かっこ色付け
移動

民事再生法

平成11年法律第225号
最終改正:令和元年12月11日法律第71号
ツイート
シェア
印刷用画面
検索
条へ移動
全条文表示に戻る

第1章 総則

(目的)

第1条 この法律は、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする。


(定義)

第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 再生債務者 経済的に窮境にある債務者であって、その者について、再生手続開始の申立てがされ、再生手続開始の決定がされ、又は再生計画が遂行されているものをいう。

 再生債務者等 管財人が選任されていない場合にあっては再生債務者、管財人が選任されている場合にあっては管財人をいう。

 再生計画 再生債権者の権利の全部又は一部を変更する条項その他の第154条に規定する条項を定めた計画をいう。

 再生手続 次章以下に定めるところにより、再生計画を定める手続をいう。


(外国人の地位)

第3条 外国人又は外国法人は、再生手続に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。


(再生事件の管轄)

第4条 この法律の規定による再生手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。

 民事訴訟法(平成8年法律第109号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。


第5条 再生事件は、再生債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。

 前項の規定による管轄裁判所がないときは、再生事件は、再生債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。

 前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成17年法律第86号)第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第59条第3項第2号及び第4項並びに第127条の2第2項第2号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第127条の2第2項第2号ロにおいて「親法人」という。)について再生事件又は更生事件(以下この条において「再生事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第127条の2第2項第2号ロにおいて「子株式会社」という。)についての再生手続開始の申立ては、親法人の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について再生事件等が係属しているときにおける親法人についての再生手続開始の申立ては、子株式会社の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

 子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。

 第1項及び第2項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第444条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第1項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について再生事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての再生手続開始の申立ては、当該株式会社の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について再生事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての再生手続開始の申立ては、当該他の法人の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

 第1項及び第2項の規定にかかわらず、法人について再生事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての再生手続開始の申立ては、当該法人の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について再生事件が係属している場合における当該法人についての再生手続開始の申立ては、当該法人の代表者の再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。

 第1項及び第2項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか1人について再生事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての再生手続開始の申立ては、当該再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。

 相互に連帯債務者の関係にある個人

 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人

 夫婦

 第1項及び第2項の規定にかかわらず、再生債権者の数が500人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、再生手続開始の申立てをすることができる。

 第1項及び第2項の規定にかかわらず、再生債権者の数が1000人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、再生手続開始の申立てをすることができる。

10 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、再生事件は、先に再生手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。


(専属管轄)

第6条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。


(再生事件の移送)

第7条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、再生事件を次に掲げる裁判所のいずれかに移送することができる。

 再生債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所

 再生債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所

 第5条第2項に規定する地方裁判所

 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所

 第5条第3項から第7項までに規定する地方裁判所

 再生債権者の数が500人以上であるときは、第5条第8項に規定する地方裁判所

 再生債権者の数が1000人以上であるときは、第5条第9項に規定する地方裁判所

 第5条第3項から第9項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に再生事件が係属しているときは、同条第1項又は第2項に規定する地方裁判所


(任意的口頭弁論等)

第8条 再生手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。

 裁判所は、職権で、再生事件に関して必要な調査をすることができる。


(不服申立て)

第9条 再生手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して2週間とする。


(公告等)

第10条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。

 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。

 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。

 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。

 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。


(法人の再生手続に関する登記の嘱託等)

第11条 法人である再生債務者について再生手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、再生手続開始の登記を再生債務者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。ただし、再生債務者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。

 前項の再生債務者について第54条第1項、第64条第1項又は第79条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による処分がされた場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該処分の登記を前項に規定する登記所に嘱託しなければならない。

 前項の登記には、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項をも登記しなければならない。

 前項に規定する第54条第1項の規定による処分の登記 監督委員の氏名又は名称及び住所並びに同条第2項の規定により指定された行為

 前項に規定する第64条第1項又は第79条第1項の規定による処分の登記 管財人又は保全管理人の氏名又は名称及び住所、管財人又は保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第70条第1項ただし書(第83条第1項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の許可があったときはその旨並びに管財人又は保全管理人が職務を分掌することについて第70条第1項ただし書の許可があったときはその旨及び各管財人又は各保全管理人が分掌する職務の内容

 第2項の規定は、同項に規定する処分の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。

 第1項の規定は、同項の再生債務者につき次に掲げる事由が生じた場合について準用する。

 再生手続開始の決定の取消し、再生手続廃止又は再生計画認可若しくは不認可の決定の確定

 再生計画取消しの決定の確定(再生手続終了前である場合に限る。)

 再生手続終結の決定による再生手続の終結

 登記官は、第1項の規定により再生手続開始の登記をする場合において、再生債務者について特別清算開始の登記があるときは、職権で、その登記を抹消しなければならない。

 登記官は、第5項第1号の規定により再生手続開始の決定の取消しの登記をする場合において、前項の規定により抹消した登記があるときは、職権で、その登記を回復しなければならない。

 第6項の規定は、第5項第1号の規定により再生計画の認可の登記をする場合における破産手続開始の登記について準用する。


(登記のある権利についての登記等の嘱託)

第12条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。

 再生債務者財産(再生債務者が有する一切の財産をいう。以下同じ。)に属する権利で登記がされたものに関し第30条第1項(第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。

 登記のある権利に関し第134条の4第1項(同条第7項において準用する場合を含む。)又は第142条第1項若しくは第2項の規定による保全処分があったとき。

 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。

 裁判所書記官は、再生手続開始の決定があった場合において、再生債務者に属する権利で登記がされたものについて会社法第938条第3項(同条第4項において準用する場合を含む。)の規定による登記があることを知ったときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。

 前項の規定による登記の抹消がされた場合において、再生手続開始の決定を取り消す決定が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、同項の規定により抹消された登記の回復を嘱託しなければならない。

 第3項の規定は、再生計画認可の決定が確定した場合において、裁判所書記官が再生債務者に属する権利で登記がされたものについて破産手続開始の登記があることを知ったときについて準用する。


(否認の登記)

第13条 登記の原因である行為が否認されたときは、監督委員又は管財人は、否認の登記を申請しなければならない。登記が否認されたときも、同様とする。

 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。

 当該否認の登記

 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記

 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記

 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第2号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(再生手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。第5項において同じ。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の再生債務者への移転の登記をしなければならない。

 裁判所書記官は、第1項の否認の登記がされている場合において、再生債務者について、再生計画認可の決定が確定したときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。

 前項に規定する場合において、裁判所書記官から当該否認の登記の抹消の嘱託を受けたときは、登記官は、職権で、第2項第2号及び第3号に掲げる登記を抹消しなければならない。この場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第2号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がされているときは、登記官は、職権で、同項第2号及び第3号に掲げる登記の抹消に代えて、同項第2号に掲げる登記に係る権利の再生債務者への移転の登記をしなければならない。

 裁判所書記官は、第1項の否認の登記がされている場合において、再生債務者について、再生手続開始の決定の取消し若しくは再生計画不認可の決定が確定したとき、又は再生計画認可の決定が確定する前に再生手続廃止の決定が確定したときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。


(非課税)

第14条 前三条の規定による登記については、登録免許税を課さない。


(登録への準用)

第15条 前三条の規定は、登録のある権利について準用する。


(事件に関する文書の閲覧等)

第16条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第1項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。

 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。

 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。

 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。ただし、当該者が再生手続開始の申立人である場合は、この限りでない。

 再生債務者以外の利害関係人 第26条第1項の規定による中止の命令、第27条第1項の規定による禁止の命令、第30条第1項の規定による保全処分、第31条第1項の規定による中止の命令、第54条第1項若しくは第79条第1項の規定による処分、第134条の4第1項の規定による保全処分、第197条第1項の規定による中止の命令又は再生手続開始の申立てについての裁判

 再生債務者 再生手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは再生債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判


(支障部分の閲覧等の制限)

第17条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、再生債務者の事業の維持再生に著しい支障を生ずるおそれ又は再生債務者の財産に著しい損害を与えるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した再生債務者等(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。以下この項及び次項において同じ。)、監督委員、調査委員又は個人再生委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び再生債務者等に限ることができる。

 第41条第1項(第81条第3項において準用する場合を含む。)、第42条第1項、第56条第5項又は第81条第1項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等

 第62条第2項若しくは第223条第3項(第244条において準用する場合を含む。)に規定する調査の結果の報告又は第125条第2項若しくは第3項の規定による報告に係る文書等

 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び再生債務者等を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。

 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、再生裁判所に対し、第1項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。

 第1項の申立てを却下した決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 第1項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。


(民事訴訟法の準用)

第18条 再生手続に関しては、特別の定めがある場合を除き、民事訴訟法の規定を準用する。


(最高裁判所規則)

第19条 この法律に定めるもののほか、再生手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。


第20条 削除

第2章 再生手続の開始

第1節 再生手続開始の申立て

(再生手続開始の申立て)

第21条 債務者に破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるときは、債務者は、裁判所に対し、再生手続開始の申立てをすることができる。債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないときも、同様とする。

 前項前段に規定する場合には、債権者も、再生手続開始の申立てをすることができる。


(破産手続開始等の申立義務と再生手続開始の申立て)

第22条 他の法律の規定により法人の理事又はこれに準ずる者がその法人に対して破産手続開始又は特別清算開始の申立てをしなければならない場合においても、再生手続開始の申立てをすることを妨げない。


(疎明)

第23条 再生手続開始の申立てをするときは、再生手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。

 債権者が、前項の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。


(費用の予納)

第24条 再生手続開始の申立てをするときは、申立人は、再生手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。

 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。


(意見の聴取)

第24条の2 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、当該申立てを棄却すべきこと又は再生手続開始の決定をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定をする前に、労働組合等(再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは再生債務者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第246条第3項を除き、以下同じ。)の意見を聴かなければならない。


(再生手続開始の条件)

第25条 次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。

 再生手続の費用の予納がないとき。

 裁判所に破産手続又は特別清算手続が係属し、その手続によることが債権者の一般の利益に適合するとき。

 再生計画案の作成若しくは可決の見込み又は再生計画の認可の見込みがないことが明らかであるとき。

 不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。


(他の手続の中止命令等)

第26条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。ただし、第2号に掲げる手続又は第5号に掲げる処分については、その手続の申立人である再生債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。

 再生債務者についての破産手続又は特別清算手続

 再生債権に基づく強制執行、仮差押え若しくは仮処分又は再生債権を被担保債権とする留置権(商法(明治32年法律第48号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(次条、第29条及び第39条において「再生債権に基づく強制執行等」という。)の手続で、再生債務者の財産に対して既にされているもの

 再生債務者の財産関係の訴訟手続

 再生債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続

 再生債権である共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和44年法律第46号。以下「租税条約等実施特例法」という。)第11条第1項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「再生債権に基づく外国租税滞納処分」という。)で、再生債務者の財産に対して既にされているもの

 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

 裁判所は、再生債務者の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより、担保を立てさせて、第1項第2号の規定により中止した手続又は同項第5号の規定により中止した処分の取消しを命ずることができる。

 第1項の規定による中止の命令、第2項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。


(再生債権に基づく強制執行等の包括的禁止命令)

第27条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、前条第1項の規定による中止の命令によっては再生手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての再生債権者に対し、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等及び再生債権に基づく外国租税滞納処分の禁止を命ずることができる。ただし、事前に又は同時に、再生債務者の主要な財産に関し第30条第1項の規定による保全処分をした場合又は第54条第1項の規定若しくは第79条第1項の規定による処分をした場合に限る。

 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)が発せられた場合には、再生債務者の財産に対して既にされている再生債権に基づく強制執行等の手続及び再生債権に基づく外国租税滞納処分は、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。

 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。

 裁判所は、再生債務者の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより、担保を立てさせて、第2項の規定により中止した再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。

 包括的禁止命令、第3項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 包括的禁止命令が発せられたときは、再生債権については、当該命令が効力を失った日の翌日から2月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。


(包括的禁止命令に関する公告及び送達等)

第28条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている再生債権者及び再生債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。

 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、再生債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。

 前条第4項の規定による取消しの命令及び同条第5項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。


(包括的禁止命令の解除)

第29条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者又は再生債権に基づく外国租税滞納処分を行う者(以下この項において「再生債権者等」という。)に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該再生債権者等の申立てにより、当該再生債権者等に対しては包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合において、当該再生債権者等は、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等又は再生債権に基づく外国租税滞納処分をすることができ、包括的禁止命令が発せられる前に当該再生債権者等がした再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分は、続行する。

 前項の規定による解除の決定を受けた者に対する第27条第7項の規定の適用については、同項中「当該命令が効力を失った日」とあるのは、「第29条第1項の規定による解除の決定があった日」とする。

 第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 第1項の申立てについての裁判及び第3項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。


(仮差押え、仮処分その他の保全処分)

第30条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、再生債務者の業務及び財産に関し、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

 第1項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 第3項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。

 裁判所が第1項の規定により再生債務者が再生債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、再生債権者は、再生手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、再生債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。


(担保権の実行手続の中止命令)

第31条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、再生債権者の一般の利益に適合し、かつ、競売申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、第53条第1項に規定する再生債務者の財産につき存する担保権の実行手続の中止を命ずることができる。ただし、その担保権によって担保される債権が共益債権又は一般優先債権であるときは、この限りでない。

 裁判所は、前項の規定による中止の命令を発する場合には、競売申立人の意見を聴かなければならない。

 裁判所は、第1項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

 第1項の規定による中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、競売申立人に限り、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。


(再生手続開始の申立ての取下げの制限)

第32条 再生手続開始の申立てをした者は、再生手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、第26条第1項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、第30条第1項の規定による保全処分、前条第1項の規定による中止の命令、第54条第1項若しくは第79条第1項の規定による処分、第134条の4第1項の規定による保全処分又は第197条第1項の規定による中止の命令がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。

第2節 再生手続開始の決定

(再生手続開始の決定)

第33条 裁判所は、第21条に規定する要件を満たす再生手続開始の申立てがあったときは、第25条の規定によりこれを棄却する場合を除き、再生手続開始の決定をする。

 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。


(再生手続開始と同時に定めるべき事項)

第34条 裁判所は、再生手続開始の決定と同時に、再生債権の届出をすべき期間及び再生債権の調査をするための期間を定めなければならない。

 前項の場合において、知れている再生債権者の数が1000人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第5項本文において準用する同条第3項第1号及び第37条本文の規定による知れている再生債権者に対する通知をせず、かつ、第102条第1項に規定する届出再生債権者を債権者集会(再生計画案の決議をするためのものを除く。)の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。


(再生手続開始の公告等)

第35条 裁判所は、再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、第169条の2第1項に規定する社債管理者等がないときは、第3号に掲げる事項については、公告することを要しない。

 再生手続開始の決定の主文

 前条第1項の規定により定めた期間

 再生債務者が発行した第169条の2第1項に規定する社債等について同項に規定する社債管理者等がある場合における当該社債等についての再生債権者の議決権は、同項各号のいずれかに該当する場合(同条第3項の場合を除く。)でなければ行使することができない旨

 前条第2項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第5項本文において準用する次項第1号及び第37条本文の規定による知れている再生債権者に対する通知をせず、かつ、第102条第1項に規定する届出再生債権者を債権者集会(再生計画案の決議をするためのものを除く。)の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。

 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。

 再生債務者及び知れている再生債権者

 第54条第1項、第64条第1項又は第79条第1項前段の規定による処分がされた場合における監督委員、管財人又は保全管理人

 前項の規定にかかわらず、再生債務者がその財産をもって約定劣後再生債権(再生債権者と再生債務者との間において、再生手続開始前に、当該再生債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が破産法(平成16年法律第75号)第99条第1項に規定する劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権をいう。以下同じ。)に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にあることが明らかであるときは、当該約定劣後再生債権を有する者であって知れているものに対しては、前項の規定による通知をすることを要しない。

 第1項第2号、第3項第1号及び前項の規定は、前条第1項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について準用する。ただし、同条第2項の決定があったときは、知れている再生債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。


(抗告)

第36条 再生手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 第26条から第30条までの規定は、再生手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。


(再生手続開始決定の取消し)

第37条 再生手続開始の決定をした裁判所は、前条第1項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、第35条第3項各号に掲げる者(保全管理人及び同条第4項の規定により通知を受けなかった者を除く。)にその主文を通知しなければならない。ただし、第34条第2項の決定があったときは、知れている再生債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。


(再生債務者の地位)

第38条 再生債務者は、再生手続が開始された後も、その業務を遂行し、又はその財産(日本国内にあるかどうかを問わない。第66条及び第81条第1項において同じ。)を管理し、若しくは処分する権利を有する。

 再生手続が開始された場合には、再生債務者は、債権者に対し、公平かつ誠実に、前項の権利を行使し、再生手続を追行する義務を負う。

 前二項の規定は、第64条第1項の規定による処分がされた場合には、適用しない。


(他の手続の中止等)

第39条 再生手続開始の決定があったときは、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等若しくは再生債権に基づく外国租税滞納処分又は再生債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立てはすることができず、破産手続、再生債務者の財産に対して既にされている再生債権に基づく強制執行等の手続及び再生債権に基づく外国租税滞納処分並びに再生債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止し、特別清算手続はその効力を失う。

 裁判所は、再生に支障を来さないと認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、前項の規定により中止した再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分の続行を命ずることができ、再生のため必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、担保を立てさせて、又は立てさせないで、中止した再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。

 再生手続開始の決定があったときは、次に掲げる請求権は、共益債権とする。

 第1項の規定により中止した破産手続における財団債権(破産法第148条第1項第3号に掲げる請求権を除き、破産手続が開始されなかった場合における同法第55条第2項及び第148条第4項に規定する請求権を含む。)

 第1項の規定により効力を失った手続のために再生債務者に対して生じた債権及びその手続に関する再生債務者に対する費用請求権

 前項の規定により続行された手続に関する再生債務者に対する費用請求権

 再生手続開始の決定があったときは、再生手続が終了するまでの間(再生計画認可の決定が確定したときは、第181条第2項に規定する再生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に再生計画に基づく弁済が完了した場合又は再生計画が取り消された場合にあっては弁済が完了した時又は再生計画が取り消された時)までの間)は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。ただし、当該罰金、科料又は追徴に係る請求権が共益債権である場合は、この限りでない。


(訴訟手続の中断等)

第40条 再生手続開始の決定があったときは、再生債務者の財産関係の訴訟手続のうち再生債権に関するものは、中断する。

 前項に規定する訴訟手続について、第107条第1項、第109条第2項(第113条第2項後段において準用する場合を含む。)又は第213条第5項(第219条第2項において準用する場合を含む。)の規定による受継があるまでに再生手続が終了したときは、再生債務者は、当然訴訟手続を受継する。

 前二項の規定は、再生債務者の財産関係の事件のうち再生債権に関するものであって、再生手続開始当時行政庁に係属するものについて準用する。


(債権者代位訴訟等の取扱い)

第40条の2 民法(明治29年法律第89号)第423条第1項、第423条の7若しくは第424条第1項の規定により再生債権者の提起した訴訟又は破産法の規定による否認の訴訟若しくは否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟が再生手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。

 再生債務者等は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち、民法第423条第1項又は第423条の7の規定により再生債権者の提起した訴訟に係るものを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

 前項の場合においては、相手方の再生債権者に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。

 第2項に規定する訴訟手続について同項の規定による受継があった後に再生手続が終了したときは、第68条第4項において準用する同条第2項の規定により中断している場合を除き、当該訴訟手続は中断する。

 前項の場合には、再生債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

 第2項に規定する訴訟手続が第68条第4項において準用する同条第2項の規定により中断した後に再生手続が終了した場合には、同条第4項において準用する同条第3項の規定にかかわらず、再生債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

 第1項の規定により中断した訴訟手続について第2項又は第140条第1項の規定による受継があるまでに再生手続が終了したときは、再生債権者又は破産管財人は、当該訴訟手続を当然受継する。


(再生債務者等の行為の制限)

第41条 裁判所は、再生手続開始後において、必要があると認めるときは、再生債務者等が次に掲げる行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。

 財産の処分

 財産の譲受け

 借財

 第49条第1項の規定による契約の解除

 訴えの提起

 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)

 権利の放棄

 共益債権、一般優先債権又は第52条に規定する取戻権の承認

 別除権の目的である財産の受戻し

 その他裁判所の指定する行為

 前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。


(営業等の譲渡)

第42条 再生手続開始後において、再生債務者等が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。この場合において、裁判所は、当該再生債務者の事業の再生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができる。

 再生債務者の営業又は事業の全部又は重要な一部の譲渡

 再生債務者の子会社等(会社法第2条第3号の2に規定する子会社等をいう。ロにおいて同じ。)の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。)

 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が再生債務者の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。

 再生債務者が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社等の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。

 裁判所は、前項の許可をする場合には、知れている再生債権者(再生債務者が再生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後再生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合における当該約定劣後再生債権を有する者を除く。)の意見を聴かなければならない。ただし、第117条第2項に規定する債権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。

 裁判所は、第1項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。

 前条第2項の規定は、第1項の許可を得ないでした行為について準用する。


(事業等の譲渡に関する株主総会の決議による承認に代わる許可)

第43条 再生手続開始後において、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、当該再生債務者の会社法第467条第1項第1号から第2号の2までに掲げる行為(以下この項及び第8項において「事業等の譲渡」という。)について同条第1項に規定する株主総会の決議による承認に代わる許可を与えることができる。ただし、当該事業等の譲渡が事業の継続のために必要である場合に限る。

 前項の許可(以下この条において「代替許可」という。)の決定があった場合には、その裁判書を再生債務者等に、その決定の要旨を記載した書面を株主に、それぞれ送達しなければならない。

 代替許可の決定は、前項の規定による再生債務者等に対する送達がされた時から、効力を生ずる。

 第2項の規定による株主に対する送達は、株主名簿に記載され、若しくは記録された住所又は株主が再生債務者に通知した場所にあてて、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第2項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。

 前項の規定による送達をした場合には、その郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第3項に規定する信書便物(以下「郵便物等」という。)が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。

 代替許可の決定に対しては、株主は、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 代替許可を得て再生債務者の事業等の譲渡をする場合には、会社法第469条及び第470条の規定は、適用しない。


(開始後の権利取得)

第44条 再生手続開始後、再生債権につき再生債務者財産に関して再生債務者(管財人が選任されている場合にあっては、管財人又は再生債務者)の行為によらないで権利を取得しても、再生債権者は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。

 再生手続開始の日に取得した権利は、再生手続開始後に取得したものと推定する。


(開始後の登記及び登録)

第45条 不動産又は船舶に関し再生手続開始前に生じた登記原因に基づき再生手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成16年法律第123号)第105条第1号の規定による仮登記は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。ただし、登記権利者が再生手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。

 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。


(開始後の手形の引受け等)

第46条 為替手形の振出人又は裏書人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、再生債権者としてその権利を行うことができる。

 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。


(善意又は悪意の推定)

第47条 前二条の規定の適用については、第35条第1項の規定による公告(以下「再生手続開始の公告」という。)前においてはその事実を知らなかったものと推定し、再生手続開始の公告後においてはその事実を知っていたものと推定する。


(共有関係)

第48条 再生債務者が他人と共同して財産権を有する場合において、再生手続が開始されたときは、再生債務者等は、共有者の間で分割をしない定めがあるときでも、分割の請求をすることができる。

 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って再生債務者の持分を取得することができる。


(双務契約)

第49条 双務契約について再生債務者及びその相手方が再生手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、再生債務者等は、契約の解除をし、又は再生債務者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。

 前項の場合には、相手方は、再生債務者等に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、再生債務者等がその期間内に確答をしないときは、同項の規定による解除権を放棄したものとみなす。

 前二項の規定は、労働協約には、適用しない。

 第1項の規定により再生債務者の債務の履行をする場合において、相手方が有する請求権は、共益債権とする。

 破産法第54条の規定は、第1項の規定による契約の解除があった場合について準用する。この場合において、同条第1項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と、同条第2項中「破産者」とあるのは「再生債務者」と、「破産財団」とあるのは「再生債務者財産」と、「財団債権者」とあるのは「共益債権者」と読み替えるものとする。


(継続的給付を目的とする双務契約)

第50条 再生債務者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、再生手続開始の申立て前の給付に係る再生債権について弁済がないことを理由としては、再生手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。

 前項の双務契約の相手方が再生手続開始の申立て後再生手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、共益債権とする。

 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。


(双務契約についての破産法の準用)

第51条 破産法第56条、第58条及び第59条の規定は、再生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第56条第1項中「第53条第1項及び第2項」とあるのは「民事再生法第49条第1項及び第2項」と、「破産者」とあるのは「再生債務者」と、同条第2項中「財団債権」とあるのは「共益債権」と、同法第58条第1項中「破産手続開始」とあるのは「再生手続開始」と、同条第3項において準用する同法第54条第1項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と、同法第59条第1項中「破産手続」とあるのは「再生手続」と、同条第2項中「請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し」とあるのは「請求権は」と、「破産債権」とあるのは「再生債権」と読み替えるものとする。


