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海岸法

昭和31年法律第101号
最終改正:平成30年12月14日法律第95号
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第1章 総則

(目的)

第1条 この法律は、津波、高潮、波浪その他海水又は地盤の変動による被害から海岸を防護するとともに、海岸環境の整備と保全及び公衆の海岸の適正な利用を図り、もつて国土の保全に資することを目的とする。


(定義)

第2条 この法律において「海岸保全施設」とは、第3条の規定により指定される海岸保全区域内にある堤防、突堤、護岸、胸壁、離岸堤、砂浜(海岸管理者が、消波等の海岸を防護する機能を維持するために設けたもので、主務省令で定めるところにより指定したものに限る。)その他海水の侵入又は海水による侵食を防止するための施設(堤防又は胸壁にあつては、津波、高潮等により海水が当該施設を越えて侵入した場合にこれによる被害を軽減するため、当該施設と一体的に設置された根固工又は樹林(樹林にあつては、海岸管理者が設けたもので、主務省令で定めるところにより指定したものに限る。)を含む。)をいう。

 この法律において、「公共海岸」とは、国又は地方公共団体が所有する公共の用に供されている海岸の土地(他の法令の規定により施設の管理を行う者がその権原に基づき管理する土地として主務省令で定めるものを除き、地方公共団体が所有する公共の用に供されている海岸の土地にあつては、都道府県知事が主務省令で定めるところにより指定し、公示した土地に限る。)及びこれと一体として管理を行う必要があるものとして都道府県知事が指定し、公示した低潮線までの水面をいい、「一般公共海岸区域」とは、公共海岸の区域のうち第3条の規定により指定される海岸保全区域以外の区域をいう。

 この法律において「海岸管理者」とは、第3条の規定により指定される海岸保全区域及び一般公共海岸区域(以下「海岸保全区域等」という。)について第5条第1項から第4項まで及び第37条の2第1項並びに第37条の3第1項から第3項までの規定によりその管理を行うべき者をいう。


(海岸保全基本方針)

第2条の2 主務大臣は、政令で定めるところにより、海岸保全区域等に係る海岸の保全に関する基本的な方針(以下「海岸保全基本方針」という。)を定めなければならない。

 主務大臣は、海岸保全基本方針を定めようとするときは、あらかじめ関係行政機関の長に協議しなければならない。

 主務大臣は、海岸保全基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 前二項の規定は、海岸保全基本方針の変更について準用する。


(海岸保全基本計画)

第2条の3 都道府県知事は、海岸保全基本方針に基づき、政令で定めるところにより、海岸保全区域等に係る海岸の保全に関する基本計画(以下「海岸保全基本計画」という。)を定めなければならない。

 都道府県知事は、海岸保全基本計画を定めようとする場合において必要があると認めるときは、あらかじめ海岸に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。

 都道府県知事は、海岸保全基本計画を定めようとするときは、あらかじめ関係市町村長及び関係海岸管理者の意見を聴かなければならない。

 都道府県知事は、海岸保全基本計画のうち、海岸保全施設の整備に関する事項で政令で定めるものについては、関係海岸管理者が作成する案に基づいて定めるものとする。

 関係海岸管理者は、前項の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、あらかじめ公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。

 都道府県知事は、海岸保全基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、主務大臣に提出しなければならない。

 第2項から前項までの規定は、海岸保全基本計画の変更について準用する。


(海岸保全区域の指定)

第3条 都道府県知事は、海水又は地盤の変動による被害から海岸を防護するため海岸保全施設の設置その他第2章に規定する管理を行う必要があると認めるときは、防護すべき海岸に係る一定の区域を海岸保全区域として指定することができる。ただし、河川法(昭和39年法律第167号)第3条第1項に規定する河川の河川区域、砂防法(明治30年法律第29号)第2条の規定により指定された土地又は森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項若しくは第25条の2第1項若しくは第2項の規定による保安林(同法第25条の2第1項後段又は第2項後段において準用する同法第25条第2項の規定による保安林を除く。以下次項において「保安林」という。)若しくは同法第41条の規定による保安施設地区(以下次項において「保安施設地区」という。)については、指定することができない。

 都道府県知事は、前項ただし書の規定にかかわらず、海岸の防護上特別の必要があると認めるときは、保安林又は保安施設地区の全部又は一部を、農林水産大臣(森林法第25条の2の規定により都道府県知事が指定した保安林については、当該保安林を指定した都道府県知事)に協議して、海岸保全区域として指定することができる。

 前二項の規定による指定は、この法律の目的を達成するため必要な最小限度の区域に限つてするものとし、陸地においては満潮時(指定の日の属する年の春分の日における満潮時をいう。)の水際線から、水面においては干潮時(指定の日の属する年の春分の日における干潮時をいう。)の水際線からそれぞれ五十メートルをこえてしてはならない。ただし、地形、地質、潮位、潮流等の状況により必要やむを得ないと認められるときは、それぞれ五十メートルをこえて指定することができる。

 都道府県知事は、第1項又は第2項の規定により海岸保全区域を指定するときは、主務省令で定めるところにより、当該海岸保全区域を公示するとともに、その旨を主務大臣に報告しなければならない。これを廃止するときも、同様とする。

 海岸保全区域の指定又は廃止は、前項の公示によつてその効力を生ずる。


(指定についての協議)

第4条 都道府県知事は、港湾法(昭和25年法律第218号)第2条第3項に規定する港湾区域(以下「港湾区域」という。)、同法第37条第1項に規定する港湾隣接地域(以下「港湾隣接地域」という。)若しくは同法第56条第1項の規定により都道府県知事が公告した水域(以下この条及び第40条において「公告水域」という。)、排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律(平成22年法律第41号)第9条第1項の規定により国土交通大臣が公告した水域(以下この条及び第40条において「特定離島港湾区域」という。)又は漁港漁場整備法(昭和25年法律第137号)第6条第1項から第4項までの規定により市町村長、都道府県知事若しくは農林水産大臣が指定した漁港の区域(以下「漁港区域」という。)の全部又は一部を海岸保全区域として指定しようとするときは、港湾区域又は港湾隣接地域については港湾管理者に、公告水域については公告水域を管理する都道府県知事に、特定離島港湾区域については国土交通大臣に、漁港区域については漁港管理者に協議しなければならない。

 港湾管理者が港湾区域について前項の規定による協議に応じようとする場合において、当該港湾が港湾法第2条第2項に規定する国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾であるときは、港湾管理者は、あらかじめ国土交通大臣に協議しなければならない。

第2章 海岸保全区域に関する管理

(管理)

第5条 海岸保全区域の管理は、当該海岸保全区域の存する地域を統括する都道府県知事が行うものとする。

 前項の規定にかかわらず、市町村長が管理することが適当であると認められる海岸保全区域で都道府県知事が指定したものについては、当該海岸保全区域の存する市町村の長がその管理を行うものとする。

 前二項の規定にかかわらず、海岸保全区域と港湾区域若しくは港湾隣接地域又は漁港区域とが重複して存するときは、その重複する部分については、当該港湾区域若しくは港湾隣接地域の港湾管理者の長又は当該漁港の漁港管理者である地方公共団体の長がその管理を行うものとする。

 第1項及び第2項の規定にかかわらず、港湾区域若しくは港湾隣接地域又は漁港区域に接する海岸保全区域のうち、港湾管理者の長又は漁港管理者である地方公共団体の長が管理することが適当であると認められ、かつ、都道府県知事と当該港湾管理者の長又は漁港管理者である地方公共団体の長とが協議して定める区域については、当該港湾管理者の長又は漁港管理者である地方公共団体の長がその管理を行うものとする。

 前四項の規定にかかわらず、海岸管理者を異にする海岸保全区域相互にわたる海岸保全施設で一連の施設として一の海岸管理者が管理することが適当であると認められるものがある場合において、第40条第2項の規定による関係主務大臣の協議が成立したときは、当該協議に基きその管理を所掌する主務大臣の監督を受ける海岸管理者がその管理を行うものとする。

 市町村の長は、海岸管理者との協議に基づき、政令で定めるところにより、当該市町村の区域に存する海岸保全区域の管理の一部を行うことができる。

 都道府県知事は、第2項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ当該市町村長の意見をきかなければならない。

 都道府県知事は、第2項の規定により指定をするとき、又は第4項の規定により協議して区域を定めるときは、主務省令で定めるところにより、これを公示するとともに、その旨を主務大臣に報告しなければならない。これを変更するときも、同様とする。

 市町村長は、第6項の規定により協議して海岸保全区域の管理を行うときは、主務省令で定めるところにより、これを公示しなければならない。これを変更するときも、同様とする。

10 第2項に規定する指定並びに第4項及び第6項に規定する協議は、前二項の公示によつてその効力を生ずる。


(主務大臣の直轄工事)

