、その意見について相当の理由があると認めるに足りない場合に限り、文書の所持者に対し、その提出を命ずることができる。

     国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ

     犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ

     第3項前段の場合において、当該監督官庁は、当該文書の所持者以外の第三者の技術又は職業の秘密に関する事項に係る記載がされている文書について意見を述べようとするときは、第220条第4号ロに掲げる文書に該当する旨の意見を述べようとするときを除き、あらかじめ、当該第三者の意見を聴くものとする。

     裁判所は、文書提出命令の申立てに係る文書が第220条第4号イからニまでに掲げる文書のいずれかに該当するかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、文書の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された文書の開示を求めることができない。

     文書提出命令の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (当事者が文書提出命令に従わない場合等の効果)

    第224条 当事者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる。

     当事者が相手方の使用を妨げる目的で提出の義務がある文書を滅失させ、その他これを使用することができないようにしたときも、前項と同様とする。

     前二項に規定する場合において、相手方が、当該文書の記載に関して具体的な主張をすること及び当該文書により証明すべき事実を他の証拠により証明することが著しく困難であるときは、裁判所は、その事実に関する相手方の主張を真実と認めることができる。


    (第三者が文書提出命令に従わない場合の過料)

    第225条 第三者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、決定で、20万円以下の過料に処する。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (文書送付の嘱託)

    第226条 書証の申出は、第219条の規定にかかわらず、文書の所持者にその文書の送付を嘱託することを申し立ててすることができる。ただし、当事者が法令により文書の正本又は謄本の交付を求めることができる場合は、この限りでない。


    (文書の留置)

    第227条 裁判所は、必要があると認めるときは、提出又は送付に係る文書を留め置くことができる。


    (文書の成立)

    第228条 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。

     文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する。

     公文書の成立の真否について疑いがあるときは、裁判所は、職権で、当該官庁又は公署に照会をすることができる。

     私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。

     第2項及び第3項の規定は、外国の官庁又は公署の作成に係るものと認めるべき文書について準用する。


    (筆跡等の対照による証明)

    第229条 文書の成立の真否は、筆跡又は印影の対照によっても、証明することができる。

     第219条、第223条、第224条第1項及び第2項、第226条並びに第227条の規定は、対照の用に供すべき筆跡又は印影を備える文書その他の物件の提出又は送付について準用する。

     対照をするのに適当な相手方の筆跡がないときは、裁判所は、対照の用に供すべき文字の筆記を相手方に命ずることができる。

     相手方が正当な理由なく前項の規定による決定に従わないときは、裁判所は、文書の成立の真否に関する挙証者の主張を真実と認めることができる。書体を変えて筆記したときも、同様とする。

     第三者が正当な理由なく第2項において準用する第223条第1項の規定による提出の命令に従わないときは、裁判所は、決定で、10万円以下の過料に処する。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (文書の成立の真正を争った者に対する過料)

    第230条 当事者又はその代理人が故意又は重大な過失により真実に反して文書の成立の真正を争ったときは、裁判所は、決定で、10万円以下の過料に処する。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

     第1項の場合において、文書の成立の真正を争った当事者又は代理人が訴訟の係属中その文書の成立が真正であることを認めたときは、裁判所は、事情により、同項の決定を取り消すことができる。


    (文書に準ずる物件への準用)

    第231条 この節の規定は、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。

    第6節 検証

    (検証の目的の提示等)

    第232条 第219条、第223条、第224条、第226条及び第227条の規定は、検証の目的の提示又は送付について準用する。

     第三者が正当な理由なく前項において準用する第223条第1項の規定による提示の命令に従わないときは、裁判所は、決定で、20万円以下の過料に処する。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (検証の際の鑑定)

    第233条 裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は、検証をするに当たり、必要があると認めるときは、鑑定を命ずることができる。

    第7節 証拠保全

    (証拠保全)

    第234条 裁判所は、あらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠を使用することが困難となる事情があると認めるときは、申立てにより、この章の規定に従い、証拠調べをすることができる。


    (管轄裁判所等)

    第235条 訴えの提起後における証拠保全の申立ては、その証拠を使用すべき審級の裁判所にしなければならない。ただし、最初の口頭弁論の期日が指定され、又は事件が弁論準備手続若しくは書面による準備手続に付された後口頭弁論の終結に至るまでの間は、受訴裁判所にしなければならない。

     訴えの提起前における証拠保全の申立ては、尋問を受けるべき者若しくは文書を所持する者の居所又は検証物の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所にしなければならない。

     急迫の事情がある場合には、訴えの提起後であっても、前項の地方裁判所又は簡易裁判所に証拠保全の申立てをすることができる。


    (相手方の指定ができない場合の取扱い)

    第236条 証拠保全の申立ては、相手方を指定することができない場合においても、することができる。この場合においては、裁判所は、相手方となるべき者のために特別代理人を選任することができる。


    (職権による証拠保全)

    第237条 裁判所は、必要があると認めるときは、訴訟の係属中、職権で、証拠保全の決定をすることができる。


    (不服申立ての不許)

    第238条 証拠保全の決定に対しては、不服を申し立てることができない。


    (受命裁判官による証拠調べ)

    第239条 第235条第1項ただし書の場合には、裁判所は、受命裁判官に証拠調べをさせることができる。


    (期日の呼出し)

    第240条 証拠調べの期日には、申立人及び相手方を呼び出さなければならない。ただし、急速を要する場合は、この限りでない。


    (証拠保全の費用)

    第241条 証拠保全に関する費用は、訴訟費用の一部とする。


    (口頭弁論における再尋問)

    第242条 証拠保全の手続において尋問をした証人について、当事者が口頭弁論における尋問の申出をしたときは、裁判所は、その尋問をしなければならない。

    第5章 判決

    (終局判決)

    第243条 裁判所は、訴訟が裁判をするのに熟したときは、終局判決をする。

     裁判所は、訴訟の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について終局判決をすることができる。

     前項の規定は、口頭弁論の併合を命じた数個の訴訟中その一が裁判をするのに熟した場合及び本訴又は反訴が裁判をするのに熟した場合について準用する。


    第244条 裁判所は、当事者の双方又は一方が口頭弁論の期日に出頭せず、又は弁論をしないで退廷をした場合において、審理の現状及び当事者の訴訟追行の状況を考慮して相当と認めるときは、終局判決をすることができる。ただし、当事者の一方が口頭弁論の期日に出頭せず、又は弁論をしないで退廷をした場合には、出頭した相手方の申出があるときに限る。


    (中間判決)

    第245条 裁判所は、独立した攻撃又は防御の方法その他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間判決をすることができる。請求の原因及び数額について争いがある場合におけるその原因についても、同様とする。


    (判決事項)

    第246条 裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない。


    (自由心証主義)

    第247条 裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。


    (損害額の認定)

    第248条 損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。


    (直接主義)

    第249条 判決は、その基本となる口頭弁論に関与した裁判官がする。

     裁判官が代わった場合には、当事者は、従前の口頭弁論の結果を陳述しなければならない。

     単独の裁判官が代わった場合又は合議体の裁判官の過半数が代わった場合において、その前に尋問をした証人について、当事者が更に尋問の申出をしたときは、裁判所は、その尋問をしなければならない。


    (判決の発効)

    第250条 判決は、言渡しによってその効力を生ずる。


    (言渡期日)

    第251条 判決の言渡しは、口頭弁論の終結の日から2月以内にしなければならない。ただし、事件が複雑であるときその他特別の事情があるときは、この限りでない。

     判決の言渡しは、当事者が在廷しない場合においても、することができる。


    (言渡しの方式)

    第252条 判決の言渡しは、判決書の原本に基づいてする。


    (判決書)

    第253条 判決書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

     主文

     事実

     理由

     口頭弁論の終結の日

     当事者及び法定代理人

     裁判所

     事実の記載においては、請求を明らかにし、かつ、主文が正当であることを示すのに必要な主張を摘示しなければならない。


    (言渡しの方式の特則)

    第254条 次に掲げる場合において、原告の請求を認容するときは、判決の言渡しは、第252条の規定にかかわらず、判決書の原本に基づかないですることができる。

     被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合

     被告が公示送達による呼出しを受けたにもかかわらず口頭弁論の期日に出頭しない場合(被告の提出した準備書面が口頭弁論において陳述されたものとみなされた場合を除く。)

     前項の規定により判決の言渡しをしたときは、裁判所は、判決書の作成に代えて、裁判所書記官に、当事者及び法定代理人、主文、請求並びに理由の要旨を、判決の言渡しをした口頭弁論期日の調書に記載させなければならない。


    (判決書等の送達)

    第255条 判決書又は前条第2項の調書は、当事者に送達しなければならない。

     前項に規定する送達は、判決書の正本又は前条第2項の調書の謄本によってする。


    (変更の判決)