(取戻権)

第52条 再生手続の開始は、再生債務者に属しない財産を再生債務者から取り戻す権利に影響を及ぼさない。

 破産法第63条及び第64条の規定は、再生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第63条第1項中「破産手続開始の決定」とあるのは「再生手続開始の決定」と、同項ただし書及び同法第64条中「破産管財人」とあるのは「再生債務者(管財人が選任されている場合にあっては、管財人)」と、同法第63条第2項中「第53条第1項及び第2項」とあるのは「民事再生法第49条第1項及び第2項」と、同条第3項中「第1項」とあるのは「前二項」と、「同項」とあるのは「第1項」と、同法第64条第1項中「破産者」とあるのは「再生債務者」と、「破産手続開始」とあるのは「再生手続開始」と読み替えるものとする。


(別除権)

第53条 再生手続開始の時において再生債務者の財産につき存する担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。第3項において同じ。)を有する者は、その目的である財産について、別除権を有する。

 別除権は、再生手続によらないで、行使することができる。

 担保権の目的である財産が再生債務者等による任意売却その他の事由により再生債務者財産に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。

第3章 再生手続の機関

第1節 監督委員

(監督命令)

第54条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員による監督を命ずる処分をすることができる。

 裁判所は、前項の処分(以下「監督命令」という。)をする場合には、当該監督命令において、1人又は数人の監督委員を選任し、かつ、その同意を得なければ再生債務者がすることができない行為を指定しなければならない。

 法人は、監督委員となることができる。

 第2項に規定する監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

 裁判所は、監督命令を変更し、又は取り消すことができる。

 監督命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。


(監督命令に関する公告及び送達)

第55条 裁判所は、監督命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。監督命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。

 監督命令、前条第5項の規定による決定及び同条第6項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

 第10条第4項の規定は、第1項の場合については、適用しない。


(否認に関する権限の付与)

第56条 再生手続開始の決定があった場合には、裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員に対して、特定の行為について否認権を行使する権限を付与することができる。

 監督委員は、前項の規定により権限を付与された場合には、当該権限の行使に関し必要な範囲内で、再生債務者のために、金銭の収支その他の財産の管理及び処分をすることができる。

 第77条第1項から第3項までの規定は、前項の監督委員について準用する。この場合において、同条第2項中「後任の管財人」とあるのは「後任の監督委員であって第56条第1項の規定により否認権を行使する権限を付与されたもの又は管財人」と、同条第3項中「後任の管財人」とあるのは「後任の監督委員であって第56条第1項の規定により否認権を行使する権限を付与されたもの、管財人」と読み替えるものとする。

 裁判所は、第1項の規定による決定を変更し、又は取り消すことができる。

 裁判所は、必要があると認めるときは、第1項の規定により権限を付与された監督委員が訴えの提起、和解その他裁判所の指定する行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。

 第41条第2項の規定は、監督委員が前項の許可を得ないでした行為について準用する。


(監督委員に対する監督等)

第57条 監督委員は、裁判所が監督する。

 裁判所は、監督委員が再生債務者の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。この場合においては、その監督委員を審尋しなければならない。


(数人の監督委員の職務執行)

第58条 監督委員が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。


(監督委員による調査等)

第59条 監督委員は、次に掲げる者に対して再生債務者の業務及び財産の状況につき報告を求め、再生債務者の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。

 再生債務者

 再生債務者の代理人

 再生債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人

 前号に掲げる者に準ずる者

 再生債務者の従業者(第2号に掲げる者を除く。)

 前項の規定は、同項各号(第1号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。

 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、再生債務者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき報告を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。

 再生債務者が株式会社である場合 再生債務者の子会社(会社法第2条第3号に規定する子会社をいう。)

 再生債務者が株式会社以外のものである場合 再生債務者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社

 再生債務者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は再生債務者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該再生債務者の子会社等とみなす。


(監督委員の注意義務)

第60条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。

 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責めに任ずる。


(監督委員の報酬等)

第61条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。

 監督委員は、その選任後、再生債務者に対する債権又は再生債務者の株式その他の再生債務者に対する出資による持分を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。

 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。

 第1項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第2節 調査委員

(調査命令)

第62条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、調査委員による調査を命ずる処分をすることができる。

 裁判所は、前項の処分(以下「調査命令」という。)をする場合には、当該調査命令において、1人又は数人の調査委員を選任し、かつ、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければならない。

 裁判所は、調査命令を変更し、又は取り消すことができる。

 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。


(監督委員に関する規定の準用)

第63条 第54条第3項、第57条、第58条本文及び第59条から第61条までの規定は、調査委員について準用する。

第3節 管財人

(管理命令)

第64条 裁判所は、再生債務者(法人である場合に限る。以下この項において同じ。)の財産の管理又は処分が失当であるとき、その他再生債務者の事業の再生のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続の開始の決定と同時に又はその決定後、再生債務者の業務及び財産に関し、管財人による管理を命ずる処分をすることができる。

 裁判所は、前項の処分(以下「管理命令」という。)をする場合には、当該管理命令において、1人又は数人の管財人を選任しなければならない。

 裁判所が管理命令を発しようとする場合には、再生債務者を審尋しなければならない。ただし、急迫の事情があるときは、この限りでない。

 裁判所は、管理命令を変更し、又は取り消すことができる。

 管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。


(管理命令に関する公告及び送達)

第65条 裁判所は、管理命令を発したときは、次項に規定する場合を除き、次に掲げる事項を公告しなければならない。

 管理命令を発した旨及び管財人の氏名又は名称

 再生債務者の財産の所持者及び再生債務者に対して債務を負担する者(第5項において「財産所持者等」という。)は、再生債務者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨

 裁判所は、再生手続開始の決定と同時に管理命令を発したときは、再生手続開始の公告には、前項に掲げる事項をも掲げなければならない。

 裁判所は、管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定をした場合には、その旨を公告しなければならない。

 管理命令、前項の決定又は前条第5項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

 管理命令が発せられた場合には第1項に掲げる事項を、第3項の決定があった場合又は管理命令が発せられた後に再生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合にはその旨を、知れている財産所持者等に通知しなければならない。

 第10条第4項の規定は、第1項の場合については、適用しない。


(管財人の権限)

第66条 管理命令が発せられた場合には、再生債務者の業務の遂行並びに財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した管財人に専属する。


(管理命令が発せられた場合の再生債務者の財産関係の訴えの取扱い)

第67条 管理命令が発せられた場合には、再生債務者の財産関係の訴えについては、管財人を原告又は被告とする。

 管理命令が発せられた場合には、再生債務者の財産関係の訴訟手続で再生債務者が当事者であるものは、中断する。第145条第1項の訴えに係る訴訟手続で再生債権者が当事者であるものについても、同様とする。

 前項の規定により中断した訴訟手続のうち再生債権に関しないもの(第40条の2第2項に規定するもので同項の規定により受継されたものを除く。)は、管財人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

 第2項の規定により中断した訴訟手続のうち、再生債権に関するもので第106条第1項、第109条第1項若しくは第113条第2項前段の規定により提起され、若しくは第107条第1項若しくは第109条第2項(第113条第2項後段において準用する場合を含む。)の規定により受継されたもの又は第40条の2第2項に規定するもので同項の規定により受継されたものは、管財人においてこれを受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

 前二項の場合においては、相手方の再生債務者又は第2項後段の再生債権者に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。


第68条 前条第2項の規定により中断した訴訟手続について同条第3項又は第4項の規定による受継があるまでに再生手続が終了したときは、再生債務者は、当該訴訟手続(第40条の2第2項に規定するもので同条第3項の規定により中断するものを除く。次項において同じ。)を当然受継する。

 再生手続が終了したときは、管財人を当事者とする再生債務者の財産関係の訴訟手続は、中断する。

 再生債務者は、前項の規定により中断した訴訟手続(再生計画不認可、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定の確定により再生手続が終了した場合における第137条第1項の訴えに係るものを除く。)を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

 第1項の規定は前条第3項又は第4項の規定による受継があるまでに管理命令を取り消す旨の決定が確定した場合について、前二項の規定は管理命令を取り消す旨の決定が確定した場合について準用する。この場合において、第1項中「前条第2項」とあるのは「前条第2項前段」と、「訴訟手続(第40条の2第2項に規定するもので同条第3項の規定により中断するものを除く。次項において同じ。)」とあるのは「訴訟手続」と読み替えるものとする。

 第3項の規定は、前条第3項の規定による受継があるまでに管理命令を取り消す旨の決定が確定した場合における同条第2項後段の規定により中断した訴訟手続について準用する。この場合において、第3項中「再生債務者」とあるのは、「前条第2項後段の再生債権者」と読み替えるものとする。


(行政庁に係属する事件の取扱い)

第69条 第67条第2項から第5項まで及び前条の規定は、再生債務者の財産関係の事件で管理命令が発せられた当時行政庁に係属するものについて準用する。


(数人の管財人の職務執行)

第70条 管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。

 管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その1人に対してすれば足りる。


(管財人代理)

第71条 管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で1人又は数人の管財人代理を選任することができる。

 前項の管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。


(再生債務者の業務及び財産の管理)

第72条 管財人は、就職の後直ちに再生債務者の業務及び財産の管理に着手しなければならない。


(郵便物等の管理)

第73条 裁判所は、管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、再生債務者にあてた郵便物等を管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。

 裁判所は、再生債務者の申立てにより又は職権で、管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。

 再生手続が終了したときは、裁判所は、第1項に規定する嘱託を取り消さなければならない。管理命令が取り消されたときも、同様とする。

 第1項又は第2項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、再生債務者又は管財人は、即時抗告をすることができる。

 第1項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。


第74条 管財人は、再生債務者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。

 再生債務者は、管財人に対し、管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で再生債務者財産に関しないものの交付を求めることができる。


(管財人の行為に対する制限)

第75条 管財人は、裁判所の許可を得なければ、再生債務者の財産を譲り受け、再生債務者に対し自己の財産を譲り渡し、その他自己又は第三者のために再生債務者と取引をすることができない。

 前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。


(管理命令後の再生債務者の行為等)

第76条 再生債務者が管理命令が発せられた後に再生債務者財産に関してした法律行為は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。ただし、相手方がその行為の当時管理命令が発せられた事実を知らなかったときは、この限りでない。

 管理命令が発せられた後に、その事実を知らないで再生債務者にした弁済は、再生手続の関係においても、その効力を主張することができる。

 管理命令が発せられた後に、その事実を知って再生債務者にした弁済は、再生債務者財産が受けた利益の限度においてのみ、再生手続の関係において、その効力を主張することができる。

 第47条の規定は、前三項の規定の適用について準用する。この場合において、「第35条第1項の規定による公告(以下「再生手続開始の公告」という。)」とあるのは「第65条第1項の規定による公告(再生手続開始の決定と同時に管理命令が発せられた場合には、第35条第1項の規定による公告)」と読み替えるものとする。


(取締役等の報酬)

第76条の2 管理命令が発せられた場合における再生債務者が法人であるときのその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者は、再生債務者に対して報酬を請求することができない。


(任務終了の場合の報告義務等)

第77条 管財人の任務が終了した場合には、管財人は、遅滞なく、裁判所に計算の報告をしなければならない。

 前項の場合において、管財人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の管財人がしなければならない。

 管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、管財人又はその承継人は、後任の管財人又は再生債務者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。

 再生手続開始の決定を取り消す決定、再生手続廃止の決定若しくは再生計画不認可の決定が確定した場合又は再生手続終了前に再生計画取消しの決定が確定した場合には、第252条第6項に規定する場合を除き、管財人は、共益債権及び一般優先債権を弁済し、これらの債権のうち異議のあるものについては、その債権を有する者のために供託をしなければならない。


(監督委員に関する規定の準用)

第78条 第54条第3項、第57条及び第59条から第61条までの規定は管財人について、同条の規定は管財人代理について準用する。

第4節 保全管理人

(保全管理命令)

第79条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、再生債務者(法人である場合に限る。以下この節において同じ。)の財産の管理又は処分が失当であるとき、その他再生債務者の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、再生債務者の業務及び財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。この場合においては、第64条第3項の規定を準用する。

 裁判所は、前項の処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、1人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。

 前二項の規定は、再生手続開始の申立てを棄却する決定に対して第36条第1項の即時抗告があった場合について準用する。

 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。

 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。


(保全管理命令に関する公告及び送達)

第80条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。

 保全管理命令、前条第4項の規定による決定及び同条第5項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

 第10条第4項の規定は、第1項の場合については、適用しない。


(保全管理人の権限)

第81条 保全管理命令が発せられたときは、再生債務者の業務の遂行並びに財産の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。ただし、保全管理人が再生債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。

 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

 第41条の規定は、保全管理人について準用する。


(保全管理人代理)

第82条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で1人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。

 前項の保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。


(監督委員に関する規定等の保全管理人等への準用)

第83条 第54条第3項、第57条、第59条から第61条まで、第67条第1項、第70条、第72条、第74条から第76条まで及び第77条第1項から第3項までの規定は保全管理人について、第61条の規定は保全管理人代理について準用する。この場合において、第76条第4項後段中「第65条第1項の規定による公告(再生手続開始の決定と同時に管理命令が発せられた場合には、第35条第1項の規定による公告)」とあるのは「第80条第1項の規定による公告」と、第77条第2項中「後任の管財人」とあるのは「後任の保全管理人」と、同条第3項中「後任の管財人」とあるのは「後任の保全管理人、管財人」と読み替えるものとする。

 第67条第2項、第3項及び第5項の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第68条第1項から第3項までの規定は保全管理命令が効力を失った場合について準用する。

 第67条第2項、第3項及び第5項並びに第68条第1項から第3項までの規定は、再生債務者の財産関係の事件で保全管理命令が発せられた当時行政庁に係属するものについて準用する。この場合において、第68条第1項及び第2項中「再生手続が終了したとき」とあるのは「保全管理命令が効力を失ったとき」と読み替えるものとする。

 第76条の2の規定は、保全管理命令が発せられた場合における再生債務者が法人であるときのその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者について準用する。

第4章 再生債権

第1節 再生債権者の権利

(再生債権となる請求権)

第84条 再生債務者に対し再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(共益債権又は一般優先債権であるものを除く。次項において同じ。)は、再生債権とする。

 次に掲げる請求権も、再生債権とする。

 再生手続開始後の利息の請求権

 再生手続開始後の不履行による損害賠償及び違約金の請求権

 再生手続参加の費用の請求権


(再生債権の弁済の禁止)

第85条 再生債権については、再生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、再生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。

 再生債務者を主要な取引先とする中小企業者が、その有する再生債権の弁済を受けなければ、事業の継続に著しい支障を来すおそれがあるときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。

 裁判所は、前項の規定による許可をする場合には、再生債務者と同項の中小企業者との取引の状況、再生債務者の資産状態、利害関係人の利害その他一切の事情を考慮しなければならない。

 再生債務者等は、再生債権者から第2項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。

 少額の再生債権を早期に弁済することにより再生手続を円滑に進行することができるとき、又は少額の再生債権を早期に弁済しなければ再生債務者の事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。

 第2項から前項までの規定は、約定劣後再生債権である再生債権については、適用しない。


(再生債務者等による相殺)

第85条の2 再生債務者等は、再生債務者財産に属する債権をもって再生債権と相殺することが再生債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。


(再生債権者の手続参加)

第86条 再生債権者は、その有する再生債権をもって再生手続に参加することができる。

 破産法第104条から第107条までの規定は、再生手続が開始された場合における再生債権者の権利の行使について準用する。この場合において、同法第104条から第107条までの規定中「破産手続開始」とあるのは「再生手続開始」と、同法第104条第1項、第3項及び第4項、第105条、第106条並びに第107条第1項中「破産手続に」とあるのは「再生手続に」と、同法第104条第3項から第5項までの規定中「破産者」とあるのは「再生債務者」と、同条第4項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と読み替えるものとする。

 第1項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって再生手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第11条第1項に規定する共助実施決定をいう。第113条第2項において同じ。)を得なければならない。


(再生債権者の議決権)

第87条 再生債権者は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める金額に応じて、議決権を有する。

 再生手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもの 再生手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に1年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する再生手続開始の時における法定利率による利息を債権額から控除した額

 金額及び存続期間が確定している定期金債権 各定期金につき前号の規定に準じて算定される額の合計額(その額が再生手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その元本額)

 次に掲げる債権 再生手続開始の時における評価額

 再生手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもの

 金額又は存続期間が不確定である定期金債権

 金銭の支払を目的としない債権

 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの

 条件付債権

 再生債務者に対して行うことがある将来の請求権

 前三号に掲げる債権以外の債権 債権額

 前項の規定にかかわらず、再生債権者は、第84条第2項に掲げる請求権、第97条第1号に規定する再生手続開始前の罰金等及び共助対象外国租税の請求権については、議決権を有しない。

 第1項の規定にかかわらず、再生債務者が再生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後再生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にあるときは、当該約定劣後再生債権を有する者は、議決権を有しない。


(別除権者の手続参加)

第88条 別除権者は、当該別除権に係る第53条第1項に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の部分についてのみ、再生債権者として、その権利を行うことができる。ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が再生手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部について、再生債権者として、その権利を行うことを妨げない。


(再生債権者が外国で受けた弁済)

第89条 再生債権者は、再生手続開始の決定があった後に、再生債務者の財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、再生債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の全部をもって再生手続に参加することができる。

 前項の再生債権者は、他の再生債権者(同項の再生債権者が約定劣後再生債権を有する者である場合にあっては、他の約定劣後再生債権を有する者)が自己の受けた弁済と同一の割合の弁済を受けるまでは、再生手続により、弁済を受けることができない。

 第1項の再生債権者は、外国において弁済を受けた債権の部分については、議決権を行使することができない。


(代理委員)

第90条 再生債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、1人又は数人の代理委員を選任することができる。

 裁判所は、再生手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、再生債権者に対し、相当の期間を定めて、代理委員の選任を勧告することができる。

 代理委員は、これを選任した再生債権者のために、再生手続に属する一切の行為をすることができる。

 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。ただし、第三者の意思表示は、その1人に対してすれば足りる。

 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第1項の許可の決定又は次条第1項の選任の決定を取り消すことができる。

 再生債権者は、いつでも、その選任した代理委員を解任することができる。


(裁判所による代理委員の選任)

第90条の2 裁判所は、共同の利益を有する再生債権者が著しく多数である場合において、これらの者のうちに前条第2項の規定による勧告を受けたにもかかわらず同項の期間内に代理委員を選任しない者があり、かつ、代理委員の選任がなければ再生手続の進行に支障があると認めるときは、その者のために、相当と認める者を代理委員に選任することができる。

 前項の規定により代理委員を選任するには、当該代理委員の同意を得なければならない。

 第1項の規定により代理委員が選任された場合には、当該代理委員は、本人(その者のために同項の規定により代理委員が選任された者をいう。第6項において同じ。)が前条第1項の規定により選任したものとみなす。

 第1項の規定により選任された代理委員は、正当な理由があるときは、裁判所の許可を得て辞任することができる。

 第1項の規定により選任された代理委員は、再生債務者財産から、次に掲げるものの支払を受けることができる。

 前条第3項に規定する行為をするために必要な費用について、その前払又は支出額の償還

 裁判所が相当と認める額の報酬

 第1項の規定により代理委員が選任された場合における当該代理委員と本人との間の関係については、民法第644条から第647条まで及び第654条の規定を準用する。


(報償金等)

第91条 裁判所は、再生債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人が再生債務者の再生に貢献したと認められるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、再生債務者等が、再生債務者財産から、これらの者に対し、その事務処理に要した費用を償還し、又は報償金を支払うことを許可することができる。

 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。


(相殺権)

第92条 再生債権者が再生手続開始当時再生債務者に対して債務を負担する場合において、債権及び債務の双方が第94条第1項に規定する債権届出期間の満了前に相殺に適するようになったときは、再生債権者は、当該債権届出期間内に限り、再生計画の定めるところによらないで、相殺をすることができる。債務が期限付であるときも、同様とする。

 再生債権者が再生手続開始当時再生債務者に対して負担する債務が賃料債務である場合には、再生債権者は、再生手続開始後にその弁済期が到来すべき賃料債務(前項の債権届出期間の満了後にその弁済期が到来すべきものを含む。次項において同じ。)については、再生手続開始の時における賃料の6月分に相当する額を限度として、前項の債権届出期間内に限り、再生計画の定めるところによらないで、相殺をすることができる。

 前項に規定する場合において、再生債権者が、再生手続開始後にその弁済期が到来すべき賃料債務について、再生手続開始後その弁済期に弁済をしたときは、再生債権者が有する敷金の返還請求権は、再生手続開始の時における賃料の6月分に相当する額(同項の規定により相殺をする場合には、相殺により免れる賃料債務の額を控除した額)の範囲内におけるその弁済額を限度として、共益債権とする。

 前二項の規定は、地代又は小作料の支払を目的とする債務について準用する。


(相殺の禁止)

第93条 再生債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。

 再生手続開始後に再生債務者に対して債務を負担したとき。

 支払不能(再生債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら再生債権をもってする相殺に供する目的で再生債務者の財産の処分を内容とする契約を再生債務者との間で締結し、又は再生債務者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより再生債務者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。

 支払の停止があった後に再生債務者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。

 再生手続開始、破産手続開始又は特別清算開始の申立て(以下この条及び次条において「再生手続開始の申立て等」という。)があった後に再生債務者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、再生手続開始の申立て等があったことを知っていたとき。

 前項第2号から第4号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。

 法定の原因

 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは再生手続開始の申立て等があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因

 再生手続開始の申立て等があった時より1年以上前に生じた原因


第93条の2 再生債務者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。

 再生手続開始後に他人の再生債権を取得したとき。

 支払不能になった後に再生債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。

 支払の停止があった後に再生債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。

 再生手続開始の申立て等があった後に再生債権を取得した場合であって、その取得の当時、再生手続開始の申立て等があったことを知っていたとき。

 前項第2号から第4号までの規定は、これらの規定に規定する再生債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。

 法定の原因

 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは再生手続開始の申立て等があったことを再生債務者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因

 再生手続開始の申立て等があった時より1年以上前に生じた原因

 再生債務者に対して債務を負担する者と再生債務者との間の契約

第2節 再生債権の届出

(届出)

第94条 再生手続に参加しようとする再生債権者は、第34条第1項の規定により定められた再生債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、各債権について、その内容及び原因、約定劣後再生債権であるときはその旨、議決権の額その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。

 別除権者は、前項に規定する事項のほか、別除権の目的である財産及び別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額を届け出なければならない。


(届出の追完等)

第95条 再生債権者がその責めに帰することができない事由によって債権届出期間内に届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後1月以内に限り、その届出の追完をすることができる。

 前項に定める届出の追完の期間は、伸長し、又は短縮することができない。

 債権届出期間経過後に生じた再生債権については、その権利の発生した後1月の不変期間内に、届出をしなければならない。

 第1項及び第3項の届出は、再生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。

 第1項、第2項及び前項の規定は、再生債権者が、その責めに帰することができない事由によって、届け出た事項について他の再生債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。


(届出名義の変更)

第96条 届出をした再生債権を取得した者は、債権届出期間が経過した後でも、届出名義の変更を受けることができる。第101条第3項の規定により認否書に記載された再生債権を取得した者についても、同様とする。


(罰金、科料等の届出)

第97条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨を裁判所に届け出なければならない。

 再生手続開始前の罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(共益債権又は一般優先債権であるものを除く。以下「再生手続開始前の罰金等」という。)

 共助対象外国租税の請求権(共益債権又は一般優先債権であるものを除く。)


第98条 削除

第3節 再生債権の調査及び確定

(再生債権者表の作成等)

第99条 裁判所書記官は、届出があった再生債権及び第101条第3項の規定により再生債務者等が認否書に記載した再生債権について、再生債権者表を作成しなければならない。

 前項の再生債権者表には、各債権について、その内容(約定劣後再生債権であるかどうかの別を含む。以下この節において同じ。)及び原因、議決権の額、第94条第2項に規定する債権の額その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。

 再生債権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。


(再生債権の調査)

第100条 裁判所による再生債権の調査は、前条第2項に規定する事項について、再生債務者等が作成した認否書並びに再生債権者及び再生債務者(管財人が選任されている場合に限る。)の書面による異議に基づいてする。


(認否書の作成及び提出)

第101条 再生債務者等は、債権届出期間内に届出があった再生債権について、その内容及び議決権についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。

 再生債務者等は、第95条の規定による届出又は届出事項の変更があった再生債権についても、その内容及び議決権(当該届出事項の変更があった場合には、変更後の内容及び議決権)についての認否を前項の認否書に記載することができる。