第6条 主務大臣は、次の各号の一に該当する場合において、当該海岸保全施設が国土の保全上特に重要なものであると認められるときは、海岸管理者に代つて自ら当該海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事を施行することができる。この場合においては、主務大臣は、あらかじめ当該海岸管理者の意見をきかなければならない。

 海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事の規模が著しく大であるとき。

 海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事が高度の技術を必要とするとき。

 海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事が高度の機械力を使用して実施する必要があるとき。

 海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事が都府県の区域の境界に係るとき。

 主務大臣は、前項の規定により海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事を施行する場合においては、政令で定めるところにより、海岸管理者に代つてその権限を行うものとする。

 主務大臣は、第1項の規定により海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事を施行する場合においては、主務省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。


(海岸保全区域の占用)

第7条 海岸管理者以外の者が海岸保全区域(公共海岸の土地に限る。)内において、海岸保全施設以外の施設又は工作物(以下次条、第9条及び第12条において「他の施設等」という。)を設けて当該海岸保全区域を占用しようとするときは、主務省令で定めるところにより、海岸管理者の許可を受けなければならない。

 海岸管理者は、前項の規定による許可の申請があつた場合において、その申請に係る事項が海岸の防護に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、これを許可してはならない。


(海岸保全区域における行為の制限)

第8条 海岸保全区域内において、次に掲げる行為をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、海岸管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める行為については、この限りでない。

 土石(砂を含む。以下同じ。)を採取すること。

 水面又は公共海岸の土地以外の土地において、他の施設等を新設し、又は改築すること。

 土地の掘削、盛土、切土その他政令で定める行為をすること。

 前条第2項の規定は、前項の許可について準用する。


第8条の2 何人も、海岸保全区域(第2号から第4号までにあつては、公共海岸に該当し、かつ、海岸の利用、地形その他の状況により、海岸の保全上特に必要があると認めて海岸管理者が指定した区域に限る。)内において、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。

 海岸管理者が管理する海岸保全施設その他の施設又は工作物(以下「海岸保全施設等」という。)を損傷し、又は汚損すること。

 油その他の通常の管理行為による処理が困難なものとして主務省令で定めるものにより海岸を汚損すること。

 自動車、船舶その他の物件で海岸管理者が指定したものを入れ、又は放置すること。

 その他海岸の保全に著しい支障を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるものを行うこと。

 海岸管理者は、前項各号列記以外の部分の規定又は同項第3号の規定による指定をするときは、主務省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。これを廃止するときも、同様とする。

 前項の指定又はその廃止は、同項の公示によつてその効力を生ずる。


(経過措置)

第9条 第3条の規定による海岸保全区域の指定の際現に当該海岸保全区域内において権原に基づき他の施設等を設置(工事中の場合を含む。)している者は、従前と同様の条件により、当該他の施設等の設置について第7条第1項又は第8条第1項の規定による許可を受けたものとみなす。当該指定の際現に当該指定に係る海岸保全区域内において権原に基づき第8条第1項第1号及び第3号に掲げる行為を行つている者についても、同様とする。


(許可の特例)

第10条 港湾法第37条第1項若しくは第56条第1項又は排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律第9条第1項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る事項については、第7条第1項又は第8条第1項の規定による許可を受けることを要しない。

 国又は地方公共団体(港湾法に規定する港務局を含む。以下同じ。)が第7条第1項の規定による占用又は第8条第1項の規定による行為をしようとするときは、あらかじめ海岸管理者に協議することをもつて足りる。


(占用料及び土石採取料)

第11条 海岸管理者は、主務省令で定める基準に従い、第7条第1項又は第8条第1項第1号の規定による許可を受けた者から占用料又は土石採取料を徴収することができる。ただし、公共海岸の土地以外の土地における土石の採取については、土石採取料を徴収することができない。


(監督処分)

第12条 海岸管理者は、次の各号の一に該当する者に対して、その許可を取り消し、若しくはその条件を変更し、又はその行為の中止、他の施設等の改築、移転若しくは除却(第8条の2第1項第3号に規定する放置された物件の除却を含む。)、他の施設等により生ずべき海岸の保全上の障害を予防するために必要な施設をすること若しくは原状回復を命ずることができる。

 第7条第1項、第8条第1項又は第8条の2第1項の規定に違反した者

 第7条第1項又は第8条第1項の規定による許可に付した条件に違反した者

 偽りその他不正な手段により第7条第1項又は第8条第1項の規定による許可を受けた者

 海岸管理者は、次の各号の一に該当する場合においては、第7条第1項又は第8条第1項の規定による許可を受けた者に対し、前項に規定する処分をし、又は同項に規定する必要な措置を命ずることができる。

 海岸保全施設に関する工事のためやむを得ない必要が生じたとき。

 海岸の保全上著しい支障が生じたとき。

 海岸の保全上の理由以外の理由に基く公益上やむを得ない必要が生じたとき。

 海岸管理者は、海岸保全区域内において発生した船舶の沈没又は乗揚げに起因して当該海岸管理者が管理する海岸保全施設等が損傷され、若しくは汚損され、又は損傷され、若しくは汚損されるおそれがあり、当該損傷又は汚損が海岸の保全に支障を及ぼし、又は及ぼすおそれがあると認める場合(当該船舶が第8条の2第1項第3号に規定する放置された物件に該当する場合を除く。)においては、当該沈没し、又は乗り揚げた船舶の船舶所有者に対し、当該船舶の除却その他当該損傷又は汚損の防止のため必要な措置を命ずることができる。

 前三項の規定により必要な措置をとることを命じようとする場合において、過失がなくて当該措置を命ずべき者を確知することができないときは、海岸管理者は、当該措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該措置を行うべき旨及びその期限までに当該措置を行わないときは、海岸管理者又はその命じた者若しくは委任した者が当該措置を行う旨を、あらかじめ公告しなければならない。

 海岸管理者は、前項の規定により他の施設等(除却を命じた第1項及び第3項の物件を含む。以下この条において同じ。)を除却し、又は除却させたときは、当該他の施設等を保管しなければならない。

 海岸管理者は、前項の規定により他の施設等を保管したときは、当該他の施設等の所有者、占有者その他当該他の施設等について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)に対し当該他の施設等を返還するため、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。

 海岸管理者は、第5項の規定により保管した他の施設等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による公示の日から起算して3月を経過してもなお当該他の施設等を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該他の施設等の価額に比し、その保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該他の施設等を売却し、その売却した代金を保管することができる。

 海岸管理者は、前項の規定による他の施設等の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該他の施設等を廃棄することができる。

 第7項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。

10 第4項から第7項までに規定する他の施設等の除却、保管、売却、公示その他の措置に要した費用は、当該他の施設等の返還を受けるべき所有者等その他第4項に規定する当該措置を命ずべき者の負担とする。

11 第6項の規定による公示の日から起算して6月を経過してもなお第5項の規定により保管した他の施設等(第7項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該他の施設等の所有権は、主務大臣が保管する他の施設等にあつては国、都道府県知事が保管する他の施設等にあつては当該都道府県知事が統括する都道府県、市町村長が保管する他の施設等にあつては当該市町村長が統括する市町村に帰属する。


(損失補償)

第12条の2 海岸管理者は、前条第2項の規定による処分又は命令により損失を受けた者に対し通常生ずべき損失を補償しなければならない。

 前項の規定による損失の補償については、海岸管理者と損失を受けた者とが協議しなければならない。

 前項の規定による協議が成立しない場合においては、海岸管理者は、自己の見積つた金額を損失を受けた者に支払わなければならない。この場合において、当該金額について不服がある者は、政令で定めるところにより、補償金の支払を受けた日から30日以内に収用委員会に土地収用法(昭和26年法律第219号)第94条の規定による裁決を申請することができる。

 海岸管理者は、第1項の規定による補償の原因となつた損失が前条第2項第3号の規定による処分又は命令によるものであるときは、当該補償金額を当該理由を生じさせた者に負担させることができる。


(緊急時における主務大臣の指示)

第12条の3 主務大臣は、津波、高潮等の発生のおそれがあり、海岸の防護のため緊急の措置をとる必要があると認めるときは、海岸管理者に対し、第12条第1項又は第2項の規定による処分又は命令を行うことを指示することができる。


(海岸管理者以外の者の施行する工事)

第13条 海岸管理者以外の者が海岸保全施設に関する工事を施行しようとするときは、あらかじめ当該海岸保全施設に関する工事の設計及び実施計画について海岸管理者の承認を受けなければならない。ただし、第6条第1項の規定による場合は、この限りでない。

 第10条第2項に規定する者は、前項本文の規定にかかわらず、海岸保全施設に関する工事の設計及び実施計画について海岸管理者に協議することをもつて足りる。


(技術上の基準)

第14条 海岸保全施設は、地形、地質、地盤の変動、侵食の状態その他海岸の状況を考慮し、自重、水圧、波力、土圧及び風圧並びに地震、漂流物等による振動及び衝撃に対して安全な構造のものでなければならない。