    第256条 裁判所は、判決に法令の違反があることを発見したときは、その言渡し後1週間以内に限り、変更の判決をすることができる。ただし、判決が確定したとき、又は判決を変更するため事件につき更に弁論をする必要があるときは、この限りでない。

     変更の判決は、口頭弁論を経ないでする。

     前項の判決の言渡期日の呼出しにおいては、公示送達による場合を除き、送達をすべき場所にあてて呼出状を発した時に、送達があったものとみなす。


    (更正決定)

    第257条 判決に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。

     更正決定に対しては、即時抗告をすることができる。ただし、判決に対し適法な控訴があったときは、この限りでない。


    (裁判の脱漏)

    第258条 裁判所が請求の一部について裁判を脱漏したときは、訴訟は、その請求の部分については、なおその裁判所に係属する。

     訴訟費用の負担の裁判を脱漏したときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、その訴訟費用の負担について、決定で、裁判をする。この場合においては、第61条から第66条までの規定を準用する。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

     第2項の規定による訴訟費用の負担の裁判は、本案判決に対し適法な控訴があったときは、その効力を失う。この場合においては、控訴裁判所は、訴訟の総費用について、その負担の裁判をする。


    (仮執行の宣言)

    第259条 財産権上の請求に関する判決については、裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。

     手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求に関する判決については、裁判所は、職権で、担保を立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。ただし、裁判所が相当と認めるときは、仮執行を担保を立てることに係らしめることができる。

     裁判所は、申立てにより又は職権で、担保を立てて仮執行を免れることができることを宣言することができる。

     仮執行の宣言は、判決の主文に掲げなければならない。前項の規定による宣言についても、同様とする。

     仮執行の宣言の申立てについて裁判をしなかったとき、又は職権で仮執行の宣言をすべき場合においてこれをしなかったときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、補充の決定をする。第3項の申立てについて裁判をしなかったときも、同様とする。

     第76条、第77条、第79条及び第80条の規定は、第1項から第3項までの担保について準用する。


    (仮執行の宣言の失効及び原状回復等)

    第260条 仮執行の宣言は、その宣言又は本案判決を変更する判決の言渡しにより、変更の限度においてその効力を失う。

     本案判決を変更する場合には、裁判所は、被告の申立てにより、その判決において、仮執行の宣言に基づき被告が給付したものの返還及び仮執行により又はこれを免れるために被告が受けた損害の賠償を原告に命じなければならない。

     仮執行の宣言のみを変更したときは、後に本案判決を変更する判決について、前項の規定を適用する。

    第6章 裁判によらない訴訟の完結

    (訴えの取下げ)

    第261条 訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。

     訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。

     訴えの取下げは、書面でしなければならない。ただし、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)においては、口頭ですることを妨げない。

     第2項本文の場合において、訴えの取下げが書面でされたときはその書面を、訴えの取下げが口頭弁論等の期日において口頭でされたとき(相手方がその期日に出頭したときを除く。)はその期日の調書の謄本を相手方に送達しなければならない。

     訴えの取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に相手方が異議を述べないときは、訴えの取下げに同意したものとみなす。訴えの取下げが口頭弁論等の期日において口頭でされた場合において、相手方がその期日に出頭したときは訴えの取下げがあった日から、相手方がその期日に出頭しなかったときは前項の謄本の送達があった日から2週間以内に相手方が異議を述べないときも、同様とする。


    (訴えの取下げの効果)

    第262条 訴訟は、訴えの取下げがあった部分については、初めから係属していなかったものとみなす。

     本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない。


    (訴えの取下げの擬制)

    第263条 当事者双方が、口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日に出頭せず、又は弁論若しくは弁論準備手続における申述をしないで退廷若しくは退席をした場合において、1月以内に期日指定の申立てをしないときは、訴えの取下げがあったものとみなす。当事者双方が、連続して二回、口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日に出頭せず、又は弁論若しくは弁論準備手続における申述をしないで退廷若しくは退席をしたときも、同様とする。


    (和解条項案の書面による受諾)

    第264条 当事者が遠隔の地に居住していることその他の事由により出頭することが困難であると認められる場合において、その当事者があらかじめ裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官から提示された和解条項案を受諾する旨の書面を提出し、他の当事者が口頭弁論等の期日に出頭してその和解条項案を受諾したときは、当事者間に和解が調ったものとみなす。


    (裁判所等が定める和解条項)

    第265条 裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は、当事者の共同の申立てがあるときは、事件の解決のために適当な和解条項を定めることができる。

     前項の申立ては、書面でしなければならない。この場合においては、その書面に同項の和解条項に服する旨を記載しなければならない。

     第1項の規定による和解条項の定めは、口頭弁論等の期日における告知その他相当と認める方法による告知によってする。

     当事者は、前項の告知前に限り、第1項の申立てを取り下げることができる。この場合においては、相手方の同意を得ることを要しない。

     第3項の告知が当事者双方にされたときは、当事者間に和解が調ったものとみなす。


    (請求の放棄又は認諾)

    第266条 請求の放棄又は認諾は、口頭弁論等の期日においてする。

     請求の放棄又は認諾をする旨の書面を提出した当事者が口頭弁論等の期日に出頭しないときは、裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は、その旨の陳述をしたものとみなすことができる。


    (和解調書等の効力)

    第267条 和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。

    第7章 大規模訴訟等に関する特則

    (大規模訴訟に係る事件における受命裁判官による証人等の尋問)

    第268条 裁判所は、大規模訴訟(当事者が著しく多数で、かつ、尋問すべき証人又は当事者本人が著しく多数である訴訟をいう。)に係る事件について、当事者に異議がないときは、受命裁判官に裁判所内で証人又は当事者本人の尋問をさせることができる。


    (大規模訴訟に係る事件における合議体の構成)

    第269条 地方裁判所においては、前条に規定する事件について、5人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。

     前項の場合には、判事補は、同時に3人以上合議体に加わり、又は裁判長となることができない。


    (特許権等に関する訴えに係る事件における合議体の構成)

    第269条の2 第6条第1項各号に定める裁判所においては、特許権等に関する訴えに係る事件について、5人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。ただし、第20条の2第1項の規定により移送された訴訟に係る事件については、この限りでない。

     前条第2項の規定は、前項の場合について準用する。

    第8章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則

    (手続の特色)

    第270条 簡易裁判所においては、簡易な手続により迅速に紛争を解決するものとする。


    (口頭による訴えの提起)

    第271条 訴えは、口頭で提起することができる。


    (訴えの提起において明らかにすべき事項)

    第272条 訴えの提起においては、請求の原因に代えて、紛争の要点を明らかにすれば足りる。


    (任意の出頭による訴えの提起等)

    第273条 当事者双方は、任意に裁判所に出頭し、訴訟について口頭弁論をすることができる。この場合においては、訴えの提起は、口頭の陳述によってする。


    (反訴の提起に基づく移送)

    第274条 被告が反訴で地方裁判所の管轄に属する請求をした場合において、相手方の申立てがあるときは、簡易裁判所は、決定で、本訴及び反訴を地方裁判所に移送しなければならない。この場合においては、第22条の規定を準用する。

     前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。


    (訴え提起前の和解)

    第275条 民事上の争いについては、当事者は、請求の趣旨及び原因並びに争いの実情を表示して、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に和解の申立てをすることができる。

     前項の和解が調わない場合において、和解の期日に出頭した当事者双方の申立てがあるときは、裁判所は、直ちに訴訟の弁論を命ずる。この場合においては、和解の申立てをした者は、その申立てをした時に、訴えを提起したものとみなし、和解の費用は、訴訟費用の一部とする。

     申立人又は相手方が第1項の和解の期日に出頭しないときは、裁判所は、和解が調わないものとみなすことができる。

     第1項の和解については、第264条及び第265条の規定は、適用しない。


    (和解に代わる決定)

    第275条の2 金銭の支払の請求を目的とする訴えについては、裁判所は、被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、被告の資力その他の事情を考慮して相当であると認めるときは、原告の意見を聴いて、第3項の期間の経過時から5年を超えない範囲内において、当該請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをして、当該請求に係る金銭の支払を命ずる決定をすることができる。

     前項の分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。

     第1項の決定に対しては、当事者は、その決定の告知を受けた日から2週間の不変期間内に、その決定をした裁判所に異議を申し立てることができる。

     前項の期間内に異議の申立てがあったときは、第1項の決定は、その効力を失う。

     第3項の期間内に異議の申立てがないときは、第1項の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。


    (準備書面の省略等)

    第276条 口頭弁論は、書面で準備することを要しない。

     相手方が準備をしなければ陳述をすることができないと認めるべき事項は、前項の規定にかかわらず、書面で準備し、又は口頭弁論前直接に相手方に通知しなければならない。

     前項に規定する事項は、相手方が在廷していない口頭弁論においては、準備書面(相手方に送達されたもの又は相手方からその準備書面を受領した旨を記載した書面が提出されたものに限る。)に記載し、又は同項の規定による通知をしたものでなければ、主張することができない。


