電子記録債権法
第1章 総則
第1条 この法律は、電子記録債権の発生、譲渡等について定めるとともに、電子記録債権に係る電子記録を行う電子債権記録機関の業務、監督等について必要な事項を定めるものとする。
第2条 この法律において「電子記録債権」とは、その発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録(以下単に「電子記録」という。)を要件とする金銭債権をいう。
2 この法律において「電子債権記録機関」とは、第51条第1項の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう。
3 この法律において「記録原簿」とは、債権記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物として主務省令で定めるものを含む。)をもって電子債権記録機関が調製するものをいう。
4 この法律において「債権記録」とは、発生記録により発生する電子記録債権、電子記録債権から第43条第1項に規定する分割をする電子記録債権又は第47条の2第1項に規定する電子債権記録機関の変更をする電子記録債権ごとに作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。
5 この法律において「記録事項」とは、この法律の規定に基づき債権記録に記録すべき事項をいう。
6 この法律において「電子記録名義人」とは、債権記録に電子記録債権の債権者又は質権者として記録されている者をいう。
7 この法律において「電子記録権利者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。
8 この法律において「電子記録義務者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に不利益を受ける者をいい、間接に不利益を受ける者を除く。
9 この法律において「電子記録保証」とは、電子記録債権に係る債務を主たる債務とする保証であって、保証記録をしたものをいう。
第2章 電子記録債権の発生、譲渡等
第1節 通則
第1款 電子記録
第3条 電子記録は、電子債権記録機関が記録原簿に記録事項を記録することによって行う。
第4条 電子記録は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の請求又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。
2 請求による電子記録の手続に関するこの法律の規定は、法令に別段の定めがある場合を除き、官庁又は公署の嘱託による電子記録の手続について準用する。
第5条 電子記録の請求は、法令に別段の定めがある場合を除き、電子記録権利者及び電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。第3項において同じ。)双方がしなければならない。
2 電子記録権利者又は電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。以下この項において同じ。)に電子記録の請求をすべきことを命ずる確定判決による電子記録は、当該請求をしなければならない他の電子記録権利者又は電子記録義務者だけで請求することができる。
3 電子記録権利者及び電子記録義務者が電子記録の請求を共同してしない場合における電子記録の請求は、これらの者のすべてが電子記録の請求をした時に、その効力を生ずる。
第6条 電子記録の請求は、請求者の氏名又は名称及び住所その他の電子記録の請求に必要な情報として政令で定めるものを電子債権記録機関に提供してしなければならない。
第7条 電子債権記録機関は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定による電子記録の請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る電子記録をしなければならない。
2 電子債権記録機関は、第51条第1項第5号に規定する業務規程(以下この章において単に「業務規程」という。)の定めるところにより、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をすることができる。この場合において、電子債権記録機関が第16条第2項第15号に掲げる事項を債権記録に記録していないときは、何人も、当該業務規程の定めの効力を主張することができない。
第8条 電子債権記録機関は、同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録の請求があったときは、当該請求の順序に従って電子記録をしなければならない。
2 同一の電子記録債権に関し同時に二以上の電子記録が請求された場合において、請求に係る電子記録の内容が相互に矛盾するときは、前条第1項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、いずれの請求に基づく電子記録もしてはならない。
3 同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録が請求された場合において、その前後が明らかでないときは、これらの請求は、同時にされたものとみなす。
第9条 電子記録債権の内容は、債権記録(記録機関変更記録がされているときは、第47条の2第2項に規定する変更後債権記録とし、当該変更後債権記録が複数あるときは、記録機関変更記録の年月日が直近のものとする。)の記録により定まるものとする。
2 電子記録名義人は、電子記録に係る電子記録債権についての権利を適法に有するものと推定する。
第10条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合には、電子記録の訂正をしなければならない。ただし、電子記録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。
一 電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報の内容と異なる内容の記録がされている場合
二 請求がなければすることができない電子記録が、請求がないのにされている場合
三 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、記録すべき内容と異なる内容の記録がされている場合
四 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、その記録がされていない場合(一の電子記録の記録事項の全部が記録されていないときを除く。)
2 電子債権記録機関は、第86条各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までに電子記録が消去されたときは、当該電子記録の回復をしなければならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3 電子債権記録機関は、前二項の規定により電子記録の訂正又は回復をするときは、当該訂正又は回復後の電子記録の内容と矛盾する電子記録について、電子記録の訂正をしなければならない。
4 電子債権記録機関が第1項又は第2項の規定により電子記録の訂正又は回復をしたときは、その内容を電子記録権利者及び電子記録義務者(電子記録権利者及び電子記録義務者がない場合にあっては、電子記録名義人)に通知しなければならない。
5 前項の規定による通知は、民法(明治29年法律第89号)第423条その他の法令の規定により他人に代わって電子記録の請求をした者にもしなければならない。ただし、その者が2人以上あるときは、その1人に対し通知すれば足りる。
第11条 電子債権記録機関は、前条第1項各号に掲げる場合又は同条第2項に規定するときは、これらの規定に規定する事由によって当該電子記録の請求をした者その他の第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
第2款 電子記録債権に係る意思表示等
第12条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第95条第1項又は第96条第1項若しくは第2項の規定による取消しは、善意でかつ重大な過失がない第三者(同条第1項の規定による強迫による意思表示の取消しにあっては、取消し後の第三者に限る。)に対抗することができない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 前項に規定する第三者が、支払期日以後に電子記録債権の譲渡、質入れ、差押え、仮差押え又は破産手続開始の決定(分割払の方法により支払う電子記録債権の場合には、到来した支払期日に係る部分についてのものに限る。)があった場合におけるその譲受人、質権者、差押債権者、仮差押債権者又は破産管財人であるとき。
二 前項の意思表示の取消しを対抗しようとする者が個人(当該電子記録において個人事業者(消費者契約法(平成12年法律第61号)第2条第2項に規定する事業者である個人をいう。以下同じ。)である旨の記録がされている者を除く。)である場合
第13条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第117条第2項第2号の規定の適用については、同号中「過失」とあるのは、「重大な過失」とする。
第14条 電子債権記録機関は、次に掲げる者の請求により電子記録をした場合には、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
一 代理権を有しない者
二 他人になりすました者
第2節 発生
第15条 電子記録債権(保証記録に係るもの及び電子記録保証をした者(以下「電子記録保証人」という。)が第35条第1項(同条第2項及び第3項において準用する場合を含む。)の規定により取得する電子記録債権(以下「特別求償権」という。)を除く。次条において同じ。)は、発生記録をすることによって生ずる。
第16条 発生記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 債務者が一定の金額を支払う旨
二 支払期日(確定日に限るものとし、分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日とする。)
三 債権者の氏名又は名称及び住所
四 債権者が2人以上ある場合において、その債権が不可分債権又は連帯債権であるときはその旨、可分債権であるときは債権者ごとの債権の金額
五 債務者の氏名又は名称及び住所
六 債務者が2人以上ある場合において、その債務が不可分債務又は連帯債務であるときはその旨、可分債務であるときは債務者ごとの債務の金額
七 記録番号(発生記録、分割記録又は記録機関変更記録をする際に一の債権記録ごとに付す番号をいう。以下同じ。)
八 電子記録の年月日
2 発生記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。