 海岸保全施設の形状、構造及び位置は、海岸環境の保全、海岸及びその近傍の土地の利用状況並びに船舶の運航及び船舶による衝撃を考慮して定めなければならない。

 前二項に定めるもののほか、主要な海岸保全施設の形状、構造及び位置について、海岸の保全上必要とされる技術上の基準は、主務省令で定める。


(操作規則)

第14条の2 海岸管理者は、その管理する海岸保全施設のうち、操作施設(水門、陸閘その他の操作を伴う施設で主務省令で定めるものをいう。以下同じ。)については、主務省令で定めるところにより、操作規則を定めなければならない。

 前項の操作規則は、津波、高潮等の発生時における操作施設の操作に従事する者の安全の確保が図られるように配慮されたものでなければならない。

 海岸管理者は、第1項の操作規則を定めようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見を聴かなければならない。

 前二項の規定は、第1項の操作規則の変更について準用する。


(操作規程)

第14条の3 海岸管理者以外の海岸保全施設の管理者(以下「他の管理者」という。)は、その管理する海岸保全施設のうち、操作施設については、主務省令で定めるところにより、当該操作施設の操作の方法、訓練その他の措置に関する事項について操作規程を定め、海岸管理者の承認を受けなければならない。

 前項の操作規程は、津波、高潮等の発生時における操作施設の操作に従事する者の安全の確保が図られるように配慮されたものでなければならない。

 海岸管理者は、第1項の操作規程を承認しようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見を聴かなければならない。

 第10条第2項に規定する者は、第1項の規定にかかわらず、その管理する操作施設について同項の操作規程を定め、海岸管理者に協議することをもつて足りる。

 前各項の規定は、第1項の操作規程の変更について準用する。


第14条の4 前条第1項の規定による承認を受けた他の管理者は、その管理する操作施設の操作については、当該承認を受けた操作規程に従つて行わなければならない。


(維持又は修繕)

第14条の5 海岸管理者は、その管理する海岸保全施設を良好な状態に保つように維持し、修繕し、もつて海岸の防護に支障を及ぼさないように努めなければならない。

 海岸管理者が管理する海岸保全施設の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は、主務省令で定める。

 前項の技術的基準は、海岸保全施設の修繕を効率的に行うための点検に関する基準を含むものでなければならない。


(兼用工作物の工事の施行)

第15条 海岸管理者は、その管理する海岸保全施設が道路、水門、物揚場その他の施設又は工作物(以下これらを「他の工作物」と総称する。)の効用を兼ねるときは、当該他の工作物の管理者との協議によりその者に当該海岸保全施設に関する工事を施行させ、又は当該海岸保全施設を維持させることができる。


(工事原因者の工事の施行等)

第16条 海岸管理者は、その管理する海岸保全施設等に関する工事以外の工事(以下「他の工事」という。)又は海岸保全施設等に関する工事若しくは海岸保全施設等の維持(海岸保全区域内の公共海岸の維持を含む。以下同じ。)の必要を生じさせた行為(以下「他の行為」という。)により必要を生じたその管理する海岸保全施設等に関する工事又は海岸保全施設等の維持を当該他の工事の施行者又は他の行為の行為者に施行させることができる。

 前項の場合において、他の工事が河川工事(河川法第3条第1項に規定する河川の河川工事をいう。以下同じ。)、道路(道路法(昭和27年法律第180号)による道路をいう。以下同じ。)に関する工事、地すべり防止工事(地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)による地すべり防止工事をいう。以下同じ。)又は急傾斜地崩壊防止工事(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)による急傾斜地崩壊防止工事をいう。以下同じ。)であるときは、当該海岸保全施設等に関する工事については、河川法第19条、道路法第23条第1項、地すべり等防止法第15条第1項又は急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第16条第1項の規定を適用する。


(附帯工事の施行)

第17条 海岸管理者は、その管理する海岸保全施設に関する工事により必要を生じた他の工事又はその管理する海岸保全施設に関する工事を施行するため必要を生じた他の工事をその海岸保全施設に関する工事とあわせて施行することができる。

 前項の場合において、他の工事が河川工事、道路に関する工事、砂防工事(砂防法による砂防工事をいう。以下同じ。)又は地すべり防止工事であるときは、当該他の工事の施行については、河川法第18条、道路法第22条第1項、砂防法第8条又は地すべり等防止法第14条第1項の規定を適用する。


(土地等の立入及び一時使用並びに損失補償)

第18条 海岸管理者又はその命じた者若しくはその委任を受けた者は、海岸保全区域に関する調査若しくは測量又は海岸保全施設に関する工事のためやむを得ない必要があるときは、あらかじめその占有者に通知して、他人の占有する土地若しくは水面に立ち入り、又は特別の用途のない他人の土地を材料置場若しくは作業場として一時使用することができる。ただし、あらかじめ通知することが困難であるときは、通知することを要しない。

 前項の規定により宅地又はかき、さく等で囲まれた土地若しくは水面に立ち入ろうとするときは、立入の際あらかじめその旨を当該土地又は水面の占有者に告げなければならない。

 日出前及び日没後においては、占有者の承認があつた場合を除き、前項に規定する土地又は水面に立ち入つてはならない。

 第1項の規定により土地又は水面に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

 第1項の規定により特別の用途のない他人の土地を材料置場又は作業場として一時使用しようとするときは、あらかじめ当該土地の占有者及び所有者に通知して、その者の意見をきかなければならない。

 土地又は水面の占有者又は所有者は、正当な理由がない限り、第1項の規定による立入又は一時使用を拒み、又は妨げてはならない。

 海岸管理者は、第1項の規定による立入又は一時使用により損失を受けた者に対し通常生ずべき損失を補償しなければならない。

 第12条の2第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。

 第4項の規定による証明書の様式その他証明書に関し必要な事項は、主務省令で定める。


(海岸保全施設の新設又は改良に伴う損失補償)

第19条 土地収用法第93条第1項の規定による場合を除き、海岸管理者が海岸保全施設を新設し、又は改良したことにより、当該海岸保全施設に面する土地又は水面について、通路、みぞ、かき、さくその他の施設若しくは工作物を新築し、増築し、修繕し、若しくは移転し、又は盛土若しくは切土をするやむを得ない必要があると認められる場合においては、海岸管理者は、これらの工事をすることを必要とする者(以下この条において「損失を受けた者」という。)の請求により、これに要する費用の全部又は一部を補償しなければならない。この場合において、海岸管理者又は損失を受けた者は、補償金の全部又は一部に代えて、海岸管理者が当該工事を施行することを要求することができる。

 前項の規定による損失の補償は、海岸保全施設に関する工事の完了の日から1年を経過した後においては、請求することができない。

 第1項の規定による損失の補償については、海岸管理者と損失を受けた者とが協議しなければならない。

 前項の規定による協議が成立しない場合においては、海岸管理者又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法第94条の規定による裁決を申請することができる。


(他の管理者の管理する海岸保全施設に関する監督)

第20条 海岸管理者は、その職務の執行に関し必要があると認めるときは、他の管理者に対し報告若しくは資料の提出を求め、又はその命じた者に当該他の管理者の管理する海岸保全施設に立ち入り、これを検査させることができる。

 前項の規定により立入検査をする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 第2項の規定による証明書の様式その他証明書に関し必要な事項は、主務省令で定める。


第21条 海岸管理者は、他の管理者の管理する海岸保全施設が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該海岸保全施設が第14条の規定に適合しないときは、当該他の管理者に対し改良、補修その他当該海岸保全施設の管理につき必要な措置を命ずることができる。

 第13条第1項本文の規定に違反して工事が施行されたとき。

 第13条第1項本文の規定による承認に付した条件に違反して工事が施行されたとき。

 偽りその他不正な手段により第13条第1項本文の承認を受けて工事が施行されたとき。

 海岸管理者は、海岸保全施設が前項各号のいずれにも該当しない場合において、当該海岸保全施設が第14条の規定に適合しなくなり、かつ、海岸の保全上著しい支障があると認められるときは、その管理者に対し前項に規定する措置を命ずることができる。

 海岸管理者は、前項の規定による命令により損失を受けた者に対し通常生ずべき損失を補償しなければならない。

 第12条の2第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。

 前三項の規定は、第10条第2項に規定する者の管理する海岸保全施設については、適用しない。


(他の管理者の管理する操作施設に関する監督)

第21条の2 海岸管理者は、他の管理者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該他の管理者に対し、その管理する操作施設の操作規程を定め、又は変更することを勧告することができる。

 第14条の3第1項の規定に違反したとき。

 第14条の3第1項の規定による承認に付した条件に違反したとき。

 偽りその他不正な手段により第14条の3第1項の規定による承認を受けたとき。

 海岸管理者は、他の管理者が管理する操作施設について、その操作が第14条の4の規定に違反して行われている場合においては、当該他の管理者に対し、当該操作規程の遵守のため必要な措置をとることを勧告することができる。