    (続行期日における陳述の擬制)

    第277条 第158条の規定は、原告又は被告が口頭弁論の続行の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしない場合について準用する。


    (尋問等に代わる書面の提出)

    第278条 裁判所は、相当と認めるときは、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の意見の陳述に代え、書面の提出をさせることができる。


    (司法委員)

    第279条 裁判所は、必要があると認めるときは、和解を試みるについて司法委員に補助をさせ、又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができる。

     司法委員の員数は、各事件について1人以上とする。

     司法委員は、毎年あらかじめ地方裁判所の選任した者の中から、事件ごとに裁判所が指定する。

     前項の規定により選任される者の資格、員数その他同項の選任に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

     司法委員には、最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。


    (判決書の記載事項)

    第280条 判決書に事実及び理由を記載するには、請求の趣旨及び原因の要旨、その原因の有無並びに請求を排斥する理由である抗弁の要旨を表示すれば足りる。

    第3編 上訴

    第1章 控訴

    (控訴をすることができる判決等)

    第281条 控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。

     第11条第2項及び第3項の規定は、前項の合意について準用する。


    (訴訟費用の負担の裁判に対する控訴の制限)

    第282条 訴訟費用の負担の裁判に対しては、独立して控訴をすることができない。


    (控訴裁判所の判断を受ける裁判)

    第283条 終局判決前の裁判は、控訴裁判所の判断を受ける。ただし、不服を申し立てることができない裁判及び抗告により不服を申し立てることができる裁判は、この限りでない。


    (控訴権の放棄)

    第284条 控訴をする権利は、放棄することができる。


    (控訴期間)

    第285条 控訴は、判決書又は第254条第2項の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならない。ただし、その期間前に提起した控訴の効力を妨げない。


    (控訴提起の方式)

    第286条 控訴の提起は、控訴状を第一審裁判所に提出してしなければならない。

     控訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

     当事者及び法定代理人

     第一審判決の表示及びその判決に対して控訴をする旨


    (第一審裁判所による控訴の却下)

    第287条 控訴が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、第一審裁判所は、決定で、控訴を却下しなければならない。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (裁判長の控訴状審査権)

    第288条 第137条の規定は、控訴状が第286条第2項の規定に違反する場合及び民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い控訴の提起の手数料を納付しない場合について準用する。


    (控訴状の送達)

    第289条 控訴状は、被控訴人に送達しなければならない。

     第137条の規定は、控訴状の送達をすることができない場合(控訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。


    (口頭弁論を経ない控訴の却下)

    第290条 控訴が不適法でその不備を補正することができないときは、控訴裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、控訴を却下することができる。


    (呼出費用の予納がない場合の控訴の却下)

    第291条 控訴裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて控訴人に命じた場合において、その予納がないときは、決定で、控訴を却下することができる。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (控訴の取下げ)

    第292条 控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。

     第261条第3項、第262条第1項及び第263条の規定は、控訴の取下げについて準用する。


    (附帯控訴)

    第293条 被控訴人は、控訴権が消滅した後であっても、口頭弁論の終結に至るまで、附帯控訴をすることができる。

     附帯控訴は、控訴の取下げがあったとき、又は不適法として控訴の却下があったときは、その効力を失う。ただし、控訴の要件を備えるものは、独立した控訴とみなす。

     附帯控訴については、控訴に関する規定による。ただし、附帯控訴の提起は、附帯控訴状を控訴裁判所に提出してすることができる。


    (第一審判決についての仮執行の宣言)

    第294条 控訴裁判所は、第一審判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。


    (仮執行に関する裁判に対する不服申立て)

    第295条 仮執行に関する控訴審の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。ただし、前条の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (口頭弁論の範囲等)

    第296条 口頭弁論は、当事者が第一審判決の変更を求める限度においてのみ、これをする。

     当事者は、第一審における口頭弁論の結果を陳述しなければならない。


    (第一審の訴訟手続の規定の準用)

    第297条 前編第1章から第7章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。ただし、第269条の規定は、この限りでない。


    (第一審の訴訟行為の効力等)

    第298条 第一審においてした訴訟行為は、控訴審においてもその効力を有する。

     第167条の規定は、第一審において準備的口頭弁論を終了し、又は弁論準備手続を終結した事件につき控訴審で攻撃又は防御の方法を提出した当事者について、第178条の規定は、第一審において書面による準備手続を終結した事件につき同条の陳述又は確認がされた場合において控訴審で攻撃又は防御の方法を提出した当事者について準用する。


    (第一審の管轄違いの主張の制限)

    第299条 控訴審においては、当事者は、第一審裁判所が管轄権を有しないことを主張することができない。ただし、専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)については、この限りでない。

     前項の第一審裁判所が第6条第1項各号に定める裁判所である場合において、当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。


    (反訴の提起等)

    第300条 控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる。

     相手方が異議を述べないで反訴の本案について弁論をしたときは、反訴の提起に同意したものとみなす。

     前二項の規定は、選定者に係る請求の追加について準用する。


    (攻撃防御方法の提出等の期間)

    第301条 裁判長は、当事者の意見を聴いて、攻撃若しくは防御の方法の提出、請求若しくは請求の原因の変更、反訴の提起又は選定者に係る請求の追加をすべき期間を定めることができる。

     前項の規定により定められた期間の経過後に同項に規定する訴訟行為をする当事者は、裁判所に対し、その期間内にこれをすることができなかった理由を説明しなければならない。


    (控訴棄却)

    第302条 控訴裁判所は、第一審判決を相当とするときは、控訴を棄却しなければならない。

     第一審判決がその理由によれば不当である場合においても、他の理由により正当であるときは、控訴を棄却しなければならない。


    (控訴権の濫用に対する制裁)

    第303条 控訴裁判所は、前条第1項の規定により控訴を棄却する場合において、控訴人が訴訟の完結を遅延させることのみを目的として控訴を提起したものと認めるときは、控訴人に対し、控訴の提起の手数料として納付すべき金額の十倍以下の金銭の納付を命ずることができる。

     前項の規定による裁判は、判決の主文に掲げなければならない。

     第1項の規定による裁判は、本案判決を変更する判決の言渡しにより、その効力を失う。

     上告裁判所は、上告を棄却する場合においても、第1項の規定による裁判を変更することができる。

     第189条の規定は、第1項の規定による裁判について準用する。


    (第一審判決の取消し及び変更の範囲)

    第304条 第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることができる。


    (第一審判決が不当な場合の取消し)

    第305条 控訴裁判所は、第一審判決を不当とするときは、これを取り消さなければならない。


    (第一審の判決の手続が違法な場合の取消し)

    第306条 第一審の判決の手続が法律に違反したときは、控訴裁判所は、第一審判決を取り消さなければならない。


    (事件の差戻し)

    第307条 控訴裁判所は、訴えを不適法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この限りでない。


    第308条 前条本文に規定する場合のほか、控訴裁判所が第一審判決を取り消す場合において、事件につき更に弁論をする必要があるときは、これを第一審裁判所に差し戻すことができる。

     第一審裁判所における訴訟手続が法律に違反したことを理由として事件を差し戻したときは、その訴訟手続は、これによって取り消されたものとみなす。


    (第一審の管轄違いを理由とする移送)

    第309条 控訴裁判所は、事件が管轄違いであることを理由として第一審判決を取り消すときは、判決で、事件を管轄裁判所に移送しなければならない。


    (控訴審の判決における仮執行の宣言)

    第310条 控訴裁判所は、金銭の支払の請求(第259条第2項の請求を除く。)に関する判決については、申立てがあるときは、不必要と認める場合を除き、担保を立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。ただし、控訴裁判所が相当と認めるときは、仮執行を担保を立てることに係らしめることができる。


    (特許権等に関する訴えに係る控訴事件における合議体の構成)

    第310条の2 第6条第1項各号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴が提起された東京高等裁判所においては、当該控訴に係る事件について、5人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。ただし、第20条の2第1項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴に係る事件については、この限りでない。

    第2章 上告

    (上告裁判所)

    第311条 上告は、高等裁判所が第二審又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。

     第281条第1項ただし書の場合には、地方裁判所の判決に対しては最高裁判所に、簡易裁判所の判決に対しては高等裁判所に、直ちに上告をすることができる。


    (上告の理由)

    第312条 上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。

     上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第4号に掲げる事由については、第34条第2項(第59条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。

     法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。

     法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。

    二の二 日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと。

     専属管轄に関する規定に違反したこと(第6条第1項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)

     法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。

     口頭弁論の公開の規定に違反したこと。

     判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。

     高等裁判所にする上告は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときも、することができる。


    (控訴の規定の準用)

