新型インフルエンザ等対策特別措置法
第1章 総則
第1条 この法律は、国民の大部分が現在その免疫を獲得していないこと等から、新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延し、かつ、これにかかった場合の病状の程度が重篤となるおそれがあり、また、国民生活及び国民経済に重大な影響を及ぼすおそれがあることに鑑み、新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画、新型インフルエンザ等の発生時における措置、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置、新型インフルエンザ等緊急事態措置その他新型インフルエンザ等に関する事項について特別の措置を定めることにより、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)その他新型インフルエンザ等の発生の予防及びまん延の防止に関する法律と相まって、新型インフルエンザ等に対する対策の強化を図り、もって新型インフルエンザ等の発生時において国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることを目的とする。
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 新型インフルエンザ等 感染症法第6条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症(第6条第2項第2号イ及び第14条において単に「新型インフルエンザ等感染症」という。)、感染症法第6条第8項に規定する指定感染症(第14条の報告に係るものに限る。)及び感染症法第6条第9項に規定する新感染症(全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものに限る。第14条において単に「新感染症」という。)をいう。
二 新型インフルエンザ等対策 第15条第1項の規定により同項に規定する政府対策本部が設置された時から第21条第1項の規定により当該政府対策本部が廃止されるまでの間において、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするため、国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関がこの法律及び感染症法その他の法律の規定により実施する措置をいう。
三 新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置 第31条の4第1項の規定による公示がされた時から同条第4項の規定により同条第1項に規定する事態が終了した旨の公示がされるまでの間において、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするため、国及び地方公共団体がこの法律の規定により実施する措置をいう。
四 新型インフルエンザ等緊急事態措置 第32条第1項の規定により同項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態宣言がされた時から同条第5項の規定により同項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態解除宣言がされるまでの間において、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするため、国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関がこの法律の規定により実施する措置をいう。
五 指定行政機関 次に掲げる機関で政令で定めるものをいう。
イ 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成11年法律第89号)第49条第1項及び第2項に規定する機関並びに国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条第2項に規定する機関
ロ 内閣府設置法第37条及び第54条並びに宮内庁法(昭和22年法律第70号)第16条第1項並びに国家行政組織法第8条に規定する機関
ハ 内閣府設置法第39条及び第55条並びに宮内庁法第16条第2項並びに国家行政組織法第8条の2に規定する機関
ニ 内閣府設置法第40条及び第56条並びに国家行政組織法第8条の3に規定する機関
六 指定地方行政機関 指定行政機関の地方支分部局(内閣府設置法第43条及び第57条(宮内庁法第18条第1項において準用する場合を含む。)並びに宮内庁法第17条第1項並びに国家行政組織法第9条の地方支分部局をいう。)その他の国の地方行政機関で政令で定めるものをいう。
七 指定公共機関 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。)、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会その他の公共的機関及び医療、医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項に規定する医薬品をいう。以下同じ。)、医療機器(同条第4項に規定する医療機器をいう。以下同じ。)又は再生医療等製品(同条第9項に規定する再生医療等製品をいう。以下同じ。)の製造又は販売、電気又はガスの供給、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、政令で定めるものをいう。
八 指定地方公共機関 都道府県の区域において医療、医薬品、医療機器又は再生医療等製品の製造又は販売、電気又はガスの供給、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人、地方道路公社(地方道路公社法(昭和45年法律第82号)第1条の地方道路公社をいう。)その他の公共的施設を管理する法人及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。)のうち、前号の政令で定めるもの以外のもので、あらかじめ当該法人の意見を聴いて当該都道府県の知事が指定するものをいう。
第3条 国は、新型インフルエンザ等から国民の生命及び健康を保護し、並びに新型インフルエンザ等が国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするため、新型インフルエンザ等が発生したときは、自ら新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施し、並びに地方公共団体及び指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に支援することにより、国全体として万全の態勢を整備する責務を有する。
2 国は、新型インフルエンザ等及びこれに係るワクチンその他の医薬品の調査及び研究を推進するよう努めるものとする。
3 国は、世界保健機関その他の国際機関及びアジア諸国その他の諸外国との国際的な連携を確保するとともに、新型インフルエンザ等に関する調査及び研究に係る国際協力を推進するよう努めるものとする。
4 地方公共団体は、新型インフルエンザ等が発生したときは、第18条第1項に規定する基本的対処方針に基づき、自らその区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施し、及び当該地方公共団体の区域において関係機関が実施する新型インフルエンザ等対策を総合的に推進する責務を有する。
5 指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等が発生したときは、この法律で定めるところにより、その業務について、新型インフルエンザ等対策を実施する責務を有する。
6 国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等対策を実施するに当たっては、相互に連携協力し、その的確かつ迅速な実施に万全を期さなければならない。
第4条 事業者及び国民は、新型インフルエンザ等の予防及び感染の拡大の防止に努めるとともに、新型インフルエンザ等対策に協力するよう努めなければならない。
2 事業者は、新型インフルエンザ等のまん延により生ずる影響を考慮し、その事業の実施に関し、適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
3 第28条第1項第1号に規定する登録事業者は、新型インフルエンザ等が発生したときにおいても、医療の提供並びに国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務を継続的に実施するよう努めなければならない。
第5条 国民の自由と権利が尊重されるべきことに鑑み、新型インフルエンザ等対策を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならない。
第2章 新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画等
第6条 政府は、新型インフルエンザ等の発生に備えて、新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画(以下「政府行動計画」という。)を定めるものとする。
2 政府行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 新型インフルエンザ等対策の実施に関する基本的な方針
二 国が実施する次に掲げる措置に関する事項
イ 新型インフルエンザ等及び新型インフルエンザ等感染症に変異するおそれが高い動物の感染性の疾病の外国及び国内における発生の状況、動向及び原因の情報収集
ロ 新型インフルエンザ等に関する情報の地方公共団体、指定公共機関、事業者及び国民への適切な方法による提供
ハ 新型インフルエンザ等が国内において初めて発生した場合における第16条第8項に規定する政府現地対策本部による新型インフルエンザ等対策の総合的な推進
ニ 検疫、第28条第3項に規定する特定接種の実施その他の新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置
ホ 医療の提供体制の確保のための総合調整
ヘ 生活関連物資の価格の安定のための措置その他の国民生活及び国民経済の安定に関する措置
三 第28条第1項第1号の規定による厚生労働大臣の登録の基準に関する事項
四 都道府県及び指定公共機関がそれぞれ次条第1項に規定する都道府県行動計画及び第9条第1項に規定する業務計画を作成する際の基準となるべき事項
五 新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項
六 新型インフルエンザ等対策の実施に当たっての地方公共団体相互の広域的な連携協力その他の関係機関相互の連携協力の確保に関する事項
七 前各号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な事項
3 政府行動計画は、新型インフルエンザ等が発生する前の段階、新型インフルエンザ等が外国において発生した段階及び新型インフルエンザ等が国内において発生した段階に区分して定めるものとする。
4 内閣総理大臣は、政府行動計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
5 内閣総理大臣は、前項の規定により政府行動計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、第70条の2の新型インフルエンザ等対策推進会議の意見を聴かなければならない。
6 内閣総理大臣は、第4項の閣議の決定があったときは、遅滞なく、政府行動計画を国会に報告するとともに、その旨を公示しなければならない。
7 政府は、政府行動計画を定めるため必要があると認めるときは、地方公共団体の長その他の執行機関(以下「地方公共団体の長等」という。)、指定公共機関その他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の陳述その他必要な協力を求めることができる。
8 第3項から前項までの規定は、政府行動計画の変更について準用する。
第7条 都道府県知事は、政府行動計画に基づき、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画(以下「都道府県行動計画」という。)を作成するものとする。
2 都道府県行動計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。
一 当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関する事項
二 都道府県が実施する次に掲げる措置に関する事項
イ 新型インフルエンザ等の都道府県内における発生の状況、動向及び原因の情報収集並びに調査
ロ 新型インフルエンザ等に関する情報の市町村、指定地方公共機関、医療機関、事業者及び住民への適切な方法による提供
ハ 感染を防止するための協力の要請その他の新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置
ニ 医療従事者の確保その他の医療の提供体制の確保に関する措置
ホ 物資の売渡しの要請その他の住民の生活及び地域経済の安定に関する措置
三 市町村及び指定地方公共機関がそれぞれ次条第1項に規定する市町村行動計画及び第9条第1項に規定する業務計画を作成する際の基準となるべき事項
四 新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項