一 第62条第1項に規定する口座間送金決済に関する契約に係る支払をするときは、その旨並びに債務者の預金又は貯金の口座(以下「債務者口座」という。)及び債権者の預金又は貯金の口座(以下「債権者口座」という。)
二 第64条に規定する契約に係る支払をするときは、その旨
三 前二号に規定するもののほか、支払方法についての定めをするときは、その定め(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日ごとに支払うべき金額を含む。)
四 利息、遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め
五 期限の利益の喪失についての定めをするときは、その定め
六 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め
七 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め
八 第19条第1項(第38条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め
九 債権者又は債務者が個人事業者であるときは、その旨
十 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、第20条第1項(第38条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め
十一 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、債務者が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め
十二 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をすることができないこととし、又はこれらの電子記録について回数の制限その他の制限をする旨の定めをするときは、その定め
十三 債権者と債務者との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め
十四 債権者と債務者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め
十五 電子債権記録機関が第7条第2項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしたときは、その定め
十六 前各号に掲げるもののほか、電子記録債権の内容となるものとして政令で定める事項
3 第1項第1号から第6号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録債権は、発生しない。
4 消費者契約法第2条第1項に規定する消費者(以下単に「消費者」という。)についてされた第2項第9号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。
5 第1項及び第2項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、業務規程の定めるところにより、第1項第2号(分割払の方法により債務を支払う場合における各支払期日の部分に限る。)及び第2項各号(第1号、第2号及び第9号を除く。)に掲げる事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限することができる。
第3節 譲渡
第17条 電子記録債権の譲渡は、譲渡記録をしなければ、その効力を生じない。
第18条 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 電子記録債権の譲渡をする旨
二 譲渡人が電子記録義務者の相続人であるときは、譲渡人の氏名及び住所
三 譲受人の氏名又は名称及び住所
四 電子記録の年月日
2 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。
一 発生記録(当該発生記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。以下同じ。)において債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、譲渡記録に当たり譲受人が譲受人の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。)
二 譲渡人が個人事業者であるときは、その旨
三 譲渡人と譲受人(譲渡記録後に譲受人として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め
四 譲渡人と譲受人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め
五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項
3 消費者についてされた前項第2号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。
4 電子債権記録機関は、発生記録において第16条第2項第12号又は第15号に掲げる事項(譲渡記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する譲渡記録をしてはならない。
第19条 譲渡記録の請求により電子記録債権の譲受人として記録された者は、当該電子記録債権を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 第16条第2項第8号に掲げる事項が記録されている場合
二 前項に規定する者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合
三 個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である電子記録債権の譲渡人がした譲渡記録の請求における譲受人に対する意思表示が効力を有しない場合において、前項に規定する者が当該譲渡記録後にされた譲渡記録の請求により記録されたものであるとき。
第20条 発生記録における債務者又は電子記録保証人(以下「電子記録債務者」という。)は、電子記録債権の債権者に当該電子記録債権を譲渡した者に対する人的関係に基づく抗弁をもって当該債権者に対抗することができない。ただし、当該債権者が、当該電子記録債務者を害することを知って当該電子記録債権を取得したときは、この限りでない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 第16条第2項第10号又は第32条第2項第6号に掲げる事項が記録されている場合
二 前項の債権者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合
三 前項の電子記録債務者が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合
第4節 消滅
第21条 電子記録名義人に対してした電子記録債権についての支払は、当該電子記録名義人がその支払を受ける権利を有しない場合であっても、その効力を有する。ただし、その支払をした者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
第22条 電子記録債務者(その相続人その他の一般承継人を含む。以下この項において同じ。)が電子記録債権を取得した場合には、民法第520条本文の規定にかかわらず、当該電子記録債権は消滅しない。ただし、当該電子記録債務者又は当該電子記録債務者の承諾を得た他の電子記録債務者の請求により、当該電子記録債権の取得に伴う混同を原因とする支払等記録がされたときは、この限りでない。
2 次の各号に掲げる者は、電子記録債権を取得しても、当該各号に定める者に対して電子記録保証によって生じた債務(以下「電子記録保証債務」という。)の履行を請求することができない。
一 発生記録における債務者 電子記録保証人
二 電子記録保証人 他の電子記録保証人(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をしたとするならば、この号に掲げる電子記録保証人に対して特別求償権を行使することができるものに限る。)
第23条 電子記録債権は、これを行使することができる時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。
第24条 支払等記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 支払、相殺その他の債務の全部若しくは一部を消滅させる行為又は混同(以下「支払等」という。)により消滅し、又は消滅することとなる電子記録名義人に対する債務を特定するために必要な事項
二 支払等をした金額その他の当該支払等の内容(利息、遅延損害金、違約金又は費用が生じている場合にあっては、消滅した元本の額を含む。)
三 支払等があった日
四 支払等をした者(支払等が相殺による債務の消滅である場合にあっては、電子記録名義人が当該相殺によって免れた債務の債権者。以下同じ。)の氏名又は名称及び住所
五 支払等をした者が当該支払等をするについて民法第500条の正当な利益を有する者であるときは、その事由
六 電子記録の年月日
七 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項
第25条 支払等記録は、次に掲げる者だけで請求することができる。
一 当該支払等記録についての電子記録義務者
二 前号に掲げる者の相続人その他の一般承継人
三 次に掲げる者であって、前二号に掲げる者全員の承諾を得たもの
イ 電子記録債務者
ロ 支払等をした者(前二号及びイに掲げる者を除く。)
ハ イ又はロに掲げる者の相続人その他の一般承継人
2 電子記録債権又はこれを目的とする質権の被担保債権(次項において「電子記録債権等」という。)について支払等がされた場合には、前項第3号イからハまでに掲げる者は、同項第1号又は第2号に掲げる者に対し、同項第3号の承諾をすることを請求することができる。
3 電子記録債権等について支払をする者は、第1項第1号又は第2号に掲げる者に対し、当該支払をするのと引換えに、同項第3号の承諾をすることを請求することができる。
4 根質権の担保すべき債権についての支払等をしたことによる支払等記録の請求は、当該支払等が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。
第5節 記録事項の変更
第26条 電子記録債権又はこれを目的とする質権の内容の意思表示による変更は、この法律に別段の定めがある場合を除き、変更記録をしなければ、その効力を生じない。
第27条 変更記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 変更する記録事項
二 前号の記録事項を変更する旨及びその原因
三 第1号の記録事項についての変更後の内容(当該記録事項を記録しないこととする場合にあっては、当該記録事項を削除する旨)