 再生債務者等は、届出がされていない再生債権があることを知っている場合には、当該再生債権について、自認する内容その他最高裁判所規則で定める事項を第1項の認否書に記載しなければならない。

 債権届出期間内に約定劣後再生債権の届出がなかったときは、前項の規定は、約定劣後再生債権で再生債務者等が知っているものについては、適用しない。

 再生債務者等は、第34条第1項に規定する再生債権の調査をするための期間(以下「一般調査期間」という。)前の裁判所の定める期限までに、前各項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。

 前項の規定により提出された認否書に、第1項に規定する再生債権の内容又は議決権についての認否の記載がないときは、再生債務者等において、これを認めたものとみなす。当該認否書に第2項に規定する再生債権の内容又は議決権のいずれかについての認否の記載がない場合についても、同様とする。


(一般調査期間における調査)

第102条 届出をした再生債権者(以下「届出再生債権者」という。)は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第1項若しくは第2項に規定する再生債権の内容若しくは議決権又は同条第3項の規定により認否書に記載された再生債権の内容について、書面で、異議を述べることができる。

 再生債務者(管財人が選任されている場合に限る。)は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項に規定する再生債権の内容について、書面で、異議を述べることができる。

 一般調査期間を変更する決定をしたときは、その裁判書は、再生債務者、管財人及び届出再生債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている再生債権者)に送達しなければならない。

 前項の規定による送達は、第43条第4項に規定する方法によりすることができる。

 前項の規定による送達をした場合においては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。


(特別調査期間における調査)

第103条 裁判所は、第95条の規定による届出があり、又は届出事項の変更があった再生債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。ただし、再生債務者等が第101条第2項の規定により認否書に当該再生債権の内容又は議決権についての認否を記載している場合は、この限りでない。

 前項本文の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該再生債権を有する者の負担とする。

 再生債務者等は、特別調査期間に係る再生債権について、その内容及び議決権についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。この場合には、第101条第6項前段の規定を準用する。

 届出再生債権者は前項の再生債権の内容又は議決権について、再生債務者(管財人が選任されている場合に限る。)は同項の再生債権の内容について、特別調査期間内に、裁判所に対して、書面で、異議を述べることができる。

 前条第3項から第5項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定をした場合における裁判書の送達について準用する。


(特別調査期間に関する費用の予納)

第103条の2 前条第1項本文の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第2項の再生債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。

 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

 第1項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から1週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。

 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。

 第1項の場合において、同項の再生債権を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした再生債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。

 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。


(再生債権の調査の結果)

第104条 再生債権の調査において、再生債務者等が認め、かつ、調査期間内に届出再生債権者の異議がなかったときは、その再生債権の内容又は議決権の額(第101条第3項の規定により認否書に記載された再生債権にあっては、その内容)は、確定する。

 裁判所書記官は、再生債権の調査の結果を再生債権者表に記載しなければならない。

 第1項の規定により確定した再生債権については、再生債権者表の記載は、再生債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。


(再生債権の査定の裁判)

第105条 再生債権の調査において、再生債権の内容について再生債務者等が認めず、又は届出再生債権者が異議を述べた場合には、当該再生債権(以下「異議等のある再生債権」という。)を有する再生債権者は、その内容の確定のために、当該再生債務者等及び当該異議を述べた届出再生債権者(以下この条から第107条まで及び第109条において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に査定の申立てをすることができる。ただし、第107条第1項並びに第109条第1項及び第2項の場合は、この限りでない。

 前項本文の査定の申立ては、異議等のある再生債権に係る調査期間の末日から1月の不変期間内にしなければならない。

 第1項本文の査定の申立てがあった場合には、裁判所は、当該申立てを不適法として却下する場合を除き、査定の裁判をしなければならない。

 査定の裁判においては、異議等のある再生債権について、その債権の存否及びその内容を定める。

 裁判所は、査定の裁判をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。

 第1項本文の査定の申立てについての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。


(査定の申立てについての裁判に対する異議の訴え)

第106条 前条第1項本文の査定の申立てについての裁判に不服がある者は、その送達を受けた日から1月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

 前項の訴えは、再生裁判所が管轄する。

 第1項の訴えが提起された第一審裁判所は、再生裁判所が再生事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第5条第8項又は第9項の規定のみである場合(再生裁判所が第7条第4号の規定により再生事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該訴えに係る訴訟を第5条第1項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第2項に規定する地方裁判所)に移送することができる。

 第1項の訴えは、これを提起する者が、異議等のある再生債権を有する再生債権者であるときは異議者等の全員を、異議者等であるときは当該再生債権者を、それぞれ被告としなければならない。

 第1項の訴えの口頭弁論は、同項の期間を経過した後でなければ開始することができない。

 同一の債権に関し第1項の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。この場合においては、民事訴訟法第40条第1項から第3項までの規定を準用する。

 第1項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の裁判を認可し、又は変更する。


(異議等のある再生債権に関する訴訟の受継)

第107条 異議等のある再生債権に関し再生手続開始当時訴訟が係属する場合において、再生債権者がその内容の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。

 第105条第2項の規定は、前項の申立てについて準用する。


(主張の制限)

第108条 第105条第1項本文の査定の申立てに係る査定の手続又は第106条第1項の訴えの提起若しくは前条第1項の規定による受継に係る訴訟手続においては、再生債権者は、異議等のある再生債権の内容及び原因について、再生債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。


(執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張)

第109条 異議等のある再生債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、再生債務者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。

 前項に規定する再生債権に関し再生手続開始当時訴訟が係属する場合において、異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、異議者等は、当該再生債権を有する再生債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。

 第105条第2項は第1項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第106条第5項及び第6項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。この場合においては、第106条第5項中「同項の期間」とあるのは、「異議等のある再生債権に係る調査期間の末日から1月の不変期間」と読み替えるものとする。

 前項において準用する第105条第2項に規定する期間内に第1項の規定による異議の主張又は第2項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が再生債権者であるときは第102条第1項又は第103条第4項の異議はなかったものとみなし、異議者等が再生債務者等であるときは再生債務者等においてその再生債権を認めたものとみなす。


(再生債権の確定に関する訴訟の結果の記載)

第110条 裁判所書記官は、再生債務者等又は再生債権者の申立てにより、再生債権の確定に関する訴訟の結果(第105条第1項本文の査定の申立てについての裁判に対する第106条第1項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該裁判の内容)を再生債権者表に記載しなければならない。


(再生債権の確定に関する訴訟の判決等の効力)

第111条 再生債権の確定に関する訴訟についてした判決は、再生債権者の全員に対して、その効力を有する。

 第105条第1項本文の査定の申立てについての裁判に対する第106条第1項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該裁判は、再生債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。


(訴訟費用の償還)

第112条 再生債務者財産が再生債権の確定に関する訴訟(第105条第1項本文の査定の申立てについての裁判を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した再生債権者は、その利益の限度において、再生債務者財産から訴訟費用の償還を請求することができる。


(再生手続終了の場合における再生債権の確定手続の取扱い)

第112条の2 再生手続が終了した際現に係属する第105条第1項本文の査定の申立てに係る査定の手続は、再生計画認可の決定の確定前に再生手続が終了したときは終了するものとし、再生計画認可の決定の確定後に再生手続が終了したときは引き続き係属するものとする。

 第68条第2項及び第3項の規定は、再生計画認可の決定の確定後に再生手続が終了した場合における管財人を当事者とする第105条第1項本文の査定の申立てに係る査定の手続について準用する。

 再生計画認可の決定の確定後に再生手続が終了した場合において、再生手続終了後に第105条第1項本文の査定の申立てについての裁判があったときは、第106条第1項の規定により同項の訴えを提起することができる。

 再生手続が終了した際現に係属する第106条第1項の訴えに係る訴訟手続であって、再生債務者等が当事者でないものは、再生計画認可の決定の確定前に再生手続が終了したときは中断するものとし、再生計画認可の決定の確定後に再生手続が終了したときは引き続き係属するものとする。

 再生手続が終了した際現に係属する訴訟手続(再生債務者等が当事者であるものを除く。)であって、第107条第1項又は第109条第2項の規定による受継があったものは、再生計画認可の決定の確定前に再生手続が終了したときは中断するものとし、再生計画認可の決定の確定後に再生手続が終了したときは中断しないものとする。

 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第68条第3項の規定を準用する。


(再生手続開始前の罰金等についての不服の申立て)

第113条 再生手続開始前の罰金等及び共助対象外国租税の請求権については、第100条から前条までの規定は、適用しない。

 第97条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、再生債務者等は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。

 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し再生手続開始の当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする再生債務者等は、当該届出があった請求権を有する再生債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。当該届出があった請求権に関し再生手続開始当時再生債務者の財産関係の事件が行政庁に係属するときも、同様とする。

 第2項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、再生債務者等が第2項に規定する届出があったことを知った日から1月の不変期間内にしなければならない。

 第104条第2項の規定は第97条の規定による届出があった請求権について、第108条、第110条及び第111条第1項の規定は第2項の規定による異議又は第3項の規定による受継があった場合について準用する。

第4節 債権者集会及び債権者委員会

(債権者集会の招集)

第114条 裁判所は、再生債務者等若しくは第117条第2項に規定する債権者委員会の申立て又は知れている再生債権者の総債権について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる債権を有する再生債権者の申立てがあったときは、債権者集会を招集しなければならない。これらの申立てがない場合であっても、裁判所は、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。


(債権者集会の期日の呼出し等)

第115条 債権者集会の期日には、再生債務者、管財人、届出再生債権者及び再生のために債務を負担し又は担保を提供する者があるときは、その者を呼び出さなければならない。ただし、第34条第2項の決定があったときは、再生計画案の決議をするための債権者集会の期日を除き、届出再生債権者を呼び出すことを要しない。

 前項の規定にかかわらず、議決権を行使することができない届出再生債権者は、呼び出さないことができる。

 債権者集会の期日は、労働組合等に通知しなければならない。

 裁判所は、債権者集会の期日及び会議の目的である事項を公告しなければならない。

 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第1項及び前二項の規定は、適用しない。


(債権者集会の指揮)

第116条 債権者集会は、裁判所が指揮する。


(債権者委員会)

第117条 裁判所は、再生債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、再生手続に関与することを承認することができる。ただし、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限る。

 委員の数が、3人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。

 再生債権者の過半数が当該委員会が再生手続に関与することについて同意していると認められること。

 当該委員会が再生債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。

 裁判所は、必要があると認めるときは、再生手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。

 債権者委員会は、再生手続において、裁判所、再生債務者等又は監督委員に対して、意見を述べることができる。

 債権者委員会に再生債務者の再生に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した再生債権者の申立てにより、再生債務者財産から、当該再生債権者に対し、相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。

 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第1項の規定による承認を取り消すことができる。


(債権者委員会の意見聴取)

第118条 裁判所書記官は、前条第1項の規定による承認があったときは、遅滞なく、再生債務者等に対して、その旨を通知しなければならない。

 再生債務者等は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、再生債務者の業務及び財産の管理に関する事項について、債権者委員会の意見を聴かなければならない。


(再生債務者等の債権者委員会に対する報告義務)

第118条の2 再生債務者等は、第124条第2項又は第125条第1項若しくは第2項の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。

 再生債務者等は、前項の場合において、当該報告書等に第17条第1項に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。


(再生債務者等に対する報告命令)

第118条の3 債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、再生債務者等に再生債務者の業務及び財産の管理状況その他再生債務者の事業の再生に関し必要な事項について第125条第2項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。

 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、再生債務者等に対し、第125条第2項の規定による報告をすることを命じなければならない。

第5章 共益債権、一般優先債権及び開始後債権

(共益債権となる請求権)

第119条 次に掲げる請求権は、共益債権とする。

 再生債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権

 再生手続開始後の再生債務者の業務、生活並びに財産の管理及び処分に関する費用の請求権

 再生計画の遂行に関する費用の請求権(再生手続終了後に生じたものを除く。)

 第61条第1項(第63条、第78条及び第83条第1項において準用する場合を含む。)、第90条の2第5項、第91条第1項、第112条、第117条第4項及び第223条第9項(第244条において準用する場合を含む。)の規定により支払うべき費用、報酬及び報償金の請求権

 再生債務者財産に関し再生債務者等が再生手続開始後にした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権

 事務管理又は不当利得により再生手続開始後に再生債務者に対して生じた請求権

 再生債務者のために支出すべきやむを得ない費用の請求権で、再生手続開始後に生じたもの(前各号に掲げるものを除く。)


(開始前の借入金等)

第120条 再生債務者(保全管理人が選任されている場合を除く。以下この項及び第3項において同じ。)が、再生手続開始の申立て後再生手続開始前に、資金の借入れ、原材料の購入その他再生債務者の事業の継続に欠くことができない行為をする場合には、裁判所は、その行為によって生ずべき相手方の請求権を共益債権とする旨の許可をすることができる。

 裁判所は、監督委員に対し、前項の許可に代わる承認をする権限を付与することができる。

 再生債務者が第1項の許可又は前項の承認を得て第1項に規定する行為をしたときは、その行為によって生じた相手方の請求権は、共益債権とする。

 保全管理人が再生債務者の業務及び財産に関し権限に基づいてした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権は、共益債権とする。


(社債管理者等の費用及び報酬)

第120条の2 社債管理者又は社債管理補助者が再生債権である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、再生手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の再生債務者に対する当該事務の処理に要する費用の請求権を共益債権とする旨の許可をすることができる。

 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで再生債権である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が再生債務者の事業の再生に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を共益債権とする旨の許可をすることができる。

 裁判所は、再生手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を共益債権とする旨の許可をすることができる。

 前三項の規定による許可を得た請求権は、共益債権とする。

 第1項から第3項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で再生債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。

 担保付社債信託法(明治38年法律第52号)第2条第1項に規定する信託契約の受託会社 同項に規定する社債

 医療法(昭和23年法律第205号)第54条の5に規定する社会医療法人債管理者又は同法第54条の5の2に規定する社会医療法人債管理補助者 同法第54条の2第1項に規定する社会医療法人債

 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号)第139条の8に規定する投資法人債管理者又は同法第139条の9の2第1項に規定する投資法人債管理補助者 同法第2条第19項に規定する投資法人債

 保険業法(平成7年法律第105号)第61条の6に規定する社債管理者又は同法第61条の7の2に規定する社債管理補助者 相互会社(同法第2条第5項に規定する相互会社をいう。)が発行する社債

 資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第126条に規定する特定社債管理者又は同法第127条の2第1項に規定する特定社債管理補助者 同法第2条第7項に規定する特定社債


(共益債権の取扱い)

第121条 共益債権は、再生手続によらないで、随時弁済する。

 共益債権は、再生債権に先立って、弁済する。

 共益債権に基づき再生債務者の財産に対し強制執行又は仮差押えがされている場合において、その強制執行又は仮差押えが再生に著しい支障を及ぼし、かつ、再生債務者が他に換価の容易な財産を十分に有するときは、裁判所は、再生手続開始後において、再生債務者等の申立てにより又は職権で、担保を立てさせて、又は立てさせないで、その強制執行又は仮差押えの中止又は取消しを命ずることができる。共益債権である共助対象外国租税の請求権に基づき再生債務者の財産に対し国税滞納処分の例によってする処分がされている場合におけるその処分の中止又は取消しについても、同様とする。

 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

 第3項の規定による中止又は取消しの命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。


(一般優先債権)

第122条 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権(共益債権であるものを除く。)は、一般優先債権とする。

 一般優先債権は、再生手続によらないで、随時弁済する。

 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、再生手続開始の時からさかのぼって計算する。

 前条第3項から第6項までの規定は、一般優先債権に基づく強制執行若しくは仮差押え又は一般優先債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行について準用する。


(開始後債権)

第123条 再生手続開始後の原因に基づいて生じた財産上の請求権(共益債権、一般優先債権又は再生債権であるものを除く。)は、開始後債権とする。

 開始後債権は、再生手続が開始された時から再生計画で定められた弁済期間が満了する時(再生計画認可の決定が確定する前に再生手続が終了した場合にあっては再生手続が終了した時、その期間の満了前に、再生計画に基づく弁済が完了した場合又は再生計画が取り消された場合にあっては弁済が完了した時又は再生計画が取り消された時)までの間は、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。

 開始後債権に基づく再生債務者の財産に対する強制執行、仮差押え及び仮処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続の申立ては、前項に規定する期間は、することができない。開始後債権である共助対象外国租税の請求権に基づく再生債務者の財産に対する国税滞納処分の例によってする処分についても、同様とする。

第6章 再生債務者の財産の調査及び確保

第1節 再生債務者の財産状況の調査

(財産の価額の評定等)

第124条 再生債務者等は、再生手続開始後(管財人については、その就職の後)遅滞なく、再生債務者に属する一切の財産につき再生手続開始の時における価額を評定しなければならない。

 再生債務者等は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに再生手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。

 裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、評価人を選任し、再生債務者の財産の評価を命ずることができる。


(裁判所への報告)

第125条 再生債務者等は、再生手続開始後(管財人については、その就職の後)遅滞なく、次の事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。

 再生手続開始に至った事情

 再生債務者の業務及び財産に関する経過及び現状

 第142条第1項の規定による保全処分又は第143条第1項の規定による査定の裁判を必要とする事情の有無

 その他再生手続に関し必要な事項

 再生債務者等は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、再生債務者の業務及び財産の管理状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。

 監督委員は、裁判所の定めるところにより、再生債務者の業務及び財産の管理状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。


(財産状況報告集会への報告)

第126条 再生債務者の財産状況を報告するために招集された債権者集会においては、再生債務者等は、前条第1項に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。

 前項の債権者集会(以下「財産状況報告集会」という。)においては、裁判所は、再生債務者、管財人又は届出再生債権者から、管財人の選任並びに再生債務者の業務及び財産の管理に関する事項につき、意見を聴かなければならない。

 財産状況報告集会においては、労働組合等は、前項に規定する事項について意見を述べることができる。

第2節 否認権

(再生債権者を害する行為の否認)

第127条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。

 再生債務者が再生債権者を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、再生債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

 再生債務者が支払の停止又は再生手続開始、破産手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした再生債権者を害する行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び再生債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

 再生債務者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、再生手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、再生債務者財産のために否認することができる。

 再生債務者が支払の停止等があった後又はその前6月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。


(相当の対価を得てした財産の処分行為の否認)

第127条の2 再生債務者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。

 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、再生債務者において隠匿、無償の供与その他の再生債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。

 再生債務者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。

 相手方が、当該行為の当時、再生債務者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。

 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、再生債務者が同項第2号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

 再生債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者

 再生債務者が法人である場合にその再生債務者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者

 再生債務者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者

 再生債務者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人

 株式会社以外の法人が再生債務者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者

 再生債務者の親族又は同居者


(特定の債権者に対する担保の供与等の否認)

第127条の3 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。

 再生債務者が支払不能になった後又は再生手続開始、破産手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この節において「再生手続開始の申立て等」という。)があった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。

 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。

 当該行為が再生手続開始の申立て等があった後にされたものである場合 再生手続開始の申立て等があったこと。

 再生債務者の義務に属せず、又はその時期が再生債務者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前30日以内にされたもの。ただし、債権者がその行為の当時他の再生債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

 前項第1号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。

 債権者が前条第2項各号に掲げる者のいずれかである場合

 前項第1号に掲げる行為が再生債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が再生債務者の義務に属しないものである場合

 第1項各号の規定の適用については、支払の停止(再生手続開始の申立て等の前1年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。


(手形債務支払の場合等の例外)

第128条 前条第1項第1号の規定は、再生債務者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の1人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。

 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、第56条第1項の規定により否認権を行使する権限を付与された監督委員(以下「否認権限を有する監督委員」という。)又は管財人は、これらの者に再生債務者が支払った金額を償還させることができる。

 前条第1項の規定は、再生債務者が再生手続開始前の罰金等につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。


(権利変動の対抗要件の否認)

第129条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から15日を経過した後悪意でしたものであるときは、これを否認することができる。ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいてされた本登記又は本登録は、この限りでない。

 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。


(執行行為の否認)

第130条 否認権は、否認しようとする行為につき、執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行うことを妨げない。


(支払の停止を要件とする否認の制限)

第131条 再生手続開始の申立て等の日から1年以上前にした行為(第127条第3項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。


(否認権行使の効果)

第132条 否認権の行使は、再生債務者財産を原状に復させる。

 第127条第3項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び再生債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。


(再生債務者の受けた反対給付に関する相手方の権利等)

第132条の2 第127条第1項若しくは第3項又は第127条の2第1項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。

 再生債務者の受けた反対給付が再生債務者財産中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利

 再生債務者の受けた反対給付が再生債務者財産中に現存しない場合 共益債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利

 前項第2号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、再生債務者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が再生債務者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。

 再生債務者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が再生債務者財産中に現存する場合 共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利

 再生債務者の受けた反対給付によって生じた利益が再生債務者財産中に現存しない場合 再生債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利

 再生債務者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が再生債務者財産中に現存する場合 共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び再生債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利

 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第127条の2第2項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、再生債務者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

 否認権限を有する監督委員又は管財人は、第127条第1項若しくは第3項又は第127条の2第1項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第1項の規定により再生債務者財産に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により共益債権となる額(第1項第1号に掲げる場合にあっては、再生債務者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。


(相手方の債権の回復)

第133条 第127条の3第1項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。


(転得者に対する否認権)

第134条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。

 転得者が転得の当時、再生債務者がした行為が再生債権者を害することを知っていたとき。

 転得者が第127条の2第2項各号に掲げる者のいずれかであるとき。ただし、転得の当時、再生債務者がした行為が再生債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。

 第132条第2項の規定は、前項第3号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。


(再生債務者の受けた反対給付に関する転得者の権利等)

第134条の2 再生債務者がした第127条第1項若しくは第3項又は第127条の2第1項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第132条の2第1項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。ただし、同項第1号に掲げる場合において、再生債務者の受けた反対給付の価額が、第4項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、共益債権者として再生債務者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。

 前項の規定にかかわらず、第132条の2第1項第2号に掲げる場合において、当該行為の当時、再生債務者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が再生債務者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第2項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。

 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第127条の2第2項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、再生債務者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

 第1項及び第2項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。

 否認権限を有する監督委員又は管財人は、第1項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第132条第1項の規定により再生債務者財産に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により共益債権となる額(第132条の2第1項第1号に掲げる場合(第1項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、再生債務者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。


(相手方の債権に関する転得者の権利)

第134条の3 再生債務者がした第127条の3第1項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第133条の規定により原状に復すべき当該行為の相手方の債権を行使することができる。この場合には、前条第4項の規定を準用する。


(否認権のための保全処分)

第134条の4 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。

 裁判所は、申立てにより又は職権で、第1項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

 第1項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。

 前各項の規定は、再生手続開始の申立てを棄却する決定に対して第36条第1項の即時抗告があった場合について準用する。


(保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い)

第134条の5 前条第1項(同条第7項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、再生手続開始の決定があったときは、否認権限を有する監督委員又は管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。

 再生手続開始の決定後1月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続が続行されないときは、当該保全処分は、その効力を失う。

 否認権限を有する監督委員又は管財人は、第1項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第2項(同条第7項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が再生債務者財産に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を再生債務者財産に属する財産による担保に変換しなければならない。

 民事保全法(平成元年法律第91号)第18条並びに第2章第4節(第37条第5項から第7項までを除く。)及び第5節の規定は、第1項の規定により否認権限を有する監督委員又は管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。


(否認権の行使)

第135条 否認権は、訴え又は否認の請求によって、否認権限を有する監督委員又は管財人が行う。

 前項の訴え及び否認の請求事件は、再生裁判所が管轄する。

 第1項に規定する方法によるほか、管財人は、抗弁によっても、否認権を行うことができる。


(否認の請求)

第136条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。

 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。

 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。

 否認の請求の手続は、再生手続が終了したときは、終了する。


(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)

第137条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から1月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

 前項の訴えは、再生裁判所が管轄する。

 第1項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。

 第1項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。

 第1項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第259条第1項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。

 第1項の訴えに係る訴訟手続で否認権限を有する監督委員が当事者であるものは、再生手続開始の決定の取消しの決定の確定又は再生手続終結の決定により再生手続が終了したときは終了するものとし、再生計画不認可、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定の確定により再生手続が終了したときは中断するものとする。

 第1項の訴えに係る訴訟手続で管財人が当事者であるものは、再生手続開始の決定の取消しの決定の確定又は再生手続終結の決定により再生手続が終了したときは、第68条第2項の規定にかかわらず、終了するものとする。


(否認権限を有する監督委員の訴訟参加等)