五 新型インフルエンザ等対策の実施に関する他の地方公共団体その他の関係機関との連携に関する事項
六 前各号に掲げるもののほか、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関し都道府県知事が必要と認める事項
3 都道府県知事は、都道府県行動計画を作成しようとするときは、あらかじめ、感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴かなければならない。
4 都道府県知事は、都道府県行動計画を作成する場合において、他の地方公共団体と関係がある事項を定めるときは、当該他の地方公共団体の長の意見を聴かなければならない。
5 都道府県知事は、都道府県行動計画を作成したときは、内閣総理大臣に報告しなければならない。
6 内閣総理大臣は、前項の規定により報告を受けた都道府県行動計画について、必要があると認めるときは、当該都道府県知事に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。
7 都道府県知事は、都道府県行動計画を作成したときは、速やかに、これを議会に報告し、並びに当該都道府県の区域内の市町村の長及び関係指定地方公共機関に通知するとともに、公表しなければならない。
8 都道府県知事は、都道府県行動計画を作成するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長(当該指定行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該指定行政機関。以下同じ。)、指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等、指定公共機関、指定地方公共機関その他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の陳述その他必要な協力を求めることができる。
9 第3項から前項までの規定は、都道府県行動計画の変更について準用する。
第8条 市町村長は、都道府県行動計画に基づき、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画(以下「市町村行動計画」という。)を作成するものとする。
2 市町村行動計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。
一 当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関する事項
二 市町村が実施する次に掲げる措置に関する事項
イ 新型インフルエンザ等に関する情報の事業者及び住民への適切な方法による提供
ロ 住民に対する予防接種の実施その他の新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置
ハ 生活環境の保全その他の住民の生活及び地域経済の安定に関する措置
三 新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項
四 新型インフルエンザ等対策の実施に関する他の地方公共団体その他の関係機関との連携に関する事項
五 前各号に掲げるもののほか、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関し市町村長が必要と認める事項
3 市町村長は、市町村行動計画を作成する場合において、他の地方公共団体と関係がある事項を定めるときは、当該他の地方公共団体の長の意見を聴かなければならない。
4 市町村長は、市町村行動計画を作成したときは、都道府県知事に報告しなければならない。
5 都道府県知事は、前項の規定により報告を受けた市町村行動計画について、必要があると認めるときは、当該市町村長に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。
6 市町村長は、市町村行動計画を作成したときは、速やかに、これを議会に報告するとともに、公表しなければならない。
7 前条第3項及び第8項の規定は、市町村行動計画の作成について準用する。
8 第3項から前項までの規定は、市町村行動計画の変更について準用する。
第9条 指定公共機関又は指定地方公共機関は、それぞれ政府行動計画又は都道府県行動計画に基づき、その業務に関し、新型インフルエンザ等対策に関する業務計画(以下「業務計画」という。)を作成するものとする。
2 業務計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 当該指定公共機関又は指定地方公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策の内容及び実施方法に関する事項
二 新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項
三 新型インフルエンザ等対策の実施に関する関係機関との連携に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な事項
3 指定公共機関及び指定地方公共機関は、それぞれその業務計画を作成したときは、速やかに、指定公共機関にあっては当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長を経由して内閣総理大臣に、指定地方公共機関にあっては当該指定地方公共機関を指定した都道府県知事に報告しなければならない。この場合において、内閣総理大臣又は都道府県知事は、当該指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、必要な助言をすることができる。
4 指定公共機関及び指定地方公共機関は、それぞれその業務計画を作成したときは、速やかに、これを関係都道府県知事及び関係市町村長に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。
5 第7条第8項の規定は、業務計画の作成について準用する。
6 前三項の規定は、業務計画の変更について準用する。
第10条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等並びに指定公共機関及び指定地方公共機関(第12条及び第51条において「指定行政機関の長等」という。)は、政府行動計画、都道府県行動計画、市町村行動計画又は業務計画で定めるところにより、その所掌事務又は業務に係る新型インフルエンザ等対策の実施に必要な医薬品その他の物資及び資材を備蓄し、整備し、若しくは点検し、又は新型インフルエンザ等対策の実施に必要なその管理に属する施設及び設備を整備し、若しくは点検しなければならない。
第11条 前条の規定による物資及び資材の備蓄と、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第49条の規定による物資及び資材の備蓄とは、相互に兼ねることができる。
第12条 指定行政機関の長等は、政府行動計画、都道府県行動計画、市町村行動計画又は業務計画で定めるところにより、それぞれ又は他の指定行政機関の長等と共同して、新型インフルエンザ等対策についての訓練を行うよう努めなければならない。この場合においては、災害対策基本法第48条第1項の防災訓練との有機的な連携が図られるよう配慮するものとする。
2 都道府県公安委員会は、前項の訓練の効果的な実施を図るため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該訓練の実施に必要な限度で、区域又は道路の区間を指定して、歩行者又は車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。
3 指定行政機関の長等は、第1項の訓練を行おうとするときは、住民その他関係のある公私の団体に協力を要請することができる。
第13条 国及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等の予防及びまん延の防止に関する知識を普及するとともに、新型インフルエンザ等対策の重要性について国民の理解と関心を深めるため、国民に対する啓発に努めなければならない。
2 国及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等対策を実施するに当たっては、新型インフルエンザ等に起因する差別的取扱い等(次に掲げる行為をいい、以下この項において「差別的取扱い等」という。)及び他人に対して差別的取扱い等をすることを要求し、依頼し、又は唆す行為が行われるおそれが高いことを考慮して、新型インフルエンザ等の患者及び医療従事者並びにこれらの者の家族その他のこれらの者と同一の集団に属する者(以下この項において「新型インフルエンザ等患者等」という。)の人権が尊重され、及び何人も差別的取扱い等を受けることのないようにするため、新型インフルエンザ等患者等に対する差別的取扱い等の実態の把握、新型インフルエンザ等患者等に対する相談支援並びに新型インフルエンザ等に関する情報の収集、整理、分析及び提供並びに広報その他の啓発活動を行うものとする。
一 新型インフルエンザ等患者等であること又は新型インフルエンザ等患者等であったことを理由とする不当な差別的取扱い
二 新型インフルエンザ等患者等の名誉又は信用を毀損する行為
三 前二号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等患者等の権利利益を侵害する行為
第3章 新型インフルエンザ等の発生時における措置
第14条 厚生労働大臣は、感染症法第44条の2第1項若しくは第44条の6第1項の規定により新型インフルエンザ等感染症若しくは新感染症が発生したと認めた旨を公表するとき、又は感染症法第6条第8項に規定する指定感染症が、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものと認めたときは、内閣総理大臣に対し、当該新型インフルエンザ等の発生の状況、当該新型インフルエンザ等にかかった場合の病状の程度その他の必要な情報の報告をしなければならない。
第15条 内閣総理大臣は、前条の報告があったときは、当該報告に係る新型インフルエンザ等にかかった場合の病状の程度が、感染症法第6条第6項第1号に掲げるインフルエンザにかかった場合の病状の程度に比しておおむね同程度以下であると認められる場合を除き、内閣法(昭和22年法律第5号)第12条第4項の規定にかかわらず、閣議にかけて、臨時に内閣に新型インフルエンザ等対策本部(以下「政府対策本部」という。)を設置するものとする。
2 内閣総理大臣は、政府対策本部を置いたときは、当該政府対策本部の名称並びに設置の場所及び期間を国会に報告するとともに、これを公示しなければならない。
第16条 政府対策本部の長は、新型インフルエンザ等対策本部長(以下「政府対策本部長」という。)とし、内閣総理大臣(内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指名する国務大臣)をもって充てる。
2 政府対策本部長は、政府対策本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
3 政府対策本部に、新型インフルエンザ等対策副本部長(以下この条及び第20条第3項において「政府対策副本部長」という。)、新型インフルエンザ等対策本部員(以下この条において「政府対策本部員」という。)その他の職員を置く。
4 政府対策副本部長は、国務大臣をもって充てる。
5 政府対策副本部長は、政府対策本部長を助け、政府対策本部長に事故があるときは、その職務を代理する。政府対策副本部長が2人以上置かれている場合にあっては、あらかじめ政府対策本部長が定めた順序で、その職務を代理する。
6 政府対策本部員は、政府対策本部長及び政府対策副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。この場合において、国務大臣が不在のときは、そのあらかじめ指名する副大臣(内閣官房副長官を含む。)がその職務を代行することができる。
7 政府対策副本部長及び政府対策本部員以外の政府対策本部の職員は、内閣官房の職員、指定行政機関の長(国務大臣を除く。)その他の職員又は関係する指定地方行政機関の長その他の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。
8 新型インフルエンザ等が国内において発生した場合には、政府対策本部に、政府対策本部長の定めるところにより政府対策本部の事務の一部を行う組織として、新型インフルエンザ等現地対策本部(以下この条において「政府現地対策本部」という。)を置くことができる。この場合においては、地方自治法(昭和22年法律第67号)第156条第4項の規定は、適用しない。
9 政府対策本部長は、前項の規定により政府現地対策本部を置いたときは当該政府現地対策本部の名称並びに設置の場所及び期間を、当該政府現地対策本部を廃止したときはその旨を、国会に報告するとともに、これを公示しなければならない。
10 政府現地対策本部に、新型インフルエンザ等現地対策本部長(次項及び第12項において「政府現地対策本部長」という。)及び新型インフルエンザ等現地対策本部員(同項において「政府現地対策本部員」という。)その他の職員を置く。
11 政府現地対策本部長は、政府対策本部長の命を受け、政府現地対策本部の事務を掌理する。
12 政府現地対策本部長及び政府現地対策本部員その他の職員は、政府対策副本部長、政府対策本部員その他の職員のうちから、政府対策本部長が指名する者をもって充てる。
第17条 政府対策本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 指定行政機関、地方公共団体及び指定公共機関が次条第1項に規定する基本的対処方針に基づき実施する新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関すること。