四 電子記録の年月日
第28条 債権記録に支払等をした者として記録されている者であって当該支払等により電子記録債権の債権者に代位したものがした求償権(特別求償権を除く。)の譲渡に伴い当該電子記録債権が移転した場合における変更記録は、その者の氏名又は名称及び住所を当該求償権の譲受人の氏名又は名称及び住所に変更する記録をすることによって行う。
第29条 変更記録の請求は、当該変更記録につき電子記録上の利害関係を有する者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)の全員がしなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、相続又は法人の合併による電子記録名義人又は電子記録債務者の変更を内容とする変更記録は、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人だけで請求することができる。ただし、相続人が2人以上ある場合には、その全員が当該変更記録を請求しなければならない。
3 第5条第2項及び第3項の規定は、第1項及び前項ただし書の場合について準用する。
4 第1項の規定にかかわらず、電子記録名義人又は電子記録債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更記録は、その者が単独で請求することができる。他の者の権利義務に影響を及ぼさないことが明らかな変更記録であって業務規程の定めるものについても、同様とする。
第30条 変更記録がその請求の無効、取消しその他の事由により効力を有しない場合には、当該変更記録前に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録前の債権記録の内容に従って責任を負う。ただし、当該変更記録の請求における相手方に対する意思表示を適法にした者の間においては、当該意思表示をした電子記録債務者は、当該変更記録以後の債権記録の内容に従って責任を負う。
2 前項本文に規定する場合には、当該変更記録後に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録後の債権記録の内容に従って責任を負う。
第6節 電子記録保証
第31条 電子記録保証に係る電子記録債権は、保証記録をすることによって生ずる。
第32条 保証記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 保証をする旨
二 保証人の氏名又は名称及び住所
三 主たる債務者の氏名又は名称及び住所その他主たる債務を特定するために必要な事項
四 電子記録の年月日
2 保証記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。
一 保証の範囲を限定する旨の定めをするときは、その定め
二 遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め
三 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め
四 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め
五 保証人が個人事業者であるときは、その旨
六 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、保証記録をした時の債権者に対抗することができる事由について第20条第1項(第38条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め
七 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、保証人が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め
八 債権者と保証人との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め
九 債権者と保証人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め
十 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項
3 第1項第1号から第3号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録保証に係る電子記録債権は、発生しない。
4 消費者についてされた第2項第5号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。
5 電子債権記録機関は、発生記録において第16条第2項第12号又は第15号に掲げる事項(保証記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する保証記録をしてはならない。
第33条 電子記録保証債務は、その主たる債務者として記録されている者がその主たる債務を負担しない場合(第16条第1項第1号から第6号まで又は前条第1項第1号から第3号までに掲げる事項の記録が欠けている場合を除く。)においても、その効力を妨げられない。
2 前項の規定は、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、適用しない。
第34条 民法第452条、第453条及び第456条から第458条まで並びに商法(明治32年法律第48号)第511条第2項の規定は、電子記録保証については、適用しない。
2 前項の規定にかかわらず、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、当該電子記録保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。
3 第1項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、当該電子記録保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
第35条 発生記録によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えん(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をいう。以下この条において同じ。)をした場合において、その旨の支払等記録がされたときは、民法第459条、第459条の2、第462条、第463条及び第465条の規定にかかわらず、当該電子記録保証人は、次に掲げる者に対し、出えんにより共同の免責を得た額、出えんをした日以後の遅延損害金の額及び避けることができなかった費用の額の合計額について電子記録債権を取得する。ただし、第3号に掲げる者に対しては、自己の負担部分を超えて出えんをした額のうち同号に掲げる者の負担部分の額に限る。
一 主たる債務者
二 当該出えんをした者が電子記録保証人となる前に当該者を債権者として当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする電子記録保証をしていた他の電子記録保証人
三 当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする他の電子記録保証人(前号に掲げる者及び電子記録保証人となる前に当該出えんをした者の電子記録保証に係る債権者であったものを除く。)
2 前項の規定は、同項の規定によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。
3 第1項の規定は、電子記録保証債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。この場合において、同項中「次に掲げる者」とあるのは、「次に掲げる者及びその出えんを主たる債務者として記録されている電子記録保証人がしたとするならば、次に掲げる者に該当することとなるもの」と読み替えるものとする。
第7節 質権
第36条 電子記録債権を目的とする質権の設定は、質権設定記録をしなければ、その効力を生じない。
2 民法第362条第2項の規定は、前項の質権については、適用しない。
3 民法第296条から第300条まで、第304条、第342条、第343条、第346条、第348条、第349条、第351条、第373条、第374条、第378条、第390条、第391条、第398条の2から第398条の10まで、第398条の19、第398条の20(第1項第3号を除く。)及び第398条の22の規定は、第1項の質権について準用する。
第37条 質権設定記録(根質権の質権設定記録を除く。次項において同じ。)においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 質権を設定する旨
二 質権者の氏名又は名称及び住所
三 被担保債権の債務者の氏名又は名称及び住所、被担保債権の額(一定の金額を目的としない債権については、その価額。以下同じ。)その他被担保債権を特定するために必要な事項
四 一の債権記録における質権設定記録及び転質の電子記録がされた順序を示す番号(以下「質権番号」という。)
五 電子記録の年月日
2 質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。
一 被担保債権につき利息、遅延損害金又は違約金についての定めがあるときは、その定め
二 被担保債権に付した条件があるときは、その条件
三 前条第3項において準用する民法第346条ただし書の別段の定めをするときは、その定め
四 質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め
五 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、質権設定記録に当たり質権者が質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。)
六 質権設定者と質権者(質権設定記録後に当該質権についての質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め
七 質権設定者と質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め
八 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項
3 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 根質権を設定する旨
二 根質権者の氏名又は名称及び住所
三 担保すべき債権の債務者の氏名又は名称及び住所
四 担保すべき債権の範囲及び極度額
五 質権番号
六 電子記録の年月日
4 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。
一 担保すべき元本の確定すべき期日の定めをするときは、その定め