第138条 否認権限を有する監督委員は、第135条第1項の規定にかかわらず、否認権の行使に係る相手方(以下この条において「相手方」という。)及び再生債務者間の訴訟が係属する場合には、否認権を行使するため、相手方を被告として、当事者としてその訴訟に参加することができる。ただし、当該訴訟の目的である権利又は義務に係る請求をする場合に限る。

 否認権限を有する監督委員が当事者である否認の訴え(前条第1項の訴え及び第140条第1項の規定により受継された訴訟手続を含む。)が係属する場合には、再生債務者は、当該訴えの目的である権利又は義務に係る請求をするため、相手方を被告として、当事者としてその訴訟に参加することができる。

 前項に規定する場合には、相手方は、当該訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、再生債務者を被告として、当該訴訟の目的である権利又は義務に係る訴えをこれに併合して提起することができる。

 民事訴訟法第40条第1項から第3項までの規定は前三項の場合について、同法第43条並びに第47条第2項及び第3項の規定は第1項及び第2項の規定による参加の申出について準用する。


(否認権行使の期間)

第139条 否認権は、再生手続開始の日(再生手続開始の日より前に破産手続が開始されている場合にあっては、破産手続開始の日)から2年を経過したときは、行使することができない。否認しようとする行為の日から10年を経過したときも、同様とする。


(詐害行為取消訴訟等の取扱い)

第140条 否認権限を有する監督委員又は管財人は、第40条の2第1項の規定により中断した訴訟手続のうち、民法第424条第1項の規定により再生債権者の提起した訴訟又は破産法の規定による否認の訴訟若しくは否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟に係るものを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

 前項の場合においては、相手方の再生債権者又は破産管財人に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。

 第1項に規定する訴訟手続について同項の規定による受継があった後に再生手続が終了したときは、次条第1項の規定により中断している場合を除き、当該訴訟手続は中断する。

 前項の場合又は第1項に規定する訴訟手続が次条第1項の規定により中断した後に再生手続が終了した場合には、再生債権者又は破産管財人において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。


(否認の訴え等の中断及び受継)

第141条 次の各号に掲げる裁判が取り消された場合には、当該各号に定める訴訟手続は、中断する。

 監督命令又は第56条第1項の規定による裁判 否認権限を有する監督委員が当事者である否認の訴え若しくは第137条第1項の訴えに係る訴訟手続、否認権限を有する監督委員が第138条第1項の規定による参加をした訴訟手続又は否認権限を有する監督委員が受継した前条第1項に規定する訴訟手続

 管理命令 管財人が当事者である第137条第1項の訴えに係る訴訟手続又は管財人が受継した前条第1項に規定する訴訟手続

 前項の規定により中断した訴訟手続は、その後、監督委員が第56条第1項の規定により否認権を行使する権限を付与された場合又は管財人が選任された場合には、その監督委員又は管財人においてこれを受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

第3節 法人の役員の責任の追及

(法人の役員の財産に対する保全処分)

第142条 裁判所は、法人である再生債務者について再生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、再生債務者の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この条から第145条までにおいて「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、役員の財産に対する保全処分をすることができる。

 裁判所は、緊急の必要があると認めるときは、再生手続開始の決定をする前でも、再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の保全処分をすることができる。

 第1項に規定する場合において管財人が選任されていないとき、又は前項に規定する場合において保全管理人が選任されていないときは、再生債権者も、第1項又は前項の申立てをすることができる。

 裁判所は、第1項又は第2項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

 第1項若しくは第2項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 第5項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。


(損害賠償請求権の査定の申立て等)

第143条 裁判所は、法人である再生債務者について再生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判をすることができる。

 前項に規定する場合において、管財人が選任されていないときは、再生債権者も、同項の申立てをすることができる。

 第1項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

 裁判所は、職権で査定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。

 第1項の申立てがあったとき、又は職権による査定の手続の開始決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。

 査定の手続(第1項の査定の裁判があった後のものを除く。)は、再生手続が終了したときは、終了する。


(損害賠償請求権の査定に関する裁判)

第144条 前条第1項の査定の裁判及び同項の申立てを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。

 裁判所は、前項の決定をする場合には、役員を審尋しなければならない。

 前条第1項の査定の裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。


(査定の裁判に対する異議の訴え)

第145条 第143条第1項の査定の裁判に不服がある者は、その送達を受けた日から1月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

 前項の訴えは、再生裁判所が管轄する。

 第1項の訴え(次項の訴えを除く。)は、これを提起する者が、役員であるときは第143条第1項の申立てをした者を、同項の申立てをした者であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。

 職権でされた査定の裁判に対する第1項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは再生債務者等を、再生債務者等であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。


第146条 前条第1項の訴えの口頭弁論は、同項の期間を経過した後でなければ開始することができない。

 前条第1項の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。この場合においては、民事訴訟法第40条第1項から第3項までの規定を準用する。

 前条第1項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、査定の裁判を認可し、変更し、又は取り消す。

 査定の裁判を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。

 査定の裁判を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第259条第1項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。

 再生手続が終了したときは、前条第1項の訴えに係る訴訟手続であって再生債務者等が当事者でないものは、中断する。この場合においては、第68条第3項の規定を準用する。


(査定の裁判の効力)

第147条 第145条第1項の訴えが、同項の期間内に提起されないとき、又は却下されたときは、査定の裁判は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。

第4節 担保権の消滅

(担保権消滅の許可等)

第148条 再生手続開始の時において再生債務者の財産につき第53条第1項に規定する担保権(以下この条、次条及び第152条において「担保権」という。)が存する場合において、当該財産が再生債務者の事業の継続に欠くことのできないものであるときは、再生債務者等は、裁判所に対し、当該財産の価額に相当する金銭を裁判所に納付して当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。

 前項の許可の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。

 担保権の目的である財産の表示

 前号の財産の価額

 消滅すべき担保権の表示

 前号の担保権によって担保される債権の額

 第1項の許可の決定があった場合には、その裁判書を、前項の書面(以下この条及び次条において「申立書」という。)とともに、当該申立書に記載された同項第3号の担保権を有する者(以下この条から第153条までにおいて「担保権者」という。)に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。

 第1項の許可の決定に対しては、担保権者は、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を担保権者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。

 第2項第3号の担保権が根抵当権である場合において、根抵当権者が第3項の規定による送達を受けた時から2週間を経過したときは、根抵当権の担保すべき元本は、確定する。

 民法第398条の20第2項の規定は、第1項の許可の申立てが取り下げられ、又は同項の許可が取り消された場合について準用する。


(価額決定の請求)

第149条 担保権者は、申立書に記載された前条第2項第2号の価額(第151条及び第152条において「申出額」という。)について異議があるときは、当該申立書の送達を受けた日から1月以内に、担保権の目的である財産(次条において「財産」という。)について価額の決定を請求することができる。

 前条第1項の許可をした裁判所は、やむを得ない事由がある場合に限り、担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。

 第1項の規定による請求(以下この条から第152条までにおいて「価額決定の請求」という。)に係る事件は、再生裁判所が管轄する。

 価額決定の請求をする者は、その請求に係る手続の費用として再生裁判所の定める金額を予納しなければならない。

 前項に規定する費用の予納がないときは、再生裁判所は、価額決定の請求を却下しなければならない。


(財産の価額の決定)

第150条 価額決定の請求があった場合には、再生裁判所は、当該請求を却下する場合を除き、評価人を選任し、財産の評価を命じなければならない。

 前項の場合には、再生裁判所は、評価人の評価に基づき、決定で、財産の価額を定めなければならない。

 担保権者が数人ある場合には、前項の決定は、担保権者の全員につき前条第1項の期間(同条第2項の規定により期間が伸長されたときは、その伸長された期間。第152条第1項において「請求期間」という。)が経過した後にしなければならない。この場合において、数個の価額決定の請求事件が同時に係属するときは、事件を併合して裁判しなければならない。

 第2項の決定は、価額決定の請求をしなかった担保権者に対しても、その効力を有する。

 価額決定の請求についての決定に対しては、再生債務者等及び担保権者は、即時抗告をすることができる。

 価額決定の請求についての決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を再生債務者等及び担保権者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。


(費用の負担)

第151条 価額決定の請求に係る手続に要した費用は、前条第2項の決定により定められた価額が、申出額を超える場合には再生債務者の負担とし、申出額を超えない場合には価額決定の請求をした者の負担とする。ただし、申出額を超える額が当該費用の額に満たないときは、当該費用のうち、その超える額に相当する部分は再生債務者の負担とし、その余の部分は価額決定の請求をした者の負担とする。

 前条第5項の即時抗告に係る手続に要した費用は、当該即時抗告をした者の負担とする。

 第1項の規定により再生債務者に対して費用請求権を有する者は、その費用に関し、次条第1項の規定により納付された金銭について、他の担保権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。

 次条第4項の場合には、第1項及び第2項の費用は、これらの規定にかかわらず、再生債務者の負担とする。この場合においては、再生債務者に対する費用請求権は、共益債権とする。


(価額に相当する金銭の納付等)

第152条 再生債務者等は、請求期間内に価額決定の請求がなかったとき、又は価額決定の請求のすべてが取り下げられ、若しくは却下されたときは申出額に相当する金銭を、第150条第2項の決定が確定したときは当該決定により定められた価額に相当する金銭を、裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。

 担保権者の有する担保権は、前項の規定による金銭の納付があった時に消滅する。

 第1項の規定による金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。

 再生債務者等が第1項の規定による金銭の納付をしないときは、裁判所は、第148条第1項の許可を取り消さなければならない。


(配当等の実施)

第153条 裁判所は、前条第1項の規定による金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、配当表に基づいて、担保権者に対する配当を実施しなければならない。

 担保権者が1人である場合又は担保権者が2人以上であって前条第1項の規定により納付された金銭で各担保権者の有する担保権によって担保される債権及び第151条第1項の規定により再生債務者の負担すべき費用を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、担保権者に弁済金を交付し、剰余金を再生債務者等に交付する。

 民事執行法(昭和54年法律第4号)第85条及び第88条から第92条までの規定は第1項の配当の手続について、同法第88条、第91条及び第92条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。

第7章 再生計画

第1節 再生計画の条項

(再生計画の条項)

第154条 再生計画においては、次に掲げる事項に関する条項を定めなければならない。

 全部又は一部の再生債権者の権利の変更

 共益債権及び一般優先債権の弁済

 知れている開始後債権があるときは、その内容

 債権者委員会が再生計画で定められた弁済期間内にその履行を確保するため監督その他の関与を行う場合において、再生債務者がその費用の全部又は一部を負担するときは、その負担に関する条項を定めなければならない。

 第166条第1項の規定による裁判所の許可があった場合には、再生計画の定めによる再生債務者の株式の取得に関する条項、株式の併合に関する条項、資本金の額の減少に関する条項又は再生債務者が発行することができる株式の総数についての定款の変更に関する条項を定めることができる。

 第166条の2第2項の規定による裁判所の許可があった場合には、再生計画において、募集株式(会社法第199条第1項に規定する募集株式をいい、譲渡制限株式であるものに限る。以下この章において同じ。)を引き受ける者の募集(同法第202条第1項各号に掲げる事項を定めるものを除く。以下この章において同じ。)に関する条項を定めることができる。


(再生計画による権利の変更)

第155条 再生計画による権利の変更の内容は、再生債権者の間では平等でなければならない。ただし、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合又は少額の再生債権若しくは第84条第2項に掲げる請求権について別段の定めをし、その他これらの者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。

 前項の規定にかかわらず、約定劣後再生債権の届出がある場合における再生計画においては、再生債権(約定劣後再生債権を除く。)を有する者と約定劣後再生債権を有する者との間においては、第35条第4項に規定する配当の順位についての合意の内容を考慮して、再生計画の内容に公正かつ衡平な差を設けなければならない。

 再生計画によって債務が負担され、又は債務の期限が猶予されるときは、特別の事情がある場合を除き、再生計画認可の決定の確定から10年を超えない範囲で、その債務の期限を定めるものとする。

 再生手続開始前の罰金等については、再生計画において減免その他権利に影響を及ぼす定めをすることができない。

 再生手続開始前の共助対象外国租税の請求権について、再生計画において減免その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。


(権利の変更の一般的基準)

第156条 再生債権者の権利を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準(約定劣後再生債権の届出があるときは、約定劣後再生債権についての一般的基準を含む。)を定めなければならない。


(届出再生債権者等の権利に関する定め)

第157条 再生債権者の権利を変更する条項においては、届出再生債権者及び第101条第3項の規定により認否書に記載された再生債権者の権利のうち変更されるべき権利を明示し、かつ、前条の一般的基準に従って変更した後の権利の内容を定めなければならない。ただし、第159条及び第160条第1項に規定する再生債権については、この限りでない。

 前項に規定する再生債権者の権利で、再生計画によってその権利に影響を受けないものがあるときは、その権利を明示しなければならない。


(債務の負担及び担保の提供に関する定め)

第158条 再生債務者以外の者が債務を引き受け、又は保証人となる等再生のために債務を負担するときは、再生計画において、その者を明示し、かつ、その債務の内容を定めなければならない。

 再生債務者又は再生債務者以外の者が、再生のために担保を提供するときは、再生計画において、担保を提供する者を明示し、かつ、担保権の内容を定めなければならない。


(未確定の再生債権に関する定め)

第159条 異議等のある再生債権で、その確定手続が終了していないものがあるときは、再生計画において、その権利確定の可能性を考慮し、これに対する適確な措置を定めなければならない。


(別除権者の権利に関する定め)

第160条 別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の部分が確定していない再生債権を有する者があるときは、再生計画において、その債権の部分が確定した場合における再生債権者としての権利の行使に関する適確な措置を定めなければならない。

 前項に規定する再生債権を担保する根抵当権の元本が確定している場合には、その根抵当権の被担保債権のうち極度額を超える部分について、第156条の1般的基準に従い、仮払に関する定めをすることができる。この場合においては、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の部分が確定した場合における精算に関する措置をも定めなければならない。


(再生債務者の株式の取得等に関する定め)

第161条 再生計画によって株式会社である再生債務者が当該再生債務者の株式の取得をするときは、次に掲げる事項を定めなければならない。

 再生債務者が取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)

 再生債務者が前号の株式を取得する日

 再生計画によって株式会社である再生債務者の株式の併合をするときは、会社法第180条第2項各号に掲げる事項を定めなければならない。

 再生計画によって株式会社である再生債務者の資本金の額の減少をするときは、会社法第447条第1項各号に掲げる事項を定めなければならない。

 再生計画によって株式会社である再生債務者が発行することができる株式の総数についての定款の変更をするときは、その変更の内容を定めなければならない。


(募集株式を引き受ける者の募集に関する定め)

第162条 株式会社である再生債務者が、第166条の2第2項の規定による裁判所の許可を得て、募集株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、再生計画において、会社法第199条第1項各号に掲げる事項を定めなければならない。

第2節 再生計画案の提出

(再生計画案の提出時期)

第163条 再生債務者等は、債権届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出しなければならない。

 再生債務者(管財人が選任されている場合に限る。)又は届出再生債権者は、裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出することができる。

 裁判所は、申立てにより又は職権で、前二項の規定により定めた期間を伸長することができる。


(再生計画案の事前提出)

第164条 再生債務者等は、前条第1項の規定にかかわらず、再生手続開始の申立て後債権届出期間の満了前に、再生計画案を提出することができる。

 前項の場合には、第157条及び第159条に規定する事項を定めないで、再生計画案を提出することができる。この場合においては、債権届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、これらの事項について、再生計画案の条項を補充しなければならない。


(債務を負担する者等の同意)

第165条 第158条に規定する債務の負担又は担保の提供についての定めをした再生計画案を提出しようとする者は、あらかじめ、当該債務を負担し、又は当該担保を提供する者の同意を得なければならない。

 第160条第2項の仮払に関する定めをした再生計画案を提出しようとする者は、あらかじめ、当該定めに係る根抵当権を有する者の同意を得なければならない。


(再生債務者の株式の取得等を定める条項に関する許可)

第166条 第154条第3項に規定する条項を定めた再生計画案を提出しようとする者は、あらかじめ、裁判所の許可を得なければならない。

 裁判所は、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができない場合に限り、前項の許可をすることができる。

 第1項の許可の決定があった場合には、その裁判書を当該許可の申立てをした者に、その決定の要旨を記載した書面を株主に、それぞれ送達しなければならない。この場合における株主に対する送達については、第43条第4項及び第5項の規定を準用する。

 第1項の規定による許可の決定に対しては、株主は、即時抗告をすることができる。


(募集株式を引き受ける者の募集を定める条項に関する許可)

第166条の2 第154条第4項に規定する条項を定めた再生計画案は、再生債務者のみが提出することができる。

 再生債務者は、前項の再生計画案を提出しようとするときは、あらかじめ、裁判所の許可を得なければならない。

 裁判所は、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができない状態にあり、かつ、当該募集株式を引き受ける者の募集が再生債務者の事業の継続に欠くことのできないものであると認める場合に限り、前項の許可をすることができる。

 前条第3項及び第4項の規定は、第2項の許可の決定があった場合について準用する。


(再生計画案の修正)

第167条 再生計画案の提出者は、裁判所の許可を得て、再生計画案を修正することができる。ただし、再生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、この限りでない。


(再生債務者の労働組合等の意見)

第168条 裁判所は、再生計画案について、労働組合等の意見を聴かなければならない。前条の規定による修正があった場合における修正後の再生計画案についても、同様とする。

第3節 再生計画案の決議

(決議に付する旨の決定)

第169条 再生計画案の提出があったときは、裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、当該再生計画案を決議に付する旨の決定をする。

 一般調査期間が終了していないとき。

 財産状況報告集会における再生債務者等による報告又は第125条第1項の報告書の提出がないとき。

 裁判所が再生計画案について第174条第2項各号(第3号を除く。)に掲げる要件のいずれかに該当するものと認めるとき。

 第191条第2号の規定により再生手続を廃止するとき。

 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、議決権を行使することができる再生債権者(以下「議決権者」という。)の議決権行使の方法及び第172条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定により議決権の不統一行使をする場合における裁判所に対する通知の期限を定めなければならない。この場合においては、議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。

 債権者集会の期日において議決権を行使する方法

 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法

 前二号に掲げる方法のうち議決権者が選択するものにより議決権を行使する方法。この場合において、前号の期間の末日は、第1号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。

 裁判所は、第1項の決議に付する旨の決定をした場合には、前項前段に規定する期限を公告し、かつ、当該期限及び再生計画案の内容又はその要旨を第115条第1項本文に規定する者(同条第2項に規定する者を除く。)に通知しなければならない。

 裁判所は、議決権行使の方法として第2項第2号又は第3号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第2号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。

 裁判所は、議決権行使の方法として第2項第2号に掲げる方法を定めた場合において、第114条前段の申立てをすることができる者が前項の期間内に再生計画案の決議をするための債権者集会の招集の申立てをしたときは、議決権行使の方法につき、当該定めを取り消して、第2項第1号又は第3号に掲げる方法を定めなければならない。


(社債権者等の議決権の行使に関する制限)

第169条の2 再生債権である社債又は第120条の2第6項各号に定める債権(以下この条において「社債等」という。)を有する者は、当該社債等について社債管理者、社債管理補助者(当該社債等についての再生債権者の議決権を行使することができる権限を有するものに限る。)又は同項各号に掲げる者(以下この条において「社債管理者等」という。)がある場合には、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、当該社債等について議決権を行使することができる。

 当該社債等について再生債権の届出をしたとき、又は届出名義の変更を受けたとき。

 当該社債管理者等が当該社債等について再生債権の届出をした場合において、再生計画案を決議に付する旨の決定があるまでに、裁判所に対し、当該社債等について議決権を行使する意思がある旨の申出をしたとき(当該申出のあった再生債権である社債等について次項の規定による申出名義の変更を受けた場合を含む。)

 前項第2号に規定する申出のあった再生債権である社債等を取得した者は、申出名義の変更を受けることができる。

 次に掲げる場合には、第1項の社債等を有する者(同項各号のいずれかに該当するものに限る。)は、同項の規定にかかわらず、当該再生計画案の決議において議決権の行使をすることができない。

 再生債権である社債等につき、再生計画案の決議における議決権の行使についての会社法第706条第1項若しくは第714条の4第3項(これらの規定を医療法第54条の7において準用する場合を含む。)の社債権者集会の決議若しくは社会医療法人債権者集会の決議、投資信託及び投資法人に関する法律第139条の9第4項若しくは同法第139条の9の2第2項において読み替えて準用する会社法第714条の4第3項の投資法人債権者集会の決議、保険業法第61条の7第4項若しくは第61条の7の3第3項の社債権者集会の決議又は資産の流動化に関する法律第127条第4項若しくは同法第127条の2第2項において読み替えて準用する会社法第714条の4第3項の特定社債権者集会の決議が成立したとき。

 会社法第706条第1項ただし書(医療法第54条の7において準用する場合を含む。)、投資信託及び投資法人に関する法律第139条の9第4項ただし書若しくは保険業法第61条の7第4項ただし書の定めがあるとき、又は資産の流動化に関する法律第127条第4項ただし書の通知がされたとき。


(債権者集会が開催される場合における議決権の額の定め方等)

第170条 裁判所が議決権行使の方法として第169条第2項第1号又は第3号に掲げる方法を定めた場合においては、再生債務者等又は届出再生債権者は、債権者集会の期日において、届出再生債権者の議決権につき異議を述べることができる。ただし、第104条第1項の規定によりその額が確定した届出再生債権者の議決権については、この限りでない。

 前項本文に規定する場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。

 第104条第1項の規定によりその額が確定した議決権を有する届出再生債権者 確定した額

 前項本文の異議のない議決権を有する届出再生債権者 届出の額

 前項本文の異議のある議決権を有する届出再生債権者 裁判所が定める額。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。

 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第3号の規定による決定を変更することができる。


(債権者集会が開催されない場合における議決権の額の定め方等)

第171条 裁判所が議決権行使の方法として第169条第2項第2号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。

 第104条第1項の規定によりその額が確定した議決権を有する届出再生債権者 確定した額

 届出再生債権者(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。

 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第2号の規定による決定を変更することができる。


(議決権の行使の方法等)

第172条 議決権者は、代理人をもってその議決権を行使することができる。

 議決権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。この場合においては、第169条第2項前段に規定する期限までに、裁判所に対してその旨を書面で通知しなければならない。

 前項の規定は、第1項に規定する代理人が委任を受けた議決権(自己の議決権を有するときは、当該議決権を含む。)を統一しないで行使する場合について準用する。


(基準日による議決権者の確定)

第172条の2 裁判所は、相当と認めるときは、再生計画案を決議に付する旨の決定と同時に、一定の日(以下この条において「基準日」という。)を定めて、基準日における再生債権者表に記録されている再生債権者を議決権者と定めることができる。

 裁判所は、基準日を公告しなければならない。この場合において、基準日は、当該公告の日から2週間を経過する日以後の日でなければならない。


(再生計画案の可決の要件)

第172条の3 再生計画案を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。

 議決権者(債権者集会に出席し、又は第169条第2項第2号に規定する書面等投票をしたものに限る。)の過半数の同意

 議決権者の議決権の総額の二分の一以上の議決権を有する者の同意

 約定劣後再生債権の届出がある場合には、再生計画案の決議は、再生債権(約定劣後再生債権を除く。以下この条、第172条の5第4項並びに第174条の2第1項及び第2項において同じ。)を有する者と約定劣後再生債権を有する者とに分かれて行う。ただし、議決権を有する約定劣後再生債権を有する者がないときは、この限りでない。

 裁判所は、前項本文に規定する場合であっても、相当と認めるときは、再生計画案の決議は再生債権を有する者と約定劣後再生債権を有する者とに分かれないで行うものとすることができる。

 裁判所は、再生計画案を決議に付する旨の決定をするまでは、前項の決定を取り消すことができる。

 前二項の規定による決定があった場合には、その裁判書を議決権者に送達しなければならない。ただし、債権者集会の期日において当該決定の言渡しがあったときは、この限りでない。

 第1項の規定にかかわらず、第2項本文の規定により再生計画案の決議を再生債権を有する者と約定劣後再生債権を有する者とに分かれて行う場合において再生計画案を可決するには、再生債権を有する者と約定劣後再生債権を有する者の双方について第1項各号に掲げる同意のいずれもがなければならない。

 第172条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定によりその有する議決権の一部のみを再生計画案に同意するものとして行使した議決権者(その余の議決権を行使しなかったものを除く。)があるときの第1項第1号又は前項の規定の適用については、当該議決権者1人につき、同号に規定する議決権者の数に一を、再生計画案に同意する旨の議決権の行使をした議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。


(再生計画案の変更)

第172条の4 再生計画案の提出者は、議決権行使の方法として第169条第2項第1号又は第3号に掲げる方法が定められた場合には、再生債権者に不利な影響を与えないときに限り、債権者集会において、裁判所の許可を得て、当該再生計画案を変更することができる。


