農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法
第1条 この法律は、農業法人に対する投資の円滑化を図るための特別の措置を講ずることにより、農業法人の自己資本の充実を促進し、その健全な成長発展を図り、もって農業の持続的な発展に寄与することを目的とする。
第2条 この法律において「農業法人」とは、農事組合法人、株式会社又は持分会社(会社法(平成17年法律第86号)第575条第1項に規定する持分会社をいう。)であって、農業を営むものをいう。
2 この法律において「農業法人投資育成事業」とは、次に掲げる事業をいう。
一 農業法人の持分、株式、新株予約権又は新株予約権付社債等(新株予約権付社債及びこれに準ずる社債として農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)の取得及び保有
二 前号の規定によりその持分、株式、新株予約権又は新株予約権付社債等を保有している農業法人に対して経営又は技術の指導を行う事業
3 この法律において「投資事業有限責任組合」とは、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成10年法律第90号)第2条第2項に規定する投資事業有限責任組合をいう。
第3条 農業法人投資育成事業を営もうとする株式会社(農業法人投資育成事業を営む株式会社を設立しようとする者を含む。)又は農業法人投資育成事業を営もうとする投資事業有限責任組合は、農林水産省令で定めるところにより、当該農業法人投資育成事業に関する計画(以下「事業計画」という。)を作成し、これを農林水産大臣に提出して、その事業計画が適当である旨の承認を受けることができる。
2 事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 農業法人投資育成事業を営む株式会社又は投資事業有限責任組合に関する事項
二 持分又は株式の取得の対象とする農業法人の選定の基準、持分又は株式の取得の際の評価の基準、持分又は株式の取得の限度、持分又は株式の保有期間及び持分又は株式の処分の方法
三 新株予約権の取得の対象とする農業法人の選定の基準、新株予約権の内容に関する基準、新株予約権の取得の限度及び新株予約権の行使の時期
四 新株予約権付社債等の取得の対象とする農業法人の選定の基準、新株予約権付社債等の取得の限度及び新株予約権付社債等の償還期限に関する基準並びに新株予約権付社債にあっては、当該社債に付された新株予約権の内容に関する基準及び新株予約権の行使の時期
五 前条第2項第2号に掲げる事業に係る手数料
3 農林水産大臣は、第1項の承認の申請があった場合において、その事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その承認をするものとする。
一 農業法人投資育成事業を営む株式会社又は投資事業有限責任組合が農業法人投資育成事業を適正かつ確実に営むことができると認められる者であること。
二 その事業計画に係る農業法人投資育成事業が農業法人の自己資本の充実を図る上で有効かつ適切なものであること。
三 その事業計画に係る農業法人投資育成事業が農業法人の健全な成長発展に資するものであること。
四 その事業計画が当該農業法人投資育成事業を円滑かつ確実に遂行するために適切なものであること。
第4条 前条第1項の承認を受けた者(その者の設立に係る同項の株式会社を含む。)は、当該承認に係る事業計画を変更しようとするときは、農林水産大臣の承認を受けなければならない。
2 前条第3項の規定は、前項の承認について準用する。
第5条 農林水産大臣は、第3条第1項の承認を受けた株式会社(同項の承認を受けた者の設立に係る同項の株式会社を含む。以下「承認会社」という。)又は同項の承認を受けた投資事業有限責任組合(以下「承認組合」という。)の無限責任組合員に対し、農業法人投資育成事業の実施状況について報告を求めることができる。
第6条 農林水産大臣は、承認会社又は承認組合が第3条第1項の承認に係る事業計画(第4条第1項の規定による変更の承認があったときは、その変更後のもの。以下「承認事業計画」という。)に従って農業法人投資育成事業を営んでいないと認めるときは、当該承認会社又は当該承認組合の無限責任組合員に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第7条 農林水産大臣は、承認会社又は承認組合の無限責任組合員が前条の規定による命令に違反したときは、第3条第1項の承認を取り消すことができる。
第8条 株式会社日本政策金融公庫は、株式会社日本政策金融公庫法(平成19年法律第57号)第11条に規定する業務のほか、農業法人に対する民間の投資を補完するため、承認会社又は承認組合が承認事業計画に従って農業法人投資育成事業を営むのに必要な資金の出資の業務を行うことができる。
2 前項に規定する資金の出資は、当該出資に係る農業法人投資育成事業からの配当の支払を可能とする利益の発生が確実であると認められる場合に限り、農林水産大臣及び財務大臣の認可を受けて行うことができるものとする。