二 第20条第1項、第31条の5及び第33条第1項の規定により政府対策本部長の権限に属する事務
三 前二号に掲げるもののほか、法令の規定によりその権限に属する事務
第18条 政府対策本部は、政府行動計画に基づき、新型インフルエンザ等への基本的な対処の方針(以下「基本的対処方針」という。)を定めるものとする。
2 基本的対処方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 新型インフルエンザ等の発生の状況に関する事実
二 当該新型インフルエンザ等への対処に関する全般的な方針
三 新型インフルエンザ等対策の実施に関する重要事項
3 政府対策本部長は、基本的対処方針を定めたときは、直ちに、これを公示してその周知を図らなければならない。
4 政府対策本部長は、基本的対処方針を定めようとするときは、あらかじめ、第70条の2の新型インフルエンザ等対策推進会議の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、その意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
5 前二項の規定は、基本的対処方針の変更について準用する。
第19条 指定行政機関の長は、政府対策本部が設置されたときは、新型インフルエンザ等対策の実施のため必要な権限の全部又は一部を当該政府対策本部の職員である当該指定行政機関の職員又は当該指定地方行政機関の長若しくはその職員に委任することができる。
2 指定行政機関の長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。
第20条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、基本的対処方針に基づき、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに前条の規定により権限を委任された当該指定行政機関の職員及び当該指定地方行政機関の職員、都道府県の知事その他の執行機関(以下「都道府県知事等」という。)並びに指定公共機関に対し、指定行政機関、都道府県及び指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策に関する総合調整を行うことができる。
2 前項の場合において、当該都道府県知事等及び指定公共機関は、当該都道府県又は指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策に関して政府対策本部長が行う総合調整に関し、政府対策本部長に対して意見を申し出ることができる。
3 政府対策本部長は、第1項の規定による権限の全部又は一部を政府対策副本部長に委任することができる。
4 政府対策本部長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。
第21条 政府対策本部は、第15条第1項に規定する新型インフルエンザ等にかかった場合の病状の程度が、感染症法第6条第6項第1号に掲げるインフルエンザにかかった場合の病状の程度に比しておおむね同程度以下であることが明らかとなったとき、又は感染症法第44条の2第3項の規定による公表がされ、若しくは感染症法第6条第8項若しくは第53条第1項の政令が廃止されたときに、廃止されるものとする。
2 内閣総理大臣は、政府対策本部が廃止されたときは、その旨を国会に報告するとともに、これを公示しなければならない。
第22条 第15条第1項の規定により政府対策本部が設置されたときは、都道府県知事は、都道府県行動計画で定めるところにより、直ちに、都道府県対策本部を設置しなければならない。
2 都道府県対策本部は、当該都道府県及び当該都道府県の区域内の市町村並びに指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関する事務をつかさどる。
第23条 都道府県対策本部の長は、都道府県対策本部長とし、都道府県知事をもって充てる。
2 都道府県対策本部に本部員を置き、次に掲げる者(道府県知事が設置するものにあっては、第4号に掲げる者を除く。)をもって充てる。
一 副知事
二 都道府県教育委員会の教育長
三 警視総監又は道府県警察本部長
四 特別区の消防長
五 前各号に掲げる者のほか、都道府県知事が当該都道府県の職員のうちから任命する者
3 都道府県対策本部に副本部長を置き、前項の本部員のうちから、都道府県知事が指名する。
4 都道府県対策本部長は、必要があると認めるときは、国の職員その他当該都道府県の職員以外の者を都道府県対策本部の会議に出席させることができる。
第24条 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、当該都道府県及び関係市町村並びに関係指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関する総合調整を行うことができる。
2 前項の場合において、関係市町村の長その他の執行機関(第33条第2項において「関係市町村長等」という。)又は関係指定公共機関若しくは指定地方公共機関は、当該関係市町村又は関係指定公共機関若しくは指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関して都道府県対策本部長が行う総合調整に関し、当該都道府県対策本部長に対して意見を申し出ることができる。
3 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し、指定行政機関又は指定公共機関と緊密な連絡を図る必要があると認めるときは、当該連絡を要する事項を所管する指定地方行政機関の長(当該指定地方行政機関がないときは、当該指定行政機関の長)又は当該指定公共機関に対し、その指名する職員を派遣するよう求めることができる。
4 都道府県対策本部長は、特に必要があると認めるときは、政府対策本部長に対し、指定行政機関及び指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策に関する総合調整を行うよう要請することができる。この場合において、政府対策本部長は、必要があると認めるときは、所要の総合調整を行わなければならない。
5 都道府県対策本部長は、第1項の総合調整を行うため必要があると認めるときは、政府対策本部長に対し、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な情報の提供を求めることができる。
6 都道府県対策本部長は、第1項の総合調整を行うため必要があると認めるときは、当該総合調整の関係機関に対し、それぞれ当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施の状況について報告又は資料の提出を求めることができる。
7 都道府県対策本部長は、当該都道府県警察及び当該都道府県の教育委員会に対し、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を実施するため必要な限度において、必要な措置を講ずるよう求めることができる。
8 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、これらの所掌事務に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な要請をすることができる。
9 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、公私の団体又は個人に対し、その区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。
第25条 第21条第1項の規定により政府対策本部が廃止されたときは、都道府県知事は、遅滞なく、都道府県対策本部を廃止するものとする。
第26条 第22条から前条まで及び第33条第2項に規定するもののほか、都道府県対策本部に関し必要な事項は、都道府県の条例で定める。
第27条 指定公共機関又は指定地方公共機関は、その業務に係る新型インフルエンザ等対策を実施するため特に必要があると認めるときは、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は地方公共団体の長に対し、労務、施設、設備又は物資の確保について応援を求めることができる。この場合において、応援を求められた指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。
第28条 政府対策本部長は、医療の提供並びに国民生活及び国民経済の安定を確保するため緊急の必要があると認めるときは、厚生労働大臣に対し、次に掲げる措置を講ずるよう指示することができる。
一 医療の提供の業務又は国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務を行う事業者であって厚生労働大臣の定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けているもの(第3項及び第4項において「登録事業者」という。)のこれらの業務に従事する者(厚生労働大臣の定める基準に該当する者に限る。)並びに新型インフルエンザ等対策の実施に携わる国家公務員に対し、臨時に予防接種を行うこと。
二 新型インフルエンザ等対策の実施に携わる地方公務員に対し、臨時に予防接種を行うよう、当該地方公務員の所属する都道府県又は市町村の長に指示すること。
2 前項の規定による指示をする場合には、政府対策本部長は、予防接種の期間を指定するものとする。
3 厚生労働大臣は、第1項の規定による指示に基づき行う予防接種(以下この条及び第31条において「特定接種」という。)及び同項第1号の登録の実施に関し必要があると認めるときは、官公署に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は登録事業者その他の関係者に対し、必要な事項の報告を求めることができる。
4 厚生労働大臣は、特定接種及び第1項第1号の登録の円滑な実施のため必要があると認めるときは、登録事業者、都道府県知事、市町村長及び各省各庁の長(財政法(昭和22年法律第34号)第20条第2項に規定する各省各庁の長をいう。)に対して、労務又は施設の確保その他の必要な協力を求めることができる。この場合において、協力を求められた登録事業者、都道府県知事及び市町村長は、正当な理由がない限り、協力を拒んではならない。
5 厚生労働大臣が行う特定接種は、予防接種法(昭和23年法律第68号)第6条第1項の規定による予防接種とみなして、同法(第12条第2項、第26条及び第27条を除く。)の規定を適用する。この場合において、同法第7条及び第8条中「市町村長又は都道府県知事」とあり、並びに同法第15条第1項、第18条及び第19条第1項中「市町村長」とあるのは「厚生労働大臣」と、同法第15条第1項中「当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種等」とあるのは「その行う臨時の予防接種」と、「当該定期の予防接種等」とあるのは「当該予防接種」と、同法第25条第1項中「市町村(第6条第1項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあり、及び同条第2項中「市町村」とあるのは「国」とする。
6 都道府県知事が行う特定接種は、予防接種法第6条第1項の規定による予防接種とみなして、同法(第26条及び第27条を除く。)の規定を適用する。この場合において、同法第15条第1項、第18条及び第19条第1項中「市町村長」とあるのは「都道府県知事」と、同法第15条第1項中「当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種等」とあるのは「その行う臨時の予防接種」と、「当該定期の予防接種等」とあるのは「当該予防接種」と、同法第25条第1項中「市町村(第6条第1項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあり、及び同条第2項中「市町村」とあるのは「都道府県」とする。
7 市町村長が行う特定接種は、予防接種法第6条第1項の規定による予防接種とみなして、同法(第26条及び第27条を除く。)の規定を適用する。この場合において、同法第15条第1項中「当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種等」とあるのは「その行う臨時の予防接種」と、「当該定期の予防接種等」とあるのは「当該予防接種」と、同法第25条第1項中「市町村(第6条第1項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあるのは「市町村」とする。
第29条 厚生労働大臣は、外国において新型インフルエンザ等が発生した場合には、発生国(新型インフルエンザ等の発生した外国をいう。以下この項において同じ。)における新型インフルエンザ等の発生及びまん延の状況並びに我が国における検疫所の設備の状況、検疫法(昭和26年法律第201号)第14条第1項第2号に掲げる措置(第5項及び次条第1項において「停留」という。)をされるべき者の増加その他の事情を勘案し、検疫を適切に行うため必要があると認めるときは、検疫港(同法第3条に規定する検疫港をいう。第4項において同じ。)及び検疫飛行場(同法第3条に規定する検疫飛行場をいう。第4項において同じ。)のうち、発生国を発航し、又は発生国に寄航して来航しようとする船舶又は航空機(当該船舶又は航空機の内部に発生国内の地点から乗り込んだ者がいるものに限る。第4項及び次条第2項において「特定船舶等」という。)に係る検疫を行うべきもの(以下この条において「特定検疫港等」という。)を定めることができる。