 海岸管理者は、前二項の規定によるほか、海岸の状況の変化その他当該海岸に関する特別の事情により、第14条の3第1項の規定による承認を受けた操作規程によつては津波、高潮等による被害を防止することが困難であると認められるときは、当該承認を受けた他の管理者に対し、当該操作規程を変更することを勧告することができる。

 海岸管理者は、前三項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた他の管理者が、正当な理由がなく、その勧告に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。


第21条の3 海岸管理者は、他の管理者が、その管理する操作施設について、前条第1項又は第2項の規定による勧告に従わない場合において、これを放置すれば津波、高潮等による著しい被害が生ずるおそれがあると認められるときは、その被害の防止のため必要であり、かつ、当該操作施設の管理の状況その他の状況からみて相当であると認められる限度において、当該他の管理者に対し、相当の猶予期限を付けて、当該操作施設の開口部の閉塞その他当該操作施設を含む海岸保全施設の管理につき必要な措置を命ずることができる。

 海岸管理者は、他の管理者が、その管理する操作施設について、前条第3項の規定による勧告に従わない場合において、これを放置すれば津波、高潮等による著しい被害が生ずるおそれがあると認められるときは、その被害の防止のため必要であり、かつ、当該操作施設の管理の状況その他の状況からみて相当であると認められる限度において、当該他の管理者に対し前項に規定する措置を命ずることができる。

 海岸管理者は、前項の規定による命令により損失を受けた者に対し通常生ずべき損失を補償しなければならない。

 第12条の2第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。


(漁業権の取消等及び損失補償)

第22条 都道府県知事は、海岸管理者の申請があつた場合において、海岸保全施設に関する工事を行うため特に必要があるときは、海岸保全区域内の水面に設定されている漁業権を取り消し、変更し、又はその行使の停止を命じなければならない。

 海岸管理者は、前項の規定による漁業権の取消、変更又はその行使の停止によつて生じた損失を当該漁業権者に対し補償しなければならない。

 漁業法(昭和24年法律第267号)第177条第2項、第3項前段、第4項から第8項まで、第11項及び第12項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。この場合において、同条第3項前段中「農林水産大臣が」とあるのは「都道府県知事が海区漁業調整委員会の意見を聴いて」と、同条第5項、第6項及び第11項中「国」とあるのは「海岸管理者」と、同条第7項中「第5項」とあるのは「第5項並びに第89条第3項から第7項まで」と、同条第8項中「国税滞納処分」とあるのは「地方税の滞納処分」と、同条第11項中「第1項第2号又は第3号の土地」とあるのは「海岸法(昭和31年法律第101号)第22条第1項の規定により取り消された漁業権」と、同項及び同条第12項中「有する者」とあるのは「有する者(登録先取特権者等に限る。)」と読み替えるものとする。


(災害時における緊急措置)

第23条 津波、高潮等の発生のおそれがあり、これによる被害を防止する措置をとるため緊急の必要があるときは、海岸管理者は、その現場において、必要な土地を使用し、土石、竹木その他の資材を使用し、若しくは収用し、車両その他の運搬具若しくは器具を使用し、又は工作物その他の障害物を処分することができる。

 海岸管理者は、前項に規定する措置をとるため緊急の必要があるときは、その付近に居住する者又はその現場にある者を当該業務に従事させることができる。

 海岸管理者は、第1項の規定による収用、使用又は処分により損失を受けた者に対し通常生ずべき損失を補償しなければならない。

 第12条の2第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。

 第2項の規定により業務に従事した者が当該業務に従事したことにより死亡し、負傷し、若しくは病気にかかり、又は当該業務に従事したことによる負傷若しくは病気により死亡し、若しくは障害の状態となつたときは、海岸管理者は、政令で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によつて受ける損害を補償しなければならない。


(協議会)

第23条の2 海岸管理者(第6条第1項の規定により海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事を施行する主務大臣を含む。)、国の関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長は、海岸保全施設とその近接地に存する海水の侵入による被害を軽減する効用を有する施設の一体的な整備その他海岸の保全に関し必要な措置について協議を行うための協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織することができる。

 協議会は、必要があると認めるときは、学識経験を有する者その他の協議会が必要と認める者をその構成員として加えることができる。

 協議会において協議が調つた事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。

 前三項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。


(海岸協力団体の指定)

第23条の3 海岸管理者は、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められる法人その他これに準ずるものとして主務省令で定める団体を、その申請により、海岸協力団体として指定することができる。

 海岸管理者は、前項の規定による指定をしたときは、当該海岸協力団体の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。

 海岸協力団体は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を海岸管理者に届け出なければならない。

 海岸管理者は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。


(海岸協力団体の業務)

第23条の4 海岸協力団体は、当該海岸協力団体を指定した海岸管理者が管理する海岸保全区域について、次に掲げる業務を行うものとする。

 海岸管理者に協力して、海岸保全施設等に関する工事又は海岸保全施設等の維持を行うこと。

 海岸保全区域の管理に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。

 海岸保全区域の管理に関する調査研究を行うこと。

 海岸保全区域の管理に関する知識の普及及び啓発を行うこと。

 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。


(監督等)

第23条の5 海岸管理者は、前条各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、海岸協力団体に対し、その業務に関し報告をさせることができる。

 海岸管理者は、海岸協力団体が前条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、海岸協力団体に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

 海岸管理者は、海岸協力団体が前項の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。

 海岸管理者は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。


(情報の提供等)

第23条の6 主務大臣又は海岸管理者は、海岸協力団体に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供又は指導若しくは助言をするものとする。


(海岸協力団体に対する許可の特例)

第23条の7 海岸協力団体が第23条の4各号に掲げる業務として行う主務省令で定める行為についての第7条第1項及び第8条第1項の規定の適用については、海岸協力団体と海岸管理者との協議が成立することをもつて、これらの規定による許可があつたものとみなす。


(海岸保全区域台帳)

第24条 海岸管理者は、海岸保全区域台帳を調製し、これを保管しなければならない。

 海岸管理者は、海岸保全区域台帳の閲覧を求められたときは、正当な理由がなければこれを拒むことができない。

 海岸保全区域台帳の記載事項その他その調製及び保管に関し必要な事項は、主務省令で定める。

第3章 海岸保全区域に関する費用

(海岸保全区域の管理に要する費用の負担原則)

第25条 海岸管理者が海岸保全区域を管理するために要する費用は、この法律及び公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和26年法律第97号)並びに他の法律に特別の規定がある場合を除き、当該海岸管理者の属する地方公共団体の負担とする。ただし、第5条第6項の規定により市町村長が行う海岸保全区域の管理に要する費用は、当該市町村長が統括する市町村の負担とする。


(主務大臣の直轄工事に要する費用)

第26条 第6条第1項の規定により主務大臣が施行する海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に要する費用は、国がその三分の二を、当該海岸管理者の属する地方公共団体がその三分の一を負担するものとする。

 前項の場合において、当該海岸保全施設の新設又は改良によつて他の都府県も著しく利益を受けるときは、主務大臣は、政令で定めるところにより、その利益を受ける限度において、当該海岸保全施設を管理する海岸管理者の属する地方公共団体の負担すべき負担金の一部を著しく利益を受ける他の都府県に分担させることができる。

 前項の規定により主務大臣が著しく利益を受ける他の都府県に負担金の一部を分担させようとする場合においては、主務大臣は、あらかじめ当該都府県の意見をきかなければならない。


(海岸管理者が管理する海岸保全施設の新設又は改良に要する費用の一部負担)

第27条 海岸管理者が管理する海岸保全施設の新設又は改良に関する工事で政令で定めるものに要する費用は、政令で定めるところにより国がその一部を負担するものとする。

 海岸管理者は、前項の工事を施行しようとするときは、あらかじめ、主務大臣に協議し、その同意を得なければならない。

 主務大臣は、前項の同意をする場合には、第1項の規定により国が負担することとなる金額が予算の金額を超えない範囲内でしなければならない。


(市町村の分担金)

第28条 前三条の規定により海岸管理者の属する地方公共団体が負担する費用のうち、都道府県である地方公共団体が負担し、かつ、その工事又は維持が当該都道府県の区域内の市町村を利するものについては、当該工事又は維持による受益の限度において、当該市町村に対し、その工事又は維持に要する費用の一部を負担させることができる。

 前項の費用について同項の規定により市町村が負担すべき金額は、当該市町村の意見をきいた上、当該都道府県の議会の議決を経て定めなければならない。


(負担金の納付)

第29条 主務大臣が海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事を施行する場合においては、まず全額国費をもつてこれを施行した後、海岸管理者の属する地方公共団体又は負担金を分担すべき他の都府県は、政令で定めるところにより第26条第1項又は第2項の規定に基く負担金を国庫に納付しなければならない。


(兼用工作物の費用)

第30条 海岸管理者の管理する海岸保全施設が他の工作物の効用を兼ねるときは、当該海岸保全施設の管理に要する費用の負担については、海岸管理者と当該他の工作物の管理者とが協議して定めるものとする。


(原因者負担金)