(債権者集会の期日の続行)

第172条の5 再生計画案についての議決権行使の方法として第169条第2項第1号又は第3号に掲げる方法が定められ、かつ、当該再生計画案が可決されるに至らなかった場合において、次の各号のいずれかに掲げる同意があるときは、裁判所は、再生計画案の提出者の申立てにより又は職権で、続行期日を定めて言い渡さなければならない。ただし、続行期日において当該再生計画案が可決される見込みがないことが明らかである場合は、この限りでない。

 第172条の3第1項各号のいずれかに掲げる同意

 債権者集会の期日における出席した議決権者の過半数であって出席した議決権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の期日の続行についての同意

 前項本文の場合において、同項本文の再生計画案の可決は、当該再生計画案が決議に付された最初の債権者集会の期日から2月以内にされなければならない。

 裁判所は、必要があると認めるときは、再生計画案の提出者の申立てにより又は職権で、前項の期間を伸長することができる。ただし、その期間は、1月を超えることができない。

 前三項の規定は、第172条の3第2項本文の規定により再生計画案の決議を再生債権を有する者と約定劣後再生債権を有する者とに分かれて行う場合には、再生債権を有する者と約定劣後再生債権を有する者の双方について第1項各号のいずれかに掲げる同意があるときに限り、適用する。


(再生計画案が可決された場合の法人の継続)

第173条 清算中若しくは特別清算中の法人又は破産手続開始後の法人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、再生計画案が可決されたときは、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、法人を継続することができる。

第4節 再生計画の認可等

(再生計画の認可又は不認可の決定)

第174条 再生計画案が可決された場合には、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。

 裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、再生計画不認可の決定をする。

 再生手続又は再生計画が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。ただし、再生手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。

 再生計画が遂行される見込みがないとき。

 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。

 再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。

 第115条第1項本文に規定する者及び労働組合等は、再生計画案を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。

 再生計画の認可又は不認可の決定があった場合には、第115条第1項本文に規定する者に対して、その主文及び理由の要旨を記載した書面を送達しなければならない。

 前項に規定する場合には、同項の決定があった旨を労働組合等に通知しなければならない。


(約定劣後再生債権の届出がある場合における認可等の特則)

第174条の2 第172条の3第2項本文の規定により再生計画案の決議を再生債権を有する者と約定劣後再生債権を有する者とに分かれて行う場合において、再生債権を有する者又は約定劣後再生債権を有する者のいずれかについて同条第1項各号のいずれかに掲げる同意を得られなかったため再生計画案が可決されなかったときにおいても、裁判所は、再生計画案を変更し、その同意が得られなかった種類の債権を有する者のために、破産手続が開始された場合に配当を受けることが見込まれる額を支払うことその他これに準じて公正かつ衡平に当該債権を有する者を保護する条項を定めて、再生計画認可の決定をすることができる。

 第172条の3第2項本文の規定により再生計画案の決議を再生債権を有する者と約定劣後再生債権を有する者とに分かれて行うべき場合において、再生計画案について、再生債権を有する者又は約定劣後再生債権を有する者のいずれかについて同条第1項各号のいずれかに掲げる同意を得られないことが明らかなものがあるときは、裁判所は、再生計画案の作成者の申立てにより、あらかじめ、その同意を得られないことが明らかな種類の債権を有する者のために前項に規定する条項を定めて、再生計画案を作成することを許可することができる。この場合において、その同意を得られないことが明らかな種類の債権を有する者は、当該再生計画案の決議において議決権を行使することができない。

 前項の申立てがあったときは、裁判所は、申立人及び同意を得られないことが明らかな種類の債権を有する者のうち1人以上の意見を聴かなければならない。


(再生計画認可の決定等に対する即時抗告)

第175条 再生計画の認可又は不認可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の規定にかかわらず、再生債務者が再生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後再生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合には、約定劣後再生債権を有する者は、再生計画の内容が約定劣後再生債権を有する者の間で第155条第1項に違反することを理由とする場合を除き、即時抗告をすることができない。

 議決権を有しなかった再生債権者が第1項の即時抗告をするには、再生債権者であることを疎明しなければならない。

 前項の規定は、第1項の即時抗告についての裁判に対する第18条において準用する民事訴訟法第336条の規定による抗告及び同法第337条の規定による抗告の許可の申立てについて準用する。


(再生計画の効力発生の時期)

第176条 再生計画は、認可の決定の確定により、効力を生ずる。


(再生計画の効力範囲)

第177条 再生計画は、再生債務者、すべての再生債権者及び再生のために債務を負担し、又は担保を提供する者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。

 再生計画は、別除権者が有する第53条第1項に規定する担保権、再生債権者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び再生債務者以外の者が再生債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。


(再生債権の免責)

第178条 再生計画認可の決定が確定したときは、再生計画の定め又はこの法律の規定によって認められた権利を除き、再生債務者は、すべての再生債権について、その責任を免れる。ただし、再生手続開始前の罰金等については、この限りでない。

 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第11条第1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。


(届出再生債権者等の権利の変更)

第179条 再生計画認可の決定が確定したときは、届出再生債権者及び第101条第3項の規定により認否書に記載された再生債権を有する再生債権者の権利は、再生計画の定めに従い、変更される。

 前項に規定する再生債権者は、その有する債権が確定している場合に限り、再生計画の定めによって認められた権利を行使することができる。

 第1項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第11条第1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。


(再生計画の条項の再生債権者表への記載等)

第180条 再生計画認可の決定が確定したときは、裁判所書記官は、再生計画の条項を再生債権者表に記載しなければならない。

 前項の場合には、再生債権に基づき再生計画の定めによって認められた権利については、その再生債権者表の記載は、再生債務者、再生債権者及び再生のために債務を負担し、又は担保を提供する者に対して、確定判決と同一の効力を有する。

 第1項の場合には、前項の権利で金銭の支払その他の給付の請求を内容とするものを有する者は、再生債務者及び再生のために債務を負担した者に対して、その再生債権者表の記載により強制執行をすることができる。ただし、民法第452条及び第453条の規定の適用を妨げない。


(届出のない再生債権等の取扱い)

第181条 再生計画認可の決定が確定したときは、次に掲げる再生債権(約定劣後再生債権の届出がない場合における約定劣後再生債権を除く。)は、第156条の1般的基準に従い、変更される。

 再生債権者がその責めに帰することができない事由により債権届出期間内に届出をすることができなかった再生債権で、その事由が第95条第4項に規定する決定前に消滅しなかったもの

 前号の決定後に生じた再生債権

 第101条第3項に規定する場合において、再生債務者が同項の規定による記載をしなかった再生債権

 前項第3号の規定により変更された後の権利については、再生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に、再生計画に基づく弁済が完了した場合又は再生計画が取り消された場合にあっては弁済が完了した時又は再生計画が取り消された時)までの間は、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。

 再生計画認可の決定が確定した場合には、再生手続開始前の罰金等についても、前項と同様とする。


(別除権者の再生計画による権利の行使)

第182条 再生債権者が第53条第1項に規定する担保権を有する場合には、その行使によって弁済を受けることができない債権の部分が確定した場合に限り、その債権の部分について、認可された再生計画の定めによって認められた権利又は前条第1項の規定により変更された後の権利を行使することができる。ただし、その担保権が根抵当権である場合において、再生計画に第160条第2項の規定による仮払に関する定め及び精算に関する措置の定めがあるときは、その定めるところによる。


(再生計画により再生債務者の株式の取得等がされた場合の取扱い)

第183条 第154条第3項の規定により再生計画において再生債務者の株式の取得に関する条項を定めたときは、再生債務者は、第161条第1項第2号の日に、認可された再生計画の定めによって、同項第1号の株式を取得する。

 第154条第3項の規定により再生計画において株式の併合に関する条項を定めたときは、認可された再生計画の定めによって、株式の併合をすることができる。この場合においては、会社法第116条、第117条、第182条の4及び第182条の5の規定は、適用しない。

 前項の場合には、会社法第235条第2項において準用する同法第234条第2項の許可の申立てに係る事件は、再生裁判所が管轄する。

 第154条第3項の規定により再生計画において資本金の額の減少に関する条項を定めたときは、認可された再生計画の定めによって、資本金の額の減少をすることができる。この場合においては、会社法第449条及び第740条の規定は、適用しない。

 前項の場合には、会社法第828条第1項第5号及び第2項第5号の規定にかかわらず、資本金の額の減少について、その無効の訴えを提起することができない。

 第154条第3項の規定により再生計画において再生債務者が発行することができる株式の総数についての定款の変更に関する条項を定めたときは、定款は、再生計画認可の決定が確定した時に再生計画の定めによって変更される。

 第2項、第4項又は前項の規定により、認可された再生計画の定めによる株式の併合、資本金の額の減少又は定款の変更があった場合には、当該事項に係る登記の申請書には、再生計画認可の裁判書の謄本又は抄本を添付しなければならない。


(再生計画に募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めた場合の取扱い)

第183条の2 第154条第4項の規定により再生計画において募集株式を引き受ける者の募集に関する条項を定めたときは、会社法第199条第2項の規定にかかわらず、取締役の決定(再生債務者が取締役会設置会社である場合にあっては、取締役会の決議)によって、同項に規定する募集事項を定めることができる。この場合においては、同条第4項並びに同法第204条第2項及び第205条第2項の規定は、適用しない。

 会社法第201条第3項から第5項までの規定は、前項の場合について準用する。

 第1項の募集株式を引き受ける者の募集による変更の登記の申請書には、再生計画認可の裁判書の謄本又は抄本を添付しなければならない。


(中止した手続等の失効)

第184条 再生計画認可の決定が確定したときは、第39条第1項の規定により中止した手続又は処分は、その効力を失う。ただし、同条第2項の規定により続行された手続又は処分については、この限りでない。


(不認可の決定が確定した場合の再生債権者表の記載の効力)

第185条 再生計画不認可の決定が確定したときは、確定した再生債権については、再生債権者表の記載は、再生債務者に対し、確定判決と同一の効力を有する。ただし、再生債務者が第102条第2項又は第103条第4項の規定による異議を述べたときは、この限りでない。

 前項の場合には、再生債権者は、再生債務者に対し、再生債権者表の記載により強制執行をすることができる。

第8章 再生計画認可後の手続

(再生計画の遂行)

第186条 再生計画認可の決定が確定したときは、再生債務者等は、速やかに、再生計画を遂行しなければならない。

 前項に規定する場合において、監督委員が選任されているときは、当該監督委員は、再生債務者の再生計画の遂行を監督する。

 裁判所は、再生計画の遂行を確実にするため必要があると認めるときは、再生債務者等又は再生のために債務を負担し、若しくは担保を提供する者に対し、次に掲げる者のために、相当な担保を立てるべきことを命ずることができる。

 再生計画の定め又はこの法律の規定によって認められた権利を有する者

 異議等のある再生債権でその確定手続が終了していないものを有する者

 別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の部分が確定していない再生債権を有する者

 民事訴訟法第76条、第77条、第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。


(再生計画の変更)

第187条 再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画に定める事項を変更する必要が生じたときは、裁判所は、再生手続終了前に限り、再生債務者、管財人、監督委員又は届出再生債権者の申立てにより、再生計画を変更することができる。

 前項の規定により再生債権者に不利な影響を及ぼすものと認められる再生計画の変更の申立てがあった場合には、再生計画案の提出があった場合の手続に関する規定を準用する。ただし、再生計画の変更によって不利な影響を受けない再生債権者は、手続に参加させることを要せず、また、変更計画案について議決権を行使しない者(変更計画案について決議をするための債権者集会に出席した者を除く。)であって従前の再生計画に同意したものは、変更計画案に同意したものとみなす。

 第175条及び第176条の規定は、再生計画変更の決定があった場合について準用する。


(再生手続の終結)

第188条 裁判所は、再生計画認可の決定が確定したときは、監督委員又は管財人が選任されている場合を除き、再生手続終結の決定をしなければならない。

 裁判所は、監督委員が選任されている場合において、再生計画が遂行されたとき、又は再生計画認可の決定が確定した後3年を経過したときは、再生債務者若しくは監督委員の申立てにより又は職権で、再生手続終結の決定をしなければならない。

 裁判所は、管財人が選任されている場合において、再生計画が遂行されたとき、又は再生計画が遂行されることが確実であると認めるに至ったときは、再生債務者若しくは管財人の申立てにより又は職権で、再生手続終結の決定をしなければならない。

 監督命令及び管理命令は、再生手続終結の決定があったときは、その効力を失う。

 裁判所は、再生手続終結の決定をしたときは、その主文及び理由の要旨を公告しなければならない。


(再生計画の取消し)

第189条 再生計画認可の決定が確定した場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。

 再生計画が不正の方法により成立したこと。

 再生債務者等が再生計画の履行を怠ったこと。

 再生債務者が第41条第1項若しくは第42条第1項の規定に違反し、又は第54条第2項に規定する監督委員の同意を得ないで同項の行為をしたこと。

 前項第1号に掲げる事由を理由とする同項の申立ては、再生債権者が再生計画認可の決定に対する即時抗告により同号の事由を主張したとき、若しくはこれを知りながら主張しなかったとき、再生債権者が同号に該当する事由があることを知った時から1月を経過したとき、又は再生計画認可の決定が確定した時から2年を経過したときは、することができない。

 第1項第2号に掲げる事由を理由とする同項の申立ては、再生計画の定めによって認められた権利の全部(履行された部分を除く。)について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる権利を有する再生債権者であって、その有する履行期限が到来した当該権利の全部又は一部について履行を受けていないものに限り、することができる。

 裁判所は、再生計画取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を第1項の申立てをした者及び再生債務者等に送達し、かつ、その主文及び理由の要旨を公告しなければならない。

 第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 第4項の決定は、確定しなければその効力を生じない。

 第4項の決定が確定した場合には、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復する。ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない。

 第185条の規定は第4項の決定が確定した場合について、前条第4項の規定は再生手続終了前に第4項の決定が確定した場合について準用する。


(破産手続開始の決定又は新たな再生手続開始の決定がされた場合の取扱い等)

第190条 再生計画の履行完了前に、再生債務者について破産手続開始の決定又は新たな再生手続開始の決定がされた場合には、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復する。ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない。

 第185条の規定は、前項の場合について準用する。

 第1項の破産手続開始の決定に係る破産手続においては、再生債権であった破産債権については、その破産債権の額は、従前の再生債権の額から同項の再生計画により弁済を受けた額を控除した額とする。

 前項の破産手続においては、同項の破産債権については、第1項の再生計画により弁済を受けた場合であっても、従前の再生債権の額をもって配当の手続に参加することができる債権の額とみなし、破産財団に当該弁済を受けた額を加算して配当率の標準を定める。ただし、当該破産債権を有する破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、配当を受けることができない。

 第1項の破産手続開始の決定がされたときは、再生債務者が再生手続終了後に再生計画によらずに再生債権者に対してした担保の供与は、その効力を失う。

 新たな再生手続においては、再生債権者は、再生債権について第1項の再生計画により弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の全部をもって再生手続に参加することができる。

 新たな再生手続においては、前項の規定により再生手続に参加した再生債権者は、他の再生債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の弁済を受けるまでは、弁済を受けることができない。

 新たな再生手続においては、第6項の規定により再生手続に参加した再生債権者は、第1項の再生計画により弁済を受けた債権の部分については、議決権を行使することができない。

 新たな再生手続においては、従前の再生手続における共益債権は、共益債権とみなす。

第9章 再生手続の廃止

(再生計画認可前の手続廃止)

第191条 次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。

 決議に付するに足りる再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。

 裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出されたすべての再生計画案が決議に付するに足りないものであるとき。

 再生計画案が否決されたとき、又は第172条の5第1項本文及び第4項の規定により債権者集会の続行期日が定められた場合において、同条第2項及び第3項の規定に適合する期間内に再生計画案が可決されないとき。


第192条 債権届出期間の経過後再生計画認可の決定の確定前において、第21条第1項に規定する再生手続開始の申立ての事由のないことが明らかになったときは、裁判所は、再生債務者、管財人又は届出再生債権者の申立てにより、再生手続廃止の決定をしなければならない。

 前項の申立てをする場合には、申立人は、再生手続廃止の原因となる事実を疎明しなければならない。


(再生債務者の義務違反による手続廃止)

第193条 次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、監督委員若しくは管財人の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができる。

 再生債務者が第30条第1項の規定による裁判所の命令に違反した場合

 再生債務者が第41条第1項若しくは第42条第1項の規定に違反し、又は第54条第2項に規定する監督委員の同意を得ないで同項の行為をした場合

 再生債務者が第101条第5項又は第103条第3項の規定により裁判所が定めた期限までに認否書を提出しなかった場合

 前項の決定をする場合には、再生債務者を審尋しなければならない。


(再生計画認可後の手続廃止)

第194条 再生計画認可の決定が確定した後に再生計画が遂行される見込みがないことが明らかになったときは、裁判所は、再生債務者等若しくは監督委員の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。


(再生手続廃止の公告等)

第195条 裁判所は、再生手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告しなければならない。

 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 第175条第3項の規定は、前項の即時抗告並びにこれについての決定に対する第18条において準用する民事訴訟法第336条の規定による抗告及び同法第337条の規定による抗告の許可の申立てについて準用する。

 再生手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、再生手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。

 第1項の決定は、確定しなければその効力を生じない。

 再生計画認可の決定が確定した後にされた再生手続の廃止は、再生計画の遂行及びこの法律の規定によって生じた効力に影響を及ぼさない。

 第185条の規定は第191条、第192条第1項又は第193条第1項の規定による再生手続廃止の決定が確定した場合(再生計画認可の決定が確定した後に再生手続廃止の決定が確定した場合を除く。)について、第188条第4項の規定は第1項の決定が確定した場合について準用する。

第10章 住宅資金貸付債権に関する特則

(定義)

第196条 この章、第12章及び第13章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 住宅 個人である再生債務者が所有し、自己の居住の用に供する建物であって、その床面積の二分の一以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されるものをいう。ただし、当該建物が二以上ある場合には、これらの建物のうち、再生債務者が主として居住の用に供する一の建物に限る。

 住宅の敷地 住宅の用に供されている土地又は当該土地に設定されている地上権をいう。

 住宅資金貸付債権 住宅の建設若しくは購入に必要な資金(住宅の用に供する土地又は借地権の取得に必要な資金を含む。)又は住宅の改良に必要な資金の貸付けに係る分割払の定めのある再生債権であって、当該債権又は当該債権に係る債務の保証人(保証を業とする者に限る。以下「保証会社」という。)の主たる債務者に対する求償権を担保するための抵当権が住宅に設定されているものをいう。

 住宅資金特別条項 再生債権者の有する住宅資金貸付債権の全部又は一部を、第199条第1項から第4項までの規定するところにより変更する再生計画の条項をいう。

 住宅資金貸付契約 住宅資金貸付債権に係る資金の貸付契約をいう。


(抵当権の実行手続の中止命令等)

第197条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがあると認めるときは、再生債務者の申立てにより、相当の期間を定めて、住宅又は再生債務者が有する住宅の敷地に設定されている前条第3号に規定する抵当権の実行手続の中止を命ずることができる。

 第31条第2項から第6項までの規定は、前項の規定による中止の命令について準用する。

 裁判所は、再生債務者が再生手続開始後に住宅資金貸付債権の一部を弁済しなければ住宅資金貸付契約の定めにより当該住宅資金貸付債権の全部又は一部について期限の利益を喪失することとなる場合において、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがあると認めるときは、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。


(住宅資金特別条項を定めることができる場合等)

第198条 住宅資金貸付債権(民法第499条の規定により住宅資金貸付債権を有する者に代位した再生債権者(弁済をするについて正当な利益を有していた者に限る。)が当該代位により有するものを除く。)については、再生計画において、住宅資金特別条項を定めることができる。ただし、住宅の上に第53条第1項に規定する担保権(第196条第3号に規定する抵当権を除く。)が存するとき、又は住宅以外の不動産にも同号に規定する抵当権が設定されている場合において当該不動産の上に同項に規定する担保権で当該抵当権に後れるものが存するときは、この限りでない。

 保証会社が住宅資金貸付債権に係る保証債務を履行した場合において、当該保証債務の全部を履行した日から6月を経過する日までの間に再生手続開始の申立てがされたときは、第204条第1項本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなる者の権利について、住宅資金特別条項を定めることができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

 第1項に規定する住宅資金貸付債権を有する再生債権者又は第204条第1項本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなる者が数人あるときは、その全員を対象として住宅資金特別条項を定めなければならない。


(住宅資金特別条項の内容)

第199条 住宅資金特別条項においては、次項又は第3項に規定する場合を除き、次の各号に掲げる債権について、それぞれ当該各号に定める内容を定める。

 再生計画認可の決定の確定時までに弁済期が到来する住宅資金貸付債権の元本(再生債務者が期限の利益を喪失しなかったとすれば弁済期が到来しないものを除く。)及びこれに対する再生計画認可の決定の確定後の住宅約定利息(住宅資金貸付契約において定められた約定利率による利息をいう。以下この条において同じ。)並びに再生計画認可の決定の確定時までに生ずる住宅資金貸付債権の利息及び不履行による損害賠償 その全額を、再生計画(住宅資金特別条項を除く。)で定める弁済期間(当該期間が5年を超える場合にあっては、再生計画認可の決定の確定から5年。第3項において「一般弁済期間」という。)内に支払うこと。

 再生計画認可の決定の確定時までに弁済期が到来しない住宅資金貸付債権の元本(再生債務者が期限の利益を喪失しなかったとすれば弁済期が到来しないものを含む。)及びこれに対する再生計画認可の決定の確定後の住宅約定利息 住宅資金貸付契約における債務の不履行がない場合についての弁済の時期及び額に関する約定に従って支払うこと。

 前項の規定による住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがない場合には、住宅資金特別条項において、住宅資金貸付債権に係る債務の弁済期を住宅資金貸付契約において定められた最終の弁済期(以下この項及び第4項において「約定最終弁済期」という。)から後の日に定めることができる。この場合における権利の変更の内容は、次に掲げる要件のすべてを具備するものでなければならない。

 次に掲げる債権について、その全額を支払うものであること。

 住宅資金貸付債権の元本及びこれに対する再生計画認可の決定の確定後の住宅約定利息

 再生計画認可の決定の確定時までに生ずる住宅資金貸付債権の利息及び不履行による損害賠償

 住宅資金特別条項による変更後の最終の弁済期が約定最終弁済期から10年を超えず、かつ、住宅資金特別条項による変更後の最終の弁済期における再生債務者の年齢が70歳を超えないものであること。

 第1号イに掲げる債権については、一定の基準により住宅資金貸付契約における弁済期と弁済期との間隔及び各弁済期における弁済額が定められている場合には、当該基準におおむね沿うものであること。

 前項の規定による住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがない場合には、一般弁済期間の範囲内で定める期間(以下この項において「元本猶予期間」という。)中は、住宅資金貸付債権の元本の一部及び住宅資金貸付債権の元本に対する元本猶予期間中の住宅約定利息のみを支払うものとすることができる。この場合における権利の変更の内容は、次に掲げる要件のすべてを具備するものでなければならない。

 前項第1号及び第2号に掲げる要件があること。

 前項第1号イに掲げる債権についての元本猶予期間を経過した後の弁済期及び弁済額の定めについては、一定の基準により住宅資金貸付契約における弁済期と弁済期との間隔及び各弁済期における弁済額が定められている場合には、当該基準におおむね沿うものであること。

 住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者の同意がある場合には、前三項の規定にかかわらず、約定最終弁済期から10年を超えて住宅資金貸付債権に係る債務の期限を猶予することその他前三項に規定する変更以外の変更をすることを内容とする住宅資金特別条項を定めることができる。

 住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者と他の再生債権者との間については第155条第1項の規定を、住宅資金特別条項については同条第3項の規定を、住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者については第160条及び第165条第2項の規定を適用しない。


(住宅資金特別条項を定めた再生計画案の提出等)

第200条 住宅資金特別条項を定めた再生計画案は、再生債務者のみが提出することができる。

 再生債務者により住宅資金特別条項を定めた再生計画案が提出され、かつ、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める時までに届出再生債権者が再生債権の調査において第198条第1項に規定する住宅資金貸付債権の内容について述べた異議は、それぞれその時においてその効力を失う。ただし、これらの時までに、当該異議に係る再生債権の確定手続が終了していない場合に限る。

 いずれの届出再生債権者も裁判所の定めた期間又はその伸長した期間内に住宅資金特別条項の定めのない再生計画案を提出しなかったとき 当該期間が満了した時

 届出再生債権者が提出した住宅資金特別条項の定めのない再生計画案が決議に付されず、住宅資金特別条項を定めた再生計画案のみが決議に付されたとき 第167条ただし書に規定する決定がされた時