2 厚生労働大臣は、特定検疫港等を定めようとするときは、国土交通大臣に協議するものとする。
3 厚生労働大臣は、特定検疫港等を定めたときは、遅滞なく、これを告示するものとする。
4 検疫所長は、特定検疫港等以外の検疫港又は検疫飛行場に、特定船舶等が来航したときは、特定検疫港等に回航すべき旨を指示するものとする。
5 特定検疫港等において検疫を行う検疫所長(第71条第1項において「特定検疫所長」という。)は、特定検疫港等において検疫をされるべき者が増加し、停留を行うための施設の不足により停留を行うことが困難であると認められる場合において、検疫を適切に行うため必要があると認めるときであって、病院若しくは診療所若しくは感染症法第44条の3第2項若しくは第50条の2第2項に規定する宿泊施設(特定検疫港等の周辺の区域であって、特定検疫港等からの距離その他の事情を勘案して厚生労働大臣が指定する区域内に存するものに限る。以下この項において「特定病院等」という。)の管理者が正当な理由がないのに検疫法第16条第2項(同法第34条第1項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)若しくは第34条の4第1項の規定による委託を受けず、若しくは同法第16条第2項の同意をしないとき、又は当該特定病院等の管理者の所在が不明であるため同項若しくは同法第34条の4第1項の規定による委託をできず、若しくは同法第16条第2項の同意を求めることができないときは、同項又は同法第34条の4第1項の規定にかかわらず、同法第16条第2項若しくは第34条の4第1項の規定による委託をせず、又は同法第16条第2項の同意を得ないで、当該特定病院等を使用することができる。
6 第2項及び第3項の規定は、特定検疫港等の変更について準用する。
第30条 厚生労働大臣は、前条の規定による措置を講じても停留を行うことが著しく困難であると認められ、新型インフルエンザ等の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することを防止できないおそれがあるときは、政府対策本部長に対し、その旨を報告しなければならない。
2 政府対策本部長は、前項の規定による報告を踏まえ、新型インフルエンザ等の国内における発生を防止し、国民の生命及び健康に対する著しく重大な被害の発生並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため緊急の必要があると認めるときは、国際的な連携を確保しつつ、特定船舶等の運航を行う事業者に対し、当該特定船舶等の来航を制限するよう要請することができる。
3 政府対策本部長は、前項の規定による要請をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。
第31条 都道府県知事は、新型インフルエンザ等の患者又は新型インフルエンザ等にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者(以下「患者等」という。)に対する医療の提供を行うため必要があると認めるときは、医師、看護師その他の政令で定める医療関係者(以下「医療関係者」という。)に対し、その場所及び期間その他の必要な事項を示して、当該患者等に対する医療を行うよう要請することができる。
2 厚生労働大臣及び都道府県知事は、特定接種を行うため必要があると認めるときは、医療関係者に対し、その場所及び期間その他の必要な事項を示して、当該特定接種の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。
3 医療関係者が正当な理由がないのに前二項の規定による要請に応じないときは、厚生労働大臣及び都道府県知事は、患者等に対する医療又は特定接種(以下この条及び第62条第2項において「患者等に対する医療等」という。)を行うため特に必要があると認めるときに限り、当該医療関係者に対し、患者等に対する医療等を行うべきことを指示することができる。この場合においては、前二項の事項を書面で示さなければならない。
4 厚生労働大臣及び都道府県知事は、前三項の規定により医療関係者に患者等に対する医療等を行うことを要請し、又は患者等に対する医療等を行うべきことを指示するときは、当該医療関係者の生命及び健康の確保に関し十分に配慮し、危険が及ばないよう必要な措置を講じなければならない。
5 市町村長は、特定接種を行うため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第2項又は第3項の規定による要請又は指示を行うよう求めることができる。
第31条の2 都道府県知事は、当該都道府県の区域内において病院その他の医療機関が不足し、医療の提供に支障が生ずると認める場合には、その都道府県行動計画で定めるところにより、患者等に対する医療の提供を行うための施設(第4項において「医療施設」という。)であって都道府県知事が臨時に開設するもの(以下この条、次条及び第49条において「臨時の医療施設」という。)において医療を提供しなければならない。
2 都道府県知事は、必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の措置の実施に関する事務の一部を市町村長が行うこととすることができる。
3 消防法(昭和23年法律第186号)第17条第1項及び第2項の規定は、臨時の医療施設については、適用しない。この場合において、都道府県知事は、同法に準拠して、臨時の医療施設についての消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設の設置及び維持に関する基準を定め、その他当該臨時の医療施設における災害を防止し、及び公共の安全を確保するため必要な措置を講じなければならない。
4 建築基準法(昭和25年法律第201号)第85条第1項本文、第3項及び第4項並びに景観法(平成16年法律第110号)第77条第1項、第3項及び第4項の規定は都道府県知事が行う医療施設の応急の修繕及び臨時の医療施設の建築について、建築基準法第87条の3第1項本文、第3項及び第4項の規定は都道府県知事が建築物の用途を変更して臨時の医療施設として使用する場合における当該臨時の医療施設について、それぞれ準用する。この場合において、同法第85条第1項中「非常災害があつた」とあるのは「新型インフルエンザ等対策特別措置法第15条第1項の規定により同項に規定する政府対策本部が設置された」と、「非常災害区域等(非常災害が発生した区域又はこれに隣接する区域で特定行政庁が指定するものをいう。第87条の3第1項において同じ。)」とあるのは「都道府県の区域」と、同項及び同法第87条の3第1項中「その災害が発生した日から1月以内」とあるのは「同法第21条第1項の規定により当該政府対策本部が廃止されるまでの間」と、同項中「非常災害があつた」とあるのは「新型インフルエンザ等対策特別措置法第15条第1項の規定により同項に規定する政府対策本部が設置された」と、「非常災害区域等」とあるのは「都道府県の区域」と、景観法第77条第1項中「非常災害があった」とあるのは「新型インフルエンザ等対策特別措置法第15条第1項の規定により同項に規定する政府対策本部が設置された」と、「その発生した区域又はこれに隣接する区域で市町村長が指定するものの」とあるのは「都道府県の区域」と、「その災害が発生した日から1月以内」とあるのは「同法第21条第1項の規定により当該政府対策本部が廃止されるまでの間」と読み替えるものとする。
5 医療法(昭和23年法律第205号)第4章の規定は、臨時の医療施設については、適用しない。
6 都道府県の区域内において病院を開設した者又は医療法第7条第1項に規定する臨床研修等修了医師及び臨床研修等修了歯科医師でない者で都道府県の区域内において診療所を開設したものが、第15条第1項の規定により同項に規定する政府対策本部が設置された時から第21条第1項の規定により当該政府対策本部が廃止されるまでの間における患者等に対する医療の提供を行うことを目的として、同法第7条第2項の規定による許可を受けなければならない事項の変更をしようとする場合については、当該医療の提供を行う期間(6月以内の期間に限る。)に限り、同項の規定は、適用しない。
7 前項の場合において、同項に規定する者は、当該医療の提供を開始した日から起算して10日以内に、当該病院又は診療所の所在地の都道府県知事(診療所の所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)に当該変更の内容を届け出なければならない。
第31条の3 都道府県知事は、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋又は物資(以下この条、第49条及び第72条第3項において「土地等」という。)を使用する必要があると認めるときは、当該土地等の所有者及び占有者の同意を得て、当該土地等を使用することができる。
第3章の2 新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置
第31条の4 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下この章及び次章において同じ。)が国内で発生し、特定の区域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある当該区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するため、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を集中的に実施する必要があるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるときは、当該事態が発生した旨及び次に掲げる事項を公示するものとする。
一 新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を実施すべき期間
二 新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を実施すべき区域
三 当該事態の概要
2 前項第1号に掲げる期間は、6月を超えてはならない。
3 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等の発生の状況を勘案して第1項第1号に掲げる期間を延長し、又は同項第2号に掲げる区域を変更することが必要であると認めるときは、更に6月を超えない範囲内において当該期間を延長する旨又は当該区域を変更する旨の公示をするものとする。当該延長に係る期間が経過した後において、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
4 政府対策本部長は、第1項の規定による公示をした後、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、同項に規定する事態が終了した旨を公示するものとする。
5 政府対策本部長は、第1項又は第3項の規定による公示をしたときは、基本的対処方針を変更し、第18条第2項第3号に掲げる事項として当該公示の後に必要とされる新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置の実施に関する重要な事項を定めなければならない。
6 都道府県対策本部長は、政府対策本部長に対し、当該都道府県の区域に係る第1項、第3項又は第4項の規定による公示を行うよう要請することができる。
第31条の5 政府対策本部長は、前条第1項に規定する事態において、第20条第1項の総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合であって、新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、都道府県(その区域の全部又は一部が前条第1項第2号に掲げる区域内にある都道府県に限る。以下この章において同じ。)の知事(以下この章において「都道府県知事」という。)に対し、必要な指示をすることができる。この場合においては、第20条第3項及び第4項の規定を準用する。
第31条の6 都道府県知事は、第31条の4第1項に規定する事態において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある同項第2号に掲げる区域(以下この条において「重点区域」という。)における新型インフルエンザ等のまん延を防止するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該都道府県知事が定める期間及び区域において、新型インフルエンザ等の発生の状況についての政令で定める事項を勘案して措置を講ずる必要があると認める業態に属する事業を行う者に対し、営業時間の変更その他国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある重点区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するために必要な措置として政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。
2 都道府県知事は、第31条の4第1項に規定する事態において、当該都道府県の住民に対し、前項の当該都道府県知事が定める期間及び区域において同項の規定による要請に係る営業時間以外の時間に当該業態に属する事業が行われている場所にみだりに出入りしないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。