第31条 海岸管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた当該海岸管理者の管理する海岸保全施設等に関する工事又は海岸保全施設等の維持の費用については、その必要を生じた限度において、他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。

 前項の場合において、他の工事が河川工事、道路に関する工事、地すべり防止工事又は急傾斜地崩壊防止工事であるときは、当該海岸保全施設等に関する工事の費用については、河川法第68条、道路法第59条第1項及び第3項、地すべり等防止法第35条第1項及び第3項又は急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第22条第1項の規定を適用する。


(附帯工事に要する費用)

第32条 海岸管理者の管理する海岸保全施設に関する工事により必要を生じた他の工事又は当該海岸保全施設に関する工事を施行するため必要を生じた他の工事に要する費用は、第7条第1項及び第8条第1項の規定による許可に附した条件に特別の定がある場合並びに第10条第2項の規定による協議による場合を除き、その必要を生じた限度において、当該海岸管理者の属する地方公共団体がその全部又は一部を負担するものとする。

 前項の場合において、他の工事が河川工事、道路に関する工事、砂防工事又は地すべり防止工事であるときは、他の工事に要する費用については、河川法第67条、道路法第58条第1項、砂防法第16条又は地すべり等防止法第34条第1項の規定を適用する。

 海岸管理者は、第1項の海岸保全施設に関する工事が他の工事又は他の行為のため必要となつたものである場合においては、同項の他の工事に要する費用の全部又は一部をその必要を生じた限度において、その原因となつた工事又は行為につき費用を負担する者に負担させることができる。


(受益者負担金)

第33条 海岸管理者は、その管理する海岸保全施設に関する工事によつて著しく利益を受ける者がある場合においては、その利益を受ける限度において、当該工事に要する費用の一部を負担させることができる。

 前項の場合において、負担金の徴収を受ける者の範囲及びその徴収方法については、海岸管理者の属する地方公共団体の条例で定める。


(負担金の通知及び納入手続等)

第34条 第12条及び前三条の規定による負担金の額の通知及び納入手続その他負担金に関し必要な事項は、政令で定める。


(強制徴収)

第35条 第11条の規定に基づく占用料及び土石採取料並びに第12条第10項、第30条、第31条第1項、第32条第3項及び第33条第1項の規定に基づく負担金(以下この条及び次条においてこれらを「負担金等」と総称する。)を納付しない者があるときは、海岸管理者は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

 前項の場合においては、海岸管理者は、主務省令で定めるところにより延滞金を徴収することができる。ただし、延滞金は、年14.5パーセントの割合を乗じて計算した額をこえない範囲内で定めなければならない。

 第1項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、海岸管理者は、国税滞納処分の例により、前二項に規定する負担金等及び延滞金を徴収することができる。この場合における負担金等及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

 延滞金は、負担金等に先だつものとする。

 負担金等及び延滞金を徴収する権利は、これらを行使することができる時から5年間行使しないときは、時効により消滅する。


(収入の帰属)

第36条 負担金等及び前条第2項の延滞金は、当該海岸管理者の属する地方公共団体に帰属する。ただし、第5条第6項の規定により市町村長が行う海岸保全区域の管理に係るものは当該市町村長が統括する市町村に、主務大臣が第6条第1項の規定に基づき工事を施行する場合における第12条第10項の規定に基づく負担金で主務大臣が負担させるものは国に帰属する。


(義務履行のために要する費用)

第37条 この法律又はこの法律によつてする処分による義務を履行するために必要な費用は、この法律に特別の規定がある場合を除き、当該義務者が負担しなければならない。

第3章の2 海岸保全区域に関する管理等の特例

(主務大臣による管理)

第37条の2 国土保全上極めて重要であり、かつ、地理的条件及び社会的状況により都道府県知事が管理することが著しく困難又は不適当な海岸で政令で指定したものに係る海岸保全区域の管理は、第5条第1項から第4項までの規定にかかわらず、主務大臣が行うものとする。

 主務大臣は、前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。

 第1項の規定により指定された海岸に係る第3条の規定による海岸保全区域の指定又は廃止は、主務大臣が行うものとする。

 第1項の海岸保全区域を管理するために要する費用は、第25条の規定にかかわらず、国が負担するものとする。

 第1項の規定により主務大臣が海岸保全区域の管理を行う場合における第3条第4項、第32条第1項、第33条第2項及び第36条の規定の適用については、第3条第4項中「都道府県知事」とあるのは「主務大臣」と、第32条第1項及び第36条中「当該海岸管理者の属する地方公共団体」とあるのは「国」と、第33条第2項中「海岸管理者の属する地方公共団体の条例」とあるのは「政令」とする。

第3章の3 一般公共海岸区域に関する管理及び費用

(管理)

第37条の3 一般公共海岸区域の管理は、当該一般公共海岸区域の存する地域を統括する都道府県知事が行うものとする。

 前項の規定にかかわらず、海岸保全区域、港湾区域又は漁港区域(以下この条及び第40条において「特定区域」という。)に接する一般公共海岸区域のうち、特定区域を管理する海岸管理者、港湾管理者の長又は漁港管理者である地方公共団体の長(以下この条及び第40条において「特定区域の管理者」という。)が管理することが適当であると認められ、かつ、都道府県知事と当該特定区域の管理者とが協議して定める区域については、当該特定区域の管理者がその管理を行うものとする。

 前二項の規定にかかわらず、市町村の長は、都道府県知事(前項の規定により特定区域の管理者が管理する一般公共海岸区域にあつては、都道府県知事及び当該特定区域の管理者)との協議に基づき、当該市町村の区域に存する一般公共海岸区域の管理を行うことができる。

 都道府県知事又は市町村長は、第2項の規定により協議して区域を定めるとき、又は前項の規定により協議して一般公共海岸区域の管理を行うときは、主務省令で定めるところにより、これを公示しなければならない。これを変更するときも、同様とする。

 第2項及び第3項に規定する協議は、前項の公示によつてその効力を生ずる。


(一般公共海岸区域の占用)

第37条の4 海岸管理者以外の者が一般公共海岸区域(水面を除く。)内において、施設又は工作物を設けて当該一般公共海岸区域を占用しようとするときは、主務省令で定めるところにより、海岸管理者の許可を受けなければならない。


(一般公共海岸区域における行為の制限)

第37条の5 一般公共海岸区域内において、次に掲げる行為をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、海岸管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める行為については、この限りではない。

 土石を採取すること。

 水面において施設又は工作物を新設し、又は改築すること。

 土地の掘削、盛土、切土その他海岸の保全に支障を及ぼすおそれのある行為で政令で定める行為をすること。


第37条の6 何人も、一般公共海岸区域(第2号から第4号までにあつては、海岸の利用、地形その他の状況により、海岸の保全上特に必要があると認めて海岸管理者が指定した区域に限る。)内において、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。

 海岸管理者が管理する施設又は工作物を損傷し、又は汚損すること。

 油その他の通常の管理行為による処理が困難なものとして主務省令で定めるものにより海岸を汚損すること。

 自動車、船舶その他の物件で海岸管理者が指定したものを入れ、又は放置すること。

 その他海岸の保全に著しい支障を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるものを行うこと。

 海岸管理者は、前項各号列記以外の部分の規定又は同項第3号の規定による指定をするときは、主務省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。これを廃止するときも、同様とする。

 前項の指定又はその廃止は、同項の公示によつてその効力を生ずる。


(経過措置)

第37条の7 一般公共海岸区域に新たに該当することとなつた際現に当該一般公共海岸区域内において権原に基づき施設又は工作物を設置(工事中の場合を含む。)している者は、従前と同様の条件により、当該施設又は工作物の設置について第37条の4又は第37条の5の規定による許可を受けたものとみなす。一般公共海岸区域に新たに該当することとなつた際現に当該一般公共海岸区域内において権原に基づき同条第1号及び第3号に掲げる行為を行つている者についても、同様とする。


(準用規定)

第37条の8 第10条第2項、第11条、第12条(第3項を除く。)、第12条の2、第16条、第18条、第23条、第23条の3から第23条の7まで、第24条、第25条、第28条、第31条及び第34条から第37条までの規定は、一般公共海岸区域について準用する。この場合において、第10条第2項、第11条、第12条第1項及び第2項並びに第23条の7中「第7条第1項」とあるのは「第37条の4」と、第10条第2項、第12条第1項及び第2項並びに第23条の7中「第8条第1項」とあるのは「第37条の5」と、第11条中「第8条第1項第1号」とあるのは「第37条の5第1号」と、第12条第1項中「第8条の2第1項第3号」とあるのは「第37条の6第1項第3号」と、「第8条の2第1項」とあるのは「第37条の6第1項」と、第24条中「海岸保全区域台帳」とあるのは「一般公共海岸区域台帳」と読み替えるものとする。

第4章 雑則

(報告の徴収)

第38条 主務大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、都道府県知事、市町村長及び海岸管理者に対し報告又は資料の提出を求めることができる。