二 根質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め
三 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、根質権の質権設定記録に当たり根質権者が根質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。)
四 根質権設定者と根質権者(根質権の質権設定記録後に当該根質権についての根質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め
五 根質権設定者と根質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め
六 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項
5 電子債権記録機関は、発生記録において第16条第2項第12号又は第15号に掲げる事項(質権設定記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する質権設定記録をしてはならない。
第38条 第19条及び第20条の規定は、質権設定記録について準用する。この場合において、第19条第1項中「譲受人」とあるのは「質権者」と、「当該電子記録債権」とあるのは「その質権」と、同条第2項第2号中「譲受人」とあるのは「質権者」と、同項第3号中「された譲渡記録」とあるのは「された質権設定記録」と、第20条第1項中「債権者に当該電子記録債権を譲渡した」とあるのは「質権者にその質権を設定した」と、「当該債権者に」とあるのは「当該質権者に」と、同項ただし書中「当該債権者が」とあるのは「当該質権者が」と、「当該電子記録債権を取得した」とあるのは「当該質権を取得した」と、同条第2項第2号中「債権者」とあり、及び「譲受人」とあるのは「質権者」と読み替えるものとする。
第39条 第36条第3項において準用する民法第374条第1項の規定による質権の順位の変更の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 質権の順位を変更する旨
二 順位を変更する質権の質権番号
三 変更後の質権の順位
四 電子記録の年月日
2 前項の電子記録の請求は、順位を変更する質権の電子記録名義人の全員がしなければならない。この場合においては、第5条第2項及び第3項の規定を準用する。
第40条 第36条第3項において準用する民法第348条の規定による転質は、転質の電子記録をしなければ、その効力を生じない。
2 第37条第1項から第4項までの規定は、転質の電子記録について準用する。
3 転質の電子記録においては、転質の目的である質権の質権番号をも記録しなければならない。
4 質権者が二以上の者のために転質をしたときは、その転質の順位は、転質の電子記録の前後による。
第41条 被担保債権の一部について譲渡がされた場合における質権又は転質の移転による変更記録においては、第27条各号に掲げる事項のほか、当該譲渡の目的である被担保債権の額をも記録しなければならない。
2 根質権の担保すべき債権の譲渡がされた場合における根質権の移転による変更記録の請求は、当該譲渡が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。
第42条 根質権の担保すべき元本(以下この条において単に「元本」という。)の確定の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 元本が確定した旨
二 元本が確定した根質権の質権番号
三 元本の確定の年月日
四 電子記録の年月日
2 第36条第3項において準用する民法第398条の19第2項又は第398条の20第1項第4号の規定により元本が確定した場合の電子記録は、当該根質権の電子記録名義人だけで請求することができる。ただし、同号の規定により元本が確定した場合における請求は、当該根質権又はこれを目的とする権利の取得の電子記録の請求と併せてしなければならない。
第8節 分割
第43条 電子記録債権は、分割(債権者又は債務者として記録されている者が2人以上ある場合において、特定の債権者又は債務者について分離をすることを含む。)をすることができる。
2 電子記録債権の分割は、次条から第47条までの規定により、分割をする電子記録債権が記録されている債権記録(以下「原債権記録」という。)及び新たに作成する債権記録(以下「分割債権記録」という。)に分割記録をすると同時に原債権記録に記録されている事項の一部を分割債権記録に記録することによって行う。
3 分割記録の請求は、分割債権記録に債権者として記録される者だけですることができる。
第44条 分割記録においては、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 原債権記録から分割をした旨
二 原債権記録及び分割債権記録の記録番号
三 発生記録における債務者であって分割債権記録に記録されるものが一定の金額を支払う旨
四 債権者の氏名又は名称及び住所
五 電子記録の年月日
2 分割記録においては、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 分割をした旨
二 分割債権記録の記録番号
三 電子記録の年月日
3 電子債権記録機関は、発生記録において第16条第2項第12号又は第15号に掲げる事項(分割記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する分割記録をしてはならない。
第45条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 分割債権記録に記録される電子記録債権についての原債権記録中の現に効力を有する電子記録において記録されている事項(次に掲げるものを除く。)
イ 債務者が一定の金額を支払う旨
ロ 当該電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものである場合における各支払期日及び当該支払期日ごとに支払うべき金額
ハ 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録又は記録機関変更記録をすることができる回数(以下「記録可能回数」という。)が記録されている場合におけるその記録可能回数
ニ 原債権記録の記録番号
ホ 原債権記録に分割記録がされている場合における当該分割記録において記録されている事項(イに掲げるものを除く。)
二 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、当該電子記録債権の支払期日(原債権記録に支払期日として記録されているものに限る。)
三 前号に規定する場合において、分割債権記録に記録される電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額(原債権記録に記録されている対応する各支払期日ごとに支払うべき金額の範囲内のものに限る。)
四 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)のうち、分割債権記録における記録可能回数
2 電子債権記録機関は、分割債権記録に前項第1号に掲げる事項を記録したときは当該事項を原債権記録から転写した旨及びその年月日を、同項第2号から第4号までに掲げる事項を記録したときはその記録の年月日を当該分割債権記録に記録しなければならない。
第46条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 分割債権記録に記録される電子記録債権について原債権記録に記録されている事項のうち、前条第1項第1号イからハまでに掲げる事項の記録を削除する旨
二 発生記録における債務者が分割記録の直前に原債権記録に記録されていた第16条第1項第1号(当該原債権記録が他の分割における分割債権記録である場合にあっては、第44条第1項第3号)に規定する一定の金額から分割債権記録に記録される第44条第1項第3号に規定する一定の金額を控除して得た金額を支払う旨
三 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる支払期日
四 前号に規定する場合において、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額
五 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)から分割債権記録における記録可能回数を控除した残りの記録可能回数
2 電子債権記録機関は、原債権記録に前項各号に掲げる事項を記録したときは、その記録の年月日を当該原債権記録に記録しなければならない。
第47条 第43条第3項及び前三条の規定にかかわらず、次に掲げる場合における分割記録の請求、分割記録の記録事項並びに分割記録に伴う分割債権記録及び原債権記録への記録について必要な事項は、これらの規定の例に準じて主務省令で定める。
一 原債権記録に債権者ごとの債権の金額又は債務者ごとの債務の金額が記録されている場合
二 原債権記録に第32条第2項第1号に掲げる事項が記録された保証記録がされている場合
三 原債権記録に特別求償権が記録されている場合
四 前三号に掲げるもののほか、主務省令で定める場合
第9節 電子債権記録機関の変更
第47条の2 電子記録債権は、その電子記録を行う電子債権記録機関の変更(以下単に「電子債権記録機関の変更」という。)をすることができる。
2 電子債権記録機関の変更は、次条から第47条の5までの規定により、電子債権記録機関の変更をしようとする電子記録債権についての債権記録(以下「変更前債権記録」という。)を記録原簿に記録している電子債権記録機関(以下「変更前電子債権記録機関」という。)から変更前債権記録の記録事項を引き継ぐ電子債権記録機関(以下「変更後電子債権記録機関」という。)がその記録原簿に新たに作成し、変更前債権記録の記録事項を記録する債権記録(以下「変更後債権記録」という。)に記録機関変更記録をすることによって行う。
第47条の3 記録機関変更記録の請求は、変更前債権記録に電子記録債権の債権者として記録されている者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)であって、当該電子記録債権の債務者全員の承諾を得たものがすることができる。
2 記録機関変更記録の請求は、次に掲げる場合には、することができない。
一 変更前債権記録に質権設定記録がされている場合
二 変更後電子債権記録機関が第7条第2項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしている場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。
三 変更後電子債権記録機関が第16条第5項の規定により同項に規定する事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限している場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。