3 第1項の規定による要請を受けた者が正当な理由がないのに当該要請に応じないときは、都道府県知事は、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある重点区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するため特に必要があると認めるときに限り、当該者に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを命ずることができる。
4 都道府県知事は、第1項若しくは第2項の規定による要請又は前項の規定による命令を行う必要があるか否かを判断するに当たっては、あらかじめ、感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴かなければならない。
5 都道府県知事は、第1項の規定による要請又は第3項の規定による命令をしたときは、その旨を公表することができる。
第4章 新型インフルエンザ等緊急事態措置
第1節 通則
第32条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態(以下「新型インフルエンザ等緊急事態」という。)が発生したと認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(第5項及び第34条第1項において「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」という。)をし、並びにその旨及び当該事項を国会に報告するものとする。
一 新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき期間
二 新型インフルエンザ等緊急事態措置(第46条の規定による措置を除く。)を実施すべき区域
三 新型インフルエンザ等緊急事態の概要
2 前項第1号に掲げる期間は、2年を超えてはならない。
3 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等のまん延の状況並びに国民生活及び国民経済の状況を勘案して第1項第1号に掲げる期間を延長し、又は同項第2号に掲げる区域を変更することが必要であると認めるときは、当該期間を延長する旨又は当該区域を変更する旨の公示をし、及びこれを国会に報告するものとする。
4 前項の規定により延長する期間は、1年を超えてはならない。
5 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態宣言をした後、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、新型インフルエンザ等緊急事態解除宣言(新型インフルエンザ等緊急事態が終了した旨の公示をいう。)をし、及び国会に報告するものとする。
6 政府対策本部長は、第1項又は第3項の公示をしたときは、基本的対処方針を変更し、第18条第2項第3号に掲げる事項として当該公示の後に必要とされる新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に関する重要な事項を定めなければならない。
第33条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、第20条第1項の総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合であって、新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに第19条の規定により権限を委任された当該指定行政機関の職員及び当該指定地方行政機関の職員、都道府県知事等並びに指定公共機関に対し、必要な指示をすることができる。この場合においては、第20条第3項及び第4項の規定を準用する。
2 都道府県対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、第24条第1項の総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合であって、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、関係市町村長等並びに指定公共機関及び指定地方公共機関に対し、必要な指示をすることができる。
第34条 新型インフルエンザ等緊急事態宣言がされたときは、市町村長は、市町村行動計画で定めるところにより、直ちに、市町村対策本部を設置しなければならない。
2 市町村対策本部は、当該市町村が実施する当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関する事務をつかさどる。
第35条 市町村対策本部の長は、市町村対策本部長とし、市町村長をもって充てる。
2 市町村対策本部に本部員を置き、次に掲げる者をもって充てる。
一 副市町村長
二 市町村教育委員会の教育長
三 当該市町村の区域を管轄する消防長又はその指名する消防吏員(消防本部を置かない市町村にあっては、消防団長)
四 前三号に掲げる者のほか、市町村長が当該市町村の職員のうちから任命する者
3 市町村対策本部に副本部長を置き、前項の本部員のうちから、市町村長が指名する。
4 市町村対策本部長は、必要があると認めるときは、国の職員その他当該市町村の職員以外の者を市町村対策本部の会議に出席させることができる。
第36条 市町村対策本部長は、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、当該市町村が実施する当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置に関する総合調整を行うことができる。
2 市町村対策本部長は、特に必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、都道府県並びに指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する新型インフルエンザ等緊急事態措置に関する総合調整を行うよう要請することができる。この場合において、都道府県対策本部長は、必要があると認めるときは、所要の総合調整を行わなければならない。
3 市町村対策本部長は、特に必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、指定行政機関及び指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等緊急事態措置に関する第24条第4項の規定による要請を行うよう求めることができる。
4 市町村対策本部長は、第1項の総合調整を行うため必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に関し必要な情報の提供を求めることができる。
5 市町村対策本部長は、第1項の総合調整を行うため必要があると認めるときは、当該総合調整の関係機関に対し、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施の状況について報告又は資料の提出を求めることができる。
6 市町村対策本部長は、当該市町村の教育委員会に対し、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要な限度において、必要な措置を講ずるよう求めることができる。
7 市町村対策本部長は、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に関し必要な要請をすることができる。
第37条 第25条及び第26条の規定は、市町村対策本部について準用する。この場合において、第25条中「第21条第1項の規定により政府対策本部が廃止された」とあるのは「第32条第5項の公示がされた」と、「都道府県知事」とあるのは「市町村長」と、第26条中「第22条から前条まで及び第33条第2項」とあるのは「第34条から第36条まで及び第37条において読み替えて準用する第25条」と、「都道府県の」とあるのは「市町村の」と読み替えるものとする。
第38条 その区域の全部又は一部が第32条第1項第2号に掲げる区域内にある市町村(以下「特定市町村」という。)の長(以下「特定市町村長」という。)は、新型インフルエンザ等のまん延により特定市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなったと認めるときは、当該特定市町村の属する都道府県(以下「特定都道府県」という。)の知事(以下「特定都道府県知事」という。)に対し、当該特定市町村長が実施すべき当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の全部又は一部の実施を要請することができる。
2 特定都道府県知事は、当該特定都道府県の区域内の特定市町村長から前項の規定による要請を受けたときは、当該特定市町村長が実施すべき当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の全部又は一部を当該特定市町村長に代わって実施しなければならない。
3 特定都道府県知事は、前項の規定により特定市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。
4 第2項の規定による特定都道府県知事の代行に関し必要な事項は、政令で定める。
第39条 特定都道府県の知事その他の執行機関(以下「特定都道府県知事等」という。)は、当該特定都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、他の都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。
2 特定市町村の長その他の執行機関(以下「特定市町村長等」という。)は、当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、他の市町村の長その他の執行機関に対し、応援を求めることができる。
3 前二項の応援に従事する者は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施については、当該応援を求めた特定都道府県知事等又は特定市町村長等の指揮の下に行動するものとする。この場合において、警察官にあっては、当該応援を求めた特定都道府県の公安委員会の管理の下にその職権を行うものとする。
第40条 特定市町村長等は、当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、特定都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。この場合において、応援を求められた特定都道府県知事等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。
第41条 特定市町村は、当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第252条の14及び第252条の15の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その事務又は特定市町村長等の権限に属する事務の一部を他の地方公共団体に委託して、当該他の地方公共団体の長等にこれを管理し、及び執行させることができる。
第42条 特定都道府県知事等又は特定市町村長等は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため必要があるときは、政令で定めるところにより、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定指定公共機関(指定公共機関である行政執行法人(独立行政法人通則法第2条第4項に規定する行政執行法人をいう。)をいう。以下この項及び次条において同じ。)に対し、当該指定行政機関若しくは指定地方行政機関又は特定指定公共機関の職員の派遣を要請することができる。
2 その区域の全部又は一部が第32条第1項第2号に掲げる区域内にある地方公共団体の委員会及び委員は、前項の規定により職員の派遣を要請しようとするときは、あらかじめ、当該地方公共団体の長に協議しなければならない。
3 特定市町村長等が第1項の規定による職員の派遣を要請するときは、特定都道府県知事等を経由してするものとする。ただし、人命の保護のために特に緊急を要する場合については、この限りでない。
第43条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等並びに特定指定公共機関及び特定指定地方公共機関(指定地方公共機関である地方独立行政法人法第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人をいう。)は、前条第1項の規定による要請又は地方自治法第252条の17第1項若しくは地方独立行政法人法第124条第1項の規定による求めがあったときは、その所掌事務又は業務の遂行に著しい支障のない限り、適任と認める職員を派遣しなければならない。
第44条 災害対策基本法第32条の規定は、前条の規定により新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため派遣された職員の身分取扱いについて準用する。この場合において、同法第32条第1項中「災害派遣手当」とあるのは、「新型インフルエンザ等緊急事態派遣手当」と読み替えるものとする。
第2節 まん延の防止に関する措置
第45条 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。