(許可等の条件)

第38条の2 海岸管理者は、この法律の規定による許可又は承認には、海岸の保全上必要な条件を付することができる。

 前項の条件は、許可又は承認を受けた者に対し、不当な義務を課することとなるものであつてはならない。


(審査請求)

第39条 海岸管理者がこの法律の規定によつてした処分(第40条の4第1項各号に掲げる事務に係るものに限る。)について不服がある者は、主務大臣に対して審査請求をすることができる。


(裁定の申請)

第39条の2 次に掲げる処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に対して裁定の申請をすることができる。この場合には、審査請求をすることができない。

 第7条第1項、第8条第1項、第37条の4若しくは第37条の5の規定による許可又はこれらの規定による許可を与えないこと。

 第12条第1項若しくは第2項(第37条の8において準用する場合を含む。)の規定による処分又はこれらの規定による必要な措置の命令

 行政不服審査法(平成26年法律第68号)第22条の規定は、前項各号の処分につき、処分をした行政庁が誤つて審査請求又は再調査の請求をすることができる旨を教示した場合に準用する。


(主務大臣等)

第40条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。

 港湾区域、港湾隣接地域、公告水域及び特定離島港湾区域に係る海岸保全区域に関する事項については、国土交通大臣

 漁港区域に係る海岸保全区域に関する事項については、農林水産大臣

 第3条の規定による海岸保全区域の指定の際現に国、都道府県、土地改良区その他の者が土地改良法(昭和24年法律第195号)第2条第2項の規定による土地改良事業として管理している施設で海岸保全施設に該当するものの存する地域に係る海岸保全区域及び同法の規定により決定されている土地改良事業計画に基づき海岸保全施設に該当するものを設置しようとする地域に係る海岸保全区域に関する事項については、農林水産大臣

 第3条の規定による海岸保全区域の指定の際現に都道府県、市町村その他の者が農地の保全のため必要な事業として管理している施設で海岸保全施設に該当するものの存する地域(前号に規定する地域を除く。)に係る海岸保全区域に関する事項については、農林水産大臣及び国土交通大臣

 一般公共海岸区域のうち、第37条の3第2項の規定により特定区域の管理者が管理するものに関する事項については、前各号の規定により特定区域に関する事項を所掌する大臣

 前各号に掲げる海岸保全区域等以外の海岸保全区域等に関する事項については、国土交通大臣

 前項の規定にかかわらず、主務大臣を異にする海岸保全区域相互にわたる海岸保全施設で一連の施設として一の主務大臣がその管理を所掌することが適当であると認められるものについては、関係主務大臣が協議して別にその管理の所掌の方法を定めることができる。

 前項の協議が成立したときは、関係主務大臣は、政令で定めるところにより、成立した協議の内容を公示するとともに、関係都道府県知事及び関係海岸管理者に通知しなければならない。

 この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。


(権限の委任)

第40条の2 この法律に規定する主務大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長に委任することができる。


(国有財産の無償貸付け)

第40条の3 国の所有する公共海岸の土地は、国有財産法(昭和23年法律第73号)第18条の規定にかかわらず、当該土地の存する海岸保全区域等を管理する海岸管理者の属する地方公共団体に無償で貸し付けられたものとみなす。


(事務の区分)

第40条の4 この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務のうち次に掲げるものは、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務(次項において単に「第1号法定受託事務」という。)とする。

 第2条第1項及び第2項、第2条の3、第3条第1項、第2項及び第4項、第4条第1項、第5条第1項から第5項まで、第7項及び第8項、第13条、第14条の5第1項、第15条、第16条第1項、第17条第1項、第18条第1項、第2項、第4項、第5項及び第7項、同条第8項において準用する第12条の2第2項及び第3項、第19条第1項、第3項及び第4項、第20条第1項及び第2項、第21条第1項から第3項まで、同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項、第21条の3第1項から第3項まで、同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項、第22条第2項、同条第3項において準用する漁業法第177条第2項、第3項前段、第4項から第8項まで、第11項及び第12項、第23条の3第1項、第2項及び第4項、第23条の5、第23条の6、第24条第1項及び第2項、第30条、第31条第1項、第32条第3項、第33条第1項、第35条第1項及び第3項並びに第38条の規定により都道府県が処理することとされている事務(第5条第1項から第5項まで、第14条の5第1項、第15条、第16条第1項、第18条第1項、第2項、第4項、第5項及び第7項、同条第8項において準用する第12条の2第2項及び第3項、第20条第1項及び第2項、第23条の5、第23条の6、第30条、第31条第1項、第35条第1項及び第3項並びに第38条に規定する事務にあつては、海岸保全施設に関する工事に係るものに限る。)

 第2条第1項、第2条の3第4項(同条第7項において準用する場合を含む。)、第5条第2項から第5項まで、第13条、第14条の5第1項、第15条、第16条第1項、第17条第1項、第18条第1項、第2項、第4項、第5項及び第7項、同条第8項において準用する第12条の2第2項及び第3項、第19条第1項、第3項及び第4項、第20条第1項及び第2項、第21条第1項から第3項まで、同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項、第21条の3第1項から第3項まで、同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項、第22条第2項、同条第3項において準用する漁業法第177条第2項、第3項前段、第4項から第8項まで、第11項及び第12項、第23条の3第1項、第2項及び第4項、第23条の5、第23条の6、第24条第1項及び第2項、第30条、第31条第1項、第32条第3項、第33条第1項、第35条第1項及び第3項並びに第38条の規定により市町村が処理することとされている事務(第5条第2項から第5項まで、第14条の5第1項、第15条、第16条第1項、第18条第1項、第2項、第4項、第5項及び第7項、同条第8項において準用する第12条の2第2項及び第3項、第20条第1項及び第2項、第23条の5、第23条の6、第30条、第31条第1項、第35条第1項及び第3項並びに第38条に規定する事務にあつては、海岸保全施設に関する工事に係るものに限る。)

 他の法律及びこれに基づく政令の規定により、前項に規定する事務に関して都道府県又は市町村が処理することとされている事務は、第1号法定受託事務とする。


(経過措置)

第40条の5 この法律の規定に基づき政令又は主務省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は主務省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第5章 罰則

(罰則)

第41条 次の各号の一に該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 第7条第1項の規定に違反して海岸保全区域を占用した者

 第8条第1項の規定に違反して同項各号の一に該当する行為をした者

 第8条の2第1項の規定に違反して海岸管理者が管理する海岸保全施設を損傷し、又は汚損した者


第42条 次の各号の一に該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

 第8条の2第1項の規定に違反して同項各号の一に該当する行為をした者(前条第3号に掲げる者を除く。)

 第18条第6項(第37条の8において準用する場合を含む。)の規定に違反して土地若しくは水面の立入若しくは一時使用を拒み、又は妨げた者

 第20条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

 第20条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

 第37条の4の規定に違反して一般公共海岸区域を占用した者

 第37条の5の規定に違反して同条各号の一に該当する行為をした者

 第37条の6第1項の規定に違反して同項各号の一に該当する行為をした者


(両罰規定)

第43条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するのほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

附 則
(施行期日)

 この法律は、公布の日から起算して6月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

(昭和60年度から平成4年度までの特例)

 第26条第1項の規定の昭和60年度から平成4年度までの各年度における適用については、同項ただし書中「三分の二」とあるのは「十分の六」と、「三分の一」とあるのは「十分の四」とする。

(国の無利子貸付け等)

 国は、当分の間、海岸管理者の属する地方公共団体に対し、第27条第1項の規定により国がその費用について負担する海岸保全施設の新設又は改良に関する工事で日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法(昭和62年法律第86号。次項において「社会資本整備特別措置法」という。)第2条第1項第2号に該当するものに要する費用に充てる資金について、予算の範囲内において、第27条第1項の規定(この規定による国の負担の割合について、この規定と異なる定めをした法令の規定がある場合には、当該異なる定めをした法令の規定を含む。以下同じ。)により国が負担する金額に相当する金額を無利子で貸し付けることができる。

 国は、当分の間、地方公共団体に対し、前項の規定による場合のほか、海岸保全施設に関する工事及びこれと併せて海岸保全区域内において施行する海岸の環境の整備に関する工事で社会資本整備特別措置法第2条第1項第2号に該当するものに要する費用に充てる資金の一部を、予算の範囲内において、無利子で貸し付けることができる。

 前二項の国の貸付金の償還期間は、5年(2年以内の据置期間を含む。)以内で政令で定める期間とする。

 前項に定めるもののほか、附則第5項及び第6項の規定による貸付金の償還方法、償還期限の繰上げその他償還に関し必要な事項は、政令で定める。

 附則第5項の規定により国が地方公共団体に対し貸付けを行う場合における第27条第3項の規定の適用については、同項中「第1項の規定により国が負担することとなる金額」とあるのは、「附則第5項の規定により国が貸し付けることとなる金額」とする。