    第313条 前章の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告及び上告審の訴訟手続について準用する。


    (上告提起の方式等)

    第314条 上告の提起は、上告状を原裁判所に提出してしなければならない。

     前条において準用する第288条及び第289条第2項の規定による裁判長の職権は、原裁判所の裁判長が行う。


    (上告の理由の記載)

    第315条 上告状に上告の理由の記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。

     上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。


    (原裁判所による上告の却下)

    第316条 次の各号に該当することが明らかであるときは、原裁判所は、決定で、上告を却下しなければならない。

     上告が不適法でその不備を補正することができないとき。

     前条第1項の規定に違反して上告理由書を提出せず、又は上告の理由の記載が同条第2項の規定に違反しているとき。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (上告裁判所による上告の却下等)

    第317条 前条第1項各号に掲げる場合には、上告裁判所は、決定で、上告を却下することができる。

     上告裁判所である最高裁判所は、上告の理由が明らかに第312条第1項及び第2項に規定する事由に該当しない場合には、決定で、上告を棄却することができる。


    (上告受理の申立て)

    第318条 上告をすべき裁判所が最高裁判所である場合には、最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより、決定で、上告審として事件を受理することができる。

     前項の申立て(以下「上告受理の申立て」という。)においては、第312条第1項及び第2項に規定する事由を理由とすることができない。

     第1項の場合において、最高裁判所は、上告受理の申立ての理由中に重要でないと認めるものがあるときは、これを排除することができる。

     第1項の決定があった場合には、上告があったものとみなす。この場合においては、第320条の規定の適用については、上告受理の申立ての理由中前項の規定により排除されたもの以外のものを上告の理由とみなす。

     第313条から第315条まで及び第316条第1項の規定は、上告受理の申立てについて準用する。


    (口頭弁論を経ない上告の棄却)

    第319条 上告裁判所は、上告状、上告理由書、答弁書その他の書類により、上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる。


    (調査の範囲)

    第320条 上告裁判所は、上告の理由に基づき、不服の申立てがあった限度においてのみ調査をする。


    (原判決の確定した事実の拘束)

    第321条 原判決において適法に確定した事実は、上告裁判所を拘束する。

     第311条第2項の規定による上告があった場合には、上告裁判所は、原判決における事実の確定が法律に違反したことを理由として、その判決を破棄することができない。


    (職権調査事項についての適用除外)

    第322条 前二条の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。


    (仮執行の宣言)

    第323条 上告裁判所は、原判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。


    (最高裁判所への移送)

    第324条 上告裁判所である高等裁判所は、最高裁判所規則で定める事由があるときは、決定で、事件を最高裁判所に移送しなければならない。


    (破棄差戻し等)

    第325条 第312条第1項又は第2項に規定する事由があるときは、上告裁判所は、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送しなければならない。高等裁判所が上告裁判所である場合において、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときも、同様とする。

     上告裁判所である最高裁判所は、第312条第1項又は第2項に規定する事由がない場合であっても、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送することができる。

     前二項の規定により差戻し又は移送を受けた裁判所は、新たな口頭弁論に基づき裁判をしなければならない。この場合において、上告裁判所が破棄の理由とした事実上及び法律上の判断は、差戻し又は移送を受けた裁判所を拘束する。

     原判決に関与した裁判官は、前項の裁判に関与することができない。


    (破棄自判)

    第326条 次に掲げる場合には、上告裁判所は、事件について裁判をしなければならない。

     確定した事実について憲法その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。

     事件が裁判所の権限に属しないことを理由として判決を破棄するとき。


    (特別上告)

    第327条 高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をすることができる。

     前項の上告及びその上告審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。この場合において、第321条第1項中「原判決」とあるのは、「地方裁判所が第二審としてした終局判決(第311条第2項の規定による上告があった場合にあっては、簡易裁判所の終局判決)」と読み替えるものとする。

    第3章 抗告

    (抗告をすることができる裁判)

    第328条 口頭弁論を経ないで訴訟手続に関する申立てを却下した決定又は命令に対しては、抗告をすることができる。

     決定又は命令により裁判をすることができない事項について決定又は命令がされたときは、これに対して抗告をすることができる。


    (受命裁判官等の裁判に対する不服申立て)

    第329条 受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対して不服がある当事者は、受訴裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、その裁判が受訴裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。

     抗告は、前項の申立てについての裁判に対してすることができる。

     最高裁判所又は高等裁判所が受訴裁判所である場合における第1項の規定の適用については、同項ただし書中「受訴裁判所」とあるのは、「地方裁判所」とする。


    (再抗告)

    第330条 抗告裁判所の決定に対しては、その決定に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があること、又は決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときに限り、更に抗告をすることができる。


    (控訴又は上告の規定の準用)

    第331条 抗告及び抗告裁判所の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第1章の規定を準用する。ただし、前条の抗告及びこれに関する訴訟手続には、前章の規定中第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。


    (即時抗告期間)

    第332条 即時抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない。


    (原裁判所等による更正)

    第333条 原裁判をした裁判所又は裁判長は、抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない。


    (原裁判の執行停止)

    第334条 抗告は、即時抗告に限り、執行停止の効力を有する。

     抗告裁判所又は原裁判をした裁判所若しくは裁判官は、抗告について決定があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。


    (口頭弁論に代わる審尋)

    第335条 抗告裁判所は、抗告について口頭弁論をしない場合には、抗告人その他の利害関係人を審尋することができる。


    (特別抗告)

    第336条 地方裁判所及び簡易裁判所の決定及び命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。

     前項の抗告は、裁判の告知を受けた日から5日の不変期間内にしなければならない。

     第1項の抗告及びこれに関する訴訟手続には、その性質に反しない限り、第327条第1項の上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定並びに第334条第2項の規定を準用する。


    (許可抗告)

    第337条 高等裁判所の決定及び命令(第330条の抗告及び次項の申立てについての決定及び命令を除く。)に対しては、前条第1項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。ただし、その裁判が地方裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。

     前項の高等裁判所は、同項の裁判について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、決定で、抗告を許可しなければならない。

     前項の申立てにおいては、前条第1項に規定する事由を理由とすることはできない。

     第2項の規定による許可があった場合には、第1項の抗告があったものとみなす。

     最高裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原裁判を破棄することができる。

     第313条、第315条及び前条第2項の規定は第2項の申立てについて、第318条第3項の規定は第2項の規定による許可をする場合について、同条第4項後段及び前条第3項の規定は第2項の規定による許可があった場合について準用する。

    第4編 再審

    (再審の事由)

    第338条 次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。

     法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。

     法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。

     法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。

     判決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと。

     刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。

     判決の証拠となった文書その他の物件が偽造又は変造されたものであったこと。

     証人、鑑定人、通訳人又は宣誓した当事者若しくは法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと。

     判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。

     判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。

     不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。

     前項第4号から第7号までに掲げる事由がある場合においては、罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる。

     控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができない。


    第339条 判決の基本となる裁判について前条第1項に規定する事由がある場合(同項第4号から第7号までに掲げる事由がある場合にあっては、同条第2項に規定する場合に限る。)には、その裁判に対し独立した不服申立ての方法を定めているときにおいても、その事由を判決に対する再審の理由とすることができる。


    (管轄裁判所)

    第340条 再審の訴えは、不服の申立てに係る判決をした裁判所の管轄に専属する。

     審級を異にする裁判所が同一の事件についてした判決に対する再審の訴えは、上級の裁判所が併せて管轄する。


    (再審の訴訟手続)

    第341条 再審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、各審級における訴訟手続に関する規定を準用する。


    (再審期間)

    第342条 再審の訴えは、当事者が判決の確定した後再審の事由を知った日から30日の不変期間内に提起しなければならない。

     判決が確定した日(再審の事由が判決の確定した後に生じた場合にあっては、その事由が発生した日)から5年を経過したときは、再審の訴えを提起することができない。

     前二項の規定は、第338条第1項第3号に掲げる事由のうち代理権を欠いたこと及び同項第10号に掲げる事由を理由とする再審の訴えには、適用しない。


    (再審の訴状の記載事項)

    第343条 再審の訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

     当事者及び法定代理人

     不服の申立てに係る判決の表示及びその判決に対して再審を求める旨

     不服の理由


    (不服の理由の変更)

    第344条 再審の訴えを提起した当事者は、不服の理由を変更することができる。


    (再審の訴えの却下等)

    第345条 裁判所は、再審の訴えが不適法である場合には、決定で、これを却下しなければならない。

     裁判所は、再審の事由がない場合には、決定で、再審の請求を棄却しなければならない。

     前項の決定が確定したときは、同一の事由を不服の理由として、更に再審の訴えを提起することができない。


    (再審開始の決定)

    第346条 裁判所は、再審の事由がある場合には、再審開始の決定をしなければならない。

     裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方を審尋しなければならない。


    (即時抗告)