2 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和23年法律第137号)第1条第1項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項及び第72条第2項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。
3 施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを命ずることができる。
4 特定都道府県知事は、第1項若しくは第2項の規定による要請又は前項の規定による命令を行う必要があるか否かを判断するに当たっては、あらかじめ、感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴かなければならない。
5 特定都道府県知事は、第2項の規定による要請又は第3項の規定による命令をしたときは、その旨を公表することができる。
第46条 政府対策本部は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等が国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与え、国民生活及び国民経済の安定が損なわれることのないようにするため緊急の必要があると認めるときは、基本的対処方針を変更し、第18条第2項第3号に掲げる重要事項として、予防接種法第6条第1項の規定による予防接種の対象者及び期間を定めるものとする。
2 前項の規定により予防接種法第6条第1項の規定による予防接種の対象者を定めるに当たっては、新型インフルエンザ等が国民の生命及び健康に及ぼす影響並びに国民生活及び国民経済に及ぼす長期的な影響を考慮するものとする。
3 第1項の規定により基本的対処方針において予防接種法第6条第1項の規定による予防接種の対象者及び期間が定められた場合における同法の規定の適用については、同項中「都道府県知事」とあるのは「市町村長」と、「行い、又は市町村長に行うよう指示する」とあるのは「行う」と、同条第2項中「都道府県知事」とあるのは「都道府県知事を通じ市町村長」と、同法第25条第1項中「市町村(第6条第1項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあるのは「市町村」とする。
4 前項に規定する場合においては、予防接種法第26条及び第27条の規定は、適用しない。
5 市町村長は、第3項の規定により読み替えて適用する予防接種法第6条第1項の規定による予防接種の円滑な実施のため必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び都道府県知事に対して、物資の確保その他の必要な協力を求めることができる。この場合において、協力を求められた指定行政機関の長及び都道府県知事は、正当な理由がない限り、協力を拒んではならない。
6 第31条第2項から第5項までの規定は、第3項の規定により読み替えて適用する予防接種法第6条第1項の規定による予防接種について準用する。この場合において、第31条第2項から第4項までの規定中「厚生労働大臣及び都道府県知事」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。
第3節 医療等の提供体制の確保に関する措置
第47条 病院その他の医療機関又は医薬品等製造販売業者(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第12条第1項の許可(医薬品の製造販売業に係るものに限る。)又は同法第23条の2第1項若しくは第23条の20第1項の許可を受けた者をいう。)、医薬品等製造業者(同法第13条第1項の許可(医薬品の製造業に係るものに限る。)、同法第23条の2の3第1項の登録又は同法第23条の22第1項の許可を受けた者をいう。)若しくは医薬品等販売業者(同法第24条第1項の許可、同法第39条第1項の許可(同項に規定する高度管理医療機器等の販売業に係るものに限る。)又は同法第40条の5第1項の許可を受けた者をいう。第54条第2項において同じ。)である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、医療又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の製造若しくは販売を確保するため必要な措置を講じなければならない。
第48条 削除
第49条 特定都道府県知事が新型インフルエンザ等緊急事態における臨時の医療施設を開設するため土地等を使用する必要があると認める場合において土地等の所有者若しくは占有者が正当な理由がないのに第31条の3の同意をしないとき、又は土地等の所有者若しくは占有者の所在が不明であるため同条の同意を求めることができないときは、特定都道府県知事は、臨時の医療施設を開設するため特に必要があると認めるときに限り、同条の規定にかかわらず、同意を得ないで、当該土地等を使用することができる。
第4節 国民生活及び国民経済の安定に関する措置
第50条 特定都道府県知事又は特定市町村長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に当たって、その備蓄する物資又は資材が不足し、新型インフルエンザ等緊急事態措置を的確かつ迅速に実施することが困難であると認めるときは、特定都道府県知事にあっては指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、特定市町村長にあっては特定都道府県知事に対し、それぞれ必要な物資又は資材の供給について必要な措置を講ずるよう要請することができる。
第51条 指定行政機関の長等は、新型インフルエンザ等緊急事態において、その備蓄する物資及び資材の供給に関し、相互に協力するよう努めなければならない。
第52条 電気事業者(電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第17号に規定する電気事業者をいう。)及びガス事業者(ガス事業法(昭和29年法律第51号)第2条第12項に規定するガス事業者をいう。)である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、電気及びガスを安定的かつ適切に供給するため必要な措置を講じなければならない。
2 水道事業者(水道法(昭和32年法律第177号)第3条第5項に規定する水道事業者をいう。)、水道用水供給事業者(同項に規定する水道用水供給事業者をいう。)及び工業用水道事業者(工業用水道事業法(昭和33年法律第84号)第2条第5項に規定する工業用水道事業者をいう。)である地方公共団体及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその都道府県行動計画、市町村行動計画又は業務計画で定めるところにより、水を安定的かつ適切に供給するため必要な措置を講じなければならない。
第53条 運送事業者である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、旅客及び貨物の運送を適切に実施するため必要な措置を講じなければならない。
2 電気通信事業者(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第5号に規定する電気通信事業者をいう。)である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、通信を確保し、及び新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な通信を優先的に取り扱うため必要な措置を講じなければならない。
3 郵便事業を営む者及び一般信書便事業者(民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者をいう。)である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、郵便及び信書便を確保するため必要な措置を講じなければならない。
第54条 指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため緊急の必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長にあっては運送事業者である指定公共機関に対し、特定都道府県知事にあっては運送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、運送すべき物資並びに運送すべき場所及び期日を示して、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な物資及び資材(第3項において「緊急物資」という。)の運送を要請することができる。
2 指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため緊急の必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長にあっては医薬品等販売業者である指定公共機関に対し、特定都道府県知事にあっては医薬品等販売業者である指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、配送すべき医薬品、医療機器又は再生医療等製品並びに配送すべき場所及び期日を示して、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な医薬品、医療機器又は再生医療等製品の配送を要請することができる。
3 指定公共機関又は指定地方公共機関が正当な理由がないのに前二項の規定による要請に応じないときは、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため特に必要があると認めるときに限り、当該指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、緊急物資の運送又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の配送を行うべきことを指示することができる。この場合においては、前二項の事項を書面で示さなければならない。
第55条 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な物資(医薬品、食品その他の政令で定める物資に限る。)であって生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送を業とする者が取り扱うもの(以下「特定物資」という。)について、その所有者に対し、当該特定物資の売渡しを要請することができる。
2 特定物資の所有者が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため特に必要があると認めるときに限り、当該特定物資を収用することができる。
3 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するに当たり、特定物資を確保するため緊急の必要があると認めるときは、当該特定物資の生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送を業とする者に対し、その取り扱う特定物資の保管を命ずることができる。
4 指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、特定都道府県知事の行う新型インフルエンザ等緊急事態措置を支援するため緊急の必要があると認めるとき、又は特定都道府県知事から要請があったときは、自ら前三項の規定による措置を行うことができる。
第56条 厚生労働大臣は、新型インフルエンザ等緊急事態において、埋葬又は火葬を円滑に行うことが困難となった場合において、公衆衛生上の危害の発生を防止するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の定める期間に限り、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第5条及び第14条に規定する手続の特例を定めることができる。
2 特定都道府県知事は、埋葬又は火葬を行おうとする者が埋葬又は火葬を行うことが困難な場合において、公衆衛生上の危害の発生を防止するため緊急の必要があると認めるときは、厚生労働大臣の定めるところにより、埋葬又は火葬を行わなければならない。
3 特定都道府県知事は、埋葬又は火葬を迅速に行うため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の措置の実施に関する事務の一部を特定市町村長が行うこととすることができる。
第57条 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成8年法律第85号)第2条から第5条まで及び第7条の規定は、新型インフルエンザ等緊急事態(新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延し、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼしている場合に限る。)について準用する。この場合において、同法第2条の見出し中「特定非常災害」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態」と、同条第1項中「非常災害の被害者」とあるのは「新型インフルエンザ等のまん延の影響を受けた者」と、「法人の存立、当該非常災害により相続の承認若しくは放棄をすべきか否かの判断を的確に行うことが困難となった者の保護、」とあるのは「法人の存立若しくは」と、「解決若しくは当該非常災害に係る応急仮設住宅の入居者の居住の安定」とあるのは「解決」と、「特定非常災害として」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態として」と、「特定非常災害が」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態が」と、同項並びに同法第3条第1項、第4条第1項、第5条第1項及び第5項並びに第7条中「特定非常災害発生日」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態発生日」と、同法第2条第2項、第4条第1項及び第2項、第5条第1項並びに第7条中「特定非常災害に」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態に」と、同法第3条第1項及び第3項中「特定非常災害の被害者」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態における新型インフルエンザ等のまん延の影響を受けた者」と読み替えるものとする。