10 国は、附則第5項の規定により、地方公共団体に対し貸付けを行つた場合には、当該貸付けの対象である工事に係る第27条第1項の規定による国の負担については、当該貸付金の償還時において、当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。

11 国は、附則第6項の規定により、地方公共団体に対し貸付けを行つた場合には、当該貸付けの対象である工事について、当該貸付金に相当する金額の補助を行うものとし、当該補助については、当該貸付金の償還時において、当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。

12 地方公共団体が、附則第5項及び第6項の規定による貸付けを受けた無利子貸付金について、附則第7項及び第8項の規定に基づき定められる償還期限を繰り上げて償還を行つた場合(政令で定める場合を除く。)における前二項の規定の適用については、当該償還は、当該償還期限の到来時に行われたものとみなす。

附 則(昭和33年3月31日法律第30号)
(施行期日)

第1条 この法律は、昭和33年4月1日から施行する。

附 則(昭和34年4月20日法律第148号)
(施行期日)

 この法律は、国税徴収法(昭和34年法律第147号)の施行の日から施行する。

(公課の先取特権の順位の改正に関する経過措置)

 第2章の規定による改正後の各法令(徴収金の先取特権の順位に係る部分に限る。)の規定は、この法律の施行後に国税徴収法第2条第12号に規定する強制換価手続による配当手続が開始される場合について適用し、この法律の施行前に当該配当手続が開始されている場合における当該法令の規定に規定する徴収金の先取特権の順位については、なお従前の例による。

附 則(昭和35年3月30日法律第13号)

この法律は、公布の日から施行する。

附 則(昭和35年3月31日法律第40号)

 この法律は、公布の日から施行し、昭和35年度の予算から適用する。

附 則(昭和37年9月15日法律第161号)

 この法律は、昭和37年10月1日から施行する。

 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。

 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。

 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。

 第3項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。

 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(昭和38年6月8日法律第99号)
(施行期日及び適用区分)

第1条 この法律中目次の改正規定(第3編第4章の次に一章を加える部分に限る。)、第1条の2の改正規定、第2条第3項第8号の改正規定、第263条の2の次に一条を加える改正規定、第3編第4章の次に一章を加える改正規定、附則第20条の2の次に一条を加える改正規定及び別表の改正規定並びに附則第15条から附則第18条まで、附則第24条(地方開発事業団に関する部分に限る。)、附則第25条(地方開発事業団に関する部分に限る。)及び附則第35条の規定(以下「財務以外の改正規定等」という。)は公布の日から、普通地方公共団体に係る会計の区分、予算の調整及び議決、継続費、繰越明許費、債務負担行為、予算の内容、歳入歳出予算の区分、予備費、補正予算及び暫定予算、地方債並びに一時借入金に関する改正規定並びに附則第4条、附則第5条第1項、第2項及び第4項、附則第6条第1項並びに附則第8条の規定(以下「予算関係の改正規定」という。)は昭和39年1月1日から、その他の改正規定並びに附則第2条、附則第3条、附則第5条第3項、附則第6条第2項及び第3項、附則第7条、附則第9条から附則第14条まで、附則第19条から附則第23条まで、附則第24条(地方開発事業団に関する部分を除く。)、附則第25条(地方開発事業団に関する部分を除く。)並びに附則第26条から附則第34条までの規定は同年4月1日から施行する。

附 則(昭和39年7月10日法律第168号)

 この法律は、新法の施行の日(昭和40年4月1日)から施行する。

附 則(昭和41年3月28日法律第10号)

 この法律は、昭和41年4月1日から施行する。

 昭和40年度以前の年度の予算に係る負担金に係る経費の金額で昭和41年度以降に繰り越されたものに係る海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に要する費用についての国及び海岸管理者の属する地方公共団体の負担の割合については、改正後の海岸法第26条第1項ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。

附 則(昭和42年7月20日法律第73号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第8条から第31条までの規定は、公布の日から起算して6月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(昭和44年7月1日法律第57号)
(施行期日)

 この法律は、公布の日から起算して3月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(昭和45年4月1日法律第13号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(昭和45年6月1日法律第111号)
(施行期日)

 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(昭和47年6月3日法律第52号)
(施行期日等)

第1条 この法律は、公布の日から起算して30日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。


(土地調整委員会又は中央公害審査委員会がした処分等に関する経過措置)

第16条 この法律の施行前にこの法律による改正前の法律の規定により土地調整委員会又は中央公害審査委員会がした処分その他の行為は、政令で別段の定めをするものを除き、この法律又はこの法律による改正後の法律の相当規定により、公害等調整委員会がした処分その他の行為とみなす。

 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の法律の規定により土地調整委員会又は中央公害審査委員会に対してされている申請その他の手続は、政令で別段の定めをするものを除き、この法律又はこの法律による改正後の法律の相当規定により、公害等調整委員会に対してされた手続とみなす。

附 則(昭和53年7月5日法律第87号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(昭和59年8月10日法律第71号)
(施行期日)

第1条 この法律は、昭和60年4月1日から施行する。


(海岸法の一部改正に伴う経過措置)

第21条 この法律の施行前に第43条の規定による改正前の海岸法第10条第2項の規定により旧公社が海岸管理者にした協議に基づく占用又は行為は、第43条の規定による改正後の海岸法第7条第1項又は第8条第1項の規定により会社に対して海岸管理者がした許可に基づく占用又は行為とみなす。


(政令への委任)

第27条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(昭和59年12月25日法律第87号)
(施行期日)

第1条 この法律は、昭和60年4月1日から施行する。


(海岸法の一部改正に伴う経過措置)

第16条 この法律の施行前に第40条の規定による改正前の海岸法第10条第2項の規定により旧公社が海岸管理者にした協議に基づく占用又は行為は、第40条の規定による改正後の海岸法第7条第1項又は第8条第1項の規定により会社に対して海岸管理者がした許可に基づく占用又は行為とみなす。


(政令への委任)

第28条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則(昭和60年5月18日法律第37号)
(施行期日等)

 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(昭和60年7月12日法律第90号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(昭和61年5月8日法律第46号)

 この法律は、公布の日から施行する。

 この法律(第11条、第12条及び第34条の規定を除く。)による改正後の法律の昭和61年度から昭和63年度までの各年度の特例に係る規定並びに昭和61年度及び昭和62年度の特例に係る規定は、昭和61年度から昭和63年度までの各年度(昭和61年度及び昭和62年度の特例に係るものにあつては、昭和61年度及び昭和62年度。以下この項において同じ。)の予算に係る国の負担(当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担を含む。以下この項において同じ。)又は補助(昭和60年度以前の年度における事務又は事業の実施により昭和61年度以降の年度に支出される国の負担又は補助及び昭和60年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき昭和61年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)並びに昭和61年度から昭和63年度までの各年度における事務又は事業の実施により昭和64年度(昭和61年度及び昭和62年度の特例に係るものにあつては、昭和63年度。以下この項において同じ。)以降の年度に支出される国の負担又は補助、昭和61年度から昭和63年度までの各年度の国庫債務負担行為に基づき昭和64年度以降の年度に支出すべきものとされる国の負担又は補助及び昭和61年度から昭和63年度までの各年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で昭和64年度以降の年度に繰り越されるものについて適用し、昭和60年度以前の年度における事務又は事業の実施により昭和61年度以降の年度に支出される国の負担又は補助、昭和60年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき昭和61年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び昭和60年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で昭和61年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。

附 則(昭和61年12月4日法律第93号)
(施行期日)

第1条 この法律は、昭和62年4月1日から施行する。


(海岸法の一部改正に伴う経過措置)

第29条 この法律の施行前に第127条の規定による改正前の海岸法第10条第2項又は第13条第2項の規定により日本国有鉄道が海岸管理者にした協議に基づく占用若しくは行為又は工事は、政令で定めるところにより、第127条の規定による改正後の海岸法第7条第1項若しくは第8条第1項又は第13条第1項の規定により承継法人及び清算事業団のうち政令で定める者に対して海岸管理者がした許可又は承認に基づく占用若しくは行為又は工事とみなす。


(政令への委任)

第42条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則(昭和62年9月4日法律第87号)

この法律は、公布の日から施行し、第6条及び第8条から第12条までの規定による改正後の国有林野事業特別会計法、道路整備特別会計法、治水特別会計法、港湾整備特別会計法、都市開発資金融通特別会計法及び空港整備特別会計法の規定は、昭和62年度の予算から適用する。

附 則(平成元年4月10日法律第22号)
(施行期日等)

