東日本大震災に対処するために必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律
第1条 この法律は、平成23年度において、東日本大震災(平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。)に対処するために必要な財源を確保するため、財政投融資特別会計財政融資資金勘定からの一般会計への繰入れの特例に関する措置及び外国為替資金特別会計からの一般会計への繰入れの特別措置並びに独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構の国庫納付金の納付の特例等に関する措置を定めるものとする。
第2条 政府は、平成23年度において、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第58条第3項の規定にかかわらず、財政投融資特別会計財政融資資金勘定から、一兆588億円を限り、一般会計の歳入に繰り入れることができる。
2 前項の規定による繰入金は、財政投融資特別会計財政融資資金勘定の歳出とし、当該繰入金に相当する金額を特別会計に関する法律第58条第1項の積立金から同勘定の歳入に繰り入れるものとする。
3 前項に規定する繰入金に相当する金額は、特別会計に関する法律第56条第1項の繰越利益の額から減額して整理するものとする。
第3条 政府は、平成23年度において、特別会計に関する法律第8条第2項の規定による外国為替資金特別会計からの一般会計の歳入への繰入れをするほか、同特別会計から、2308億5896万1000円を限り、一般会計の歳入に繰り入れることができる。
2 前項の規定による繰入金は、外国為替資金特別会計の歳出とする。
第4条 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、平成二十三事業年度については、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成10年法律第136号。次項において「債務処理法」という。)第27条第3項の規定にかかわらず、同条第1項に規定する特別の勘定において同条第3項の規定によりこの法律の施行の日を含む中期目標の期間における積立金として整理された金額のうち一兆2000億円(次項において「鉄運機構の特別国庫納付金額」という。)を平成24年3月31日までに国庫に納付しなければならない。
2 鉄運機構の特別国庫納付金額は、債務処理法第27条第3項の規定による積立金の額から減額して整理するものとする。
第5条 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下この条において「高速道路機構」という。)は、平成二十三事業年度については、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法(平成16年法律第100号。第3項において「高速道路機構法」という。)第21条第2項の規定にかかわらず、同条第1項に規定する高速道路勘定から、2500億円(以下この条において「高速道路機構の特別国庫納付金額」という。)を平成24年3月31日までに国庫に納付しなければならない。
2 高速道路機構及び高速道路株式会社法(平成16年法律第99号)第1条に規定する会社は、高速道路機構が前項の規定により高速道路機構の特別国庫納付金額の納付を行うために必要な限度において、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和33年法律第34号)第4条第1項に規定する同意計画を変更しなければならない。
3 第1項の規定により高速道路機構が行う高速道路機構の特別国庫納付金額の納付(納付のための借入れに係る債務の返済を含む。)については、高速道路機構法第12条第1項第2号に掲げる業務とみなして高速道路機構法の規定(これに基づく命令を含む。)を適用する。
第1条 この法律は、公布の日から施行する。