3 記録機関変更記録の請求についての第6条の規定の適用については、同条中「電子債権記録機関」とあるのは、「第47条の2第2項に規定する変更前電子債権記録機関」とする。
4 変更前電子債権記録機関は、記録機関変更記録の請求があったときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 記録機関変更記録の請求があった旨
二 変更後電子債権記録機関の名称及び住所
三 電子記録の年月日
5 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による記録をしたときは、遅滞なく、変更後電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 変更前電子債権記録機関の名称及び住所
二 変更前債権記録の記録事項
三 前二号に掲げるもののほか、変更前債権記録の記録事項の引継ぎに必要な事項として政令で定めるもの
第47条の4 第7条第1項の規定にかかわらず、変更前電子債権記録機関は、前条第4項の規定による記録をしたときは、変更前債権記録に電子記録(次条第4項の規定による記録を除く。)をしてはならない。
第47条の5 変更後電子債権記録機関は、第47条の3第5項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、記録機関変更記録をしなければならない。
2 記録機関変更記録においては、変更後債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。この場合において、変更後電子債権記録機関は、変更後債権記録に第16条第2項第15号に掲げる事項を記録することができる。
一 電子債権記録機関の変更をした旨
二 変更後債権記録の記録番号
三 第47条の3第5項第1号及び第2号に掲げる事項(記録機関変更記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)
四 電子記録の年月日
3 変更後電子債権記録機関は、記録機関変更記録をしたときは、遅滞なく、変更前電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 変更後電子債権記録機関の名称及び住所
二 前項の規定による記録をした旨
三 前項第2号に掲げる事項
4 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 前項第2号及び第3号に掲げる事項
二 電子記録の年月日
第10節 雑則
第48条 電子記録債権又はこれを目的とする質権(以下この項において「電子記録債権等」という。)については、信託の電子記録をしなければ、電子記録債権等が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。
2 この法律に定めるもののほか、信託の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。
第49条 電子債権記録機関は、電子記録債権に関する強制執行、滞納処分その他の処分の制限がされた場合において、これらの処分の制限に係る書類の送達を受けたときは、遅滞なく、強制執行等の電子記録をしなければならない。
2 強制執行等の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。
3 電子記録債権に関する強制執行、仮差押え及び仮処分、競売並びに没収保全の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第50条 この法律に定めるもののほか、電子記録債権の電子記録の手続その他電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。
第3章 電子債権記録機関
第1節 通則
第51条 主務大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、第56条に規定する業務(以下「電子債権記録業」という。)を営む者として、指定することができる。
一 次に掲げる機関を置く株式会社であること。
イ 取締役会
ロ 監査役会、監査等委員会又は指名委員会等(会社法(平成17年法律第86号)第2条第12号に規定する指名委員会等をいう。)
ハ 会計監査人
二 第75条第1項の規定によりこの項の指定を取り消された日から5年を経過しない者でないこと。
三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者でないこと。
四 取締役、会計参与、監査役又は執行役のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 心身の故障のため電子債権記録業に係る職務を適正に執行することができない者として主務省令で定める者
ロ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
ニ 第75条第1項の規定によりこの項の指定を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けているこの項の指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前30日以内にその会社の取締役、会計参与、監査役又は執行役(外国会社における外国の法令上これらに相当する者を含む。ホにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から5年を経過しない者
ホ 第75条第1項の規定又はこの法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役、会計参与、監査役又は執行役でその処分を受けた日から5年を経過しない者
ヘ この法律、会社法若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条若しくは第247条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第46条から第49条まで、第50条(第1号に係る部分に限る。)若しくは第51条の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
五 定款及び電子債権記録業の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が、法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより電子債権記録業を適正かつ確実に遂行するために十分であると認められること。
六 電子債権記録業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、電子債権記録業に係る収支の見込みが良好であると認められること。
七 その人的構成に照らして、電子債権記録業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すると認められること。
2 主務大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した電子債権記録機関の商号及び本店の所在地を官報で公示しなければならない。
第52条 前条第1項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 商号
二 資本金の額及び純資産額
三 本店その他の営業所の名称及び所在地
四 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役)の氏名
五 会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称
2 指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 前条第1項第3号及び第4号に掲げる要件に該当する旨を誓約する書面
二 定款
三 会社の登記事項証明書
四 業務規程
五 貸借対照表及び損益計算書
六 収支の見込みを記載した書類
七 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める書類
3 前項の場合において、定款、貸借対照表又は損益計算書が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。)を添付することができる。
第53条 電子債権記録機関の資本金の額は、政令で定める金額以上でなければならない。
2 前項の政令で定める金額は、5億円を下回ってはならない。
3 電子債権記録機関の純資産額は、第1項の政令で定める金額以上でなければならない。
第54条 会社法第331条第2項ただし書(同法第335条第1項において準用する場合を含む。)、第332条第2項(同法第334条第1項において準用する場合を含む。)、第336条第2項及び第402条第5項ただし書の規定は、電子債権記録機関については、適用しない。
第55条 電子債権記録機関の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役、執行役若しくは職員又はこれらの職にあった者は、電子債権記録業に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
第2節 業務
第56条 電子債権記録機関は、この法律及び業務規程の定めるところにより、電子記録債権に係る電子記録に関する業務を行うものとする。
第57条 電子債権記録機関は、電子債権記録業及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。
第58条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、電子債権記録業の一部を、主務大臣の承認を受けて、銀行等(銀行(銀行法(昭和56年法律第59号)第2条第1項に規定する銀行をいう。)、協同組織金融機関(協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成5年法律第44号)第2条第1項に規定する協同組織金融機関をいう。)その他の政令で定める金融機関をいう。以下同じ。)その他の者に委託することができる。
2 銀行等は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該委託に係る業務を行うことができる。
第59条 電子債権記録機関は、業務規程において、電子記録の実施の方法、第62条第1項に規定する口座間送金決済に関する契約又は第64条に規定する契約に係る事項その他の主務省令で定める事項を定めなければならない。
第60条 電子債権記録機関は、当該電子債権記録機関を利用する者の保護に欠けることのないように業務を営まなければならない。