第58条 内閣は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等の急速かつ広範囲なまん延により経済活動が著しく停滞し、かつ、国の経済の秩序を維持し及び公共の福祉を確保するため緊急の必要がある場合において、国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないときは、金銭債務の支払(賃金その他の労働関係に基づく金銭債務の支払及びその支払のためにする銀行その他の金融機関の預金等の支払を除く。)の延期及び権利の保存期間の延長について必要な措置を講ずるため、政令を制定することができる。
2 災害対策基本法第109条第3項から第7項までの規定は、前項の場合について準用する。
第59条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、国民生活との関連性が高い物資若しくは役務又は国民経済上重要な物資若しくは役務の価格の高騰又は供給不足が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、政府行動計画、都道府県行動計画又は市町村行動計画で定めるところにより、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律(昭和48年法律第48号)、国民生活安定緊急措置法(昭和48年法律第121号)、物価統制令(昭和21年勅令第118号)その他法令の規定に基づく措置その他適切な措置を講じなければならない。
第60条 政府関係金融機関その他これに準ずる政令で定める金融機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等緊急事態に関する特別な金融を行い、償還期限又は据置期間の延長、旧債の借換え、必要がある場合における利率の低減その他実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
第61条 日本銀行は、新型インフルエンザ等緊急事態において、その業務計画で定めるところにより、銀行券の発行並びに通貨及び金融の調節を行うとともに、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を通じ、信用秩序の維持に資するため必要な措置を講じなければならない。
第5章 財政上の措置等
第62条 国及び都道府県は、第29条第5項、第31条の3、第49条又は第55条第2項、第3項若しくは第4項(同条第1項に係る部分を除く。)の規定による処分が行われたときは、それぞれ、当該処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。
2 国及び都道府県は、第31条第1項若しくは第2項(第46条第6項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による要請に応じ、又は第31条第3項(第46条第6項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による指示に従って患者等に対する医療等を行う医療関係者に対して、政令で定める基準に従い、その実費を弁償しなければならない。
3 前二項の規定の実施に関し必要な手続は、政令で定める。
第63条 都道府県は、第31条第1項の規定による要請に応じ、又は同条第3項の規定による指示に従って患者等に対する医療の提供を行う医療関係者が、そのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となったときは、政令で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によって受ける損害を補償しなければならない。
2 前項の規定の実施に関し必要な手続は、政令で定める。
第63条の2 国及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等及び新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置が事業者の経営及び国民生活に及ぼす影響を緩和し、国民生活及び国民経済の安定を図るため、当該影響を受けた事業者を支援するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を効果的に講ずるものとする。
2 国及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等が発生したときにおいて医療の提供体制の確保を図るため、新型インフルエンザ等対策に協力する病院その他の医療機関及び医療関係者に対する支援その他の必要な措置を講ずるものとする。
第64条 厚生労働大臣は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、新型インフルエンザ等対策の実施に必要な医薬品その他の物資を無償又は時価よりも低い対価で譲渡し、貸し付け、又は使用させることができる。
第65条 法令に特別の定めがある場合を除き、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置、新型インフルエンザ等緊急事態措置その他この法律の規定に基づいて実施する措置に要する費用は、その実施について責任を有する者が支弁する。
第66条 第38条第2項の規定により特定都道府県知事が特定市町村の新型インフルエンザ等緊急事態措置を代行した場合において、当該特定市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなる前に当該特定市町村の長が実施した新型インフルエンザ等緊急事態措置のために通常要する費用で、当該特定市町村に支弁させることが困難であると認められるものについては、当該特定市町村の属する特定都道府県が支弁する。
第67条 第39条第1項若しくは第2項又は第40条の規定により他の地方公共団体の長等の応援を受けた特定都道府県知事等の属する特定都道府県又は当該応援を受けた特定市町村長等の属する特定市町村は、当該応援に要した費用を支弁しなければならない。
2 前項の場合において、当該応援を受けた特定都道府県知事等の属する特定都道府県又は当該応援を受けた特定市町村長等の属する特定市町村が当該費用を支弁するいとまがないときは、当該特定都道府県又は当該特定市町村は、当該応援をする他の地方公共団体の長等が属する地方公共団体に対し、当該費用を一時的に立て替えて支弁するよう求めることができる。
第68条 都道府県は、都道府県知事が第31条の2第2項又は第56条第3項の規定によりその権限に属する措置の実施に関する事務の一部を市町村長が行うこととしたときは、当該市町村長による当該措置の実施に要する費用を支弁しなければならない。
2 都道府県知事は、第31条の2第2項若しくは第56条第3項の規定によりその権限に属する措置の実施に関する事務の一部を市町村長が行うこととしたとき、又は都道府県が当該措置の実施に要する費用を支弁するいとまがないときは、市町村に当該措置の実施に要する費用を一時的に立て替えて支弁させることができる。
第69条 国は、第65条の規定により都道府県が支弁する第31条の2第1項、第56条第2項、第62条第1項及び第2項並びに第63条第1項に規定する措置に要する費用に対して、政令で定めるところにより、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定める額を負担する。
一 当該費用の総額が、第15条第1項の規定により政府対策本部が設置された年の4月1日の属する会計年度(次号において「当該年度」という。)における当該都道府県の標準税収入(公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和26年法律第97号)第2条第4項に規定する標準税収入をいう。次号において同じ。)の百分の二に相当する額以下の場合 当該費用の総額の百分の五十に相当する額
二 当該費用の総額が当該年度における当該都道府県の標準税収入の百分の二に相当する額を超える場合 イからハまでに掲げる額の合計額
イ 当該費用の総額のうち当該年度における当該都道府県の標準税収入の百分の二の部分の額の百分の五十に相当する額
ロ 当該費用の総額のうち当該年度における当該都道府県の標準税収入の百分の二を超え、百分の四以下の部分の額の百分の八十に相当する額
ハ 当該費用の総額のうち当該年度における当該都道府県の標準税収入の百分の四を超える部分の額の百分の九十に相当する額
2 前項の規定は、第46条第3項の規定により読み替えて適用する予防接種法第25条の規定により市町村が支弁する同項の規定により読み替えて適用する同法第6条第1項の規定による予防接種を行うために要する費用及び当該予防接種に係る同法第15条第1項の規定による給付に要する費用について準用する。この場合において、前項中「当該都道府県」とあるのは「当該市町村」と、「百分の二」とあるのは「百分の一」と、同項第2号中「百分の四」とあるのは「百分の二」と読み替えるものとする。
3 都道府県は、第46条第3項の規定により読み替えて適用する予防接種法第25条の規定により市町村が支弁する費用の額から前項において読み替えて準用する第1項の規定により国が負担する額を控除した額に二分の一を乗じて得た額を負担する。
第70条 国は、前条に定めるもののほか、予防接種の実施その他新型インフルエンザ等緊急事態に対処するために地方公共団体が支弁する費用に対し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
2 国は、前条及び前項に定めるもののほか、新型インフルエンザ等対策に関する地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。
第5章の2 新型インフルエンザ等対策推進会議
第70条の2 新型インフルエンザ等対策の推進を図るため、内閣に、新型インフルエンザ等対策推進会議(以下「会議」という。)を置く。
第70条の3 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 第6条第5項又は第18条第4項の規定により内閣総理大臣又は政府対策本部長に意見を述べること。
二 前号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等対策について調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣又は政府対策本部長に意見を述べること。
第70条の4 会議は、委員35人以内をもって組織する。
第70条の5 委員は、感染症に関して高い識見を有する者その他の学識経験者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
2 委員は、非常勤とする。
第70条の6 会議に、議長を置き、委員の互選により選任する。
2 議長は、会務を総理する。
3 議長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
第70条の7 会議に関する事務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣官房副長官補が掌理する。
第70条の8 会議に係る事項については、内閣法にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
第70条の9 会議は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
2 会議は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
第70条の10 この法律に定めるもののほか、会議に関し必要な事項は、政令で定める。
第6章 雑則
第71条 第29条第5項、第49条並びに第55条第2項、第3項及び第4項(同条第1項に係る部分を除く。)の規定による処分については、特定検疫所長、特定都道府県知事並びに指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、政令で定めるところにより、それぞれ公用令書を交付して行わなければならない。ただし、土地の使用に際して公用令書を交付すべき相手方の所在が不明である場合その他の政令で定める場合にあっては、政令で定めるところにより事後に交付すれば足りる。
2 災害対策基本法第81条第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。