3 第1項の規定により株式会社日本政策金融公庫が行う同項に規定する資金の出資についての株式会社日本政策金融公庫法第11条第1項第6号、第12条第1項、第31条第2項第1号ロ、第41条第2号、第58条、第59条第1項、第64条第1項第4号及び第73条第3号の規定の適用については、同法第11条第1項第6号中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及び農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法(以下「特別措置法」という。)第8条第1項に規定する業務」と、同法第12条第1項中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及び特別措置法第8条第1項に規定する業務」と、同法第31条第2項第1号ロ、第41条第2号及び第64条第1項第4号中「同項第5号」とあるのは「特別措置法第8条第1項に規定する業務並びに第11条第1項第5号」と、同法第58条及び第59条第1項中「この法律」とあるのは「この法律、特別措置法」と、同法第73条第3号中「第11条」とあるのは「第11条及び特別措置法第8条第1項」とする。
第9条 承認会社が承認事業計画に従って農業法人投資育成事業を営む場合における当該承認会社についての農業協同組合法(昭和22年法律第132号)第72条の13第1項の規定の適用については、同項中「次に掲げる者」とあるのは、「次に掲げる者及び当該農事組合法人に農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法(平成14年法律第52号)第6条に規定する承認事業計画に従つて同法第2条第2項に規定する農業法人投資育成事業に係る投資を行つた同法第5条に規定する承認会社」とする。
第10条 承認会社であって、地方公共団体、農業協同組合、農業協同組合連合会、農林中央金庫又は株式会社日本政策金融公庫がその総株主の議決権の過半数を有しているものが、承認事業計画に従って農業法人投資育成事業を営む場合における当該承認会社についての農地法(昭和27年法律第229号)第2条第3項第2号の規定の適用については、同号中「次に掲げる者に該当する株主」とあるのは「次に掲げる者又はその法人に承認事業計画(農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法(平成14年法律第52号)第6条に規定する承認事業計画をいう。)に従つて農業法人投資育成事業(同法第2条第2項に規定する農業法人投資育成事業をいう。)に係る投資を行つた承認会社(同法第5条に規定する承認会社をいう。)に該当する株主」と、「次に掲げる者に該当する社員」とあるのは「次に掲げる者又は当該承認会社に該当する社員」とする。
第11条 第5条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、30万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
この法律は、会社法の施行の日から施行する。
第1条 この法律は、平成20年10月1日から施行する。
第8条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第9条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第5条第1項及び第47条並びに附則第22条から第51条までの規定は、平成24年4月1日から施行する。
第50条
2 前項に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
第51条 附則第1条ただし書に規定する規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第1条 この法律は、公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第11条の規定 公布の日
二 第3条及び附則第7条の規定 公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日
第7条 附則第1条第2号に掲げる規定の施行前に第3条の規定による改正前の農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法(以下この条において「旧投資円滑化法」という。)第3条第1項の規定により承認を受けた事業計画(旧投資円滑化法第4条第1項の規定による変更の承認があったときは、その変更後のもの)又は同号に掲げる規定の施行の際現に旧投資円滑化法第3条第1項若しくは第4条第1項の規定によりされている承認の申請は、それぞれ第3条の規定による改正後の農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法第3条第1項の規定により承認を受けた事業計画又は同項若しくは同法第4条第1項の規定によりされている承認の申請とみなす。
第10条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第11条 附則第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第12条 政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、これらの法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第1条 この法律は、平成28年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第28条、第29条第1項及び第3項、第30条から第40条まで、第47条(都道府県農業会議及び全国農業会議所の役員に係る部分に限る。)、第50条、第109条並びに第115条の規定 公布の日(以下「公布日」という。)
第114条 この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第115条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。