第61条 電子債権記録機関は、特定の者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。
第3節 口座間送金決済等に係る措置
第62条 電子債権記録機関は、債務者及び銀行等と口座間送金決済に関する契約を締結することができる。
2 前項及び次条第2項に規定する「口座間送金決済」とは、電子記録債権(保証記録に係るもの及び特別求償権を除く。以下この節において同じ。)に係る債務について、電子債権記録機関、債務者及び銀行等の合意に基づき、あらかじめ電子債権記録機関が当該銀行等に対し債権記録に記録されている支払期日、支払うべき金額、債務者口座及び債権者口座に係る情報を提供し、当該支払期日に当該銀行等が当該債務者口座から当該債権者口座に対する払込みの取扱いをすることによって行われる支払をいう。
第63条 電子債権記録機関は、前条第1項に規定する口座間送金決済に関する契約を締結した場合において、第16条第2項第1号に掲げる事項が債権記録に記録されているときは、当該契約に係る銀行等に対し、前条第2項に規定する情報を提供しなければならない。
2 前項の場合において、支払期日に支払うべき電子記録債権に係る債務の全額について口座間送金決済があった旨の通知を同項に規定する銀行等から受けたときは、電子債権記録機関は、遅滞なく、当該口座間送金決済についての支払等記録をしなければならない。
第64条 電子債権記録機関は、第62条第1項に規定する口座間送金決済に関する契約のほか、債務者又は債権者及び銀行等と電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する契約を締結することができる。
第65条 電子債権記録機関は、前条に規定する契約を締結し、第16条第2項第2号に掲げる事項が債権記録に記録されている場合において、電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する通知を当該契約に係る銀行等から受けたとき(電子記録債権に係る債務の支払があったことを電子債権記録機関において確実に知り得る場合として主務省令で定める場合に限る。)は、遅滞なく、当該支払についての支払等記録をしなければならない。
第66条 第63条第2項及び前条に規定する通知は、電子記録の請求とみなして、第8条の規定を適用する。
第4節 監督
第67条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、業務に関する帳簿書類その他の記録を作成し、保存しなければならない。
第68条 電子債権記録機関は、事業年度ごとに、業務及び財産に関する報告書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。
2 前項の報告書の記載事項、提出期日その他同項の報告書に関し必要な事項は、主務省令で定める。
第69条 電子債権記録機関は、その資本金の額を減少しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。
2 電子債権記録機関は、その資本金の額を増加しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。
第70条 電子債権記録機関の定款又は業務規程の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第71条 電子債権記録機関は、電子債権記録業を休止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。
第72条 電子債権記録機関は、第52条第1項第1号又は第3号から第5号までに掲げる事項に変更があったときは、その旨及び同条第2項第1号又は第3号に掲げる書類を、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。
2 主務大臣は、前項の規定により電子債権記録機関の商号又は本店の所在地の変更の届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。
第73条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者に対し、当該電子債権記録機関の業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の営業所若しくは事務所に立ち入り、当該電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせ、若しくは関係者に質問(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の関係者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第74条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、電子債権記録機関に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第75条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第51条第1項の指定を取り消し、6月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役の解任を命ずることができる。
一 第51条第1項第3号又は第4号に掲げる要件に該当しないこととなったとき。
二 第51条第1項の指定当時に同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。
三 不正の手段により第51条第1項の指定を受けたことが判明したとき。
四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
2 主務大臣は、前項の規定により第51条第1項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。
第76条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、期限を定めて、電子債権記録業を他の株式会社に移転することを命ずることができる。
一 前条第1項の規定により第51条第1項の指定を取り消されたとき。
二 電子債権記録業を廃止したとき。
三 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
四 電子債権記録業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない事態又は破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあると認められるとき。
2 前項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第322条第1項、第466条、第467条第1項、第783条第1項又は第795条第1項の規定による決議(同法第783条第1項の規定による決議にあっては、同法第309条第3項第2号の株主総会の決議を除く。)は、同法第309条第2項及び第324条第2項の規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
3 第1項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第309条第3項第2号の株主総会の決議は、同項の規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
4 第2項の規定により仮にした決議(以下この項及び次項において「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から1月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。
5 前項の株主総会において第2項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。
6 前二項の規定は、第3項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、前項中「第2項」とあるのは、「第3項」と読み替えるものとする。
第77条 電子債権記録機関が前条第1項の規定による命令を受けた場合において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転することなく当該期限を経過したときは、当該期限を経過した日にその備える記録原簿に記録されている債権記録は、その効力を失う。
2 電子記録債権及びこれを目的とする質権は、前項の規定により債権記録がその効力を失った日(以下この条において「効力失効日」という。)以後は、当該債権記録に記録された電子記録債権の内容をその権利の内容とする債権及びこれを目的とする質権として存続するものとする。
3 効力失効日に電子記録保証人であった者が前項の債権についての弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録されていた債務を消滅させるべき行為をしたときは、その者は、特別求償権と同一の内容の求償権を取得する。
4 主務大臣は、効力失効日以後、速やかに、第1項に規定する債権記録がその効力を失った旨を官報で公示しなければならない。
5 電子債権記録機関であった者又は一般承継人(合併により消滅した電子債権記録機関の権利義務を承継した者であって、電子債権記録業を営まないものに限る。以下この章において同じ。)は、効力失効日以後、直ちに、次の各号に掲げる者に対し、それぞれ当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、当該事項の全部を証明した書面を送付しなければならない。
一 効力失効日に電子記録名義人であった者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録又は質権設定記録若しくは転質の電子記録(これらの電子記録の記録事項について変更記録がされていたときは、当該変更記録を含む。以下「譲渡記録等」という。)であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されていたもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項
イ 第18条第2項第3号若しくは第4号、第37条第2項第6号若しくは第7号又は同条第4項第4号若しくは第5号に掲げる事項が記録されていた譲渡記録等
ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されていた譲渡記録
ハ 効力失効日に電子記録名義人であった者が変更記録において記録されていた場合における当該変更記録に係る譲渡記録等
二 効力失効日に電子記録債務者として記録されていた者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)