    第347条 第345条第1項及び第2項並びに前条第1項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (本案の審理及び裁判)

    第348条 裁判所は、再審開始の決定が確定した場合には、不服申立ての限度で、本案の審理及び裁判をする。

     裁判所は、前項の場合において、判決を正当とするときは、再審の請求を棄却しなければならない。

     裁判所は、前項の場合を除き、判決を取り消した上、更に裁判をしなければならない。


    (決定又は命令に対する再審)

    第349条 即時抗告をもって不服を申し立てることができる決定又は命令で確定したものに対しては、再審の申立てをすることができる。

     第338条から前条までの規定は、前項の申立てについて準用する。

    第5編 手形訴訟及び小切手訴訟に関する特則

    (手形訴訟の要件)

    第350条 手形による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求めることができる。

     手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴状に記載してしなければならない。


    (反訴の禁止)

    第351条 手形訴訟においては、反訴を提起することができない。


    (証拠調べの制限)

    第352条 手形訴訟においては、証拠調べは、書証に限りすることができる。

     文書の提出の命令又は送付の嘱託は、することができない。対照の用に供すべき筆跡又は印影を備える物件の提出の命令又は送付の嘱託についても、同様とする。

     文書の成立の真否又は手形の提示に関する事実については、申立てにより、当事者本人を尋問することができる。

     証拠調べの嘱託は、することができない。第186条の規定による調査の嘱託についても、同様とする。

     前各項の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。


    (通常の手続への移行)

    第353条 原告は、口頭弁論の終結に至るまで、被告の承諾を要しないで、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。

     訴訟は、前項の申述があった時に、通常の手続に移行する。

     前項の場合には、裁判所は、直ちに、訴訟が通常の手続に移行した旨を記載した書面を被告に送付しなければならない。ただし、第1項の申述が被告の出頭した期日において口頭でされたものであるときは、その送付をすることを要しない。

     第2項の場合には、手形訴訟のため既に指定した期日は、通常の手続のために指定したものとみなす。


    (口頭弁論の終結)

    第354条 裁判所は、被告が口頭弁論において原告が主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合には、前条第3項の規定による書面の送付前であっても、口頭弁論を終結することができる。


    (口頭弁論を経ない訴えの却下)

    第355条 請求の全部又は一部が手形訴訟による審理及び裁判をすることができないものであるときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えの全部又は一部を却下することができる。

     前項の場合において、原告が判決書の送達を受けた日から2週間以内に同項の請求について通常の手続により訴えを提起したときは、第147条の規定の適用については、その訴えの提起は、前の訴えの提起の時にしたものとみなす。


    (控訴の禁止)

    第356条 手形訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。ただし、前条第1項の判決を除き、訴えを却下した判決に対しては、この限りでない。


    (異議の申立て)

    第357条 手形訴訟の終局判決に対しては、訴えを却下した判決を除き、判決書又は第254条第2項の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。


    (異議申立権の放棄)

    第358条 異議を申し立てる権利は、その申立て前に限り、放棄することができる。


    (口頭弁論を経ない異議の却下)

    第359条 異議が不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、異議を却下することができる。


    (異議の取下げ)

    第360条 異議は、通常の手続による第一審の終局判決があるまで、取り下げることができる。

     異議の取下げは、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

     第261条第3項から第5項まで、第262条第1項及び第263条の規定は、異議の取下げについて準用する。


    (異議後の手続)

    第361条 適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常の手続によりその審理及び裁判をする。


    (異議後の判決)

    第362条 前条の規定によってすべき判決が手形訴訟の判決と符合するときは、裁判所は、手形訴訟の判決を認可しなければならない。ただし、手形訴訟の判決の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。

     前項の規定により手形訴訟の判決を認可する場合を除き、前条の規定によってすべき判決においては、手形訴訟の判決を取り消さなければならない。


    (異議後の判決における訴訟費用)

    第363条 異議を却下し、又は手形訴訟においてした訴訟費用の負担の裁判を認可する場合には、裁判所は、異議の申立てがあった後の訴訟費用の負担について裁判をしなければならない。

     第258条第4項の規定は、手形訴訟の判決に対し適法な異議の申立てがあった場合について準用する。


    (事件の差戻し)

    第364条 控訴裁判所は、異議を不適法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この限りでない。


    (訴え提起前の和解の手続から手形訴訟への移行)

    第365条 第275条第2項後段の規定により提起があったものとみなされる訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、同項前段の申立ての際にしなければならない。


    (督促手続から手形訴訟への移行)

    第366条 第395条又は第398条第1項(第402条第2項において準用する場合を含む。)の規定により提起があったものとみなされる訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、支払督促の申立ての際にしなければならない。

     第391条第1項の規定による仮執行の宣言があったときは、前項の申述は、なかったものとみなす。


    (小切手訴訟)

    第367条 小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、小切手訴訟による審理及び裁判を求めることができる。

     第350条第2項及び第351条から前条までの規定は、小切手訴訟に関して準用する。

    第6編 少額訴訟に関する特則

    (少額訴訟の要件等)

    第368条 簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない。

     少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない。

     前項の申述をするには、当該訴えを提起する簡易裁判所においてその年に少額訴訟による審理及び裁判を求めた回数を届け出なければならない。


    (反訴の禁止)

    第369条 少額訴訟においては、反訴を提起することができない。


    (一期日審理の原則)

    第370条 少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。

     当事者は、前項の期日前又はその期日において、すべての攻撃又は防御の方法を提出しなければならない。ただし、口頭弁論が続行されたときは、この限りでない。


    (証拠調べの制限)

    第371条 証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができる。


    (証人等の尋問)

    第372条 証人の尋問は、宣誓をさせないですることができる。

     証人又は当事者本人の尋問は、裁判官が相当と認める順序でする。

     裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方と証人とが音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、証人を尋問することができる。


    (通常の手続への移行)

    第373条 被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。

     訴訟は、前項の申述があった時に、通常の手続に移行する。

     次に掲げる場合には、裁判所は、訴訟を通常の手続により審理及び裁判をする旨の決定をしなければならない。

     第368条第1項の規定に違反して少額訴訟による審理及び裁判を求めたとき。

     第368条第3項の規定によってすべき届出を相当の期間を定めて命じた場合において、その届出がないとき。

     公示送達によらなければ被告に対する最初にすべき口頭弁論の期日の呼出しをすることができないとき。

     少額訴訟により審理及び裁判をするのを相当でないと認めるとき。

     前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。

     訴訟が通常の手続に移行したときは、少額訴訟のため既に指定した期日は、通常の手続のために指定したものとみなす。


    (判決の言渡し)

    第374条 判決の言渡しは、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちにする。

     前項の場合には、判決の言渡しは、判決書の原本に基づかないですることができる。この場合においては、第254条第2項及び第255条の規定を準用する。


    (判決による支払の猶予)

    第375条 裁判所は、請求を認容する判決をする場合において、被告の資力その他の事情を考慮して特に必要があると認めるときは、判決の言渡しの日から3年を超えない範囲内において、認容する請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをすることができる。

     前項の分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。

     前二項の規定による定めに関する裁判に対しては、不服を申し立てることができない。


    (仮執行の宣言)

    第376条 請求を認容する判決については、裁判所は、職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。

     第76条、第77条、第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。


    (控訴の禁止)

    第377条 少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。


    (異議)

    第378条 少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は第254条第2項(第374条第2項において準用する場合を含む。)の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。

     第358条から第360条までの規定は、前項の異議について準用する。


    (異議後の審理及び裁判)

    第379条 適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常の手続によりその審理及び裁判をする。

     第362条、第363条、第369条、第372条第2項及び第375条の規定は、前項の審理及び裁判について準用する。


    (異議後の判決に対する不服申立て)

    第380条 第378条第2項において準用する第359条又は前条第1項の規定によってした終局判決に対しては、控訴をすることができない。

     第327条の規定は、前項の終局判決について準用する。


    (過料)

    第381条 少額訴訟による審理及び裁判を求めた者が第368条第3項の回数について虚偽の届出をしたときは、裁判所は、決定で、10万円以下の過料に処する。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

     第189条の規定は、第1項の規定による過料の裁判について準用する。

    第7編 督促手続

    第1章 総則

    (支払督促の要件)

    第382条 金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。ただし、日本において公示送達によらないでこれを送達することができる場合に限る。


    (支払督促の申立て)

    第383条 支払督促の申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してする。

     次の各号に掲げる請求についての支払督促の申立ては、それぞれ当該各号に定める地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してもすることができる。

    一 事務所又は営業所を有する者に対する請求でその事務所又は営業所における業務に関するもの

    当該事務所又は営業所の所在地

    二 手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する請求

    手形又は小切手の支払地


    (訴えに関する規定の準用)