第72条 都道府県知事は、第31条の6第3項の規定の施行に必要な限度において、同条第1項の規定による要請を受けた者に対し、必要な報告を求め、又はその職員に、当該者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 都道府県知事は、第45条第3項の規定の施行に必要な限度において、同条第2項の規定による要請を受けた施設管理者等に対し、必要な報告を求め、又はその職員に、当該要請に係る施設若しくは当該施設管理者等の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
3 都道府県知事又は指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長は、第31条の3若しくは第49条の規定により土地等を使用し、又は第55条第2項若しくは第4項の規定により特定物資を収用し、若しくは同条第3項若しくは第4項の規定により特定物資の保管を命ずるため必要があるときは、その職員に当該土地若しくは家屋又は当該物資若しくは当該特定物資の所在する場所若しくは当該特定物資を保管させる場所に立ち入り、当該土地、家屋、物資又は特定物資の状況を検査させることができる。
4 都道府県知事又は指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長は、第55条第3項又は第4項の規定により特定物資を保管させたときは、当該保管を命じた者に対し必要な報告を求め、又はその職員に当該特定物資を保管させてある場所に立ち入り、当該特定物資の保管の状況を検査させることができる。
5 前各項の規定により都道府県又は指定行政機関若しくは指定地方行政機関の職員が立ち入る場合においては、当該職員は、あらかじめ、その旨をその場所の管理者に通知しなければならない。
6 前項の場合において、その職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
7 第1項から第4項までの規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第73条 この法律(第31条の2第7項を除く。)の適用については、特別区は、市とみなす。
第74条 この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務(都道府県警察が処理することとされているものを除く。)は、地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
第75条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
第7章 罰則
第76条 第55条第3項の規定による特定都道府県知事の命令又は同条第4項の規定による指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長の命令に従わず、特定物資を隠匿し、損壊し、廃棄し、又は搬出した場合には、当該違反行為をした者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第77条 第72条第3項若しくは第4項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした場合には、当該違反行為をした者は、30万円以下の罰金に処する。
第78条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第79条 第45条第3項の規定による命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、30万円以下の過料に処する。
第80条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、20万円以下の過料に処する。
一 第31条の6第3項の規定による命令に違反したとき。
二 第72条第1項若しくは第2項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくはこれらの規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
第1条 この法律は、平成25年4月1日から施行する。ただし、附則第6条及び第19条の規定は、公布の日から施行する。
第19条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第1条、第5条、第7条(消防組織法第15条の改正規定に限る。)、第9条、第10条、第14条(地方独立行政法人法目次の改正規定(「第6章 移行型地方独立行政法人の設立に伴う措置(第59条―第67条)」を「第6章 移行型地方独立行政法人の設立に伴う措置(第59条―第67条)第6章の2 特定地方独立行政法人から一般地方独立行政法人への移行に伴う措置(第67条の2―第67条の7)」に改める部分に限る。)、同法第8条、第55条及び第59条第1項の改正規定並びに同法第6章の次に一章を加える改正規定を除く。)、第15条、第22条(民生委員法第4条の改正規定に限る。)、第36条、第40条(森林法第70条第1項の改正規定に限る。)、第50条(建設業法第25条の2第1項の改正規定に限る。)、第51条、第52条(建築基準法第79条第1項の改正規定に限る。)、第53条、第61条(都市計画法第78条第2項の改正規定に限る。)、第62条、第65条(国土利用計画法第15条第2項の改正規定を除く。)及び第72条の規定並びに次条、附則第3条第2項、第4条、第6条第2項及び第3項、第13条、第14条(地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)第141条の2の次に二条を加える改正規定中第141条の4に係る部分に限る。)、第16条並びに第18条の規定 平成26年4月1日
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
第22条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第64条、第66条及び第102条の規定は、公布の日から施行する。
第100条 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第101条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第102条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第17条の規定 薬事法等の一部を改正する法律(平成25年法律第84号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日
第1条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第14条第2項、第18条及び第30条の規定 公布の日
第28条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
第29条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第30条 附則第3条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第1条 この法律は、令和2年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一~四 略
五 第2条の規定(第3号に掲げる改正規定を除く。)及び第5条の規定並びに附則第12条から第15条まで、第17条、第20条、第21条、第22条(第6項を除く。)、第23条から第25条まで、第27条(附則第24条第1項に係る部分に限る。)、第28条(第5項を除く。)、第29条から第31条まで、第33条、第34条、第36条(附則第22条第1項及び第2項、第23条第1項、第24条第1項、第25条、第28条第1項及び第2項、第29条第1項、第30条第1項及び第31条に係る部分に限る。)、第37条、第38条、第41条(第4項を除く。)、第42条、第43条、第45条(第4号から第6号までに係る部分に限る。)、第46条(附則第43条及び第45条(第4号から第6号までに係る部分に限る。)に係る部分に限る。)、第47条、第48条及び第75条の規定、附則第77条中地方税法(昭和25年法律第226号)第349条の3第3項及び第701条の34第3項第17号の改正規定、附則第78条第1項から第6項まで及び第79条から第82条までの規定、附則第83条中法人税法(昭和40年法律第34号)第45条第1項の改正規定(同項第2号に係る部分に限る。)、附則第85条中登録免許税法別表第一第101号の改正規定及び同表第104号(八)の改正規定、附則第87条の規定、附則第88条中電源開発促進税法(昭和49年法律第79号)第2条第3号イの改正規定(「発電量調整供給」を「電力量調整供給」に改める部分に限る。)並びに附則第90条から第95条まで及び第97条の規定 公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
この法律は、公布の日の翌日から施行する。
第1条 この法律は、令和4年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中電気事業法目次の改正規定(「電気事業者」を「電気事業者等の」に、「供給命令等」を「災害等への対応」に、「第33条」を「第34条」に、「第34条」を「第34条の2」に改める部分に限る。)、同法第26条の次に二条を加える改正規定、同法第27条第1項の改正規定、同法第27条の12の改正規定、同法第27条の26第1項の改正規定、同法第27条の29の改正規定、同法第2章第7節第1款の款名の改正規定、同法第28条の改正規定、同法第28条の40第5号の改正規定、同節第5款の款名の改正規定、同法第31条の前に見出しを付する改正規定、同節第6款中第34条を第34条の2とする改正規定、同節第5款に一条を加える改正規定、同法第119条第9号の改正規定及び同法第120条第4号の改正規定、第5条の規定(第3号に掲げる改正規定を除く。)並びに第6条中電気事業法等の一部を改正する法律附則第16条第4項の改正規定(「第66条の11」を「第66条の10」に改める部分に限る。)及び同法附則第23条第3項の改正規定並びに附則第6条、第7条、第9条から第12条まで及び第28条の規定 公布の日
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
第1条 略
第2条 この法律の施行の際現に新型インフルエンザ等対策特別措置法第6条第1項に規定する政府行動計画、同法第7条第1項に規定する都道府県行動計画、同法第8条第1項に規定する市町村行動計画及び同法第9条第1項に規定する業務計画(以下この項において「行動計画等」という。)に定められている第1条の規定による改正前の新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「旧特措法」という。)附則第1条の2第1項に規定する新型コロナウイルス感染症に関する事項(同条第3項の規定により行動計画等に定められているものとみなされた事項を含む。)は、第1条の規定による改正後の新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「新特措法」という。)第2条第1号に規定する新型インフルエンザ等に関する事項として行動計画等に定められているものとみなす。
2 旧特措法附則第1条の2第1項に規定する新型コロナウイルス感染症に係る同条第2項の規定により読み替えられた旧特措法第14条の規定により行われた報告は、新特措法第14条の規定により行われた報告とみなす。
3 この法律の施行の際現に設置されている旧特措法第15条第1項に規定する政府対策本部は、新特措法第15条第1項の規定により設置されているものとみなす。
4 この法律の施行の日(以下この条及び次条において「施行日」という。)前に旧特措法第32条第1項の規定によりされた同項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態宣言(当該新型インフルエンザ等緊急事態宣言について、施行日前に同条第3項の規定により同条第1項第1号に掲げる期間が延長され、又は同項第2号に掲げる区域が変更された場合を含み、施行日前に同条第5項の規定により同項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態解除宣言がされた場合を除く。次項において単に「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」という。)は、新特措法第32条第1項の規定によりされたものとみなす。
5 前項の規定により新特措法第32条第1項の規定によりされたものとみなされる新型インフルエンザ等緊急事態宣言のうち、施行日前に旧特措法第32条第3項の規定により同条第1項第1号に掲げる期間が延長されたものについての新特措法第32条第4項の延長する期間の算定については、施行日前に旧特措法第32条第3項の規定による当該延長が行われる前の同条第1項第1号に掲げる期間の最終日の翌日から起算するものとする。
6 第1項から第4項までに規定するもののほか、施行日前に実施された旧特措法第18条第1項の規定による基本的対処方針の策定又は変更、旧特措法第45条第1項又は第2項の規定による要請その他の旧特措法により実施された措置で、新特措法中相当する規定があるものは、新特措法により実施されたものとみなす。
7 新特措法第45条第3項の規定は、施行日以後に行われる同条第2項の規定による要請(前項の規定により新特措法により実施されたものとみなされるものを除く。)について適用する。
8 施行日前に生じた事由に係る旧特措法第69条の規定による国、都道府県及び市町村の負担については、なお従前の例による。
第4条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。