第5節 合併、分割及び事業の譲渡
第78条 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営む場合に限る。以下この条において「特定合併」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、特定合併後存続する株式会社又は特定合併により設立される株式会社(以下この条において「特定合併後の電子債権記録機関」という。)について第52条第1項各号に掲げる事項を記載した合併認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
3 合併認可申請書には、合併契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第1項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 特定合併後の電子債権記録機関が第51条第1項各号に掲げる要件に該当すること。
二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。
5 特定合併後の電子債権記録機関(電子債権記録機関が特定合併後存続する株式会社である場合を除く。)は、特定合併の時に第51条第1項の指定を受けたものとみなす。
6 特定合併後の電子債権記録機関は、特定合併により消滅した電子債権記録機関の業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
第79条 電子債権記録機関が新たに設立する株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う新設分割(以下この条において単に「新設分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、新設分割により設立される株式会社(以下この条において「設立会社」という。)について次に掲げる事項を記載した新設分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 第52条第1項各号に掲げる事項
二 設立会社が承継する電子債権記録業
3 新設分割認可申請書には、新設分割計画の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第1項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 設立会社が第51条第1項第1号及び第4号から第7号までに掲げる要件に該当すること。
二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。
5 設立会社は、新設分割の時に第51条第1項の指定を受けたものとみなす。
6 設立会社は、新設分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
第80条 電子債権記録機関が他の株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う吸収分割(以下この条において単に「吸収分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、吸収分割により電子債権記録業の全部又は一部を承継する株式会社(以下この条において「承継会社」という。)について次に掲げる事項を記載した吸収分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 第52条第1項各号に掲げる事項
二 承継会社が承継する電子債権記録業
3 吸収分割認可申請書には、吸収分割契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第1項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 承継会社が第51条第1項各号に掲げる要件に該当すること。
二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。
5 承継会社(電子債権記録機関が承継会社である場合を除く。)は、吸収分割の時に第51条第1項の指定を受けたものとみなす。
6 承継会社は、吸収分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
第81条 電子債権記録機関が他の株式会社に行う電子債権記録業の全部又は一部の譲渡(以下この条において「事業譲渡」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、事業譲渡により電子債権記録業の全部又は一部を譲り受ける株式会社(以下この条において「譲受会社」という。)について次に掲げる事項を記載した事業譲渡認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 第52条第1項各号に掲げる事項
二 譲受会社が承継する電子債権記録業
3 事業譲渡認可申請書には、譲渡契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第1項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 譲受会社が第51条第1項各号に掲げる要件に該当すること。
二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。
5 譲受会社(電子債権記録機関が譲受会社である場合を除く。)は、事業譲渡の時に第51条第1項の指定を受けたものとみなす。
6 譲受会社は、事業譲渡をした電子債権記録機関の譲渡の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
第6節 解散等
第82条 次に掲げる事項は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一 電子債権記録機関の解散についての株主総会の決議
二 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営まない場合に限る。)
第83条 電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第51条第1項の指定は、その効力を失う。
一 電子債権記録業を廃止したとき。
二 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
三 第76条第1項の規定による命令を受けた場合(同項第4号に該当する場合に限る。)において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転しなかったとき。
2 前項の規定により第51条第1項の指定が効力を失ったときは、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。
第84条 電子債権記録機関が第75条第1項の規定により第51条第1項の指定を取り消された場合又は前条第1項の規定により当該指定が効力を失った場合(同項第3号に該当する場合を除く。)においては、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、当該電子債権記録機関が行った電子債権記録業を速やかに結了しなければならない。この場合において、当該電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、その電子債権記録業の結了の目的の範囲内において、なおこれを電子債権記録機関とみなす。
第85条 裁判所は、電子債権記録機関の清算手続、破産手続、再生手続、更生手続又は承認援助手続において、主務大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。
2 主務大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。
3 第73条の規定は、第1項の規定により主務大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。
第4章 雑則
第86条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、債権記録及び当該債権記録に記録された電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報が記載され、又は記録されている書面又は電磁的記録を保存しなければならない。
一 次号に掲げる場合以外の場合 次のイ又はロに定める日のいずれか早い日
イ 当該債権記録に記録された全ての電子記録債権に係る債務の全額について支払等記録がされた日又は変更記録により当該債権記録中の全ての記録事項について削除する旨の記録がされた日から5年を経過する日
ロ 当該債権記録に記録された支払期日(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、最終の支払期日)又は最後の電子記録がされた日のいずれか遅い日から10年を経過する日
二 当該債権記録が変更前債権記録である場合 第47条の5第4項各号に掲げる事項の記録がされた日から5年を経過する日
第87条 次の各号に掲げる者及びその相続人その他の一般承継人並びにこれらの者の財産の管理及び処分をする権利を有する者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は当該事項の全部若しくは一部を証明した書面若しくは電磁的記録の提供の請求(以下この条において「開示請求」という。)をすることができる。
一 電子記録名義人 債権記録に記録されている事項(当該電子記録名義人が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項
イ 第18条第2項第3号若しくは第4号、第37条第2項第6号若しくは第7号又は同条第4項第4号若しくは第5号に掲げる事項が記録されている譲渡記録等
ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されている譲渡記録
ハ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等
二 電子記録債務者として記録されている者 債権記録に記録されている事項(当該電子記録債務者として記録されている者が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているものにおいて記録されている事項(次に掲げるものを除く。)を除き、すべての事項
イ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等において記録されている事項