    第384条 支払督促の申立てには、その性質に反しない限り、訴えに関する規定を準用する。


    (申立ての却下)

    第385条 支払督促の申立てが第382条若しくは第383条の規定に違反するとき、又は申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかなときは、その申立てを却下しなければならない。請求の一部につき支払督促を発することができない場合におけるその一部についても、同様とする。

     前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

     前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない。

     前項の異議の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。


    (支払督促の発付等)

    第386条 支払督促は、債務者を審尋しないで発する。

     債務者は、支払督促に対し、これを発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所に督促異議の申立てをすることができる。


    (支払督促の記載事項)

    第387条 支払督促には、次に掲げる事項を記載し、かつ、債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしないときは債権者の申立てにより仮執行の宣言をする旨を付記しなければならない。

     第382条の給付を命ずる旨

     請求の趣旨及び原因

     当事者及び法定代理人


    (支払督促の送達)

    第388条 支払督促は、債務者に送達しなければならない。

     支払督促の効力は、債務者に送達された時に生ずる。

     債権者が申し出た場所に債務者の住所、居所、営業所若しくは事務所又は就業場所がないため、支払督促を送達することができないときは、裁判所書記官は、その旨を債権者に通知しなければならない。この場合において、債権者が通知を受けた日から2月の不変期間内にその申出に係る場所以外の送達をすべき場所の申出をしないときは、支払督促の申立てを取り下げたものとみなす。


    (支払督促の更正)

    第389条 第74条第1項及び第2項の規定は、支払督促について準用する。

     仮執行の宣言後に適法な督促異議の申立てがあったときは、前項において準用する第74条第1項の規定による更正の処分に対する異議の申立ては、することができない。


    (仮執行の宣言前の督促異議)

    第390条 仮執行の宣言前に適法な督促異議の申立てがあったときは、支払督促は、その督促異議の限度で効力を失う。


    (仮執行の宣言)

    第391条 債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促に手続の費用額を付記して仮執行の宣言をしなければならない。ただし、その宣言前に督促異議の申立てがあったときは、この限りでない。

     仮執行の宣言は、支払督促に記載し、これを当事者に送達しなければならない。ただし、債権者の同意があるときは、当該債権者に対しては、当該記載をした支払督促を送付することをもって、送達に代えることができる。

     第385条第2項及び第3項の規定は、第1項の申立てを却下する処分及びこれに対する異議の申立てについて準用する。

     前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

     第260条及び第388条第2項の規定は、第1項の仮執行の宣言について準用する。


    (期間の徒過による支払督促の失効)

    第392条 債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から30日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。


    (仮執行の宣言後の督促異議)

    第393条 仮執行の宣言を付した支払督促の送達を受けた日から2週間の不変期間を経過したときは、債務者は、その支払督促に対し、督促異議の申立てをすることができない。


    (督促異議の却下)

    第394条 簡易裁判所は、督促異議を不適法であると認めるときは、督促異議に係る請求が地方裁判所の管轄に属する場合においても、決定で、その督促異議を却下しなければならない。

     前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


    (督促異議の申立てによる訴訟への移行)

    第395条 適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、督促手続の費用は、訴訟費用の一部とする。


    (支払督促の効力)

    第396条 仮執行の宣言を付した支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、又は督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、確定判決と同一の効力を有する。

    第2章 電子情報処理組織による督促手続の特則

    (電子情報処理組織による支払督促の申立て)

    第397条 電子情報処理組織を用いて督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所(以下この章において「指定簡易裁判所」という。)の裁判所書記官に対しては、第383条の規定による場合のほか、同条に規定する簡易裁判所が別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所である場合にも、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織を用いて支払督促の申立てをすることができる。


    第398条 第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、当該支払督促の申立ての時に、第383条に規定する簡易裁判所で支払督促を発した裁判所書記官の所属するもの若しくは前条の別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。

     前項の場合において、同項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所が二以上あるときは、督促異議に係る請求については、これらの裁判所中に第383条第1項に規定する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所がある場合にはその裁判所に、その裁判所がない場合には同条第2項第1号に定める地を管轄する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。

     前項の規定にかかわらず、債権者が、最高裁判所規則で定めるところにより、第1項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所のうち、一の簡易裁判所又は地方裁判所を指定したときは、その裁判所に訴えの提起があったものとみなす。


    (電子情報処理組織による処分の告知)

    第399条 第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続に関する指定簡易裁判所の裁判所書記官の処分の告知のうち、当該処分の告知に関するこの法律その他の法令の規定により書面等をもってするものとされているものについては、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織を用いてすることができる。

     第132条の10第2項から第4項までの規定は、前項の規定により指定簡易裁判所の裁判所書記官がする処分の告知について準用する。

     前項において準用する第132条の10第3項の規定にかかわらず、第1項の規定による処分の告知を受けるべき債権者の同意があるときは、当該処分の告知は、裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該処分に係る情報が最高裁判所規則で定めるところにより記録され、かつ、その記録に関する通知が当該債権者に対して発せられた時に、当該債権者に到達したものとみなす。


    (電磁的記録による作成等)

    第400条 指定簡易裁判所の裁判所書記官は、第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続に関し、この法律その他の法令の規定により裁判所書記官が書面等の作成等(作成又は保管をいう。以下この条及び次条第1項において同じ。)をすることとされているものについては、当該法令の規定にかかわらず、書面等の作成等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面等に係る電磁的記録の作成等をすることができる。

     第132条の10第2項及び第4項の規定は、前項の規定により指定簡易裁判所の裁判所書記官がする電磁的記録の作成等について準用する。


    (電磁的記録に係る訴訟記録の取扱い)

    第401条 督促手続に係る訴訟記録のうち、第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた申立て等に係る部分又は前条第1項の規定により電磁的記録の作成等がされた部分(以下この条において「電磁的記録部分」と総称する。)について、第91条第1項又は第3項の規定による訴訟記録の閲覧等の請求があったときは、指定簡易裁判所の裁判所書記官は、当該指定簡易裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された電磁的記録部分の内容を書面に出力した上、当該訴訟記録の閲覧等を当該書面をもってするものとする。電磁的記録の作成等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。

     第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときは、第398条の規定により訴えの提起があったものとみなされる裁判所は、電磁的記録部分の内容を書面に出力した上、当該訴訟記録の閲覧等を当該書面をもってするものとする。


    (電子情報処理組織による督促手続における所定の方式の書面による支払督促の申立て)

    第402条 電子情報処理組織(裁判所の使用に係る複数の電子計算機を相互に電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いて督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所の裁判所書記官に対しては、第383条の規定による場合のほか、同条に規定する簡易裁判所が別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所である場合にも、最高裁判所規則で定める方式に適合する方式により記載された書面をもって支払督促の申立てをすることができる。

     第398条の規定は、前項に規定する方式により記載された書面をもってされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときについて準用する。

    第8編 執行停止

    (執行停止の裁判)

    第403条 次に掲げる場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の一時の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てて強制執行の開始若しくは続行をすべき旨を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。ただし、強制執行の開始又は続行をすべき旨の命令は、第3号から第6号までに掲げる場合に限り、することができる。

     第327条第1項(第380条第2項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の上告又は再審の訴えの提起があった場合において、不服の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、事実上の点につき疎明があり、かつ、執行により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。

     仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起又は上告受理の申立てがあった場合において、原判決の破棄の原因となるべき事情及び執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。

     仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立て(次号の控訴の提起及び督促異議の申立てを除く。)があった場合において、原判決若しくは支払督促の取消し若しくは変更の原因となるべき事情がないとはいえないこと又は執行により著しい損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。

     手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求について、仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合において、原判決又は支払督促の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。

     仮執行の宣言を付した手形訴訟若しくは小切手訴訟の判決に対する異議の申立て又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決に対する異議の申立てがあった場合において、原判決の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。

     第117条第1項の訴えの提起があった場合において、変更のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点につき疎明があったとき。

     前項に規定する申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。


    (原裁判所による裁判)

    第404条 第327条第1項の上告の提起、仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起若しくは上告受理の申立て又は仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起があった場合において、訴訟記録が原裁判所に存するときは、その裁判所が、前条第1項に規定する申立てについての裁判をする。

     前項の規定は、仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合について準用する。


    (担保の提供)

    第405条 この編の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

     第76条、第77条、第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。

    附 則
    (施行期日)

    第1条 この法律(以下「新法」という。)は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第27条の規定は、公布の日から施行する。


    (経過措置の原則)

    第3条 新法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、新法の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、前条の規定による改正前の民事訴訟法(以下「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。


    (管轄等に関する経過措置)

    第4条 新法の施行の際現に係属している訴訟の管轄及び移送に関しては、管轄裁判所を定める合意及び送達に関する事項並びに附則第21条に定める事項を除き、なお従前の例による。