 この法律は、公布の日から施行する。

 この法律(第11条、第12条及び第34条の規定を除く。)による改正後の法律の平成元年度及び平成2年度の特例に係る規定並びに平成元年度の特例に係る規定は、平成元年度及び平成2年度(平成元年度の特例に係るものにあっては、平成元年度。以下この項において同じ。)の予算に係る国の負担(当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担を含む。以下この項及び次項において同じ。)又は補助(昭和63年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成元年度以降の年度に支出される国の負担及び昭和63年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成元年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)並びに平成元年度及び平成2年度における事務又は事業の実施により平成3年度(平成元年度の特例に係るものにあっては、平成2年度。以下この項において同じ。)以降の年度に支出される国の負担、平成元年度及び平成2年度の国庫債務負担行為に基づき平成3年度以降の年度に支出すべきものとされる国の負担又は補助並びに平成元年度及び平成2年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成3年度以降の年度に繰り越されるものについて適用し、昭和63年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成元年度以降の年度に支出される国の負担、昭和63年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成元年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び昭和63年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成元年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。

附 則(平成3年3月30日法律第15号)

 この法律は、平成3年4月1日から施行する。

 この法律(第11条及び第19条の規定を除く。)による改正後の法律の平成3年度及び平成4年度の特例に係る規定並びに平成3年度の特例に係る規定は、平成3年度及び平成4年度(平成3年度の特例に係るものにあっては平成3年度とする。以下この項において同じ。)の予算に係る国の負担(当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担を含む。以下この項において同じ。)又は補助(平成2年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成3年度以降の年度に支出される国の負担及び平成2年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成3年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)並びに平成3年度及び平成4年度における事務又は事業の実施により平成5年度(平成3年度の特例に係るものにあっては平成4年度とする。以下この項において同じ。)以降の年度に支出される国の負担、平成3年度及び平成4年度の国庫債務負担行為に基づき平成5年度以降の年度に支出すべきものとされる国の負担又は補助並びに平成3年度及び平成4年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成5年度以降の年度に繰り越されるものについて適用し、平成2年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成3年度以降の年度に支出される国の負担、平成2年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成3年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び平成2年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成3年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。

附 則(平成5年3月31日法律第8号)
(施行期日等)

 この法律は、平成5年4月1日から施行する。

 この法律(第11条及び第20条の規定を除く。)による改正後の法律の規定は、平成5年度以降の年度の予算に係る国の負担(当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担を含む。以下この項において同じ。)又は補助(平成4年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成5年度以降の年度に支出される国の負担及び平成4年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成5年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)について適用し、平成4年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成5年度以降の年度に支出される国の負担、平成4年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成5年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び平成4年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成5年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。

附 則(平成11年5月28日法律第54号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第37条の2の規定は、公布の日から施行する。


(海岸保全基本計画に関する経過措置)

第2条 この法律の施行の日以後この法律による改正後の海岸法(以下「新法」という。)第2条の3の規定に基づき当該海岸保全区域について海岸保全基本計画が定められるまでの間においては、この法律の施行の際現にこの法律による改正前の海岸法第23条の規定に基づき当該海岸保全区域について定められている海岸保全施設の整備に関する基本計画を、新法第2条の3の規定に基づき当該海岸保全区域について定められた海岸保全基本計画とみなす。


(一般公共海岸区域に関する経過措置)

第3条 この法律の施行の際現に一般公共海岸区域内において権原に基づき施設又は工作物を設置(工事中の場合を含む。)している者は、従前と同様の条件により、当該施設又は工作物の設置について第37条の4又は第37条の5の規定による許可を受けたものとみなす。この法律の施行の際現に一般公共海岸区域内において権原に基づき同条第1号及び第3号に掲げる行為を行っている者についても、同様とする。

附 則(平成11年7月16日法律第87号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第1条中地方自治法第250条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第250条の9第1項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第40条中自然公園法附則第9項及び第10項の改正規定(同法附則第10項に係る部分に限る。)、第244条の規定(農業改良助長法第14条の3の改正規定に係る部分を除く。)並びに第472条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第6条、第8条及び第17条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第7条、第10条、第12条、第59条ただし書、第60条第4項及び第5項、第73条、第77条、第157条第4項から第6項まで、第160条、第163条、第164条並びに第202条の規定 公布の日


(海岸法の一部改正に伴う経過措置)

第132条 施行日前に第420条の規定による改正前の海岸法(以下この条において「旧海岸法」という。)第4条第2項の規定による運輸大臣の同意を得た港湾管理者は、第420条の規定による改正後の海岸法(以下この条において「新海岸法」という。)第4条第2項の規定による運輸大臣との協議を行ったものとみなす。

 この法律の施行の際現に旧海岸法第4条第2項の規定によりされている同意の求めは、新海岸法第4条第2項の規定によりされた協議の申出とみなす。

 施行日前に旧海岸法第2条第3項に規定する海岸管理者が旧海岸法の規定によってした処分(新海岸法第39条に規定する処分を除く。)及び都道府県知事が旧海岸法第22条第1項の規定によってした漁業権に関する処分についての審査請求については、なお従前の例による。


(国等の事務)

第159条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第161条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。


(処分、申請等に関する経過措置)

第160条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第163条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第2条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。

 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。


(不服申立てに関する経過措置)

第161条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。

 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。


(罰則に関する経過措置)

第163条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第164条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。


(検討)

第250条 新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。


第251条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附 則(平成11年12月22日法律第160号)
(施行期日)

第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日

附 則(平成12年5月19日法律第78号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成13年4月1日から施行する。


(海岸法の一部改正に伴う経過措置)

第13条 この法律の施行前に前条の規定による改正前の海岸法第4条第1項の規定による農林水産大臣との協議をした都道府県知事は、前条の規定による改正後の海岸法第4条第1項の規定による漁港管理者との協議をしたものとみなす。

附 則(平成13年6月29日法律第92号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成14年4月1日から施行する。

附 則(平成14年2月8日法律第1号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(平成19年3月31日法律第23号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成19年4月1日から施行し、平成19年度の予算から適用する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行し、第2条第1項第4号、第16号及び第17号、第2章第4節、第16節及び第17節並びに附則第49条から第65条までの規定は、平成20年度の予算から適用する。

 附則第266条、第268条、第273条、第276条、第279条、第284条、第286条、第288条、第289条、第291条、第292条、第295条、第298条、第299条、第302条、第317条、第322条、第324条、第328条、第343条、第345条、第347条、第349条、第352条、第353条、第359条、第360条、第362条、第365条、第368条、第369条、第380条、第383条及び第386条の規定 平成20年4月1日


(罰則に関する経過措置)

第391条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第392条 附則第2条から第65条まで、第67条から第259条まで及び第382条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。

附 則(平成22年6月2日法律第41号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成23年3月31日法律第9号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成23年4月1日から施行する。

附 則(平成23年5月2日法律第37号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から施行する。


(海岸法の一部改正に伴う経過措置)

第16条 この法律の施行の日前に第34条の規定による改正前の海岸法第27条第2項の規定によりされた承認又はこの法律の施行の際現に同項の規定によりされている承認の申請は、それぞれ第34条の規定による改正後の海岸法第27条第2項の規定によりされた同意又は協議の申出とみなす。


(罰則に関する経過措置)

第23条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(政令への委任)

第24条 附則第2条から前条まで及び附則第36条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成25年11月22日法律第76号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成26年4月1日から施行し、この法律による改正後の特別会計に関する法律(以下「新特別会計法」という。)の規定は、平成26年度の予算から適用する。

附 則(平成26年6月11日法律第61号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第14条の次に四条を加える改正規定、第20条(同条の前の見出しを含む。)及び第21条の改正規定、同条の次に二条を加える改正規定並びに第40条の4の改正規定(同条第1項第1号中「第13条」の下に「、第14条の5第1項」を、「同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項」の下に「、第21条の3第1項から第3項まで、同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項」を、「(第5条第1項から第5項まで」の下に「、第14条の5第1項」を加える部分及び同項第2号中「第13条」の下に「、第14条の5第1項」を、「同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項」の下に「、第21条の3第1項から第3項まで、同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項」を、「(第5条第2項から第5項まで」の下に「、第14条の5第1項」を加える部分に限る。)並びに附則第4条(地方自治法(昭和22年法律第67号)別表第一海岸法(昭和31年法律第101号)の項第1号イの改正規定中「第13条」の下に「、第14条の5第1項」を、「同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項」の下に「、第21条の3第1項から第3項まで、同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項」を、「(第5条第1項から第5項まで」の下に「、第14条の5第1項」を加える部分及び同号ロの改正規定中「第13条」の下に「、第14条の5第1項」を、「同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項」の下に「、第21条の3第1項から第3項まで、同条第4項において準用する第12条の2第2項及び第3項」を、「(第5条第2項から第5項まで」の下に「、第14条の5第1項」を加える部分に限る。)の規定は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


(政令への委任)

第2条 この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


(検討)

第3条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律による改正後の海岸法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

附 則(平成26年6月13日法律第69号)
(施行期日)

第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。


(経過措置の原則)

第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。


(訴訟に関する経過措置)

第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。

 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。

 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。


(罰則に関する経過措置)

第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則(平成29年6月2日法律第45号)

この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。ただし、第103条の2、第103条の3、第267条の2、第267条の3及び第362条の規定は、公布の日から施行する。

附 則(平成30年12月14日法律第95号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。