ロ 当該電子記録債務者として記録されている者が発生記録若しくは譲渡記録等において債権者、譲受人若しくは質権者として記録されている者又はこれらの者の相続人その他の一般承継人(以下この号において「債権者等」という。)に対して人的関係に基づく抗弁を有するときは、当該債権者等から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者(電子記録名義人を除く。)の氏名又は名称及び住所
三 債権記録に記録されている者であって、前二号に掲げる者以外のもの 債権記録に記録されている事項(この号に掲げる者が原債権記録に記録されている者であるときは、その後の分割債権記録に記録された事項を含む。)のうち、次に掲げる事項
イ 当該債権記録中の発生記録及び開示請求をする者(ロにおいて「開示請求者」という。)が電子記録の請求をした者となっている電子記録(当該電子記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。)において記録されている事項
ロ 開示請求者を電子記録義務者とする譲渡記録等がされている場合において、当該電子記録が、代理権を有しない者が当該開示請求者の代理人としてした請求又は当該開示請求者になりすました者の請求によってされたものであるときは、当該開示請求者から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者の氏名又は名称及び住所
2 電子債権記録機関は、前項に規定するもののほか、電子記録の請求をした者が請求に際しその開示について同意をしている記録事項については、主務省令で定めるところにより、その同意の範囲内で一定の者が開示請求をすることを認めることができる。
第88条 自己の氏名又は名称が電子記録の請求者として電子債権記録機関に提供された者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報について、次に掲げる請求をすることができる。当該電子記録の請求が適法であるかどうかについて利害関係を有する者も、正当な理由があるときは、当該利害関係がある部分に限り、同様とする。
一 当該情報が書面に記載されているときは、当該書面の閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 当該情報が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって主務省令で定めるものをいう。)であって業務規程の定めるものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第89条 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、電子記録債権に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
第90条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、主務省令で定める。
第91条 この法律において、主務大臣は法務大臣及び内閣総理大臣とし、主務省令は法務省令・内閣府令とする。
第92条 内閣総理大臣は、この法律の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
第5章 罰則
第93条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第7条第1項、第47条の5第1項若しくは第49条第1項の規定に違反して、記録原簿に電子記録をすべき事項を記録せず、又はこれに虚偽の記録をした者
二 第47条の3第5項の規定に違反して、通知をすべき事項を通知せず、又は虚偽の通知をした者
第94条 第75条第1項の規定による業務の停止の命令に違反した者は、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第95条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第52条第1項、第78条第2項、第79条第2項、第80条第2項若しくは第81条第2項の申請書若しくは第52条第2項の書類に虚偽の記載をし、若しくは当該書類に代えて電磁的記録を添付すべき場合における当該電磁的記録に虚偽の記録をし、又は第78条第3項、第79条第3項、第80条第3項若しくは第81条第3項の書面若しくは電磁的記録に虚偽の記載若しくは記録をして提出した者
二 第67条の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者
三 第68条第1項の規定による報告書の提出をせず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者
四 第73条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
五 第85条第3項において準用する第73条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
六 第86条の規定に違反して、同条の債権記録又は書面若しくは電磁的記録を保存しなかった者
第96条 第55条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第97条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
一 第69条第1項の規定による認可を受けないで資本金の額を減少し、又は虚偽の申請をして同項の認可を受けた者
二 第72条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第98条 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。
一 第93条又は第94条 3億円以下の罰金刑
二 第95条(第5号を除く。) 2億円以下の罰金刑
三 第95条第5号又は前条 各本条の罰金刑
第99条 電子債権記録機関(第3号にあっては、第77条第5項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人)の役員又は清算人が次の各号のいずれかに該当するときは、100万円以下の過料に処する。
一 第69条第2項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
二 第74条又は第76条第1項の規定による命令に違反したとき。
三 第77条第5項の規定に違反して、同項の書面を送付しなかったとき。
四 正当な理由がないのに第87条第1項又は第88条の規定による請求を拒み、又は虚偽の記載若しくは記録をした書面若しくは電磁的記録を提供したとき。
第100条 第83条第2項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人の役員又は清算人が同項の規定に違反して、届出を怠ったときは、30万円以下の過料に処する。
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第12条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、電子債権記録機関に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第14条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第18条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第19条 附則第2条から第8条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
第20条 政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下この条において「改正後の各法律」という。)の施行の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、改正後の各法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。ただし、第103条の2、第103条の3、第267条の2、第267条の3及び第362条の規定は、公布の日から施行する。
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第40条、第59条、第61条、第75条(児童福祉法第34条の20の改正規定に限る。)、第85条、第102条、第107条(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律第26条の改正規定に限る。)、第111条、第143条、第149条、第152条、第154条(不動産の鑑定評価に関する法律第25条第6号の改正規定に限る。)及び第168条並びに次条並びに附則第3条及び第6条の規定 公布の日
二 第3条、第4条、第5条(国家戦略特別区域法第19条の2第1項の改正規定を除く。)、第2章第2節及び第4節、第41条(地方自治法第252条の28の改正規定を除く。)、第42条から第48条まで、第50条、第54条、第57条、第60条、第62条、第66条から第69条まで、第75条(児童福祉法第34条の20の改正規定を除く。)、第76条、第77条、第79条、第80条、第82条、第84条、第87条、第88条、第90条(職業能力開発促進法第30条の19第2項第1号の改正規定を除く。)、第95条、第96条、第98条から第100条まで、第104条、第108条、第109条、第112条、第113条、第115条、第116条、第119条、第121条、第123条、第133条、第135条、第138条、第139条、第161条から第163条まで、第166条、第169条、第170条、第172条(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第29条第1項第1号の改正規定に限る。)並びに第173条並びに附則第16条、第17条、第20条、第21条及び第23条から第29条までの規定 公布の日から起算して6月を経過した日
第2条 この法律(前条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前に、この法律による改正前の法律又はこれに基づく命令の規定(欠格条項その他の権利の制限に係る措置を定めるものに限る。)に基づき行われた行政庁の処分その他の行為及び当該規定により生じた失職の効力については、なお従前の例による。
第3条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第7条 政府は、会社法(平成17年法律第86号)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)における法人の役員の資格を成年被後見人又は被保佐人であることを理由に制限する旨の規定について、この法律の公布後1年以内を目途として検討を加え、その結果に基づき、当該規定の削除その他の必要な法制上の措置を講ずるものとする。