     新法の施行前にした管轄裁判所を定める合意に関しては、新法第16条第2項ただし書、第20条、第145条第1項ただし書(新法において準用する場合を含む。)、第146条第1項ただし書(新法において準用する場合を含む。)及び第299条ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。


    (訴訟費用に関する経過措置)

    第5条 新法の施行前にした申立てに係る訴訟費用又は和解の費用の負担の額を定める手続に関しては、新法第71条から第73条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。

     新法の施行前に当事者が供託した金銭又は有価証券についての相手方の権利については、新法第77条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。


    (期日の呼出しに関する経過措置)

    第6条 新法第94条第2項ただし書の規定は、新法の施行前に旧法第154条第1項に定める方法以外の相当と認める方法による期日の呼出しをした場合には、適用しない。


    (送達に関する経過措置)

    第7条 新法の施行前に裁判所書記官が書類の送達のために郵便を差し出し、又は執行官にその送達の事務を取り扱わせることとした場合には、当該送達については、なお従前の例による。

     新法第104条第3項の規定は、新法の施行後最初にする送達については、適用しない。

     新法の施行前にした申立てに係る公示送達については、新法第110条第1項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

     新法第113条の規定は、新法の施行前に掲示を始めた公示送達については、適用しない。


    (定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴えに関する経過措置)

    第8条 新法第117条の規定は、新法の施行前に第一審裁判所における口頭弁論が終結した事件については、適用しない。


    (訴えに関する経過措置)

    第9条 新法第141条の規定は、新法の施行前に期日の呼出しに必要な費用の予納を命じた場合には、適用しない。

     新法第146条第1項ただし書(新法において準用する場合を含む。)の規定は、管轄裁判所を定める合意に関する事項を除き、新法の施行前に提起された本訴に係る反訴の提起については、適用しない。


    (当事者を異にする事件の併合に関する経過措置)

    第10条 新法第152条第2項(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に口頭弁論の併合が命じられた事件については、適用しない。


    (攻撃防御方法の提出時期に関する経過措置)

    第11条 新法の施行の際現に係属している訴訟における攻撃又は防御の方法の提出時期については、新法第156条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。


    (準備書面に関する経過措置)

    第12条 新法の施行前に提出された準備書面に記載した事実についての相手方が在廷していない口頭弁論における主張については、新法第161条第3項(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。


    (準備手続に関する経過措置)

    第13条 新法の施行前に付された準備手続に関しては、期日の呼出し及び送達に関する事項を除き、なお従前の例による。


    (疎明に代わる保証金の供託等に関する経過措置)

    第14条 新法の施行前に当事者又は法定代理人に保証金を供託させ、又はその主張の真実であることを宣誓させた場合における疎明の代用については、附則第21条に定める事項を除き、なお従前の例による。


    (当事者が文書提出命令に従わない場合等の効果に関する経過措置)

    第15条 新法第224条第3項(新法において準用する場合を含む。)の規定は、当事者が、新法の施行前にした文書(新法第231条に規定する物件を含む。以下この条において同じ。)の提出の命令又は検証の目的の提示の命令に従わない場合及び提出又は提示の義務がある文書又は検証の目的を新法の施行前に使用することができないようにした場合には、適用しない。


    (損害額の認定に関する経過措置)

    第16条 新法第248条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件、第二審である地方裁判所における口頭弁論が終結した事件及び簡易裁判所の判決又は地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件については、適用しない。


    (訴えの取下げ等につき相手方の同意を擬制するための期間に関する経過措置)

    第17条 次に掲げる場合には、訴えの取下げ又は手形訴訟若しくは小切手訴訟の終局判決に対する異議の取下げ(以下この条において「訴えの取下げ等」という。)に相手方が同意したものとみなすための期間については、新法第261条第5項(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

     訴えの取下げ等が書面でされた場合において、新法の施行前にその書面が相手方に送達されたとき。

     新法の施行前の相手方が出頭した口頭弁論の期日において訴えの取下げ等が口頭でされたとき。

     訴えの取下げ等が口頭弁論の期日において口頭でされた場合(その期日に相手方が出頭した場合を除く。)において、新法の施行前にその期日の調書の謄本が相手方に送達されたとき。


    (訴えの取下げ等の擬制に関する経過措置)

    第18条 新法の施行前の口頭弁論の期日に当事者双方が出頭せず、又は弁論をしないで退廷した場合には、訴え、控訴若しくは上告の取下げ又は手形訴訟若しくは小切手訴訟の終局判決に対する異議の取下げがあったものとみなすための期間については、新法第263条前段(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

     新法第263条後段(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前の口頭弁論の期日における当事者の不出頭又は弁論をしないでした退廷については、適用しない。


    (控訴に関する経過措置)

    第19条 新法の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴の提起の方式については、新法第286条第1項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

     新法第287条の規定は、新法の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴については、適用しない。

     新法第291条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に期日の呼出しに必要な費用の予納を命じた場合には、適用しない。

     新法第310条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に控訴審の口頭弁論を終結した事件については、適用しない。


    (最高裁判所にする上告に関する経過措置)

    第20条 新法の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件及び地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件についての最高裁判所にする上告及びその上告審の訴訟手続については、新法第312条及び第325条の規定にかかわらず、なお従前の例によるものとし、新法第317条第2項及び第318条の規定は、適用しない。


    (抗告に関する経過措置)

    第21条 新法の施行前に告知があった決定又は命令に対する抗告の提起の方式については、新法第331条本文において準用する新法第286条第1項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

     新法第331条本文において準用する新法第287条の規定は、新法の施行前に告知があった決定及び命令に対する抗告については、適用しない。

     新法の施行の日前5日以内に告知があった決定及び命令については、新法第337条第6項において準用する新法第336条第2項の規定にかかわらず、新法の施行の日から5日の不変期間内は、新法第337条第2項の規定による抗告の許可の申立てをすることができる。


    (再審に関する経過措置)

    第22条 新法の施行前に再審の訴えの提起又は再審の申立てがあった事件については、新法第345条から第348条までの規定(これらの規定を新法において準用する場合を含む。)にかかわらず、なお従前の例による。


    (督促手続に関する経過措置)

    第23条 新法の施行前にした支払命令の申立てに係る督促手続に関しては、送達に関する事項及び附則第21条に定める事項を除き、なお従前の例による。


    (執行停止に関する経過措置)

    第24条 新法の施行前にした執行停止の申立て(仮執行の宣言を付した支払命令に関する執行停止の申立てを除く。)に係る裁判については、新法第398条及び第399条の規定にかかわらず、なお従前の例による。


    (罰則の適用に関する経過措置)

    第25条 新法の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


    (最高裁判所規則への委任)

    第26条 附則第3条から前条までに規定するもののほか、新法の施行の際現に裁判所に係属している事件の処理に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。


    (検討)

    第27条 新法第220条第4号に規定する公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書を対象とする文書提出命令の制度については、行政機関の保有する情報を公開するための制度に関して行われている検討と並行して、総合的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

     前項の措置は、新法の公布後2年を目途として、講ずるものとする。

    附 則(平成11年12月8日法律第151号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。


    (経過措置)

    第3条 民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)附則第3条第3項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。

    一から二十五まで 略


    第4条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

    附 則(平成13年7月4日法律第96号)
    (施行期日)

     この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

    (検討)

     政府は、この法律の施行後3年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況並びに刑事事件に係る訴訟に関する書類及び少年の保護事件の記録並びにこれらの事件において押収されている文書(以下「刑事事件関係書類等」という。)の民事訴訟における利用状況等を勘案し、刑事事件関係書類等その他の公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書を対象とする文書提出命令の制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

    附 則(平成13年12月5日法律第139号)

    この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。

    附 則(平成13年12月12日法律第153号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


    (処分、手続等に関する経過措置)

    第42条 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。


    (罰則に関する経過措置)

    第43条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


    (経過措置の政令への委任)

    第44条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

    附 則(平成14年6月12日法律第65号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、平成15年1月6日から施行する。


    (その他の経過措置の政令への委任)

    第85条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

    附 則(平成14年7月31日法律第100号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)の施行の日から施行する。


    (罰則に関する経過措置)

    第2条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


    (その他の経過措置の政令への委任)

    第3条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

    附 則(平成15年7月16日法律第108号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


    (民事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)

    第2条 この法律による改正後の民事訴訟法の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の民事訴訟法の規定により生じた効力を妨げない。


    (特許権等に関する訴え及び意匠権等に関する訴えに係る訴訟の管轄等に関する経過措置)

    第3条 この法律の施行の際現に係属している特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴え(第4項において「特許権等に関する訴え」という。)及び意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成5年法律第47号)第2条第1項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えに係る訴訟の管轄及び移送については、なお従前の例による。

     この法律の施行の際現に係属している事件については、第1条の規定による改正後の民事訴訟法第269条の2及び第310条の2並びに第2条の規定による改正後の特許法第182条の2(第3条の規定による改正後の実用新案法第47条第2項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