 住宅資金特別条項を定めた再生計画案及び届出再生債権者が提出した住宅資金特別条項の定めのない再生計画案が共に決議に付され、住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決されたとき 当該可決がされた時

 前項の規定により同項本文の異議が効力を失った場合には、当該住宅資金貸付債権については、第104条第1項及び第3項の規定は、適用しない。

 再生債務者により住宅資金特別条項を定めた再生計画案が提出され、かつ、第2項各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める時までに第198条第1項に規定する住宅資金貸付債権を有する再生債権者であって当該住宅資金貸付債権以外に再生債権を有しないもの又は保証会社であって住宅資金貸付債権に係る債務の保証に基づく求償権以外に再生債権を有しないものが再生債権の調査において述べた異議についても、第2項と同様とする。この場合においては、当該異議を述べた者には、第104条第3項及び第180条第2項の規定による確定判決と同一の効力は、及ばない。

 再生債務者により住宅資金特別条項を定めた再生計画案が提出され、かつ、第2項第1号又は第2号のいずれかに該当することとなったときは、前項前段に規定する再生債権者又は保証会社は、第170条第1項本文の異議を述べることができない。


(住宅資金特別条項を定めた再生計画案の決議等)

第201条 住宅資金特別条項を定めた再生計画案の決議においては、住宅資金特別条項によって権利の変更を受けることとされている者及び保証会社は、住宅資金貸付債権又は住宅資金貸付債権に係る債務の保証に基づく求償権については、議決権を有しない。

 住宅資金特別条項を定めた再生計画案が提出されたときは、裁判所は、当該住宅資金特別条項によって権利の変更を受けることとされている者の意見を聴かなければならない。第167条の規定による修正(その修正が、住宅資金特別条項によって権利の変更を受けることとされている者に不利な影響を及ぼさないことが明らかな場合を除く。)があった場合における修正後の住宅資金特別条項を定めた再生計画案についても、同様とする。

 住宅資金特別条項を定めた再生計画案に対する第169条第1項の規定の適用については、同項第3号中「第174条第2項各号(第3号を除く。)」とあるのは、「第202条第2項各号(第4号を除く。)」とする。


(住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可又は不認可の決定等)

第202条 住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合には、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。

 裁判所は、住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、再生計画不認可の決定をする。

 第174条第2項第1号又は第4号に規定する事由があるとき。

 再生計画が遂行可能であると認めることができないとき。

 再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれるとき。

 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。

 住宅資金特別条項によって権利の変更を受けることとされている者は、再生債権の届出をしていない場合であっても、住宅資金特別条項を定めた再生計画案を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。

 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可又は不認可の決定があったときは、住宅資金特別条項によって権利の変更を受けることとされている者で再生債権の届出をしていないものに対しても、その主文及び理由の要旨を記載した書面を送達しなければならない。

 住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合には、第174条第1項及び第2項の規定は、適用しない。


(住宅資金特別条項を定めた再生計画の効力等)

第203条 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定したときは、第177条第2項の規定は、住宅及び住宅の敷地に設定されている第196条第3号に規定する抵当権並びに住宅資金特別条項によって権利の変更を受けた者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利については、適用しない。この場合において、再生債務者が連帯債務者の1人であるときは、住宅資金特別条項による期限の猶予は、他の連帯債務者に対しても効力を有する。

 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定したときは、住宅資金特別条項によって変更された後の権利については、住宅資金特別条項において、期限の利益の喪失についての定めその他の住宅資金貸付契約における定めと同一の定めがされたものとみなす。ただし、第199条第4項の同意を得て別段の定めをすることを妨げない。

 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定した場合における第123条第2項及び第181条第2項の規定の適用については、これらの規定中「再生計画で定められた弁済期間」とあるのは「再生計画(住宅資金特別条項を除く。)で定められた弁済期間」と、「再生計画に基づく弁済」とあるのは「再生計画(住宅資金特別条項を除く。)に基づく弁済」とする。

 住宅資金特別条項によって変更された後の権利については前項の規定により読み替えて適用される第181条第2項の規定を、住宅資金特別条項によって権利の変更を受けた者については第182条の規定を適用しない。


(保証会社が保証債務を履行した場合の取扱い)

第204条 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定した場合において、保証会社が住宅資金貸付債権に係る保証債務を履行していたときは、当該保証債務の履行は、なかったものとみなす。ただし、保証会社が当該保証債務を履行したことにより取得した権利に基づき再生債権者としてした行為に影響を及ぼさない。

 前項本文の場合において、当該認可の決定の確定前に再生債務者が保証会社に対して同項の保証債務に係る求償権についての弁済をしていたときは、再生債務者は、同項本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなった者に対して、当該弁済をした額につき当該住宅資金貸付債権についての弁済をすることを要しない。この場合において、保証会社は、当該弁済を受けた額を同項本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなった者に対して交付しなければならない。


(査定の申立てがされなかった場合等の取扱い)

第205条 第198条第1項に規定する住宅資金貸付債権についての第105条第1項に規定する査定の申立てが同条第2項の不変期間内にされなかった場合(第107条及び第109条の場合を除く。)、第200条第2項の規定により同項本文の異議が効力を失った場合及び保証会社が住宅資金貸付債権に係る保証債務を履行した場合には、住宅資金特別条項については、第157条、第159条、第164条第2項後段及び第179条の規定は、適用しない。

 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定したときは、前項に規定する場合(保証会社が住宅資金貸付債権に係る保証債務を履行した場合を除く。)における当該住宅資金貸付債権を有する再生債権者の権利及び前条第1項本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなる者の権利は、住宅資金特別条項における第156条の1般的基準に従い、変更される。


(住宅資金特別条項を定めた再生計画の取消し等)

第206条 住宅資金特別条項を定めた再生計画についての第189条第1項第2号に掲げる事由を理由とする再生計画取消しの申立ては、同条第3項の規定にかかわらず、再生計画の定めによって認められた権利(住宅資金特別条項によって変更された後のものを除く。)の全部(履行された部分を除く。)について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる当該権利を有する再生債権者であって、その有する履行期限が到来した当該権利の全部又は一部について履行を受けていないものに限り、することができる。

 住宅資金特別条項を定めた再生計画の取消しの決定が確定した場合における第189条第7項ただし書及び第190条第1項ただし書の規定の適用については、これらの規定中「再生債権者が再生計画によって得た権利」とあるのは、「再生債権者が再生計画によって得た権利及び第204条第1項本文の規定により生じた効力」とする。

第11章 外国倒産処理手続がある場合の特則

(外国管財人との協力)

第207条 再生債務者等は、再生債務者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において再生債務者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下同じ。)に対し、再生債務者の再生のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。

 前項に規定する場合には、再生債務者等は、外国管財人に対し、再生債務者の再生のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。


(再生手続の開始原因の推定)

第208条 再生債務者についての外国倒産処理手続がある場合には、当該再生債務者に再生手続開始の原因となる事実があるものと推定する。


(外国管財人の権限等)

第209条 外国管財人は、第21条第1項前段に規定する場合には、再生債務者について再生手続開始の申立てをすることができる。この場合における第33条第1項の規定の適用については、同項中「第21条」とあるのは、「第209条第1項前段」とする。

 外国管財人は、再生債務者の再生手続において、債権者集会に出席し、意見を述べることができる。

 外国管財人は、再生債務者の再生手続において、第163条第1項に規定する期間(同条第3項の規定により期間が伸長されたときは、その伸長された期間)内に、再生計画案を作成して裁判所に提出することができる。

 第1項の規定により外国管財人が再生手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、再生手続開始の決定があったときは第35条第1項の規定により公告すべき事項を、第34条第1項の規定により定めた期間に変更を生じたときはその旨を、再生手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。


(相互の手続参加)

第210条 外国管財人は、届出をしていない再生債権者であって、再生債務者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、再生債務者の再生手続に参加することができる。ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。

 再生債務者等は、届出再生債権者(第101条第3項の規定により認否書に記載された再生債権を有する者を含む。次項において同じ。)であって、再生債務者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。

 再生債務者等は、前項の規定による参加をした場合には、その代理する届出再生債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。ただし、届出の取下げ、和解その他の届出再生債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該届出再生債権者の授権がなければならない。

第12章 簡易再生及び同意再生に関する特則

第1節 簡易再生

(簡易再生の決定)

第211条 裁判所は、債権届出期間の経過後一般調査期間の開始前において、再生債務者等の申立てがあったときは、簡易再生の決定(再生債権の調査及び確定の手続を経ない旨の決定をいう。以下同じ。)をする。この場合において、再生債務者等の申立ては、届出再生債権者の総債権について裁判所が評価した額の五分の三以上に当たる債権を有する届出再生債権者が、書面により、再生債務者等が提出した再生計画案について同意し、かつ、第4章第3節に定める再生債権の調査及び確定の手続を経ないことについて同意している場合に限り、することができる。

 前項の申立てをする場合には、再生債務者等は、労働組合等にその旨を通知しなければならない。

 裁判所は、第1項の申立てがあった場合において、同項後段の再生計画案について第174条第2項各号(第3号を除く。)のいずれかに該当する事由があると認めるときは、当該申立てを却下しなければならない。

 第1項後段の再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものである場合における同項後段及び前項の規定の適用については、第1項後段中「届出再生債権者の総債権」とあるのは「届出再生債権者の債権(第198条第1項に規定する住宅資金貸付債権又は保証会社の住宅資金貸付債権に係る債務の保証に基づく求償権で、届出があったものを除く。)の全部」と、「債権を有する届出再生債権者」とあるのは「当該債権を有する届出再生債権者」と、前項中「第174条第2項各号(第3号を除く。)」とあるのは「第202条第2項各号(第4号を除く。)」とする。


(簡易再生の決定の効力等)

第212条 簡易再生の決定があった場合には、一般調査期間に関する決定は、その効力を失う。

 裁判所は、簡易再生の決定と同時に、議決権行使の方法としての第169条第2項第1号に掲げる方法及び第172条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定により議決権の不統一行使をする場合における裁判所に対する通知の期限を定めて、前条第1項後段の再生計画案を決議に付する旨の決定をしなければならない。

 簡易再生の決定があった場合には、その主文、前条第1項後段の再生計画案について決議をするための債権者集会の期日、前項に規定する期限及び当該再生計画案を公告するとともに、これらの事項を第115条第1項本文に規定する者に通知しなければならない。この場合においては、当該債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。

 前項の債権者集会については、第115条第1項から第4項までの規定は適用しない。

 簡易再生の決定があった場合における第172条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同条第2項中「第169条第2項前段」とあるのは、「第212条第2項」とする。


(即時抗告等)

第213条 第211条第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 簡易再生の決定を取り消す決定が確定した場合には、簡易再生の決定をした裁判所は、遅滞なく、一般調査期間を定めなければならない。

 第102条第3項から第5項までの規定は、前項の一般調査期間を定める決定の送達について準用する。

 簡易再生の決定が確定した場合には、第40条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定により中断した手続は、再生債務者等においてこれを受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。


(債権者集会の特則)

第214条 第212条第3項に規定する債権者集会においては、第211条第1項後段の再生計画案のみを、決議に付することができる。

 裁判所は、財産状況報告集会における再生債務者等による報告又は第125条第1項の報告書の提出がされた後でなければ、前項の再生計画案を決議に付することができない。

 第1項の債権者集会に出席しなかった届出再生債権者が第211条第1項後段に規定する同意をしている場合には、第172条の3第1項及び第6項の規定の適用については、当該届出再生債権者は、当該債権者集会に出席して再生計画案について同意したものとみなす。ただし、当該届出再生債権者が、第1項の債権者集会の開始前に、裁判所に対し、第211条第1項後段に規定する同意を撤回する旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。


(再生計画の効力等の特則)

第215条 簡易再生の決定があった場合において、再生計画認可の決定が確定したときは、すべての再生債権者の権利(約定劣後再生債権の届出がない場合における約定劣後再生債権及び再生手続開始前の罰金等を除く。)は、第156条の1般的基準に従い、変更される。

 前項に規定する場合における第182条、第189条第3項及び第206条第1項の規定の適用については、第182条中「認可された再生計画の定めによって認められた権利又は前条第1項の規定により変更された後の権利」とあり、並びに第189条第3項及び第206条第1項中「再生計画の定めによって認められた権利」とあるのは、「第215条第1項の規定により変更された後の権利」とする。

 第1項に規定する場合において、約定劣後再生債権の届出がないときは、再生債務者は、約定劣後再生債権について、その責任を免れる。

 第1項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第11条第1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。


(再生債権の調査及び確定に関する規定等の適用除外等)

第216条 簡易再生の決定があった場合には、第67条第4項、第4章第3節、第157条、第159条、第164条第2項後段、第169条、第171条、第178条から第180条まで、第181条第1項及び第2項、第185条(第189条第8項、第190条第2項及び第195条第7項において準用する場合を含む。)、第186条第3項及び第4項、第187条、第200条第2項及び第4項並びに第205条第2項の規定は、適用しない。

 簡易再生の決定があった場合における第67条第3項の規定の適用については、同項中「訴訟手続のうち再生債権に関しないもの」とあるのは、「訴訟手続」とする。

第2節 同意再生

(同意再生の決定)

第217条 裁判所は、債権届出期間の経過後一般調査期間の開始前において、再生債務者等の申立てがあったときは、同意再生の決定(再生債権の調査及び確定の手続並びに再生債務者等が提出した再生計画案の決議を経ない旨の決定をいう。以下同じ。)をする。この場合において、再生債務者等の申立ては、すべての届出再生債権者が、書面により、再生債務者等が提出した再生計画案について同意し、かつ、第4章第3節に定める再生債権の調査及び確定の手続を経ないことについて同意している場合に限り、することができる。

 裁判所は、財産状況報告集会における再生債務者等による報告又は第125条第1項の報告書の提出がされた後でなければ、同意再生の決定をすることができない。

 裁判所は、第1項の申立てがあった場合において、同項後段の再生計画案について第174条第2項各号(第3号を除く。)のいずれかに該当する事由があると認めるときは、当該申立てを却下しなければならない。

 同意再生の決定があった場合には、その主文、理由の要旨及び第1項後段の再生計画案を公告するとともに、これらの事項を第115条第1項本文に規定する者に通知しなければならない。

 第1項後段の再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものである場合における同項後段、第3項及び前項の規定の適用については、第1項後段中「届出再生債権者」とあるのは「届出再生債権者(第198条第1項に規定する住宅資金貸付債権を有する再生債権者であって当該住宅資金貸付債権以外に再生債権を有しないもの及び保証会社であって住宅資金貸付債権に係る債務の保証に基づく求償権以外に再生債権を有しないものを除く。)」と、第3項中「第174条第2項各号(第3号を除く。)」とあるのは「第202条第2項各号(第4号を除く。)」と、前項中「第115条第1項本文に規定する者」とあるのは「第115条第1項本文に規定する者及び住宅資金特別条項によって権利の変更を受けることとされている者で再生債権の届出をしていないもの」とする。

 第174条第3項及び第211条第2項の規定は第1項の申立てについて、第174条第5項及び第212条第1項の規定は同意再生の決定があった場合について、第202条第3項の規定は第1項後段の再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものである場合における同意再生の決定に関する意見について準用する。


(即時抗告)

第218条 前条第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 第175条第2項及び第3項の規定は第1項の即時抗告並びにこれについての決定に対する第18条において準用する民事訴訟法第336条の規定による抗告及び同法第337条の規定による抗告の許可の申立てについて、第213条第3項の規定は同意再生の決定を取り消す決定が確定した場合について、第102条第3項から第5項までの規定はこの項において準用する第213条第3項の1般調査期間を定める決定の送達について準用する。


(同意再生の決定が確定した場合の効力)

第219条 同意再生の決定が確定したときは、第217条第1項後段の再生計画案について、再生計画認可の決定が確定したものとみなす。

 第173条、第213条第5項及び第215条の規定は、同意再生の決定が確定した場合について準用する。


(再生債権の調査及び確定に関する規定等の適用除外)

第220条 同意再生の決定があった場合には、第67条第4項、第4章第3節、第157条、第159条、第164条第2項後段、第7章第3節、第174条、第175条、第178条から第180条まで、第181条第1項及び第2項、第185条(第189条第8項、第190条第2項及び第195条第7項において準用する場合を含む。)、第186条第3項及び第4項、第187条、第200条第2項及び第4項並びに第205条第2項の規定は、適用しない。

 同意再生の決定があった場合における第67条第3項の規定の適用については、同項中「訴訟手続のうち再生債権に関しないもの」とあるのは、「訴訟手続」とする。

第13章 小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則

第1節 小規模個人再生

(手続開始の要件等)

第221条 個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び再生手続開始前の罰金等の額を除く。)が5000万円を超えないものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「小規模個人再生」という。)を行うことを求めることができる。

 小規模個人再生を行うことを求める旨の申述は、再生手続開始の申立ての際(債権者が再生手続開始の申立てをした場合にあっては、再生手続開始の決定があるまで)にしなければならない。

 前項の申述をするには、次に掲げる事項を記載した書面(以下「債権者一覧表」という。)を提出しなければならない。

 再生債権者の氏名又は名称並びに各再生債権の額及び原因

 別除権者については、その別除権の目的である財産及び別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる再生債権の額(以下「担保不足見込額」という。)

 住宅資金貸付債権については、その旨

 住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思があるときは、その旨

 その他最高裁判所規則で定める事項

 再生債務者は、債権者一覧表に各再生債権についての再生債権の額及び担保不足見込額を記載するに当たっては、当該額の全部又は一部につき異議を述べることがある旨をも記載することができる。

 第1項に規定する再生債権の総額の算定及び債権者一覧表への再生債権の額の記載に関しては、第87条第1項第1号から第3号までに掲げる再生債権は、当該各号に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める金額の債権として取り扱うものとする。

 再生債務者は、第2項の申述をするときは、当該申述が第1項又は第3項に規定する要件に該当しないことが明らかになった場合においても再生手続の開始を求める意思があるか否かを明らかにしなければならない。ただし、債権者が再生手続開始の申立てをした場合については、この限りでない。

 裁判所は、第2項の申述が前項本文に規定する要件に該当しないことが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を通常の再生手続により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が前項本文の規定により再生手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。


(再生手続開始に伴う措置)

第222条 小規模個人再生においては、裁判所は、再生手続開始の決定と同時に、債権届出期間のほか、届出があった再生債権に対して異議を述べることができる期間をも定めなければならない。この場合においては、一般調査期間を定めることを要しない。

 裁判所は、再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、再生手続開始の決定の主文、債権届出期間及び前項に規定する届出があった再生債権に対して異議を述べることができる期間(以下「一般異議申述期間」という。)を公告しなければならない。

 再生債務者及び知れている再生債権者には、前項に規定する事項を通知しなければならない。

 知れている再生債権者には、前条第3項各号及び第4項の規定により債権者一覧表に記載された事項を通知しなければならない。

 第2項及び第3項の規定は、債権届出期間に変更を生じた場合について準用する。


(個人再生委員)

第223条 裁判所は、第221条第2項の申述があった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、1人又は数人の個人再生委員を選任することができる。ただし、第227条第1項本文に規定する再生債権の評価の申立てがあったときは、当該申立てを不適法として却下する場合を除き、個人再生委員の選任をしなければならない。

 裁判所は、前項の規定による決定をする場合には、個人再生委員の職務として、次に掲げる事項の一又は二以上を指定するものとする。

 再生債務者の財産及び収入の状況を調査すること。

 第227条第1項本文に規定する再生債権の評価に関し裁判所を補助すること。

 再生債務者が適正な再生計画案を作成するために必要な勧告をすること。

 裁判所は、第1項の規定による決定において、前項第1号に掲げる事項を個人再生委員の職務として指定する場合には、裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間をも定めなければならない。

 裁判所は、第1項の規定による決定を変更し、又は取り消すことができる。

 第1項及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 第5項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

 第2項第1号に掲げる事項を職務として指定された個人再生委員は、再生債務者又はその法定代理人に対し、再生債務者の財産及び収入の状況につき報告を求め、再生債務者の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。

 個人再生委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。

10 第54条第3項、第57条、第58条、第60条及び第61条第2項から第4項までの規定は、個人再生委員について準用する。


(再生債権の届出の内容)

第224条 小規模個人再生においては、再生手続に参加しようとする再生債権者は、議決権の額を届け出ることを要しない。

 小規模個人再生における再生債権の届出に関しては、第221条第5項の規定を準用する。


(再生債権のみなし届出)

第225条 債権者一覧表に記載されている再生債権者は、債権者一覧表に記載されている再生債権については、債権届出期間内に裁判所に当該再生債権の届出又は当該再生債権を有しない旨の届出をした場合を除き、当該債権届出期間の初日に、債権者一覧表の記載内容と同一の内容で再生債権の届出をしたものとみなす。


(届出再生債権に対する異議)

第226条 再生債務者及び届出再生債権者は、一般異議申述期間内に、裁判所に対し、届出があった再生債権の額又は担保不足見込額について、書面で、異議を述べることができる。ただし、再生債務者は、債権者一覧表に記載した再生債権の額及び担保不足見込額であって第221条第4項の規定により異議を述べることがある旨を債権者一覧表に記載していないものについては、異議を述べることができない。

 第95条の規定による届出又は届出事項の変更があった場合には、裁判所は、その再生債権に対して異議を述べることができる期間(以下「特別異議申述期間」という。)を定めなければならない。

 再生債務者及び届出再生債権者は、特別異議申述期間内に、裁判所に対し、特別異議申述期間に係る再生債権の額又は担保不足見込額について、書面で、異議を述べることができる。

 第102条第3項から第5項までの規定は特別異議申述期間を定める決定又は一般異議申述期間若しくは特別異議申述期間を変更する決定をした場合における裁判書の送達について、第103条第2項の規定は第2項の場合について準用する。

 再生手続開始前の罰金等及び債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載がされた場合における第198条第1項に規定する住宅資金貸付債権については、前各項の規定は、適用しない。

 再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合には、第198条第1項に規定する住宅資金貸付債権を有する再生債権者であって当該住宅資金貸付債権以外に再生債権を有しないもの及び保証会社であって住宅資金貸付債権に係る債務の保証に基づく求償権以外に再生債権を有しないものは、第1項本文及び第3項の異議を述べることができない。


(再生債権の評価)

第227条 前条第1項本文又は第3項の規定により再生債務者又は届出再生債権者が異議を述べた場合には、当該再生債権を有する再生債権者は、裁判所に対し、異議申述期間の末日から3週間の不変期間内に、再生債権の評価の申立てをすることができる。ただし、当該再生債権が執行力ある債務名義又は終局判決のあるものである場合には、当該異議を述べた者が当該申立てをしなければならない。

 前項ただし書の場合において、前項本文の不変期間内に再生債権の評価の申立てがなかったとき又は当該申立てが却下されたときは、前条第1項本文又は第3項の異議は、なかったものとみなす。

 再生債権の評価の申立てをするときは、申立人は、その申立てに係る手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。

 前項に規定する費用の予納がないときは、裁判所は、再生債権の評価の申立てを却下しなければならない。

 裁判所は、第223条第1項の規定による決定において、同条第2項第2号に掲げる事項を個人再生委員の職務として指定する場合には、裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間をも定めなければならない。

 第223条第2項第2号に掲げる事項を職務として指定された個人再生委員は、再生債務者若しくはその法定代理人又は再生債権者(当該個人再生委員が同項第1号に掲げる事項をも職務として指定された場合にあっては、再生債権者)に対し、再生債権の存否及び額並びに担保不足見込額に関する資料の提出を求めることができる。

 再生債権の評価においては、裁判所は、再生債権の評価の申立てに係る再生債権について、その債権の存否及び額又は担保不足見込額を定める。

 裁判所は、再生債権の評価をする場合には、第223条第2項第2号に掲げる事項を職務として指定された個人再生委員の意見を聴かなければならない。

 第7項の規定による再生債権の評価については、第221条第5項の規定を準用する。

10 再生手続開始前の罰金等及び債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載がされた場合における第198条第1項に規定する住宅資金貸付債権については、前各項の規定は、適用しない。


(貸借対照表の作成等の免除)

第228条 小規模個人再生においては、再生債務者は、第124条第2項の規定による貸借対照表の作成及び提出をすることを要しない。


(再生計画による権利の変更の内容等)

第229条 小規模個人再生における再生計画による権利の変更の内容は、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合又は少額の再生債権の弁済の時期若しくは第84条第2項に掲げる請求権について別段の定めをする場合を除き、再生債権者の間では平等でなければならない。

 再生債権者の権利を変更する条項における債務の期限の猶予については、前項の規定により別段の定めをする場合を除き、次に定めるところによらなければならない。

 弁済期が3月に一回以上到来する分割払の方法によること。

 最終の弁済期を再生計画認可の決定の確定の日から3年後の日が属する月中の日(特別の事情がある場合には、再生計画認可の決定の確定の日から5年を超えない範囲内で、3年後の日が属する月の翌月の初日以降の日)とすること。

 第1項の規定にかかわらず、再生債権のうち次に掲げる請求権については、当該再生債権者の同意がある場合を除き、債務の減免の定めその他権利に影響を及ぼす定めをすることができない。

 再生債務者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権

 再生債務者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)

 次に掲げる義務に係る請求権

 民法第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務

 民法第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務

 民法第766条(同法第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務

 民法第877条から第880条までの規定による扶養の義務

 イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの

 住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者と他の再生債権者との間については第1項の規定を、住宅資金特別条項については第2項の規定を適用しない。


(再生計画案の決議)

第230条 裁判所は、一般異議申述期間(特別異議申述期間が定められた場合には、当該特別異議申述期間を含む。)が経過し、かつ、第125条第1項の報告書の提出がされた後でなければ、再生計画案を決議に付することができない。当該一般異議申述期間内に第226条第1項本文の規定による異議が述べられた場合(特別異議申述期間が定められた場合には、当該特別異議申述期間内に同条第3項の規定による異議が述べられた場合を含む。)には、第227条第1項本文の不変期間を経過するまでの間(当該不変期間内に再生債権の評価の申立てがあったときは、再生債権の評価がされるまでの間)も、同様とする。

 裁判所は、再生計画案について第174条第2項各号(第3号を除く。住宅資金特別条項を定めた再生計画案については、第202条第2項第1号から第3号まで)又は次条第2項各号のいずれかに該当する事由があると認める場合には、その再生計画案を決議に付することができない。

 再生計画案の提出があったときは、裁判所は、前二項の場合を除き、議決権行使の方法としての第169条第2項第2号に掲げる方法及び第172条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定により議決権の不統一行使をする場合における裁判所に対する通知の期限を定めて、再生計画案を決議に付する旨の決定をする。

 前項の決定をした場合には、その旨を公告するとともに、議決権者に対して、同項に規定する期限、再生計画案の内容又はその要旨及び再生計画案に同意しない者は裁判所の定める期間内に同項の規定により定められた方法によりその旨を回答すべき旨を通知しなければならない。

 第3項の決定があった場合における第172条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同条第2項中「第169条第2項前段」とあるのは、「第230条第3項」とする。

 第4項の期間内に再生計画案に同意しない旨を同項の方法により回答した議決権者が議決権者総数の半数に満たず、かつ、その議決権の額が議決権者の議決権の総額の二分の一を超えないときは、再生計画案の可決があったものとみなす。

 再生計画案に同意しない旨を第4項の方法により回答した議決権者のうち第172条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定によりその有する議決権の一部のみを行使したものがあるときの前項の規定の適用については、当該議決権者1人につき、議決権者総数に一を、再生計画案に同意しない旨を第4項の方法により回答した議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。

 届出再生債権者は、一般異議申述期間又は特別異議申述期間を経過するまでに異議が述べられなかった届出再生債権(第226条第5項に規定するものを除く。以下「無異議債権」という。)については届出があった再生債権の額又は担保不足見込額に応じて、第227条第7項の規定により裁判所が債権の額又は担保不足見込額を定めた再生債権(以下「評価済債権」という。)についてはその額に応じて、それぞれ議決権を行使することができる。


(再生計画の認可又は不認可の決定)

第231条 小規模個人再生において再生計画案が可決された場合には、裁判所は、第174条第2項(当該再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものであるときは、第202条第2項)又は次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。

 小規模個人再生においては、裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合にも、再生計画不認可の決定をする。

 再生債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがないとき。

 無異議債権の額及び評価済債権の額の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び第84条第2項に掲げる請求権の額を除く。)が5000万円を超えているとき。

 前号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が3000万円を超え5000万円以下の場合においては、当該無異議債権及び評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権及び第84条第2項各号に掲げる請求権を除く。以下「基準債権」という。)に対する再生計画に基づく弁済の総額(以下「計画弁済総額」という。)が当該無異議債権の額及び評価済債権の額の総額の十分の一を下回っているとき。

 第2号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が3000万円以下の場合においては、計画弁済総額が基準債権の総額の五分の一又は100万円のいずれか多い額(基準債権の総額が100万円を下回っているときは基準債権の総額、基準債権の総額の五分の一が300万円を超えるときは300万円)を下回っているとき。

 再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において、再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。


(再生計画の効力等)

第232条 小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定したときは、第87条第1項第1号から第3号までに掲げる債権は、それぞれ当該各号に定める金額の再生債権に変更される。

 小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定したときは、すべての再生債権者の権利(第87条第1項第1号から第3号までに掲げる債権については前項の規定により変更された後の権利とし、第229条第3項各号に掲げる請求権及び再生手続開始前の罰金等を除く。)は、第156条の1般的基準に従い、変更される。

 前項に規定する場合における同項の規定により変更された再生債権であって無異議債権及び評価済債権以外のものについては、再生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に、再生計画に基づく弁済が完了した場合又は再生計画が取り消された場合にあっては弁済が完了した時又は再生計画が取り消された時。次項及び第5項において同じ。)までの間は、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。ただし、当該変更に係る再生債権が、再生債権者がその責めに帰することができない事由により債権届出期間内に届出をすることができず、かつ、その事由が第230条第3項に規定する決定前に消滅しなかったもの又は再生債権の評価の対象となったものであるときは、この限りでない。

 第2項に規定する場合における第229条第3項各号に掲げる請求権であって無異議債権及び評価済債権であるものについては、第156条の1般的基準に従って弁済をし、かつ、再生計画で定められた弁済期間が満了する時に、当該請求権の債権額から当該弁済期間内に弁済をした額を控除した残額につき弁済をしなければならない。

 第2項に規定する場合における第229条第3項各号に掲げる請求権であって無異議債権及び評価済債権以外のものについては、再生計画で定められた弁済期間が満了する時に、当該請求権の債権額の全額につき弁済をしなければならない。ただし、第3項ただし書に規定する場合には、前項の規定を準用する。

 第2項に規定する場合における第182条、第189条第3項及び第206条第1項の規定の適用については、第182条中「認可された再生計画の定めによって認められた権利又は前条第1項の規定により変更された後の権利」とあるのは「第232条第2項の規定により変更された後の権利及び第229条第3項各号に掲げる請求権」と、第189条第3項中「再生計画の定めによって認められた権利の全部(履行された部分を除く。)」とあるのは「第232条第2項の規定により変更された後の権利の全部及び第229条第3項各号に掲げる請求権(第232条第4項(同条第5項ただし書において準用する場合を含む。)の規定により第156条の1般的基準に従って弁済される部分に限る。)であって、履行されていない部分」と、第206条第1項中「再生計画の定めによって認められた権利(住宅資金特別条項によって変更された後のものを除く。)の全部(履行された部分を除く。)」とあるのは「第232条第2項の規定により変更された後の権利(住宅資金特別条項によって変更された後のものを除く。)の全部及び第229条第3項各号に掲げる請求権(第232条第4項(同条第5項ただし書において準用する場合を含む。)の規定により第156条の1般的基準に従って弁済される部分に限る。)であって、履行されていない部分」とする。

 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定した場合における第3項から第5項までの規定の適用については、これらの規定中「再生計画で定められた弁済期間」とあるのは「再生計画(住宅資金特別条項を除く。)で定められた弁済期間」と、第3項本文中「再生計画に基づく弁済」とあるのは「再生計画(住宅資金特別条項を除く。)に基づく弁済」と、同項ただし書中「又は再生債権の評価の対象となったもの」とあるのは「若しくは再生債権の評価の対象となったものであるとき、又は当該変更後の権利が住宅資金特別条項によって変更された後の住宅資金貸付債権」とする。

 第1項及び第2項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についてのこれらの規定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第11条第1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。


(再生手続の終結)

第233条 小規模個人再生においては、再生手続は、再生計画認可の決定の確定によって当然に終結する。


(再生計画の変更)

第234条 小規模個人再生においては、再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときは、再生債務者の申立てにより、再生計画で定められた債務の期限を延長することができる。この場合においては、変更後の債務の最終の期限は、再生計画で定められた債務の最終の期限から2年を超えない範囲で定めなければならない。

 前項の規定により再生計画の変更の申立てがあった場合には、再生計画案の提出があった場合の手続に関する規定を準用する。

 第175条(第2項を除く。)及び第176条の規定は、再生計画の変更の決定があった場合について準用する。


(計画遂行が極めて困難となった場合の免責)

第235条 再生債務者がその責めに帰することができない事由により再生計画を遂行することが極めて困難となり、かつ、次の各号のいずれにも該当する場合には、裁判所は、再生債務者の申立てにより、免責の決定をすることができる。

 第232条第2項の規定により変更された後の各基準債権及び同条第3項ただし書に規定する各再生債権に対してその四分の三以上の額の弁済を終えていること。

 第229条第3項各号に掲げる請求権(第232条第4項(同条第5項ただし書において準用する場合を含む。)の規定により第156条の1般的基準に従って弁済される部分に限る。)に対してその四分の三以上の額の弁済を終えていること。

 免責の決定をすることが再生債権者の一般の利益に反するものでないこと。

 前条の規定による再生計画の変更をすることが極めて困難であること。

 前項の申立てがあったときは、裁判所は、届出再生債権者の意見を聴かなければならない。

 免責の決定があったときは、再生債務者及び届出再生債権者に対して、その主文及び理由の要旨を記載した書面を送達しなければならない。

 第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 免責の決定は、確定しなければその効力を生じない。

 免責の決定が確定した場合には、再生債務者は、履行した部分を除き、再生債権者に対する債務(第229条第3項各号に掲げる請求権及び再生手続開始前の罰金等を除く。)の全部についてその責任を免れる。

 免責の決定の確定は、別除権者が有する第53条第1項に規定する担保権、再生債権者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び再生債務者以外の者が再生債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。

 再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合における第2項及び第3項の規定の適用については、第2項中「届出再生債権者」とあるのは「届出再生債権者及び住宅資金特別条項によって権利の変更を受けた者」と、第3項中「及び届出再生債権者」とあるのは「、届出再生債権者及び住宅資金特別条項によって権利の変更を受けた者」とする。

 第6項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第11条第1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。


(再生計画の取消し)

第236条 小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が、再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回ることが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。この場合においては、第189条第2項の規定を準用する。


(再生手続の廃止)

第237条 小規模個人再生においては、第230条第4項の期間内に再生計画案に同意しない旨を同項の方法により回答した議決権者が、議決権者総数の半数以上となり、又はその議決権の額が議決権者の議決権の総額の二分の一を超えた場合にも、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。この場合においては、同条第7項の規定を準用する。

 小規模個人再生において、再生債務者が財産目録に記載すべき財産を記載せず、又は不正の記載をした場合には、裁判所は、届出再生債権者若しくは個人再生委員の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができる。この場合においては、第193条第2項の規定を準用する。


(通常の再生手続に関する規定の適用除外)

第238条 小規模個人再生においては、第34条第2項、第35条、第37条本文(約定劣後再生債権に係る部分に限る。)及びただし書、第40条、第40条の2(民法第423条第1項又は第423条の7の規定により再生債権者の提起した訴訟に係る部分を除く。)、第42条第2項(約定劣後再生債権に係る部分に限る。)、第3章第1節及び第2節、第85条第6項、第87条第3項、第89条第2項及び第94条第1項(これらの規定中約定劣後再生債権に係る部分に限る。)、第4章第3節(第113条第2項から第4項までを除く。)及び第4節、第126条、第6章第2節、第155条第1項から第3項まで、第156条(約定劣後再生債権に係る部分に限る。)、第157条から第159条まで、第163条第2項、第164条第2項後段、第165条第1項、第7章第3節(第172条を除く。)、第174条第1項、第174条の2、第175条第2項、第178条から第180条まで、第181条第1項及び第2項、第185条(第189条第8項、第190条第2項及び第195条第7項において準用する場合を含む。)、第186条第3項及び第4項、第187条、第188条、第200条第2項及び第4項、第202条第1項、第205条第2項並びに第12章の規定は、適用しない。

第2節 給与所得者等再生

(手続開始の要件等)

第239条 第221条第1項に規定する債務者のうち、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「給与所得者等再生」という。)を行うことを求めることができる。

 給与所得者等再生を行うことを求める旨の申述は、再生手続開始の申立ての際(債権者が再生手続開始の申立てをした場合にあっては、再生手続開始の決定があるまで)にしなければならない。

 再生債務者は、前項の申述をするときは、当該申述が第221条第1項又は第244条において準用する第221条第3項に規定する要件に該当しないことが明らかになった場合に通常の再生手続による手続の開始を求める意思があるか否か及び第5項各号のいずれかに該当する事由があることが明らかになった場合に小規模個人再生による手続の開始を求める意思があるか否かを明らかにしなければならない。ただし、債権者が再生手続開始の申立てをした場合については、この限りでない。

 裁判所は、第2項の申述が前項本文に規定する要件に該当しないことが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を通常の再生手続により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が前項本文の規定により通常の再生手続による手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。

 前項に規定する場合のほか、裁判所は、第2項の申述があった場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があることが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を小規模個人再生により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が第3項本文の規定により小規模個人再生による手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。

 再生債務者が、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者に該当しないか、又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないこと。

 再生債務者について次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から7年以内に当該申述がされたこと。

 給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日

 第235条第1項(第244条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日

 破産法第252条第1項に規定する免責許可の決定が確定したこと 当該決定の確定の日


(再生計画案についての意見聴取)

第240条 給与所得者等再生において再生計画案の提出があった場合には、裁判所は、次に掲げる場合を除き、再生計画案を認可すべきかどうかについての届出再生債権者の意見を聴く旨の決定をしなければならない。

 再生計画案について次条第2項各号のいずれかに該当する事由があると認めるとき。

 一般異議申述期間が経過していないか、又は当該一般異議申述期間内に第244条において準用する第226条第1項本文の規定による異議が述べられた場合において第244条において準用する第227条第1項本文の不変期間が経過していないとき(当該不変期間内に再生債権の評価の申立てがあったときは、再生債権の評価がされていないとき)

 特別異議申述期間が定められた場合において、当該特別異議申述期間が経過していないか、又は当該特別異議申述期間内に第244条において準用する第226条第3項の規定による異議が述べられたときであって第244条において準用する第227条第1項本文の不変期間が経過していないとき(当該不変期間内に再生債権の評価の申立てがあったときは、再生債権の評価がされていないとき)

 第125条第1項の報告書の提出がされていないとき。

 前項の決定をした場合には、その旨を公告し、かつ、届出再生債権者に対して、再生計画案の内容又はその要旨を通知するとともに、再生計画案について次条第2項各号のいずれかに該当する事由がある旨の意見がある者は裁判所の定める期間内にその旨及び当該事由を具体的に記載した書面を提出すべき旨を通知しなければならない。

 給与所得者等再生における第95条第4項及び第167条ただし書の規定の適用については、これらの規定中「再生計画案を決議に付する旨の決定」とあるのは、「再生計画案を認可すべきかどうかについての届出再生債権者の意見を聴く旨の決定」とする。


(再生計画の認可又は不認可の決定等)

第241条 前条第2項の規定により定められた期間が経過したときは、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。

 裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、再生計画不認可の決定をする。

 第174条第2項第1号又は第2号に規定する事由(再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合については、同項第1号又は第202条第2項第2号に規定する事由)があるとき。

 再生計画が再生債権者の一般の利益に反するとき。

 再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合において、第202条第2項第3号に規定する事由があるとき。

 再生債務者が、給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者に該当しないか、又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないとき。

 第231条第2項第2号から第5号までに規定する事由のいずれかがあるとき。

 第239条第5項第2号に規定する事由があるとき。

 計画弁済総額が、次のイからハまでに掲げる区分に応じ、それぞれイからハまでに定める額から再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な1年分の費用の額を控除した額に二を乗じた額以上の額であると認めることができないとき。

 再生債務者の給与又はこれに類する定期的な収入の額について、再生計画案の提出前2年間の途中で再就職その他の年収について五分の一以上の変動を生ずべき事由が生じた場合 当該事由が生じた時から再生計画案を提出した時までの間の収入の合計額からこれに対する所得税、個人の道府県民税又は都民税及び個人の市町村民税又は特別区民税並びに所得税法(昭和40年法律第33号)第74条第2項に規定する社会保険料(ロ及びハにおいて「所得税等」という。)に相当する額を控除した額を1年間当たりの額に換算した額

 再生債務者が再生計画案の提出前2年間の途中で、給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった場合(イに掲げる区分に該当する場合を除く。) 給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった時から再生計画案を提出した時までの間の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を1年間当たりの額に換算した額

 イ及びロに掲げる区分に該当する場合以外の場合 再生計画案の提出前2年間の再生債務者の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を二で除した額

 前項第7号に規定する1年分の費用の額は、再生債務者及びその扶養を受けるべき者の年齢及び居住地域、当該扶養を受けるべき者の数、物価の状況その他一切の事情を勘案して政令で定める。


(再生計画の取消し)

第242条 給与所得者等再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回り、又は再生計画が前条第2項第7号に該当することが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。この場合においては、第189条第2項の規定を準用する。


(再生手続の廃止)

第243条 給与所得者等再生において、次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。

 第241条第2項各号のいずれにも該当しない再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。

 裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出された再生計画案に第241条第2項各号のいずれかに該当する事由があるとき。


(小規模個人再生の規定の準用)

第244条 第221条第3項から第5項まで、第222条から第229条まで、第232条から第235条まで及び第237条第2項の規定は、給与所得者等再生について準用する。


(通常の再生手続に関する規定の適用除外)

第245条 給与所得者等再生においては、第238条に規定する規定並びに第87条第1項及び第2項、第172条、第174条第2項及び第3項、第191条並びに第202条第2項の規定は、適用しない。

第14章 再生手続と破産手続との間の移行

第1節 破産手続から再生手続への移行

(破産管財人による再生手続開始の申立て)

第246条 破産管財人は、破産者に再生手続開始の原因となる事実があるときは、裁判所(破産事件を取り扱う1人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。以下この条において同じ。)の許可を得て、当該破産者について再生手続開始の申立てをすることができる。

 裁判所は、再生手続によることが債権者の一般の利益に適合すると認める場合に限り、前項の許可をすることができる。

 裁判所は、第1項の許可の申立てがあった場合には、当該申立てを却下すべきこと又は当該許可をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定をする前に、労働組合等(当該破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、当該破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは当該破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。

 第1項の規定による再生手続開始の申立てについては、第23条第1項の規定は、適用しない。


(再生債権の届出を要しない旨の決定)

第247条 裁判所は、再生手続開始の決定をする場合において、第39条第1項の規定により中止することとなる破産手続において届出があった破産債権の内容及び原因、破産法第125条第1項本文に規定する異議等のある破産債権の数、当該破産手続における配当の有無その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、再生債権であって当該破産手続において破産債権としての届出があったもの(同法第98条第1項に規定する優先的破産債権である旨の届出があった債権、共助対象外国租税の請求権及び同法第97条第6号に規定する罰金等の請求権を除く。以下この条において同じ。)を有する再生債権者は当該再生債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。

 裁判所は、前項の規定による決定をしたときは、第35条第1項の規定による公告に、再生債権であって前項の破産手続において破産債権としての届出があったものを有する再生債権者は当該再生債権の届出をすることを要しない旨を掲げ、かつ、その旨を知れている再生債権者に通知しなければならない。

 第1項の規定による決定があった場合には、同項の破産手続において破産債権としての届出があった債権については、当該破産債権としての届出をした者(当該破産手続において当該届出があった債権について届出名義の変更を受けた者がある場合にあっては、その者。第5項において同じ。)が、第94条第1項に規定する債権届出期間の初日に、再生債権の届出をしたものとみなす。

 前項の場合においては、当該破産債権としての届出があった債権についての次の各号に掲げる事項の届出の区分に応じ、再生債権の届出としてそれぞれ当該各号に定める事項の届出をしたものとみなす。

 破産法第99条第1項に規定する劣後的破産債権である旨の届出があった債権についての同法第111条第1項第1号に掲げる破産債権の額及び原因の届出 第94条第1項に規定する再生債権の内容としての額及び同項に規定する再生債権の原因の届出

 当該破産債権としての届出があった債権のうち前号に掲げる債権以外のものについての破産法第111条第1項第1号に掲げる破産債権の額及び原因の届出 第94条第1項に規定する再生債権の内容としての額及び同項に規定する再生債権についての議決権の額並びに同項に規定する再生債権の原因の届出

 破産法第99条第2項に規定する約定劣後破産債権である旨の届出があった債権についての同法第111条第1項第3号に掲げるその旨の届出 第94条第1項に規定する約定劣後再生債権である旨の届出

 破産法第111条第2項第2号に掲げる別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出 第94条第2項に規定する別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出

 前二項の規定は、当該破産債権としての届出をした者が第94条第1項に規定する債権届出期間内に再生債権の届出をした場合には、当該破産債権としての届出をした者が有する第3項の破産債権としての届出があった債権については、適用しない。

 前各項の規定は、第1項の再生手続開始の決定に係る再生手続が小規模個人再生又は給与所得者等再生である場合には、適用しない。

第2節 再生手続から破産手続への移行

(再生手続開始の決定があった場合の破産事件の移送)

第248条 裁判所(破産事件を取り扱う1人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、破産手続開始の前後を問わず、同一の債務者につき再生手続開始の決定があった場合において、当該破産事件を処理するために相当であると認めるときは、職権で、当該破産事件を再生裁判所に移送することができる。


(再生手続終了前の破産手続開始の申立て等)

第249条 破産手続開始前の再生債務者について再生手続開始の決定の取消し、再生手続廃止若しくは再生計画不認可の決定又は再生計画取消しの決定(再生手続の終了前にされた申立てに基づくものに限る。以下この条において同じ。)があった場合には、第39条第1項の規定にかかわらず、当該決定の確定前においても、再生裁判所に当該再生債務者についての破産手続開始の申立てをすることができる。破産手続開始後の再生債務者について再生計画認可の決定の確定により破産手続が効力を失った後に第193条若しくは第194条の規定による再生手続廃止又は再生計画取消しの決定があった場合も、同様とする。

 前項の規定による破産手続開始の申立てに係る破産手続開始の決定は、同項前段に規定する決定又は同項後段の再生手続廃止若しくは再生計画取消しの決定が確定した後でなければ、することができない。


(再生手続の終了に伴う職権による破産手続開始の決定)

第250条 破産手続開始前の再生債務者について再生手続開始の申立ての棄却、再生手続廃止、再生計画不認可又は再生計画取消しの決定が確定した場合において、裁判所は、当該再生債務者に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。

 破産手続開始後の再生債務者について再生計画認可の決定の確定により破産手続が効力を失った後に第193条若しくは第194条の規定による再生手続廃止又は再生計画取消しの決定が確定した場合には、裁判所は、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。ただし、前条第1項後段の規定による破産手続開始の申立てに基づいて破産手続開始の決定をする場合は、この限りでない。


(再生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等)

第251条 裁判所は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、職権で、破産法第24条第1項の規定による中止の命令、同法第25条第2項に規定する包括的禁止命令、同法第28条第1項の規定による保全処分、同法第91条第2項に規定する保全管理命令又は同法第171条第1項の規定による保全処分(以下この条及び第254条第4項において「保全処分等」という。)を命ずることができる。

 破産手続開始前の再生債務者につき再生手続開始の申立ての棄却、再生手続開始の決定の取消し、再生手続廃止、再生計画不認可又は再生計画取消しの決定があった場合

 破産手続開始後の再生債務者につき再生計画認可の決定の確定により破産手続が効力を失った後に第193条若しくは第194条の規定による再生手続廃止又は再生計画取消しの決定があった場合

 裁判所は、前項第1号の規定による保全処分等を命じた場合において、前条第1項の規定による破産手続開始の決定をしないこととしたときは、遅滞なく、当該保全処分等を取り消さなければならない。

 第1項第1号の規定による保全処分等は、同号に規定する決定を取り消す決定があったときは、その効力を失う。同項第2号の再生手続廃止又は再生計画取消しの決定を取り消す決定があったときにおける同号の規定による保全処分等についても、同様とする。

 破産法第24条第4項、第25条第6項、第28条第3項、第91条第5項及び第171条第4項の規定にかかわらず、第2項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができない。


(再生手続の終了に伴う破産手続における破産法の適用関係)