     特許法等の一部を改正する法律附則第2条第9項の規定によりなお従前の例によることとされる同法第1条の規定による改正前の特許法第178条第1項の訴えであって特許異議の申立てについての取消決定又は特許異議申立書の却下の決定に対するものに係る事件については、前項に定める場合を除き、第2条の規定による改正後の特許法第182条の2の規定を適用する。

     この法律の施行前にした申立てに係る保全命令事件であって本案の訴えが特許権等に関する訴えであるものの管轄については、なお従前の例による。


    (少額訴訟に関する経過措置)

    第4条 この法律の施行前に少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述があった事件については、第1条の規定による改正後の民事訴訟法第368条第1項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

    附 則(平成15年7月25日法律第128号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、平成16年4月1日から施行する。

    附 則(平成16年6月2日法律第76号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、破産法(平成16年法律第75号。次条第8項並びに附則第3条第8項、第5条第8項、第16項及び第21項、第8条第3項並びに第13条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。


    (民事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)

    第11条 施行日前にされた破産の申立て又は施行日前に職権でされた破産の宣告に係る破産事件については、第113条の規定による改正後の民事訴訟法第125条の規定にかかわらず、なお従前の例による。


    (罰則の適用等に関する経過措置)

    第12条 施行日前にした行為並びに附則第2条第1項、第3条第1項、第4条、第5条第1項、第9項、第17項、第19項及び第21項並びに第6条第1項及び第3項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


    (政令への委任)

    第14条 附則第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

    附 則(平成16年6月9日法律第88号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。


    (罰則の適用に関する経過措置)

    第135条 この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


    (その他の経過措置の政令への委任)

    第136条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

    附 則(平成16年6月18日法律第120号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、平成17年4月1日から施行する。


    (経過措置の原則)

    第2条 この法律による改正後の裁判所法、民事訴訟法、民事訴訟費用等に関する法律、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法及び著作権法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前のこれらの法律の規定により生じた効力を妨げない。

    附 則(平成16年12月1日法律第147号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

    附 則(平成16年12月3日法律第152号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


    (公示催告手続ニ関スル法律の廃止)

    第2条 公示催告手続ニ関スル法律(明治23年法律第29号)は、廃止する。


    (経過措置の原則)

    第3条 この法律による改正後の民事訴訟法、非訟事件手続法及び民事執行法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前のこれらの法律の規定により生じた効力を妨げない。


    (電磁的記録による管轄の合意等に関する経過措置)

    第4条 第1条の規定による改正後の民事訴訟法(以下「新民事訴訟法」という。)第11条第3項(新民事訴訟法第281条第2項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前にされた管轄裁判所を定める合意及び上告をする権利を留保した控訴をしない旨の合意については、適用しない。


    (電子情報処理組織を用いて取り扱う督促手続の特則に関する経過措置)

    第5条 第1条の規定による改正前の民事訴訟法(以下「旧民事訴訟法」という。)第397条第1項及び第2項の規定によりされた支払督促の申立てについては、なお従前の例による。


    (過料事件に関する経過措置)

    第7条 新民事訴訟法第189条第4項の規定及び第2条の規定による改正後の非訟事件手続法第163条第4項(同法第164条第8項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前に旧民事訴訟法第189条第1項の規定又は第2条の規定による改正前の非訟事件手続法(次項において「旧非訟事件手続法」という。)第208条第1項の規定による過料の裁判の執行があった過料事件(過料についての裁判の手続に係る事件をいう。次項において同じ。)については、適用しない。


    (罰則の適用に関する経過措置)

    第39条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


    (政令への委任)

    第40条 附則第3条から第10条まで、第29条及び前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

    附 則(平成16年12月10日法律第165号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第4条及び第5条の規定は、公布の日から施行する。

    附 則(平成17年5月25日法律第50号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

    附 則(平成17年6月29日法律第75号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

    附 則(平成17年7月26日法律第87号)

    この法律は、会社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

     第242条の規定 この法律の公布の日

    附 則(平成17年10月21日法律第102号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。ただし、第62条中租税特別措置法第84条の5の見出しの改正規定及び同条に一項を加える改正規定、第124条中証券決済制度等の改革による証券市場の整備のための関係法律の整備等に関する法律附則第1条第2号の改正規定及び同法附則第85条を同法附則第86条とし、同法附則第82条から第84条までを一条ずつ繰り下げ、同法附則第81条の次に一条を加える改正規定並びに附則第30条、第31条、第34条、第60条第12項、第66条第1項、第67条及び第93条第2項の規定は、郵政民営化法附則第1条第1号に掲げる規定の施行の日から施行する。


    第1条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。


    (民事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)

    第104条 この法律の施行前に第105条の規定による改正前の民事訴訟法(次項において「旧法」という。)第105条後段の規定による送達のうち郵便の業務に従事する者が郵便局においてしたものは、第105条の規定による改正後の民事訴訟法(同項において「新法」という。)第104条第3項第2号の規定の適用については、郵便事業株式会社の営業所(郵便事業株式会社から当該送達の業務の委託を受けた者の営業所を含む。次項において同じ。)においてした送達とみなす。

     この法律の施行前に郵便の業務に従事する者が郵便局においてした旧法第106条第1項後段の規定による送達は、新法第104条第3項第2号の規定の適用については、郵便の業務に従事する者が郵便事業株式会社の営業所においてした新法第106条第1項後段の規定による送達とみなす。


    (罰則に関する経過措置)

    第117条 この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第9条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第38条の8(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第13条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第70条(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第27条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第8条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第39条第2項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第70条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第42条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第71条及び第72条(第15号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第2条第2項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第104条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

    附 則(平成18年6月21日法律第78号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

    附 則(平成18年12月15日法律第109号)

    この法律は、新信託法の施行の日から施行する。

    附 則(平成19年6月27日法律第95号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。

     第2条の規定 公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日


    (検討等)

    第9条 政府は、この法律の施行後3年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

    附 則(平成23年5月2日法律第36号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


    (経過措置)

    第2条 第1条の規定による改正後の民事訴訟法の規定(第3条の7を除く。)は、この法律の施行の際現に係属している訴訟の日本の裁判所の管轄権及び管轄に関しては、適用しない。

     第1条の規定による改正後の民事訴訟法第3条の7の規定は、この法律の施行前にした特定の国の裁判所に訴えを提起することができる旨の合意については、適用しない。

    附 則(平成24年5月8日法律第30号)
    (施行期日)

    第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第1条の規定(郵政民営化法目次中「/第6章 郵便事業株式会社/ 第1節 設立等(第70条―第72条)/ 第2節 設立に関する郵便事業株式会社法等の特例(第73条・第74条)/ 第3節 移行期間中の業務に関する特例等(第75条―第78条)/第7章 郵便局株式会社/」を「/第6章 削除/第7章 日本郵便株式会社/」に改める改正規定、同法第19条第1項第1号及び第2号、第26条、第61条第1号並びに第6章の改正規定、同法中「第7章 郵便局株式会社」を「第7章 日本郵便株式会社」に改める改正規定、同法第79条第3項第2号及び第83条第1項の改正規定、同法第90条から第93条までの改正規定、同法第105条第1項、同項第2号及び第110条第1項第2号ホの改正規定、同法第110条の次に一条を加える改正規定、同法第135条第1項、同項第2号及び第138条第2項第4号の改正規定、同法第138条の次に一条を加える改正規定、同法第11章に一節を加える改正規定(第176条の5に係る部分に限る。)、同法第180条第1項第1号及び第2号並びに第196条の改正規定(第12号を削る部分を除く。)並びに同法附則第2条第2号の改正規定を除く。)、第2条のうち日本郵政株式会社法附則第2条及び第3条の改正規定、第5条(第2号に係る部分に限る。)の規定、次条の規定、附則第4条、第6条、第10条、第14条及び第18条の規定、附則第38条の規定(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年法律第102号)附則第2条第1項、第49条、第55条及び第79条第2項の改正規定、附則第90条の前の見出しを削り、同条に見出しを付する改正規定並びに附則第91条及び第95条の改正規定を除く。)、附則第40条から第44条までの規定、附則第45条中総務省設置法(平成11年法律第91号)第3条及び第4条第79号の改正規定並びに附則第46条及び第47条の規定は、公布の日から施行する。


    (民事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)

    第35条 この法律の施行前にされた前条の規定による改正前の民事訴訟法第104条第3項第2号に掲げる送達(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律附則第104条の規定により当該送達とみなされた送達を含む。)は、前条の規定による改正後の民事訴訟法第104条第3項の規定の適用については、同項第2号に掲げる送達とみなす。


    (罰則に関する経過措置)

    第46条 この法律(附則第1条ただし書に規定する規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


    (その他の経過措置の政令への委任)

    第47条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。