第252条 破産手続開始前の再生債務者に関する次に掲げる場合における破産法の関係規定(破産法第71条第1項第4号並びに第2項第2号及び第3号、第72条第1項第4号並びに第2項第2号及び第3号、第160条(第1項第1号を除く。)、第162条(第1項第2号を除く。)、第163条第2項、第164条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)、第166条並びに第167条第2項(同法第170条第2項において準用する場合を含む。)の規定をいう。第3項において同じ。)の適用については、再生手続開始の申立て等(再生手続開始の申立ての棄却、再生手続廃止若しくは再生計画不認可の決定又は再生計画取消しの決定(再生手続の終了前にされた申立てに基づくものに限る。)が確定した場合にあっては再生手続開始の申立て、再生手続開始によって効力を失った特別清算の手続における特別清算開始の申立て又は破産法第265条の罪に該当することとなる再生債務者、その法定代理人若しくは再生債務者の理事、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者の行為をいい、再生計画取消しの決定であって再生手続の終了前にされた申立てに基づくもの以外のものが確定した場合にあっては再生計画取消しの申立てをいう。以下この項において同じ。)は、当該再生手続開始の申立て等の前に破産手続開始の申立てがないときに限り、破産手続開始の申立てとみなす。

 第250条第1項の規定による破産手続開始の決定があった場合

 再生手続開始の申立ての棄却の決定の確定前にされた破産手続開始の申立てに基づき、当該決定の確定後に破産手続開始の決定があった場合

 再生手続開始の決定前にされた破産手続開始の申立てに基づき、再生手続開始の決定の取消しの決定の確定後、第191条から第193条まで、第237条及び第243条の規定による再生計画認可の決定の確定前の再生手続廃止の決定の確定後又は再生計画不認可の決定の確定後に、破産手続開始の決定があった場合

 第249条第1項前段の規定による破産手続開始の申立てに基づき、破産手続開始の決定があった場合

 再生計画不認可、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定の確定による再生手続の終了に伴い前項各号に規定する破産手続開始の決定があった場合における破産法第176条前段の規定の適用については、再生手続開始の決定の日を同条前段の破産手続開始の日とみなす。

 破産手続開始後の再生債務者について第249条第1項後段の規定による破産手続開始の申立てに基づいて破産手続開始の決定があった場合又は第250条第2項の規定による破産手続開始の決定があった場合における破産法の関係規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。

 第193条若しくは第194条の規定による再生手続廃止又は再生計画取消しの決定(再生手続の終了前にされた申立てに基づくものに限る。)の確定に伴い破産手続開始の決定があった場合 再生計画認可の決定の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立て

 再生計画取消しの決定で前号に掲げるもの以外のものの確定に伴い破産手続開始の決定があった場合 再生計画取消しの申立て

 前項に規定する破産手続開始の決定があった場合(同項第1号に掲げる場合に限る。)における破産法第176条前段の規定の適用については、再生計画認可の決定の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の日を同条前段の破産手続開始の日とみなす。

 第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定があった場合(同項第2号に掲げる場合を除く。)における破産法第149条第1項の規定の適用については、同項中「破産手続開始前3月間」とあるのは、「破産手続開始前3月間(破産手続開始の日前に再生手続開始の決定があるときは、再生手続開始前3月間)」とする。

 前項に規定する破産手続開始の決定があった場合には、共益債権(再生手続が開始されなかった場合における第50条第2項並びに第120条第1項及び第4項に規定する請求権を含む。)は、財団債権とする。破産手続開始後の再生債務者について再生手続開始の申立ての棄却、第191条から第193条まで、第237条及び第243条の規定による再生計画認可の決定の確定前の再生手続廃止又は再生計画不認可の決定の確定によって破産手続が続行された場合も、同様とする。


(破産債権の届出を要しない旨の決定)

第253条 裁判所(破産事件を取り扱う1人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。次項において同じ。)は、前条第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定をする場合において、終了した再生手続において届出があった再生債権の内容及び原因並びに議決権の額、第105条第1項本文に規定する異議等のある再生債権の数、再生計画による権利の変更の有無及び内容その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、破産債権であって当該再生手続において再生債権としての届出があったもの(再生手続開始前の罰金等及び共助対象外国租税の請求権を除く。以下この条において同じ。)を有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。

 裁判所は、前項の規定による決定をしたときは、破産法第32条第1項の規定による公告に、破産債権であって前項の再生手続において再生債権としての届出があったものを有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨を掲げ、かつ、その旨を知れている破産債権者に通知しなければならない。

 第1項の規定による決定があった場合には、同項の再生手続において再生債権としての届出があった債権については、当該再生債権としての届出をした者(当該再生手続において当該届出があった債権について届出名義の変更を受けた者がある場合にあっては、その者。第6項において同じ。)が、破産法第111条第1項に規定する債権届出期間の初日に、破産債権の届出(同項第4号に掲げる事項の届出を含む。)をしたものとみなす。

 前項の場合においては、当該再生債権としての届出があった債権についての次の各号に掲げる事項の届出の区分に応じ、破産債権の届出としてそれぞれ当該各号に定める事項の届出をしたものとみなす。

 第87条第1項第3号ロからニまでに掲げる債権についての第94条第1項に規定する再生債権についての議決権の額及び再生債権の原因の届出 破産法第111条第1項第1号に掲げる破産債権の額及び原因の届出

 当該再生債権としての届出があった債権のうち前号に掲げる債権以外のものについての第94条第1項に規定する再生債権の内容としての額及び再生債権の原因の届出 破産法第111条第1項第1号に掲げる破産債権の額及び原因の届出

 第84条第2項各号に掲げる債権についての第94条第1項に規定する再生債権の内容の届出 破産法第111条第1項第3号に掲げる劣後的破産債権である旨の届出

 第87条第1項第1号、第2号又は第3号イに掲げる債権についての第94条第1項に規定する再生債権の内容としての額及び再生債権についての議決権の額の届出 届出があった再生債権の内容としての額から届出があった再生債権についての議決権の額を控除した額に係る部分につき破産法第111条第1項第3号に掲げる劣後的破産債権である旨の届出

 約定劣後再生債権である旨の届出があった債権についての第94条第1項に規定するその旨の届出 破産法第111条第1項第3号に掲げる約定劣後破産債権である旨の届出

 第94条第2項に規定する別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出 破産法第111条第2項第2号に掲げる別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出

 前項各号(第4号を除く。)の規定にかかわらず、第1項の再生手続が小規模個人再生又は給与所得者等再生であるときは、届出があった再生債権の額及び原因並びに担保不足見込額(第225条の規定により届出をしたものとみなされる再生債権の額及び原因並びに担保不足見込額を含む。)を破産債権の額及び原因並びに破産法第111条第2項第2号に掲げる別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額として届出をしたものとみなす。

 前三項の規定は、当該再生債権としての届出をした者が破産法第111条第1項に規定する債権届出期間内に破産債権の届出をした場合には、当該再生債権としての届出をした者が有する第3項の再生債権としての届出があった債権については、適用しない。

 前各項の規定は、再生計画の履行完了前に再生債務者についてされる破産手続開始の決定に係る破産手続について準用する。


(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え等の取扱い)

第254条 再生計画不認可、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定の確定により再生手続が終了した場合において、第252条第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定があったときは、第68条第2項又は第137条第6項の規定により中断した同条第1項の訴えに係る訴訟手続(再生手続が終了した際現に係属する同項の訴えに係る訴訟手続で第141条第1項の規定により中断しているものを含む。第3項及び第4項において同じ。)は、破産管財人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

 前項の場合においては、相手方の否認権限を有する監督委員又は管財人に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。

 第1項の場合において、第68条第2項又は第137条第6項の規定により中断した同条第1項の訴えに係る訴訟手続について第1項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、終了する。

 第68条第2項又は第137条第6項の規定により中断した同条第1項の訴えに係る訴訟手続であって破産手続開始前の再生債務者についての再生事件に係るものは、その中断の日から1月(その期間中に第251条第1項第1号の規定による保全処分等又は第252条第2項各号に掲げる破産手続開始の申立てに係る破産手続における保全処分等がされていた期間があるときは、当該期間を除く。)以内に第252条第1項各号に規定する破産手続開始の決定がされていないときは、終了する。

 第112条の2第1項の規定により引き続き係属するものとされる第105条第1項本文の査定の申立てに係る査定の手続は、第252条第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定があったときは、終了するものとする。この場合においては、第112条の2第3項の規定は、適用しない。

 第4項の規定は、第112条の2第4項の規定により中断した第106条第1項の訴えに係る訴訟手続であって破産手続開始前の再生債務者についての再生事件に係るものについて準用する。

第15章 罰則

(詐欺再生罪)

第255条 再生手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者について再生手続開始の決定が確定したときは、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第4号に掲げる行為の相手方となった者も、再生手続開始の決定が確定したときは、同様とする。

 債務者の財産を隠匿し、又は損壊する行為

 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為

 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為

 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為

 前項に規定するもののほか、債務者について管理命令又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。


(特定の債権者に対する担保の供与等の罪)

第256条 債務者が、再生手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、再生手続開始の決定が確定したときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。


(監督委員等の特別背任罪)

第257条 監督委員、調査委員、管財人、保全管理人、個人再生委員、管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 監督委員、調査委員、管財人、保全管理人又は個人再生委員(以下この項において「監督委員等」という。)が法人であるときは、前項の規定は、監督委員等の職務を行う役員又は職員に適用する。


(報告及び検査の拒絶等の罪)

第258条 第59条第1項各号に掲げる者若しくは同項第2号から第5号までに掲げる者であった者が、同項若しくは同条第2項において準用する同条第1項(これらの規定を第63条、第78条又は第83条第1項において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をしたとき、又は再生債務者若しくはその法定代理人が第223条第8項(第244条において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 第59条第1項第2号から第5号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者(以下この項において「報告義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(第4項において「代表者等」という。)が、その報告義務者の業務に関し、同条第1項若しくは同条第2項において準用する同条第1項(これらの規定を第63条、第78条又は第83条第1項において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をしたとき、又は再生債務者の法定代理人の代理人、使用人その他の従業者が、その法定代理人の業務に関し、第223条第8項(第244条において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をしたときも、前項と同様とする。

 再生債務者が第59条第1項(第63条、第78条又は第83条第1項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、又は再生債務者若しくはその法定代理人が第223条第8項(第244条において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第1項と同様とする。

 第59条第3項に規定する再生債務者の子会社等(同条第4項の規定により再生債務者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その再生債務者の子会社等の業務に関し、同条第3項(第63条、第78条又は第83条第1項において準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは検査を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第1項と同様とする。


(業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪)

第259条 再生手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者について再生手続開始の決定が確定したときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。


(監督委員等に対する職務妨害の罪)

第260条 偽計又は威力を用いて、監督委員、調査委員、管財人、保全管理人、個人再生委員、管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。


(収賄罪)

第261条 監督委員、調査委員、管財人、保全管理人、個人再生委員、管財人代理又は保全管理人代理が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 前項の場合において、その監督委員、調査委員、管財人、保全管理人、個人再生委員、管財人代理又は保全管理人代理が不正の請託を受けたときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 監督委員、調査委員、管財人、保全管理人又は個人再生委員(以下この条において「監督委員等」という。)が法人である場合において、監督委員等の職務を行うその役員又は職員が、その監督委員等の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。監督委員等が法人である場合において、その役員又は職員が、その監督委員等の職務に関し、監督委員等に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。

 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 再生債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第169条第2項第2号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 前各項の場合において、犯人又は法人である監督委員等が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。


(贈賄罪)

第262条 前条第1項又は第3項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 前条第2項、第4項又は第5項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。


(再生債務者等に対する面会強請等の罪)

第263条 再生債務者(個人である再生債務者に限る。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に再生債権(再生手続が再生計画認可の決定の確定後に終了した後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を再生計画の定めるところによらずに弁済させ、又は再生債権につき再生債務者の親族その他の者に保証をさせる目的で、再生債務者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。


(国外犯)

第264条 第255条、第256条、第259条、第260条及び第262条の罪は、刑法(明治40年法律第45号)第2条の例に従う。

 第257条及び第261条(第5項を除く。)の罪は、刑法第4条の例に従う。

 第261条第5項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。


(両罰規定)

第265条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第255条、第256条、第258条(第1項を除く。)、第259条、第260条、第262条又は第263条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。


(過料)

第266条 再生債務者又は再生のために債務を負担し、若しくは担保を提供する者は、第186条第3項の規定による裁判所の命令に違反した場合には、100万円以下の過料に処する。

 再生債務者若しくはその法定代理人又は再生債権者が正当な理由なく第227条第6項(第244条において準用する場合を含む。)の規定による資料の提出の要求に応じない場合には、10万円以下の過料に処する。

附 則
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


(和議法及び特別和議法の廃止)

第2条 和議法(大正11年法律第72号)及び特別和議法(昭和21年法律第41号)は、廃止する。


(和議法の廃止に伴う経過措置)

第3条 この法律の施行前にされた和議開始の申立てに係る和議事件については、なお従前の例による。この場合におけるこの法律の規定の適用については、第11条第6項、第93条第2号及び第4号並びに第127条第1項第2号中「整理開始」とあるのは「和議開始、整理開始」と、第16条第2項第1号中「又は詐欺破産」とあるのは「若しくは和議手続における和議開始の申立て又は詐欺破産」と、第25条第2号、第26条第1項第1号及び第39条第1項中「整理手続」とあるのは「和議手続、整理手続」とする。


(罰則の適用に関する経過措置)

第26条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則において従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成12年11月29日法律第128号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成12年11月29日法律第129号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成13年6月29日法律第80号)

この法律は、商法等改正法の施行の日から施行する。

附 則(平成13年11月28日法律第129号)
(施行期日)

 この法律は、平成14年4月1日から施行する。

(罰則の適用に関する経過措置)

 この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成14年5月29日法律第45号)
(施行期日)

 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成14年7月31日法律第98号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第1章第1節(別表第一から別表第四までを含む。)並びに附則第28条第2項、第33条第2項及び第3項並びに第39条の規定 公布の日


(罰則に関する経過措置)

第38条 施行日前にした行為並びにこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第39条 この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則(平成14年7月31日法律第100号)
(施行期日)

第1条 この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)の施行の日から施行する。


(罰則に関する経過措置)

第2条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第3条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成14年12月13日法律第155号)
(施行期日)

第1条 この法律は、会社更生法(平成14年法律第154号)の施行の日から施行する。


(罰則の適用に関する経過措置)

第3条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成15年8月1日法律第134号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成15年8月1日法律第138号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


(罰則の適用に関する経過措置)

第14条 この法律の施行前にした行為及び附則第5条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成16年6月2日法律第76号)
(施行期日)

第1条 この法律は、破産法(平成16年法律第75号。次条第8項並びに附則第3条第8項、第5条第8項、第16項及び第21項、第8条第3項並びに第13条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。


(民事再生法の一部改正に伴う経過措置)

第2条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前にされた第1条の規定による改正前の民事再生法(附則第5条第19項、第6条第1項、第12条第1項及び第13条において「旧民事再生法」という。)第21条又は第209条第1項の規定による再生手続開始の申立てに係る再生事件については、なお従前の例による。

 前項の規定にかかわらず、同項の再生事件における再生債務者について施行日以後に第1条の規定による改正後の民事再生法(以下この条並びに附則第12条第1項第1号及び第2項第1号において「新民事再生法」という。)第249条第1項前段に規定する再生手続開始の決定の取消し、再生手続廃止若しくは再生計画不認可の決定若しくは再生計画取消しの決定(再生手続の終了前にされた申立てに基づくものに限る。)があった場合又は第1項の再生事件における再生債務者について施行日以後に同条第1項後段に規定する再生計画認可の決定の確定により破産手続が効力を失った後に新民事再生法第193条若しくは第194条に規定する再生手続廃止若しくは再生計画取消しの決定があった場合には、新民事再生法第249条の規定を適用する。

 第1項の規定にかかわらず、同項の再生事件における破産手続開始前の再生債務者について施行日以後に新民事再生法第250条第1項に規定する再生手続開始の申立ての棄却、再生手続廃止、再生計画不認可若しくは再生計画取消しの決定が確定した場合又は第1項の再生事件における破産手続開始後の再生債務者について施行日以後に同条第2項本文に規定する再生計画認可の決定の確定により破産手続が効力を失った後に新民事再生法第193条若しくは第194条に規定する再生手続廃止若しくは再生計画取消しの決定が確定した場合には、新民事再生法第250条の規定を適用する。

 第1項の規定にかかわらず、同項の再生事件における破産手続開始前の再生債務者について施行日以後に新民事再生法第251条第1項第1号に規定する再生手続開始の申立ての棄却、再生手続開始の決定の取消し、再生手続廃止、再生計画不認可若しくは再生計画取消しの決定があった場合又は第1項の再生事件における破産手続開始後の再生債務者について施行日以後に同条第1項第2号に規定する再生計画認可の決定の確定により破産手続が効力を失った後に新民事再生法第193条若しくは第194条に規定する再生手続廃止若しくは再生計画取消しの決定があった場合には、新民事再生法第251条の規定を適用する。

 第1項の規定にかかわらず、同項の再生事件における再生債務者について施行日以後に新民事再生法第252条第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定をする場合には、新民事再生法第253条の規定を適用する。

 施行日前に再生債権者につき再生債務者に対する債務負担の原因が生じた場合における再生債権者による相殺の禁止及び施行日前に再生債務者に対して債務を負担する者につき再生債権の取得の原因が生じた場合における当該者による相殺の禁止については、新民事再生法第93条及び第93条の2の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 施行日前にされた行為の再生事件における否認については、新民事再生法第6章第2節(第134条の2、第134条の3、第135条から第138条まで、第140条及び第141条を除く。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 第1項の再生事件における再生債務者について施行日以後に新民事再生法第252条第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定がされた場合における当該決定に係る破産事件に関する相殺の禁止及び否認については、新破産法第71条及び第72条並びに第6章第2節(第171条から第175条までを除く。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。


(罰則の適用等に関する経過措置)

第12条 施行日前にした行為並びに附則第2条第1項、第3条第1項、第4条、第5条第1項、第9項、第17項、第19項及び第21項並びに第6条第1項及び第3項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。この場合において、旧民事再生法第246条及び第247条の規定の適用については第1号に掲げる再生手続開始の決定は同号に定める再生手続開始の決定と、旧会社更生法第255条及び第256条の規定の適用については第2号に掲げる更生手続開始の決定は同号に定める更生手続開始の決定と、旧更生特例法第539条及び第540条の規定の適用については第3号に掲げる更生手続開始の決定は同号に定める更生手続開始の決定と、それぞれみなす。

 新民事再生法の規定によりされた再生手続開始の決定 旧民事再生法の規定によりされた再生手続開始の決定

 次の各号に掲げる場合における施行日前にした行為に対する旧破産法第374条から第376条まで及び第378条の規定の適用については、当該各号に定める破産手続開始の決定は、旧破産法の規定によりされた破産の宣告とみなす。

 附則第2条第3項の規定により新民事再生法第250条の規定が適用される場合 新民事再生法第250条の規定によりされた破産手続開始の決定


(政令への委任)

第14条 附則第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成16年6月9日法律第88号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第1条中社債等の振替に関する法律第48条の表第33条の項を削る改正規定、同表第89条第2項の項の次に第90条第1項の項を加える改正規定、同法第115条、第118条、第121条及び第123条の改正規定、第128条の改正規定(同条を第299条とする部分を除く。)、同法第6章の次に七章を加える改正規定(第158条第2項(第2号から第4号までを除く。)、第3項及び第4項、第252条第1項(同項において準用する第158条第2項(第2号から第4号までを除く。)、第3項及び第4項に係る部分に限る。)、第253条、第261条第1項(同項において準用する第158条第2項(第2号から第4号までを除く。)、第3項及び第4項に係る部分に限る。)、第262条、第268条第1項(同項において準用する第158条第2項(第2号から第4号までを除く。)、第3項及び第4項に係る部分に限る。)並びに第269条に係る部分に限る。)並びに同法附則第19条の表の改正規定(「第111条第1項」を「第111条」に改める部分に限る。)、同法附則第33条の改正規定(「同法第2条第2項」を「投資信託及び投資法人に関する法律第2条第2項」に改める部分に限る。)、第2条の規定、第3条の規定(投資信託及び投資法人に関する法律第9条第3項の改正規定を除く。)、第4条から第7条までの規定、附則第3条から第29条まで、第34条(第1項を除く。)、第36条から第43条まで、第47条、第50条及び第51条の規定、附則第59条中協同組合による金融事業に関する法律(昭和24年法律第183号)第4条の4第1項第3号の改正規定、附則第70条、第85条、第86条、第95条及び第109条の規定、附則第112条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号)第126条の改正規定、附則第120条から第122条までの規定、附則第123条中産業活力再生特別措置法(平成11年法律第131号)第12条の8第3項及び第12条の11第7項の改正規定、附則第125条の規定並びに附則第129条中会社更生法(平成14年法律第154号)第205条第4項及び第214条の改正規定は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「一部施行日」という。)から施行する。


(罰則の適用に関する経過措置)

第135条 この法律(附則第1条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第136条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成16年6月18日法律第124号)
(施行期日)

第1条 この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。

附 則(平成16年12月1日法律第147号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(平成16年12月10日法律第165号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第4条及び第5条の規定は、公布の日から施行する。

附 則(平成17年7月26日法律第87号)

この法律は、会社法の施行の日から施行する。

附 則(平成18年6月2日法律第50号)

この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。

附 則(平成18年6月14日法律第66号)

この法律は、平成18年証券取引法改正法の施行の日から施行する。

附 則(平成18年6月21日法律第84号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成19年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 附則第16条の規定、附則第31条の規定及び附則第32条の規定 公布の日


(罰則の適用に関する経過措置)

第31条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為及びこの附則の規定によりなお効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任)

第32条 附則第3条から第16条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成23年6月24日法律第74号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。

附 則(平成24年3月31日法律第16号)
(施行期日)

第1条 この法律は、平成24年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一から五まで 略

 次に掲げる規定 平成25年7月1日

 第5条の規定(国税通則法第74条の2第1項第1号ロの改正規定を除く。)

 第6条の規定

 第7条の規定及び附則第72条から第78条までの規定


(罰則の適用に関する経過措置)

第79条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(政令への委任)

第80条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(平成25年6月19日法律第45号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第1条中金融商品取引法第197条の2の次に一条を加える改正規定、同法第198条第2号の次に二号を加える改正規定並びに同法第198条の3、第198条の6第2号、第205条第14号並びに第207条第1項第2号及び第2項の改正規定、第3条の規定、第4条中農業協同組合法第11条の4第4項の次に一項を加える改正規定、第5条のうち水産業協同組合法第11条の11中第5項を第6項とし、第4項の次に一項を加える改正規定、第8条の規定(投資信託及び投資法人に関する法律第252条の改正規定を除く。)、第14条のうち銀行法第13条中第5項を第6項とし、第4項の次に一項を加える改正規定及び同法第52条の22第4項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第5項とし、同条第3項の次に一項を加える改正規定、第15条の規定、第19条のうち農林中央金庫法第58条中第5項を第6項とし、第4項の次に一項を加える改正規定、第21条中信託業法第91条、第93条、第96条及び第98条第1項の改正規定、第22条の規定並びに附則第30条(株式会社地域経済活性化支援機構法(平成21年法律第63号)第23条第2項の改正規定に限る。)、第31条(株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法(平成23年法律第113号)第17条第2項の改正規定に限る。)、第32条、第36条及び第37条の規定 公布の日から起算して20日を経過した日

 略

 第2条の規定、第4条中農業協同組合法第11条の4第1項及び第3項並びに第93条第2項の改正規定、第5条中水産業協同組合法第11条の11第1項及び第3項並びに第122条第2項の改正規定、第9条の規定、第14条中銀行法第13条第1項及び第3項、第24条第2項、第52条の22第1項及び第2項並びに第52条の31第2項の改正規定、第16条中保険業法第128条第2項、第200条第2項、第201条第2項、第226条第2項、第271条の27第1項、第272条の22第2項及び第272条の40第2項の改正規定、第18条の規定、第19条中農林中央金庫法第58条第1項及び第3項並びに第83条第2項の改正規定、第21条中信託業法第42条第3項及び第58条第2項の改正規定並びに附則第7条から第13条まで、第15条、第16条及び第26条の規定 公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日


(罰則の適用に関する経過措置)

第36条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(政令への委任)

第37条 附則第2条から第15条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。


(検討)

第38条 政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下この条において「改正後の各法律」という。)の施行の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、改正後の各法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

附 則(平成26年6月27日法律第91号)

この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。

附 則(平成29年6月2日法律第45号)

この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。ただし、第103条の2、第103条の3、第267条の2、第267条の3及び第362条の規定は、公布の日から施行する。

附 則(令和元年5月17日法律第2号)
(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 附則第20条の規定 公布の日

 附則第16条中民事再生法(平成11年法律第225号)第198条第1項の改正規定 民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)の施行の日


(政令への委任)

第20条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則(令和元年12月11日法律第71号)

この法律は、会社法改正法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。